「eMAXIS Slim全世界株(3地域均等型)」がダメな理由とたわら復権の秘策

「eMAXIS Slim全世界株(3地域均等型)」とは、TOPIX、先進国株、新興国株を3分の1ずつ購入するというファンドです。

私は、このファンドが新規設定されるとのニュースに接した時、

●eMAXIS Slim全世界株(3地域均等型)がリリース。しかし売れないでしょう
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-828.html

という記事を書きました。

しかし、3月28日に実施された三菱UFJ国際投信のブロガーミーティングでのプレゼンを受け、相当数の投信ブロガーが好意的な評価をしています。

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分かりやすいのが相互リンク先のNightWalkerさんの下記記事です。

●三菱UFJ国際投信 ブロガー・ミーティングに参加してきました。貴重な図を入手できました。
http://nightwalker.cocolog-nifty.com/money/2018/03/ufj-4df8.html

参加したほとんどのブロガーは、イボットソン社のリスクリターン図にやられてしまっています。
私を含めて投信ブロガーはこういうマニアックな図が大好物です。
様々なブログを読むと、三菱UFJ国際投信の巧みな作戦(イボットソン社という権威の力を借りて3地域均等型の宣伝をする)がこれ以上ないほど成功していることが分かります。

また、この図を見ると、NightWalkerさんが分析しているとおり、ヤマゲン先生の提唱する日本株4;先進国株6の配分比が最も効率的であることが分かります。

しかし、3地域均等型にしろ、ヤマゲン先生の4:6投資法にしろ、正直なところ、私にはどうにもしっくりきません。
イボットソン社やヤマゲン先生の権威性に対抗するには、それ以上の権威の力を借りなければなりません。

チャールズ・エリスは、この本の161頁で、次のように述べています。

よくできたインデックスファンドのような市場全体の構成から自分の資産配分が離れてしまっていると、離れてしまっている分だけ追加的なリスクを負うことになる。
小型株や新興国株、高配当株やハイテク株など、自分がこれだと思う株を市場の示す配分比以上に買うと、その判断を間違うリスクを負う。


私は、リスク資産はスリム先進国株だけでよいと考えており、このブログの読者にもそれを推奨しています。
2018年2月28日時点の時価総額比は、ステートストリート社によれば、日本株7.9%、先進国株79.9%、新興国株12.2%です。
http://doc.wam.abic.co.jp/ap02rs/contents/pdf/55311179_m.pdf

そうすると、スリム先進国株だけを買った場合には、先進国株を市場の示す配分比の1.25倍だけ多く買うことになります。
とはいえ、逆に考えれば、たった1.25倍です。
超低コストの全世界株ファンドがない現状では(楽天全世界株は、三重課税コストを考慮した推定トータスコストは0.40664%であり、超低コストとは言えません)、日本株と新興国株を混ぜた場合のリバランスの手間を考えると、普通の人はスリム先進国株の均等額積立設定をして放置するほうがよいと考えます。

また、松井証券のリバランス積立と自動リバランスサービスを併用すればスリムシリーズで全世界株ファンドを自作することができますが、日本株と新興国株を混ぜたことで、楽天証券でスリム先進国株だけを買った時に付与される投信保有ポイント年0.048%を超えるリターン差を得られるかどうかはよく分かりません。

三菱UFJ国際投信には、時価総額比の全世界株ファンド(日本を含む)を新規設定する気はないようです。

私は、たわらが復権する最後の砦は、なぜかどこも出さない今のうちに、TOPIX10、先進国株80、新興国株10の配分比の「たわら全世界株」を出すことだと考えます。
信託報酬は0.1095%とし、スリム先進国株に真っ向勝負を挑むべきです。

また、同時に、全てたわらシリーズについて、スリムシリーズと同額まで対抗値下げをすべきです。
単純に同額まで対抗値下げするとセコさを感じますが、新設する全世界株と一緒に公表することで(エディネットの登録日と同日にプレスリリースを出し、公式サイトでそれを公表すべきです)、セコさを払しょくし、投信ブロガーをはじめとする顧客からは好意的に受け入れられることでしょう。


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コメント

No title

 記事の趣旨、内容全てに同感です。

 ブローガーミーティンぐの際は、eMAXIS Slim全世界株(3地域均等型)の過去データに基づくリターンの良さが強調され、私も少し衝撃を受けました。

 しかし、買いたいとは全く思いません。

 道は厳しそうですが、三菱UFJ国際投信に対して、機会があれば今後も日本を含む全世界株の設定を働き掛けていくつもりです。

 少なくとも同社は意見を聞く機会を設けてくれるのでその点は他社と比べてありがたいです。

 また、運用に対する高い志があるように感じています。

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No title

こんにちは。
実践的な記事が多くいつも参考になります。

先進国70%と3地域均等30%の組み合わせは
どう思いますか?

ほぼ時価総額に近づきますし、
コストも安い。
リバランスも不要(ですよね?)

純資産が増えてくれれば、ですね。


No title

コメントありがとうございます。

>道は厳しそうですが、三菱UFJ国際投信に対して、機会があれば今後も日本を含む全世界株の設定を働き掛けていくつもりです。

よろしくお願いします。


>先進国70%と3地域均等30%の組み合わせはどう思いますか?ほぼ時価総額に近づきますし、コストも安い。リバランスも不要(ですよね?)


この場合であっても、7:3の配分比を保つためのリバランスは必要です。

また、将来的に日本株の時価総額が5%になったり、新興国株の時価総額が15%になったりしたときの配分比の変更が面倒になります。

さらに、3地域均等型の純資産額が増えないことによるコスト増、配分比を3地域均等に維持するための売買によるコスト増(売却が多いベビーファンドはマザーファンドの信託財産留保額をより多く払うという形で売却コストを負担することになります)もあります。

というわけで、私は、7:3で両ファンドを保有することに魅力を感じません。

No title

年始に質問にご回答いただいた者です。その節はありがとうございました。
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-746.html

(以下、コメントさせていただくエントリーとは話題がずれてしまい申し訳ありません)

上記でご回答いただいた後、余剰資金を60分割して積みたて買い付けを開始しました。
emaxis slim シリーズ(先進国80、新興国10、日本10)の定額積みたて(毎日自動)を設定しているのですが、この3ヶ月間で含み損が4~8%となっています。
この間の相場の動きを見ていれば当然の数字なのですが、証券口座にログインするたびに『このまま積みたてを続けていていいのだろうか…』と不安になっています。
「世界経済の長期的な発展を信じる」という前提に立っているのであれば、このままのペースで定額積みたてを続け、年に一回のリバランスを忘れずに行なう、という考え方で理解はまちがっていないでしょうか?
ご意見お聞かせいただければ幸いです。

No title

日本国内に住んでいて将来も日本に住み続けるつもりなので株式のうち日本株は4割ほどは組み入れたいですね。

債券は親戚付き合いで購入している国債とリートは現物不動産があるので(少々新興味国株が多めではあるが)私の考えるバランスにマッチしているので毎月積み立てはこちらに変更しました。

時価総額だと日本株式は8%しかなくリスクヘッジになっているのかという考えにも疑問があります。

No title

コメントありがとうございます。

>emaxis slimシリーズ(先進国80、新興国10、日本10)の定額積みたて(毎日自動)を設定しているのですが、この3ヶ月間で含み損が4~8%となっています。

私の「スリム全世界株リバランス積立」の含み損も7.2%です。

>証券口座にログインするたびに『このまま積みたてを続けていていいのだろうか…』と不安になっています。

頻繁にログインしてはダメです。
自動送金と自動リバランス設定をしておけばログインする必要はありません。
ログインしても不動心が揺らぐだけでいいことはありませんので、ログインするとしても設定エラーがないかどうかを確認するための月1程度にとどめるべきでしょう。

>このままのペースで定額積みたてを続け、年に1回のリバランスを忘れずに行なう、という考え方で理解はまちがっていないでしょうか?

SBI証券であればリバランスは手動で行う必要がありますので、忘れないで断行してください。

なお、インデックス投資をする以上、この程度の下げはよくあることですから、全く気にする必要はありません。


>時価総額だと日本株式は8%しかなくリスクヘッジになっているのかという考えにも疑問があります。

日本株はリスクヘッジのために買うのではなく、世界経済を丸ごと買うために買うわけですね。

エリスが指摘するとおり、自身の投資判断を介在させると、自身の投資判断が間違うというリスクを追加で負うことになってしまいます。

私は、日本円は個人向け国債などの無リスク資産で確保し、リスク資産は外貨建て資産中心にして、無リスク資産とリスク資産との配分比で調整すればよいと考えています。

とはいえ、ご自身の人生ですから、悔いのないようにするのがよいでしょうね。

No title

三地域均等がダメかどうかは僕にはわかりませんが、ブロガーミーティングという名目で呼ばれた投資セミナーでの説明に、ブロガーの皆さんがコロッとやられてしまったのがちょっと面白いですね。
皆さん金融リテラシーの高い、うまい話には騙されない自負のある方ばかりのはずですが・・・
うっかりその気にさせられた人もいたようですね。
参考程度にとどめておいて、やはり自分の決めた通りの運用を続けるのが良いのだと思いました。

No title

ご回答ありがとうございました。頻繁にログインせず不動心を保つ、心に留めたいと思います。

もうひとつ質問させてください。
私の勤務先には給与天引きの積立て制度があり、私はこれを利用して一定額を毎月年利0.25%で積み立てています。現在、毎月の給与の約40%強をこの積立て貯蓄に割り当てているのですが、この金額(の割合)が妥当なものかどうか、いまいち迷いながら積み立てを続けています。(とくに、積立額を減らし、その分を特定口座での投資に充てた方がよいのかどうか、ということについて気になり続けています)男爵さまの積立貯蓄に対するお考えをお聞かせいただけないでしょうか。よろしくお願いいたします。

No title

コメントありがとうございます。

>参考程度にとどめておいて、やはり自分の決めた通りの運用を続けるのが良いのだと思いました。

おっしゃるとおりだと思います。

>とくに、積立額を減らし、その分を特定口座での投資に充てた方がよいのかどうか、ということについて気になり続けています

新記事でご回答しましたので、よろしければご覧ください。

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No title

コメントありがとうございます。
非公開コメントでしたので、張り付けます。

【質問】

eMAXIS Slim全世界株(3地域均等型)は、たわら15種に組み入れの予定はありますか?

【回答】
既存の15種のうち、削除できるものがあるかどうかを含め、現在検討中です。
非公開コメント

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プロフィール

たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

●リスク資産(6割)は、たわら先進国株(SBI証券)とVT(マネックス証券)をほぼ50:50でホールド中。
●つみたてNISA(SBI証券)はeMAXIS Slim先進国株を年初一括40万円購入。
●松井証券で「Slim全世界株リバランス積立」の毎営業日1万円投資を実行中。
●楽天証券で「たわら男爵15種」の毎月2回100円投資を実行中。
●SBI証券で「インデックスマラソン」の毎営業日100円投資を実行中。

●無リスク資産(4割)は、個人向け国債変動10(みずほ証券、大和証券)と楽天銀行(金利0.1%)。

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