今の相場で不動心を養おう

投資用語のリスクとは、ブレ幅のことだと説明されます。

これを大胆にかみ砕くと、儲かる確率と同じ確率だけ損をする可能性があるということになります。

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ご質問をいただきました。


私の勤務先には給与天引きの積立て制度があり、私はこれを利用して一定額を毎月年利0.25%で積み立てています。
現在、毎月の給与の約40%強をこの積立て貯蓄に割り当てているのですが、この金額(の割合)が妥当なものかどうか、いまいち迷いながら積み立てを続けています。(とくに、積立額を減らし、その分を特定口座での投資に充てた方がよいのかどうか、ということについて気になり続けています)。
男爵さまの積立貯蓄に対するお考えをお聞かせいただけないでしょうか。よろしくお願いいたします。


私は既にリタイアした身ですので、極めて保守的な資産運用をしています。
こんな感じです。
(描画中)

https://www.valuetrust.net/entry/2017/10181304.htm

私の場合は、リスク資産の絶対額が多いため(そうでなければリタイアしません)、リスク資産が60%でも十分な金額の儲けを得ることができています。
日々の生活費は無リスク資産を取り崩して生活していますが、リスク資産が大きく目減りしても、目減りしたリスク資産を取り崩す必要がないような金額の無リスク資産を確保しています(リスク資産は一時的に目減りしたとしてもホールドする限り回復しますが、目減りした時点で売却すると資産減が確定してしまいますので、インデックス投資で儲けようと考えるのであればこれを極力避ける必要があります)。

しかし、これから資産を形成しようという人は、この配分比では大した資産を形成することはできないでしょう。
なぜなら、インデックス投資の期待リターンは年5%程度であり、投資方法の中では決して高い部類ではないからです。

冒頭で述べたとおり、より高いリターンを得ようと思ったらより高いリスクをとる必要があります。
つまり、インデックス投資よりも儲かる可能性がある投資は、インデックス投資よりも損をする可能性もまた高いということです。

我々は、世界の株式を買うインデックス投資が儲かることは確信できますが、それ以外の投資が儲かるかどうかは確信することができませんので、インデックス投資をするしかありません。
つまり、我々は、インデックス投資しかできない以上、もっと儲けようと思ったら、より多額の資金を投じるしかないということになります。

インデックス投資で重要なことは、何があってもホールドし続けるということです。
ホールドし続ける限り、一時的に相場が下落したとしても必ず回復します。世界経済が発展する限り、株価は上昇しますので、世界の株を買うインデックス投資で損をすることはありません。

しかし、暴落が起こり、全ての市場参加者が絶望し、資本主義は終わったと感じている時に、自分だけホールドし続けることは容易ではありません。

私が多額の無リスク資産を残しているのは、将来の自分の気持ちを守るためです。
暴落によって気持ちが折れ、投げ売りをしてしまわないように、私は、儲け損なう機会損失を覚悟して、無リスク資産というお守りを大事に抱えています。

本題に戻ります。

インデックス投資を選択する限り、莫大な儲けを期待することはできません。
しかし、我々はインデックス投資以外の投資の確実性を信じることができない以上、インデックス投資を選択するしかありません。
そして、インデックス投資でより多くの儲けを得ようと思ったら、より多額の資金を投じる必要がありますが、より多額の資産を投じれば投じるほど、暴落時の含み損は多額となり、ホールドを継続しようという自分の心が折れてしまう可能性がより大きくなります。

というわけで、毎月の給与のうち何割を積み立てるべきかどうかなど、他人である私に分かるわけがありません。

ならば質問者自身であれば分かるのかといえば、暴落に接した将来の自分の気持ちが折れないかどうかなど、やはり分かるはずがありません。

結局のところ、積立金額を徐々に増やしていき、息をするような感覚で無意識的に積立てができるように気持ちを慣らしていくしかありません。
少なくとも、積み立てている投資信託の含み損益が気になるようでは危ないです。

含み損益が1日で数百万円動いても動じない不動心は、いくら本を読んで勉強しても養うことはできません。
実際に自分の金を投じ、含み損が日々膨らむ様子を体験するしかありませんので、値動きが激しい今は不動心を養う絶好の機会だと考えます。

給与の40%が幾らかは分かりませんので何とも言えませんが、残りの60%から生活費を賄うとすると、投資に回せる金額はたいして残らないでしょう。
もしこれからインデックス投資で資産形成をしていきたいと本気で考えるのであれば、最終的には多額の投資金額にするしかありませんので、今のうちから毎月の積立投資額を少しずつでも増やしていくべきです。

なお、言うまでもないことですが、勤務先が倒産したときに保全されないリスクがもし少しでもあるのであれば、職場の積立ては直ちにやめるべきです。

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コメント

切り崩しとリスク

いつも楽しく読ませてもらっています。
本題とはそれますが、資産の切り崩し
について書かれているので、便乗させて
質問させていただきます。
近くリタイアを考えていますが、例えば
リタイア時にリスクと非リスクの比が
6:4だとした場合、非リスク資産から
切り崩していくと、余程の下落時でなければ、
すぐに7:3の比になると思います。
積み立て終了して、切り崩していく段階での
リスクの取り方、許容度についてお考え
お聞かせ願えないでしょうか?

No title

コメントありがとうございます。

余り参考にはならないでしょうが、一応、新記事でご回答しました。
よろしければご覧ください。

アーリーリタイア

いつもブログ見て勉強しています。
40歳で独身予定です。
年収350万円

今の資産は、1000万の内
リスクemaxis slim先進国を半分
無リスク定期預金、金利0.5%を半分

今の仕事を定年まで続ける事が難しいと考えています。

アーリーリタイアを考える時どれぐらいの資産を持つ必要があるでしょうか

No title

コメントありがとうございます。

>アーリーリタイアを考える時どれぐらいの資産を持つ必要があるでしょうか

私は、今日の新記事でお伝えしたとおり、アーリーリタイヤをめざしていたわけではなく、アーリーリタイアできるだけの資産形成をした後にアーリーリタイアできることに気づきましたので、ご質問の点を真剣に考えたことはありません。

ただ、一旦仕事を辞めてしまうと、再就職しようと考えても以前の職場よりも低い収入しかもらえないか、再就職すらできないのが通常です。

また、単に財産を取り崩すだけの生活だと、
手持ちの財産がなくなったら詰んでしまいます。
日々この事実に向かいあって生活することに耐え得るだけの精神の強さを持てないと、非常につらい毎日を送ることになってしまうでしょう。

さらに、引退後の生活水準をどの程度に想定するかも重要です。
想定した生活水準で楽しく生活することができないと、やはり非常につらい毎日を送ることになってしまうでしょう。

人生は金が全てではありませんが、金があれば大抵のことは金で解決することができます。
年を取って金がないことほどつらくて惨めなことはありません。アーリーリタイアされるのであれば、事前に何度もシミュレーションを繰り返し、絶対に大丈夫との確信をもってからにするべきだと思います。

No title

質問を取り上げていただきありがとうございました。大変参考になりました。これからも楽しみに読ませていただきます。
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プロフィール

たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

●リスク資産(6割)は、たわら先進国株(楽天証券)とVT(マネックス証券)をほぼ50:50でホールド中。
●つみたてNISA(SBI証券)はeMAXIS Slim先進国株を年初一括40万円購入。
●松井証券で「Slim全世界株リバランス積立」の毎営業日1万円投資を実行中。
●楽天証券で「たわら男爵15種」の毎月2回100円投資を実行中。
●SBI証券で「インデックスマラソン」の毎営業日100円投資を実行中。

●無リスク資産(4割)は、個人向け国債変動10(みずほ証券、大和証券)と楽天銀行(金利0.1%)。

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