1 原則その1~ジュニアNISA口座で教育資金を運用してはいけない
教育資金は、子供が進学する一定の時期に一定の金額を絶対に用意しなければならないものです。
したがって、私は、教育資金を元本割れのリスクのあるリスク資産で運用してはならないと考えます。子供がまだ小さく、大学入学まで10年や15年あるから大丈夫と思ってはいけません。子供の未来は賭金にするにはあまりに重すぎます。高い確率で元本割れはしないとは思いますが、子供が進学する年に株価が大暴落したら全てが終わりです。
親が子供にしてやれる最大のプレゼントは子供が望む限りの最高の教育を受けさせてあげることだと私は考えています。
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-28.html#more上記記事でお伝えしたとおり、ジュニアNISA制度は、あくまで相続税を節税しながら子供に投資教育を施すためのツールに過ぎず、教育資金を確保するためのものではありません。
繰り返しますが、教育資金は元本が保証された無リスク資産で確保すべきです。
ところで、教育資金を確保する方法ですが、私は、学資保険がもっとも優れていると考えます。
学資保険の最大のメリットは生命保険代わりになるという点です。
子供が学資保険金を受け取る前に契約者が死亡したときは、それ以降の掛金を一切支払わなくても学資保険金が満額下ります。
私が掛けている学資保険を記載しますが、返戻金が有利な保険会社は毎年異なるため、その時点で最も有利な保険会社を選択すべきです。
・ 長男(掛金は年36万6279円)
(1)アフラック 250万円(18歳100万円、19歳~21歳は各50万円)
(2)ソニー生命 230万円(18歳)
・ 次男(掛金は年58万4800円)
ニッセイ 1200万円(18歳400万円、19歳~22歳は各200万円)
次男の金額が多いのは次の理由です。
(1)長男が生まれた際、アフラックの学資保険を契約。17歳まで払うよりも10歳までに払い込んだ方がトータルの掛金が安かったので得だと思ってしまい、10歳まで払込みを選択する。
(2)その後、250万円では少ないと考え、ソニー生命も契約する。アフラックと同じ契約にすると、長男が11歳以降に私が死んだら意味がないことに気付き、17歳まで払う契約にする。
(3)次男が生まれる前(学資保険は生まれる前から契約できます)に1200万円の学資保険を契約する。
その際、長男分もついでに増やそうと思って保険金受領時の税金について調べると、一時所得になることに気付く。課税所得は学資保険金そのものではなく、学資保険金からこれまでの掛金全額+50万円を差し引いた金額の2分の1であることからまず課税されることはなさそうだったが、あまり多額になるのも嫌に感じた。
また、この時点の子供2人分の学資保険の掛金を計算すると年間95万円になったことから、これ以上の学資保険を掛ける意欲がなくなった。
2人分で1700万円ですから、私が途中で死んでも学費に困ることはないかなと思っています。
2 原則その2~子供NISAより自分のNISAを優先すべき
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-27.html#more上記記事でお伝えしましたが、ジュニアNISAは子供が18歳になるまで引き出すことができませんし、ジュニアNISA口座にあなたの金を入れた瞬間に子供に贈与したものと扱われます。
したがって、極論を言えば、あなたが死亡したときの財産が相続税の基礎控除(基礎控除は3000万円+法定相続人の人数×600万円。質問者のケースで言うと、妻が生きているとして5400万円)以内に収まりそうであれば、あえてジュニアNISAをする必要はないといえます。
3 原則3~子供NISAも分散が基本
子供NISAは、教育資金を十分に確保した上で、死亡時に基礎控除以上の財産が残りそうだから節税したいという人が初めて検討すべき制度です。
そのため、普通の人は、
(1)1年間にリスク資産に投資できる金額を決め、それを12等分して1か月の投資金額を決める。
(2)まずはNISA口座に毎月10万円ずつ積み立てる。
※ NISA口座では複数日積立設定ができないことから、毎月1回の自動積立てで妥協するか、ゴトウビ(毎月5日、10日、15日、20日、25日、30日)にログインしてスポット購入するかを決めること。
(3)10万円を超えた金額は「特定口座源泉徴収あり」で積み立てる。お勧めは、これを6等分して、マネックス証券でゴトウビ積立てをすること。
とすべきです。
なお、ジュニアNISA口座の購入方法もNISA口座と同じです。
ゴトウビに分散させるのが理想ですが、毎月6回、定期的にログインできなさそうであれば毎月1回15日にその月の分を全額購入するように自動積立設定をし、あとはそのまま放置すれば良いと思います。
4 原則4~暴落時のスポット購入はやめるべき
暴落時に
VTを200万円購入してみたいということですが、やめた方が良いです。
理由は2つあります。
(1)理由その1~タイミング投資は難しい
人間には欲があります。底値で買って高値で買いたいと誰もが思います。
しかし、底値とは市場参加者のほぼ全てが悲観し、「幾らでもいいから売りたい。明日はもっと値が下がるだろう」と思っているときであり、高値とは市場参加者のほぼ全てが楽観し、「幾らでもいいから買いたい。明日はもっと値が上がるだろう」と思っているときです。プロも同じ意見を出しています。
そのようなときに、プロを含めたみんなと逆の行動をすることは無理です。
しかも、底値は後から振り返るから今が底値だということが分かるのであって、その瞬間の相場の現場で底値かどうかを判断することなどできません。
落ちるナイフは落ち切って床に刺さってから抜けばけがはしませんが、落ちている途中で触ると大けがをします。
タイミング投資が難しいのは、ナイフが落ちている途中なのか既に床に刺さった状態なのかが誰にも分からないからです。
(2)理由その2~分配金が面倒
VTを200万円買うと、毎年3万円前後の分配金が米ドルで交付されます。
米ドルですから日本円に戻すと手数料が取られますし、かといってそのまま
VTを購入したのでは購入手数料が掛かりすぎます(SBI証券や楽天証券だと1約定25ドル掛かるので論外ですが、マネックス証券でも500円掛かります。これは3万円の1.7%です)。
という理由で、私は、暴落時のスポット買いはやめた方が良いと思います。
やるとしたら、以前からお伝えしているとおり、保有している
たわら先進国株の平均取得価額の含み損が-5%を超えたときに、毎日1万円の積立額を2万円とか3万円に増やすという方法にすべきです。
この方法であれば、底値圏で購入することができますし、大底を買い逃すこともありません。
大底の手前で全力買いしてその後の含み損に気を揉むこともありませんし、もっと下がってから買おうと思って値が元に戻って買い場を逃すこともありません。
5 まとめ
ということで、おそらく求められた内容とは異なりますが、私の回答でした。
子供がいる以上、リスク資産への投資をするのであれば、少なくとも1人当たり1000万円の教育資金を用意してからにすべきですし、子供NISAは相続税対策(付随的な効果として子供の投資教育)に過ぎないと割り切るのが良いと思います。
コメント
No title
現在、学資保険には長女長男20歳400万円ずつ入っており解約して、たわら購入額を増やそうと考えていたところでした。
質問して正解でした。
学資保険は解約ではなく次男の分まで増やすこととします。
ジュニアNISA口座は一旦保留とし
現在のSBIのNISA口座の毎月10万円は継続し
マネックス証券のゴトウビに18万円を6等分して積み立てようとおもいます。
あと自宅購入資金もためなくてはいけないのですがこちらは住宅ローンの頭金です。
期間はあと1年の予定ですので現状のまま普通預金でいいかと考えております。
VTはやめておきます。
以前に個別銘柄や為替でかなり酷いことになった経験があり繰り返す恐れもありますので、たわら一本にしておきます。
たわら男さまご教示ありがとうございます。
今後もいろいろと参考にさせて頂きますので
ブログ更新頑張ってください。
チーズボックス美味しかったですよ。
2016/05/21 08:15 by たわら初心者 URL 編集
No title
なお、私はやったことがないので実感がないのですが、働いているのであれば、SBI証券の確定拠出年金でニッセイの先進国株を買うのがもっとも節税になるはずです。
ただし、
(1)一度加入すると途中解約できず、
(2)投資金額にかかわらず年間約2000円の口座維持手数料が必ず掛かり、
(3)現在凍結中であるものの、保有残高に対して特別法人税(1.173%)が掛かる可能性があります。
また、(4)早期引退すると確実に損します。
私には縁がない制度であることから詳細には分析していませんので、はっきりとした結論は分かりません。
ご自身で良く検討されてください。
2016/05/21 08:29 by たわら男 URL 編集