回答
スリムシリーズでは、ベビーファンドは指数利用料を負担しておらず、マザーファンドだけが負担し、その後にマザーファンドを構成するベビーファンドの規模に応じた負担割合によって各ベビーファンドに割り付けられる。
そのため、例えば、スリム全世界株(3地域均等型)を買っても、スリム先進国株、新興国株、TOPIXを3分の1ずつ買って自作しても、両者の指数利用料は全く同額となる。
ところで、指数利用料については、下記記事が詳しいです。
●MSCI勉強会に参加 指数のライセンスフィーの仕組みを詳しく聞いてきました
http://longinv.blog103.fc2.com/blog-entry-2287.html#more上記記事によれば、
(1)ライセンスフィーには2種類ある
(2)月報や運用報告書に指数情報を掲載するための利用料は固定額であり、数百万円程度
(3)
インデックスファンドのベンチマークとして指数を利用するための利用料は一定の割合であり、0.03~0.05%程度。ファンドの信託報酬が安ければ安い率で済む
ということです。
そこで、スリムシリーズも数百万程度の指数情報の利用料を負担しているのではないかと聞いてみました。
この質問の趣旨は、スリム全世界株(3地域均等型)であれば、3種類の指数を合成しているため、数百万円×3種類分の指数情報利用料がかかったのでは大変だという点です。
しかし、三菱UFJ国際
投信によれば、指数利用料を負担するのはマザーファンドだけ(ベビーファンドはあくまでもマザーファンドを通じて間接的に負担するだけ)であり、しかもその額は微々たるものであり全く気にする必要はないということでした。
各ベビーファンドが負担する指数利用料の割付額は、運用報告書の「その他費用」の「その他」に記載しているものの、微々たる金額のため、運用報告書の記載上はほぼゼロになるということでした。
一応、念のため、イーマクシス先進国株の運用報告書を確認してみました。
「その他費用」の「その他」には「0」円と記載されていました。
これは1万口あたりの費用明細であり、期中の平均基準価額は24170円ですから、イーマクシス先進国株が負担する指数利用料は0.004%以下となります(24170円で1円の指数利用料を負担したとき。実際は0円ですから、これより少なくなります)。
指数利用料は指数の提供会社(MSCI社)と各運用会社との個別協議によって決まりますが、少なくともスリムシリーズが負担する指数利用料は極めて低廉です(0.004%未満)。
というわけで、
●スリムシリーズは、指数をMSCIからFTSEに変更すべし
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-859.html#moreと書いたものの、指数変更による実質コストの低減効果は余り期待できなさそうですので、スリムシリーズは今のまま頑張ってほしいと思います。
コメント
No title
各社のETFで明らかにされているように、指数の使用料が通常は資産額の0.03%程度なのに、マザーファンドでは0.004%未満になるというのも変な話です。
10分の1にディスカウントするというようなことがあり得るのか・・・?
とはいえ、とりあえず指数の使用料は微々たるものでほぼ気にする必要がないことがわかり安心しました。
2018/04/17 20:56 by binboinvest URL 編集
これは事実に基づいた誰も知り得ていなかったであろう内容なのでかなりの良記事ですね。
ここまでマニアックに事実を追求して頂くのは日本のインデックス投資の世界においても間違いなくプラスだと思いますので引き続き宜しくお願いします。
2018/04/18 01:09 by あば◯るさん URL 編集
No title
>各社のETFで明らかにされているように、指数の使用料が通常は資産額の0.03%程度なのに、マザーファンドでは0.004%未満になるというのも変な話です。
ETFと投資信託とで取扱いが異なるのかもしれませんね。
あるいはマザーファンドのスケールメリットを理由としたディスカウントがなされているとかでしょうか。
>ここまでマニアックに事実を追求して頂くのは日本のインデックス投資の世界においても間違いなくプラスだと思いますので引き続き宜しくお願いします。
ありがとうございます。
頑張ります。
2018/04/18 10:34 by たわら男爵 URL 編集