【補足2】他人のブログに勝手にアドバイスするシリーズ(3) 早期退職と年金免除、確定拠出年金

今回は、「特定口座源泉徴収あり」を確定申告したときに国民健康保険の掛金はどの程度跳ね上げるのかを分析してみます。

国民健康保険の掛金は、
(1)所得割
(2)均等割
(3)平等割
(4)資産割
の4種類の合計額になります。

株や投信の売却益と配当益を全て「特定口座源泉徴収あり」内で処理すると、所得割が0円になり、均等割と平等割が7割減額されます。
他方で、特定口座内で完結させずに確定申告すると、売却益と配当益の合計額に応じて、所得割が加算され、均等割と平等割が法定減額される割合が7割、5割、2割、減額されないと変わっていきます。

今回は、40代の夫婦と未成年の子供2名の4人家族の世帯で、売却益と配当益の合計額が33万円、50万円、100万円、150万円の4パターンを確定申告した事例で検討してみます。

試算は、以下のサイトを利用しました。
http://www.kokuho-keisan.com/

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1 33万円(源泉税が6万6000円)のケース
(1)国民健康保険計算機で、好きな市町村を選択する。
(2)1人目の加入者の年齢区分を「40~64」、その他収入を「33万円」と入力する。
(3)2人目の加入者の年齢区分を「40~64」、3人目と4人目の加入者の年齢区分を「0~39」と入力する。
(4)「計算する」のボタンを押す。
(5)結果
私の住んでいる市町村では、千円単位を四捨五入すると17万円になりました。
33万円までは所得割はゼロ円となり、均等割と平等割は7割引きされますので、国保の掛金は5万1000円(17万円×3割)となります。
0円から33万円までの国保の掛金は同額であることから、確定申告してもしなくても国保の掛金は5万1000円となります。
他方で、確定申告すると、特定口座内で源泉徴収された6万6000円が還付されます。
したがって、売却益と配当益の合計額が33万円以下であれば確定申告した方が明らかに得です。
私がかつて顧問税理士に頼んだ確定申告はこのパターンです。国保の掛金は変わらないのに、源泉税の分だけ丸儲けできました。

2 50万円(源泉税が10万円)のケース
(1)~(4) (2)の33万円を50万円に変える以外は1と同じ。
(5)結果
私の住んでいる市町村では、千円単位を四捨五入すると20万円になりました。
上記の4人家族のケースでは、所得金額が139万円までであれば均等割と平等割が5割引きされますので、国保の掛金は11万5000円となり(20万円から17万円の5割である8万5000円を引く)、1より6万4000円だけ増えます。
確定申告をして10万円の源泉税の還付を受けることができたとしても、確定申告しないケースよりも国保の掛金が6万4000円増えるので、3万6000円だけ得をすることになります。

なお、50万円は、確定拠出年金を月額3万3333円としたときの国民年金掛金との合計額になります。

3 100万円(源泉税が20万円)のケース
(1)~(4) (2)の33万円を100万円に変える以外は1と同じ。
(5)結果
私の住んでいる市町村では、千円単位を四捨五入すると24万円になりました。
上記の4人家族のケースでは、所得金額が139万円までであれば均等割と平等割が5割引きされますので、国保の掛金は15万5000円となり(24万円から17万円の5割である8万5000円を引く)、1より10万4000円だけ増えます。
確定申告をして20万円の源泉税の還付を受けることができたとしても、確定申告しないケースよりも国保の掛金が10万4000円増えるので、9万6000円だけ得をすることになります。

なお、100万円は、確定拠出年金を月額6万8000円としたときの国民年金掛金との合計額になります。

4 150万円(源泉税が30万円)のケース
(1)~(4) (2)の33万円を150万円に変える以外は1と同じ。
(5)結果
私の住んでいる市町村では、千円単位を四捨五入すると28万円になりました。
上記の4人家族のケースでは、所得金額が225万円までであれば均等割と平等割が2割引きされますので、国保の掛金は24万6000円となり(28万円から17万円の2割である3万4000円を引く)、1より19万5000円だけ増えます。
確定申告をして30万円の源泉税の還付を受けることができたとしても、確定申告しないケースよりも国保の掛金が19万5000円増えるので、10万5000円だけ得をすることになります。

5 再検討
(1)そもそもの前提として、「特定口座源泉徴収あり」内で管理している投信に相当の含み益が既に存在しなければなりません。
含み益のある投信の一部を解約することで、必ず毎年一定額(少なくとも国民年金と確定拠出年金の合計額)の利益を確定させることができなければ損します。

(2)我々が購入しているであろう投信は、たわら先進国株を含め、無分配です。そうすると、期待リターンを年5%としても、50万円の利益を確定するためには1000万円、100万円の利益を確定するためには2000万円分の投信を解約しなければなりません。
もっとも、期待リターンどおりにもうかれば、1年目の1000万円は2年目には1050万円(含み益50万円)、3年目には1102万5000円(含み益102万5000円)、4年目には1157万6250円(含み益157万6250円)と増えるはずですので、3年目から始めれば500万円分、4年目から始めれば400万円分を解約して利益を確定させ、すぐに同じ投信を購入すれば何とかなります。

(3)とはいえ、必ず毎年一定額の確定利益を確保するというのは、実際にやってみるとかなりしんどいはずです。

想像してみました。

私にはとても無理でした。精神的プレッシャーに押しつぶされそうです。

(4)もし本当に自由自在に好きな金額分の利益を確定させられるのであれば、確定拠出年金は掛けず、単純に30万円分だけの利益を確保して確定申告した方が良いと思います。確定申告書に証券会社から送付される年間取引報告書を添付して税務署に郵送するだけの簡単なお仕事です。
そうすれば国民健康保険には一切影響せず、単純に6万円の源泉税が還付されます。確定拠出年金は掛けないので、掛金の一部を回収しないと損するというプレッシャーからも解放されます。全くのノーリスクです。

一生懸命頑張って調整しても、もうかる金額はあと4万円増えるだけです。しかも、そのためには85歳まで長生きしないと損する国民年金の掛金(2年前納で月額1万5721円)も支払わなければなりません。

ということで、私は、国民年金は全額免除を受けることにしました。
そして、30万円分の利益を確保して6万円の還付を受けることを励みに、毎日1万円積立てを続けていきます。


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コメント

すみませんでした

本当にここまで調べたんですね!
申し訳ないです。
内容的に間違いないと思います。

どうやら私も勘違いをしていたようです。
普遍性のあるアドバイス記事として書かれたものだと思い込んでいました。
自分は長生きしないから、他も同じだろう。結果出た答えが違うからあの記事は間違い。
お前らも俺と同じにしろよ!
そう主張しているように読んでしまいました。
「俺の物は俺の物、お前の物も俺の物、わかんないヤツはこらしめるぞ。」
みたいな、まるでジャイアンのような論理展開に衝撃を受けてしまいました。

「俺ならこうする。」
ということなんですよね。
いろいろ失礼なことをコメントしてしまい、すみませんでした。

でもひとつだけ。
指摘されている通り、どれほのメリットがあるかは投資規模に左右される部分が大きいです。
でもそれは投資全般にいえること。
利用するかどうかはともかく、将来的に知ってて損する知識では無いはずです。
私自身は今のところ所得の関係でこの手は使えないんですが・・・
将来の取り崩し時に税金が安くなるメリットが大きいと感じます。
老人になった時にはいろいろと負担されそうな気もしますので。
長生きしなければそれも関係ありませんね。

No title

コメントありがとうございます。

今回のテーマは、財産のある無収入者は、国民年金や確定拠出年金を掛けても得をしないばかりか、普通に特定口座源泉徴収ありで運用した方が得なのではないかということでした。

したがって、その意味であれば普遍性はあります。

私の思考過程を誰でも簡単に辿って容易に検証できるように、数字はできるだけ計算根拠を示しました。
自分のケースにあてはめたい人も簡単にあてはめることができますので、気になった人は各自で検討し、どうするかをそれぞれが決めれば良いでしょう。


ちなみに、私の個人的な利益を優先すれば、多くの人にきちんと年金を払ってもらった方が嬉しいです。
掛金を払ってくれる人がたくさんいないと、私の年金が貰えなくなるからです。

確定拠出年金も、一度掛けると途中でやめられないため、多くの人が確定拠出年金を掛ければリスク資産の総量が増えることになります。その結果、私のリスク資産の価値も上がっていくでしょう。


とはいえ、給料をもらっている人には国保の負担は実感できません。
国保は想像よりはるかに高いです。自分が病院に行くわけでもないのに毎月5万円も保険料を支払わなければならないむなしさは言葉で表現できません。

というわけで、今回の裏のテーマは国保に対する注意喚起でした。

No title

>今回の裏のテーマは国保に対する注意喚起でした。
そういう訳だったのですね。
全額免除も制度にのっとった選択ですので、個人の判断として批判されるべきものではありませんよね。

ところでもう1点だけ誤りがあります。
確定拠出年金の運用益は非課税です。受け取り時は一時金だけでなく年金としても受け取れます。または両方の組み合わせでも。
年金の場合は雑所得です。
それでは。

No title

コメントありがとうございます。

確定拠出年金の運用益が非課税なのは運用期間中だけで、受領時には課税されます。

一時金として受領しなかった部分(元金及び運用益)は雑所得として課税されますが、年金控除があるとはいえ、所得税、住民税が原則どおり課税されるばかりか、国民健康保険料の算定根拠となります。

繰り返しますが、確定拠出年金は、単なる課税の繰延べに過ぎません。
したがって、現役時に所得控除が使えず、繰り延べられるべき所得税・住民税がないと受領時に損をします。

私は、事業税や消費税を含めれば、稼ぎの6~7割を税金で持ってかれていましたが、所得控除がきくとその分は課税所得とならないため、掛金の実質的な負担は3~4割で済みます。
そのため、国民年金基金も満額払っていましたが、今は損なので全て解約済です。

No title

確定拠出年金の課税部分を雑収入としたら数字がかわるよねという趣旨でした。
前提が複雑になりますし、テーマとしても影響無い部分ですね。
なにより制度がこのまま維持されるかどうかもわかりません。


ところで私は40代自営業です。
国民年金基金は私も払い込み停止しています。基金の積立金不足と新規加入者の減少が理由です。
投資をはじめたきっかけは勤めていた頃の年金が消されたことです。
「消えた年金」と言われていますが私は「消された年金」だと考えていて、年金制度全般に対する不信感を強く持っています。
国保に毎月高額な支払いをしているむなしさは今もって味わいつづけています。
共通するところを感じて、ついいろいろとコメントしてしまいました。
こうした事を話し合える人はいないので、立場の近い方の考え方を知る機会になりました。
あんなコメントしながらこちらでは数字的な検証は全くしていませんでした。ごめんなさい。
たわら男さんの考え方については賛同します。
そでではお互いしっかりやっていきましょう。
長くなりました。このコメントに対する返信は不要です。
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プロフィール

たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

●リスク資産(6割)は「たわら先進国株」(楽天証券)とVT(SBI証券)をほぼ50:50でホールド中。
●つみたてNISA(SBI証券)では「たわら先進国株」を年初一括40万円購入。
●楽天カード投資(毎月1日)では「たわら先進国株」を毎月5万円購入(+特定口座で11日と21日に各5万円ずつ積立買付中)。
●SBI証券で「インデックスマラソン」の毎営業日100円投資を実行中。

●無リスク資産(4割)は、個人向け国債変動10(みずほ証券、SMBC日興証券)と楽天銀行(金利0.1%)。

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