「バイバイアベノミクス」になったときの心得

私は、まとまった金額の余剰資金を預貯金などで既に保有しているときは、それを60等分して1か月の投資金額に上乗せすることを推奨しています。

●誰でもできる超簡単ほったらかし投資(5訂版)
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-24.html#more

しかし、本日、このような記事を読みました。

「ドルコスト平均法という残念な宗教」
http://www.rokohouse.net/archives/2605#i-4

この記事によれば、自身のリスク許容度に応じた余剰資産は、60等分することなく一括投資すべきであるという結論になります。

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そもそも、宗教とは、「超自然的、超人間的本質の存在を確信し、畏敬崇拝する心情と行為」(名古屋高裁昭和46年5月14日判決)をいいます。

人生とはつらいものです。
自分の力ではどうにもならないとき、人は神に祈ります。

相場も同じです。
何らの予兆なく暴落し、含み益が瞬時に消え去って莫大な含み損となり、資本主義社会が終わるのではないかとの絶望が市場を支配します。

そんなとき、我々インデックス投資家も、ただ神に祈るしかありません。

既に一定額の余剰資産がある人にとって、一括投資のほうが均等額積立投資よりも儲かる可能性が高いことは誰でも分かります。
なぜなら、人がリスク資産を買うのは期待リターンを得たいためであり、より多くの期待リターンを得るには、より早く、より多くの資産をリスク市場に投じる必要があるからです。
逆に言えば、儲かるよりも損をする可能性のほうが高いのであれば、誰もリスク資産を買いません。多くの人がリスク資産を購入する理由は、損をする可能性よりも儲かる可能性のほうが高いと考えるからです。

「積立投資のすべて」というすごいタイトルの本を書き、社団法人ドルコスト平均法協会を設立した星野泰平さんでさえ、シミュレーションをした結果、

圧倒的に一括投資のほうが平均的に利益を上げている。

との結論に達したことは、下記記事でお伝えしたとおりです。

●積立投資は保険である
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-435.html


しかし、暴落時にホールドを続けることは、我々は勿論、超人にとっても難しいことです。

バンガード社の創始者であるボーグルは次のように述べています。

「市場が50%下落したら、どう感じるか」と聞かれたら、正直に「惨めに感じる」と答える。
胃がキリキリ痛んできたら、自著2冊を取り出し、「長期的展望を維持する」と書いた箇所を読み直す!


均等額積立投資のメリットは、資産を少しずつリスク市場に投下することで、その期待リターンを「含み益」という形で確保し、積み上げた含み益を「暴落時のお守り」にすることです。

●積立買付で含み益というお守りを獲得しよう
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-622.html

暴落時までの投資期間が長い人は、それまでに積み上がった含み益の存在が、損切り名目によるパニック売りを防ぐお守りになってくれることでしょう。

これに対し、暴落時までの投資期間が短い人は、まだリスク資産が少ないことから、含み損の金額も少なくて済みます。そのため、「安値買いのバーゲンセールが来た」と喜ぶことができる心の余裕が生まれます。

重要なことは、何が起こっても相場に居続けるということです。
相場に居続けることさえできれば、世界経済が右肩上がりに成長する限り、必ず、相場もまた右肩上がりに成長していきますので、損をすることはありません。

しかし、損切り名目でパニック売りをしてしまうと、確定損が呪いとなって心をむしばみ、再び相場に戻る気持ちを奪ってしまうことでしょう。
また、確定損の呪いを克服したとしても、相場が再び上昇を始めるタイミングで相場に復帰することは非常に困難です。大抵は相場が戻り切り、パニック売りをした時点よりも高くなった時点で買い戻すことになって儲け損ないます。

このように、私が均等額積立投資を推奨する理由は、それが相場に居続けるための最も簡単な方法だからです。

色々と難しいことを考えるよりも、何も考えず、スリム先進国株だけをひたすら買い続けた人のほうが儲かるでしょう。

インデックス投資にとって重要なのは、相場に居続けることであり、何があっても均等額積立投資を継続することです。


「長期、分散、つみたて投資とその継続を低コストで行う」

これこそがつみたての神様による神託であり、愚直にこれを墨守した人だけがつみたての神様のご加護(含み益)を得ることができます。

プロを含め、全ての市場参加者がパニック売りをする現象を暴落と呼びます。
我々インデックス投資家といえども、何かにすがらなければ暴落を生き抜くことはできません。


安倍首相が死に体になりつつあり、来月にも総辞職するのではないかとの観測が流れています。
「バイマイアベノミクス」から「バイバイアベノミクス」になるわけですから、日本株にとって受難な日となることでしょう。
そして、日銀が出口戦略に舵を切ったとき、日銀が買い支えてきた日本株が想像を絶する暴落に見舞われるリスクがあります。

しかし、「長期、分散、つみたて投資とその継続を低コストで行う」という宗教を信じる我々は、いつもと変わらず均等額積立投資を継続するだけです。

暴落の嵐が過ぎ去り、相場が回復した時、きっと我々はすごい含み益を手に入れていることでしょう。

そして、「長期、分散、つみたて投資とその継続を低コストで行う」という宗教を信じる我々は、含み益にも心を揺さぶられることなく、その後も愚直に均等額積立投資を継続するのみです。

再び暴落の嵐が到来した時、均等額積立投資の継続によって更に積み上がった含み益が、我々の心を守るお守りとなって燦然と輝くことでしょう。


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コメント

No title

30歳半ば男性です。1月からこれまでの貯蓄から合計投資予定金額を決めて、5年間かけてインデックスファンドに積立投資中です。

ある購入時点の市場平均リターンを狙ってインデックスファンドを買うように、積立投資は買う時期によるリターン変化について平均値を狙うものだと思っていました。

ですので、積立投資と一括投資では勝ち負け半々くらいになると思っていたのですが…
紹介されている星野さんの本は読めていませんが、ほぼ積立投資のリターンが一括投資に負けるのは意外でした。

おっしゃるように、一括投資して半減とかすると、続ける自信がなくなるので、5年に分けて投資していこうと思います。

No title

コメントありがとうございます。

>一括投資して半減とかすると、続ける自信がなくなるので、5年に分けて投資していこうと思います。

投資は無理をすると継続できませんので、少しずつ増やしていったほうがよいと思います。
ぜひそうしてください。

こんにちは。
たわら男爵様はslim先進国を押しているようで私自身もslim先進国を購入しています。
つみたてNISAで20年、slim先進国を積み立てるとプラスになる可能性があることから積み立てていると思います。
もし、米国をはじめ、先進国全てがつみたてNISAが始まった今年から20年右肩下がりだと大幅な損となりますが、(まずないと思いますが…)その可能性も含め、つみたてNISAはやるべきだと思いますか?
私はそこまで裕福ではないので、つみたてNISAを続けてて良いのか迷っています。
お考えをお聞かせください。

No title

コメントありがとうございます。

>もし、米国をはじめ、先進国全てがつみたてNISAが始まった今年から20年右肩下がりだと大幅な損となりますが、その可能性も含め、つみたてNISAはやるべきだと思いますか?

私は、資本主義社会はあと50年は大丈夫だと考えています。
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-785.html

ただし、インデックス投資で成功するためには、途中でパニック売りをせず、何があろうとひたすら均等額買付投資を継続し、ストロングホールドを続けなければなりません。

今の日本には最高の投資環境が整っていますので、あとはやるかやらないかだけです。

男爵さん、はじめまして毎日楽しく拝見させていただいてます。
私は今年1月につみたてNISAをテレビで見て興味を持った投資超初心者です。
そして3月にやっと積立をする環境が整い男爵さんと同じeMAXIS slim先進国株で始めることにしました。
そこで質問です、夫婦で各40万円積立て行く時、同じ銘柄で積立ていいものか悩んでいます。
リスクを分散すると言う意味で他の銘柄を積み立てるものなのか?よくわからないので教えてください。
その場合同じ証券会社で同じ銘柄でもいいのかも合わせて教えてください。
これからも楽しい記事を楽しみにしています。
よろしくお願いいたします。

No title

コメントありがとうございます。

夫婦でスリム先進国株100%でよいと考えます。

三菱UFJ国際投信ないしSBI証券が破綻するリスクはほぼありませんし、もしどちらかが破綻してもファンドの財産は信託銀行で保全されているからです。

どうしても心配であれば別会社にしてもよいでしょうが、管理が面倒になります。
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プロフィール

たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

●リスク資産(6割)は、たわら先進国株(SBI証券)とVT(マネックス証券)をほぼ50:50でホールド中。
●つみたてNISA(SBI証券)はeMAXIS Slim先進国株を年初一括40万円購入。
●松井証券で「Slim全世界株リバランス積立」の毎営業日1万円投資を実行中。
●楽天証券で「たわら男爵15種」の毎月2回100円投資を実行中。
●SBI証券で「インデックスマラソン」の毎営業日100円投資を実行中。

●無リスク資産(4割)は、個人向け国債変動10(みずほ証券、大和証券)と楽天銀行(金利0.1%)。

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