たわら新興国株からスリム新興国株に乗り換えるべきタイミング

数日前に、

たわら先進国株からスリム先進国株に乗り換えるべきか
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-874.html
●eMAXIS新興国株からeMAXIS Slim新興国株に乗り換えるべきか
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-880.html

という記事を書きました。

前者は、信託報酬0.216%から0.11826%への乗り換えのため、乗り換えるべきタイミングは含み益が1割を切った時点であり、後者は、信託報酬0.648%から0.2052%への乗り換えのため、乗り換えるべきタイミングは含み益が5割を切って4割に近づいた時点という結論になりました。

すなわち、乗り換えによって削減できるコスト差が少なければ少ないほど、含み益に対する譲渡所得税相当額の運用益を失うダメージが大きくなることから、含み益が減らない段階で売却を伴う乗り換えをすると損をします。

広告

ご質問をいただきました。


こんにちは。いつも勉強させていただいてます。
もし、お時間がありましたら、同じシリーズで、たわら新興国->スリム新興国株の乗り換えも検討いただけませんか??私が、最近考えてるってだけなのですが。。。
よろしくお願いいたします。


まず、たわら新興国株とスリム新興国株の信託報酬(税込)を比較します。

たわら新興国株 0.3672%(信託財産留保額0.3%)
●イーマクシススリム新興国株 0.2052%
●差額 0.162%

イーマクシス新興国株とスリム新興国株のコスト差は0.4428%もありましたが、今回は0.162%しかありません。

たわら新興国株を1300万円保有しており、そのうち投資元本が1000万円、含み益が300万円のケースで考えてみます。
このとき、たわら新興国株を売却し、その代金全額でスリム新興国株を購入したとすると、

たわら新興国株 1300万円(うち投資元本1000万円、含み益300万円)

(信託財産留保額3万9000円、含み益296万1000円×20.315%=60万1527円が譲渡所得税として徴収される)

スリム新興国株 1235万9473円(投資元本も同額)

となります。

このように、売却を伴う乗り換えによってリスク資産の総額が減ることになります。
その結果、減った金額(譲渡所得税相当額)が生むはずだったリターンを得ることができなくなります。

他方で、売却を伴う乗り換えによって、1235万9473円×0.162%=2万0022円のコスト削減効果を得ることができます。

そのため、売却を伴う乗り換えの判断基準は、コスト差2万0022円が64万0527円の運用益を上回るかどうかということになります。

具体的に計算してみます。

2万0022円÷64万0527円=3.1258%

このように、譲渡所得税相当額が年3.12%以上の利益をあげると想定するのであれば、売却を伴う乗り換えをして譲渡所得税相当額を失わないほうが得をするという結論になります。
一般に、新興国株の期待リターンは年6.5%ですから、含み益が3割のケースでは、たわら新興国株は売却しないで保有を継続し、スリム新興国株は新規買付分だけにしたほうが得です。

期待リターンについては、こちらをご覧ください。
●72の法則と115の法則
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-686.html


一般化してみます。

64万0527円の6.5%は4万1634円です。
4万1634円÷1235万9473円=0.33685%ですので、コスト差が0.33685%を超えるのであれば売却を伴う乗り換えをしたほうが得という結論になります。

スリム新興国株の信託報酬は税込0.2052%ですから、信託報酬が税込0.54205%(税抜0.5%)を超えるファンドであれば売却を伴う乗り換えを検討したほうがよいことになります(含み益が3割の場合)。

以上のことから、含み益が3割のときは、たわら新興国株は売却しないで保有を継続し、スリム新興国株は新規買付分だけにしたほうがよいことが分かりました。


つぎに、含み益が2割のときを検討します。


●含み益が2割のとき

たわら新興国株 1200万円(うち投資元本1000万円、含み益200万円)

(信託財産留保額3万6000円のほか、含み益196万4000円×20.315%=39万8986円が譲渡所得税として徴収される)

スリム新興国株 1156万5014円(投資元本も同額)

売却を伴う乗り換えによるコスト削減効果は、1156万5014円×0.162%=1万8735円

1万8735円÷43万4986円=4.307%

このように、譲渡所得税相当額が年4.3%以上の利益をあげると想定するのであれば、売却を伴う乗り換えをして譲渡所得税相当額を失わないほうが得をするという結論になります。
一般に、新興国株の期待リターンは年6.5%ですから、含み益が2割のケースでは、たわら新興国株は売却しないで保有を継続し、スリム新興国株は新規買付分だけにしたほうが得です。


一般化してみます。

43万4986円の6.5%は2万8274円です。
2万8274円÷1156万5014円=0.24447%ですので、コスト差が0.24447%を超えるのであれば売却を伴う乗り換えをしたほうが得という結論になります。

スリム新興国株の信託報酬は税込0.2052%ですから、信託報酬が税込0.44967%(税抜0.415%)を超えるファンドであれば売却を伴う乗り換えを検討したほうがよいことになります(含み益が2割の場合)。

以上のことから、含み益が2割のときであっても、たわら新興国株は売却しないで保有を継続し、スリム新興国株は新規買付分だけにしたほうがよいことが分かりました。


つぎに、含み益が1割のときを検討します。


●含み益が1割のとき

たわら新興国株 1100万円(うち投資元本1000万円、含み益100万円)

(信託財産留保額3万3000円のほか、含み益96万7000円×20.315%=19万6446円が譲渡所得税として徴収される)

スリム新興国株 1077万0554円(投資元本も同額)

売却を伴う乗り換えによるコスト削減効果は、1077万0554円×0.162%=1万7448円

1万7448円÷22万9446円=7.6044%

このように、譲渡所得税相当額が年7.6%以上の利益をあげると想定するのであれば、売却を伴う乗り換えをして譲渡所得税相当額を失わないほうが得をするという結論になります。
一般に、新興国株の期待リターンは年6.5%ですから、含み益が1割のケースでは、たわら新興国株は売却し、その代金でスリム新興国株を購入したほうが得です。


一般化してみます。

22万9446円の6.5%は1万4913円です。
1万4913円÷1077万0554円=0.13846%ですので、コスト差が0.13846%を超えるのであれば売却を伴う乗り換えをしたほうが得という結論になります。

スリム新興国株の信託報酬は税込0.2052%ですから、信託報酬が税込0.34366%(税抜0.317%)を超えるファンドであれば売却を伴う乗り換えを検討したほうがよいことになります(含み益が1割の場合)。


まとめます。

たわら新興国株を売却してスリム新興国株に乗り換える場合、たわら新興国株の含み益が2割のときにすると損をし、1割のときにすると得をしますので、たわら新興国株の含み益が1割程度になるまで待つべきです。

これを一般化すると、

●信託報酬が税抜0.5%を超えるファンドであれば、含み益が3割のときに売却してスリム新興国株に乗り換えても得をする
●信託報酬が税抜0.415%を超えるファンドであれば、含み益が2割のときに売却してスリム新興国株に乗り換えても得をする
●信託報酬が税抜0.317%を超えるファンドであれば、含み益が1割のときに売却してスリム新興国株に乗り換えても得をする

ということになります(厳密には、信託報酬差ではなくトータルリターン差で計算する必要があります)。


広告

コメント

No title

ありがとうございました!

信託財産留保があるので、スリム新興国の場合よりも、乗り換えない方がいい領域が広がるだろうと思ってたのですが、そもそものコスト差が小さいのでしたね。。。
お手数をおかけしました。

ありがとうございました!!!!

No title

参考にしていただけたようで、よかったです。
また何かあればコメントいただければと思います。
非公開コメント

広告

プロフィール

たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

●リスク資産(6割)は、たわら先進国株(楽天証券)とVT(SBI証券)をほぼ50:50でホールド中。
●つみたてNISA(SBI証券)はeMAXIS Slim先進国株を年初一括40万円購入。
●楽天カード投資はeMAXIS Slim先進国株を毎月5万円購入(+特定口座で4万円×4回=毎月16万円の積立買付中)。
●SBI証券で「インデックスマラソン」の毎営業日100円投資を実行中。

●無リスク資産(4割)は、個人向け国債変動10(みずほ証券、大和証券、SMBC日興証券)と楽天銀行(金利0.1%)。

パソコン版右端の「ブログ記事検索」と「カテゴリ」が便利です。

●「誰でもできる超簡単ほったらかし投資」(カテゴリ「【公開】誰でもできる究極の投資」)はこのブログの全エッセンスを1記事に凝縮したものです。
●カテゴリ「この投資信託がすごい」では、ベストバイファンドの具体名を明示しています。
●カテゴリ「インデックスファンドの基礎知識」を読めば、誰でも簡単に投資信託の必須知識を得ることができます。

新着記事通知用のツイッターアカウントはこちら。
https://twitter.com/tawaradanshaku

インデックス投資家必読の書

ブログ記事検索

他の投信ブログはこちら

管理