バンガード社が全世界債券ETFを新規設定

バンガード社といえば、全世界の株式に投資するETFである「VT」が有名です。
このVTは、1本のETFで全世界の大中小株に投資することができるもので、経費率(信託報酬+諸経費)は驚きの0.10%です。

バンガード社が楽天と提携し、このVTを買うだけファンドとして「楽天全世界株」を新規設定したところ、わずか8か月で80億円以上の純資産額を集める大人気ファンドとなりました。

しかし、バンガード社には、これまで全世界株ETFはあっても全世界債券ETFはありませんでした。
そのため、楽天証券がiDeCoのデフォルトファンド(顧客が運用ファンドを指定しないとき、自動的に運用先として設定されるもの)として「楽天・インデックス・バランス」を新規設定したときも、投資先として、株式部分はVTですが、債券部分はアイルランド籍のインデックスファンドにしていました。

●楽天・インデックス・バランスが登場
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-888.html

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しかし、バンガード社がようやく「これ1本で全世界の債券に投資することができるETF」を新規設定します。

ソースは下記記事です。
https://jp.reuters.com/article/etf-vanguard-breakingviews-idJPKCN1IQ0B9
バンガードが提案したトータル・ワールド・ボンドETFは、証券を直接買うのではなく、同社の既存の2本のETFに資金を振り向ける。
1つは米国で投資適格基準を満たしている国債、機関債、社債が対象、もう1つは同じ格付けの外国証券専門に投資するETFだ。
世界の債券市場への投資を1本のファンドにまとめるので、さまざまな種類の債券を一括購入したい個人投資家にアピールできる。
さらに手数料率を大型の株式ETFとは違って0.1%未満に抑えることで、機関投資家にも有利な運用手段を提供する形になる。
このバンガード・トータル・ワールド・ボンドETFは第3・四半期中に始動する見通しで、バンガードの既存の2本のETFに直接投資する。具体的にはバンガード・トータル・ボンド・マーケットETF(BND.P)とバンガード・トータル・インターナショナル・ボンドETF(BNDX.O)。


要するに、ゼロから新たなETFを立ち上げるのではなく、既存の2本のETFを買うだけETFを作るということですね。
この2本のETFは定番ETFですから、新たな全世界債券ETFの運用の信頼性も担保されています。

さて、ここで確認すべき事実があります。
それは、これまでの楽天バンガードファンドシリーズは全て株式ファンドであり、債券ファンドは1つもないということです。

バンガードジャパンによれば、VTを買うのは日本人であり、アメリカ人はVTを買いません。
そうすると、この新ETFの潜在的顧客層も日本人であるということになります。
そこで、バンガード社は、楽天バンガードファンドシリーズにこの新ETFを買うだけファンドを追加する可能性があると考えます。

ただし、株式ファンドと同じ信託報酬(税込0.1296%)では売れないでしょう。

新ETFの経費率は、上記記事によれば0.1%未満に抑えるとのことですが、BNDの経費率が0.05%、BNDXの経費率が0.11%ですから、これらを60:40で組み合わせたときの経費率は0.074%になります。
そのため、新ETFの経費率は0.08~0.09%となるものと思われます。

この新ETFの経費率に楽天バンガードファンドの経費率0.1296%を足したときの実質的な信託報酬は0.2096~0.2196%となってしまいます。
これでは、債券ファンドとしては割高であり、競争力がありません。

そこで、VTを15%、アイルランド籍の債券インデックスファンド85%を組み合わせた楽天・インデックス・バランスの信託報酬0.0648%と同額にすれば、実質的な信託報酬を0.1448~0.1548%にすることができ、一転して競争力が生まれるでしょう。

私は、リスク資産では債券を保有せず(リスク資産は株100%)、その代わりに無リスク資産を多めに保有することでバランスをとるべきだと考えています。
そのため、債券ファンドや債券ETFには魅力を感じませんが、株50:債券50の配分比のセゾングローバルバランスファンドの純資産額は約1600億円であり、非常な人気があります。
そこで、VTとこの新ETFを半々ずつ買うだけファンドを作ればセゾングローバルバランスファンドの顧客を奪うことができるでしょう。

そして、セゾングローバルバランスファンドは、「VTとこの新ETFだけ買えばいいのに、アイルランド籍のファンドを買うのはなぜ?」(高い信託報酬の正当化根拠にするため以外の理由はあるの?)という素朴な疑問に対する合理的な回答を迫られることになることでしょう。


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コメント

No title

>アメリカ人はVTを買いません。

どのような理由でしょうか?

No title

コメントありがとうございます。

下記記事をご覧ください。
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-905.html#more
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たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
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ブログ開始日 2016年3月1日

●リスク資産(6割)は「たわら先進国株」(楽天証券)とVT(SBI証券)をほぼ50:50でホールド中。
●つみたてNISA(SBI証券)では「たわら先進国株」を年初一括40万円購入。
●楽天カード投資(毎月1日)では「たわら先進国株」を毎月5万円購入(+特定口座で11日と21日に各5万円ずつ積立買付中)。
●SBI証券で「インデックスマラソン」の毎営業日100円投資を実行中。

●無リスク資産(4割)は、個人向け国債変動10(みずほ証券、SMBC日興証券)と楽天銀行(金利0.1%)。

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