eMAXIS Slim先進国株?それとも全世界株?

3月23日から、楽天証券がeMAXIS Slim全世界株(イーマクシススリム全世界株)の取扱いを開始します。

現在、eMAXIS Slim先進国株の積立買付をしている人の中で、このままeMAXIS Slim先進国株を積立買付するか、あるいはeMAXIS Slim全世界株に乗り換えるべきかを悩んでいる人はきっと少なくないはずです。


※あなたの「キンカン」の概念を塗り替える美味さを体験したい人は、こちらの記事をご覧ください。

●楽天市場で「たまたま」を買おう
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-811.html#more

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両ファンドのコストです。

●eMAXIS Slim全世界株(除く日本)
信託報酬 税込0.15336%(税抜0.142%)
実質コスト 0.25736%(うち信託報酬を除く部分は0.104%)
※eMAXIS Slim全世界株の数値を流用した

●eMAXIS Slim先進国株式インデックス(イーマクシススリム先進国株式インデックス
信託報酬 0.11826%(税抜0.1095%)
実質コスト 0.21226%(うち信託報酬を除く部分は0.094%)
※実質コストはイーマクシス先進国株の信託報酬を除く実質コスト(0.094%)を流用した。なお、第1回決算日が2018.4.25であるため、6月末頃には運用報告書がアップされる見込みである(電話確認済)。


トータルコストだけを抜き出してみます。

●スリム全世界株 0.25736%
●スリム先進国株 0.21226%
●両ファンドの差 0.0451%(1000万円あたり4510円)

ただし、SBI証券(現時点では発表されていませんが、すぐにSBI証券でも取扱いが開始になるものと思われます)が付与する投信保有ポイントは、スリム全世界株は0.05%(信託報酬0.139%のスリム国内債券の付与率が0.05%であることからの推定)、スリム先進国株は0.03%ですから、その差は、

●スリム全世界株 0.20736%(0.25736%-0.05%)
●スリム先進国株 0.18226%(0.21226%-0.03%)
●両ファンドの差 0.0251%(1000万円あたり2510円)

まで縮まります。

楽天証券は、現在、スリム先進国株に0.048%の投信保有ポイントを付与していますが、これは赤字になるため(スリム先進国株から楽天証券が得られる報酬は0.04475%で、0.048%のポイント付与率を下回ります)、永続性に疑問が生じます。
また、楽天証券は、特定口座では毎営業日積立設定をすることができません。

このように、投信保有ポイントを考慮すると、両ファンドのコスト差は近接します。

先進国株だけでなく新興国株も保有したいという人にとっては、スリム先進国株とスリム新興国株を組み合わせてリバランスをするよりは、スリム全世界株一本にしたほうが簡単ですし、リバランス時の課税を先延ばしすることで、課税コスト相当額に対する運用益を取得することができます。

リバランスのコストとしては、0.0251~0.0451%の負担はそれほど悪くはありません。

また、松井証券で、スリム先進国株とスリム新興国株を使って「スリム全世界株(除く日本)」を自作したときのトータルコストは0.2348722%です。
スリム全世界株との差は0.0224878%となり、これは0.048%(楽天証券)ないし0.05%(SBI証券)のポイント付与率を下回ることから、ポイント考慮後ではスリム全世界株のほうが得です。

さらに、スリム先進国株はEXE-iつみたて先進国株に対抗し、スリム全世界株はEXE-iつみたてグローバル株式に対抗し、信託報酬をEXE-iつみたてシリーズと同額にしています。
そうすると、スリムシリーズが値下げするときは、EXE-iつみたてシリーズが値下げしたときといえます。

そして、EXE-iつみたてシリーズが値下げするときとは、組入ETFの経費率が下がったときです。
EXE-iつみたてグローバル株式の組入ETF(米国、米国除く先進国、新興国)から新興国を除いたものがEXE-iつみたて先進国株になりますので、スリム先進国株が対抗値下げするときにはスリム全世界株も対抗値下げすることになるでしょう。

このように考えると、新興国株がどうしても欲しい人は、スリム先進国株からスリム全世界株に乗り換えるのも悪くない選択肢といえます。

ただし、新興国株にそれほどの思い入れがない人は、より低コストで、ベビーファンドの純資産額が60億円を超えたスリム先進国株を選択すべきです。

投信ブロガーの多くはスリム全世界株を好意的に受け止め、人気化すると予想していますが、私はおそらく楽天VTほどの人気は集めることはないと考えています。
なぜなら、楽天VTが人気を集め、純資産額50億円を目前にしているのは、日本を含む全世界株だからです。

これ1本で全世界の株式を保有できる

というキャッチフレーズには抗いがたい魅力があります。

スリム全世界株のオリジナルはeMAXIS全世界株です。
これは投信ブロガーのアンケート結果を受けて新規設定されたファンドであり、新規設定当時はコスト面での競争力が十分にあったファンドでしたが、現在の純資産額は73億9700万円にすぎません。

昔から、先進国株ファンドのほうが圧倒的に純資産額を集めてきました。
「先進国株+新興国株」は昔から人気がなく、運用会社にとって儲からないから、全世界株ファンドの数は非常に少ないわけです。

野村つみたて外国株投信は、「新興国株を含みながらも先進国株ファンドよりも低コスト」だったからこそ、私は強力に推奨していたわけですが、スリム先進国株の異次元の値下げでこの前提条件が崩れてしまいました。

ひるがえってスリム全世界株は、先進国株ファンドよりも高コストであり、先進国株ファンド+新興国株ファンドで自作したものよりも高コストですから、投信ブロガーの予想に反し、おそらく一般受けはしないはずです。

ニッセイ外国株が超低コスト化するきっかけを与えた「三井住友・DCつみたてNISA・全海外株NISA」でさえ(DC専用ファンドを一般開放することで超低コスト化するという前例を作りました)、純資産額はようやく65億円しかありません。
新興国株部分が100%先物運用という弱点があるにせよ、「先進国株+新興国株」のファンドが全く人気を集めていないことが分かります。

というわけで、スリム全世界株には純資産額が増えないリスクがかなりありますので、どうしても新興国株が欲しいという人でない限り、今までどおりスリム先進国株一本を選択すべきであると考えます。


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コメント

No title

米国でもVTや、こちらでいう全海外株に相当するVXUSは、先進国株のVEAに比べてあまり純資産が増えていないようですから世界的にこの傾向は間違いないと思います。

とはいえバランス型についてもそうですが、便利に対する対価はあって当然のことなので、単品を組み合わせるのと同等もしくは安いというような戦略的報酬設定は長続きしないと考えるのが妥当でしょうね。

あとは日本を含めたくてさらにコストを支払うか、あえて入れないとするか、あるいは手間を許容するかという判断になるかと思います。

No title

コメントありがとうございます。

>バランス型についてもそうですが、便利に対する対価はあって当然のことなので、単品を組み合わせるのと同等もしくは安いというような戦略的報酬設定は長続きしないと考えるのが妥当でしょうね。

ただ、単品より高コストだと、損をした気になってしまいます。

SBI証券が自動リバランスサービスを実装してくれれば全てが解決しますので、何とか頑張ってほしいところです。
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プロフィール

たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

●リスク資産(6割)は、たわら先進国株(SBI証券)とVT(マネックス証券)をほぼ50:50でホールド中。
●つみたてNISA(SBI証券)はeMAXIS Slim先進国株を年初一括40万円購入。
●松井証券で「Slim全世界株リバランス積立」の毎営業日1万円投資を実行中。
●楽天証券で「たわら男爵15種」の毎月2回100円投資を実行中。
●SBI証券で「インデックスマラソン」の毎営業日100円投資を実行中。

●無リスク資産(4割)は、個人向け国債変動10(みずほ証券、大和証券)と楽天銀行(金利0.1%)。

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