指数にピッタリ連動させることは、顧客に対するマニフェスト

インデックス投資の極意は、「長期、分散、つみたて投資とその継続を低コストで行う」ことですが、我が国のナンバーワン先進国株インデックスファンドであるニッセイ外国株が、最近、連日のように乖離を出しました。

●刮目せよ、これがニッセイマジックだ!!
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-791.html

また、ニッセイ新興国株は、わずか1日で0.5%を超える下方乖離を出しています。

●ニッセイ新興国株、1日で0.5%以上の下方乖離を出す
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-801.html

この点について、出版化を実現した有名投信ブロガーの吊られた男さんは次のように述べ、「長期国際分散投資のインデックス投資家はほとんど気にすることはない」と結論づけています。

そもそもMSCI Kokusaiなどの指数はMSCIなどインデックスプロバイダーが彼らの基準で勝手に決めている指数です。その指数にピッタリ連動させることに意味があるのでしょうか。
http://www.tsurao.com/archives/2018-02-27-1892187

しかし、もちろん極めて重要な意味があります。


※よろしければ、次の記事もご覧ください。

●アマゾンプライム会員になって、プライムビデオを満喫しよう
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-806.html#more

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バートン・マルキールは、その著書「ウォール街のランダム・ウォーカー原著第11版」469頁で、次のように述べています。

市場インデックス・ファンドは効率的市場理論から生まれたものだ。
しかし、市場が必ずしも効率的でなくても、インデックス・ファンドに投資するアプローチは有効である。というのは、市場に存在するすべての株式は誰かが保有しているわけで、全投資家をひっくるめて考えた時のリターンは市場平均リターンでしかあり得ない。
そして、インデックス・ファンドはその平均を最小のコストで実現するのだ。


分かりますね。
単に分散投資すればよいのではなく、市場平均リターンが得られるように時価総額比で分散投資しなければならないのです。

我々は、自分自身では時価総額比で分散投資することができないことから(全世界の株を時価総額比で買うだけの資力がないからです)、それを運用会社に託し、インデックスファンドを買うわけです。
そして、ニッセイアセットマネジメントなどの運用会社は、時価総額比の指数にピッタリ連動させる運用をすることを有価証券届出書等で顧客に約束し、販売会社を通じて広く運用資金を集めています。

すなわち、時価総額比の指数にピッタリ連動させる運用をするということは、顧客に対するマニフェストにほかなりません。
私がニッセイ外国株やニッセイ新興国株を非難するのは、顧客に対するマニフェストを破ってしまったからです。

もちろん、ニッセイアセットマネジメントとしても、顧客に対するマニフェストを破りたくて破ったのではなく、原因不明のどうしようもない事情で大胆な乖離を生じさせてしまったということなのでしょう。

しかし、ニッセイアセットマネジメントはプロですから、顧客に対し、その運用成績に基づく結果責任を負わねばなりません。
指数にピッタリ連動させると顧客に約束したわけですから、その約束を実現できないときに、「長い目で見れば、うちは結構取り戻している」などと言ってはいけないのです。
なぜなら、既に発生してしまった下方乖離を取り戻すためには、将来的に上方乖離を生じさせなければなりませんが、下方乖離も上方乖離も、いずれも「指数にピッタリ連動させる」という顧客との約束を破ったことになるからです。

繰り返します。

我々がインデックス投資をしているのは、無目的的に広範に分散したいからではありません。
市場平均リターンを得たいからです。
そして、市場平均リターンを得るためには、時価総額比の指数にピッタリ連動する形で分散投資する必要があるところ、個人の資力ではそれができないことから、時価総額比の指数にピッタリ連動する形で分散投資をすることを約束するインデックスファンドを買うのです。

そして、ニッセイアセットマネジメントを含む運用会社は、時価総額比の指数にピッタリ連動する形で分散投資をすると顧客に約束し、顧客から運用資金を集めて運用し、報酬を受け取っています。
我々は、ニッセイアセットマネジメントを含む運用会社に対し、時価総額比の指数にピッタリ連動する形で分散投資をしてくれると信じて金を託します。

私は、今回の問題の本質はこの点にあると考えています。

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コメント

質問

こんばんは
いつも更新を楽しみにしています。1日五回ぐらい訪れています。
今回のたわら男爵様のブログ内容で、分からない事があります。
指数にピッタリ連動させると言いますが、そんなファンドが有るのでしょうか。
指数には配当抜き、配当込みが有り、トータルコストも含めると指数にピッタリ連動するファンドなど無いのではないですか?
たわら男爵様が問題としたニッセイの乖離問題ですが、他のファンドとの比較であり指数との乖離では比較されていません。
ニッセイは成績が悪いだけで、指数との乖離は関係無いと思うのですが、如何でしょうか。
私としては、配当抜きの指数にピッタリ連動するより配当込みで上方乖離して欲しいのですが・・・

No title

男爵殿

これからもニッセイ他インデックスの乖離について見える化をお願いします。


乖離しているという事実が周知されているという前提ならば

ニッセイを買い続けるかは個人の判断でよいと思います。

これからも見える化をお願いします。

No title

コメントありがとうございます。

>指数には配当抜き、配当込みが有り、トータルコストも含めると指数にピッタリ連動するファンドなど無いのではないですか?

指数にピッタリ連動という意味は、ファンドのトータルコスト分だけ下方乖離して連動するという意味です。

もちろん、ファンドは税引き後の配当金を受け入れるため、配当除く指数(ネット)や税引前配当込指数(グロス)には、配当金の影響を受けてそれぞれ上振れや下振れをしますが、それでもファンドのトータルコストと配当金の影響を超えた上振れや下振れをしないように、ピッタリ連動しなければならないものと考えています。

>たわら男爵様が問題としたニッセイの乖離問題ですが、他のファンドとの比較であり指数との乖離では比較されていません。ニッセイは成績が悪いだけで、指数との乖離は関係無いと思うのですが、如何でしょうか。

沢山のインデックスファンドを集めてその騰落率を比較したときは、その多数派が指数と最もピッタンコだと考えてよいと思います。

ニッセイだけ、他社ファンドの騰落率と一致せず、上か下に突き抜けているのが問題なのです。

>私としては、配当抜きの指数にピッタリ連動するより配当込みで上方乖離して欲しいのですが

これを人は「アクティブファンド」と呼びます。
インデックスファンドである以上、相場がいついかなるときも、指数よりもコスト分だけ下方乖離して指数と連動しなければなりません。

>これからもニッセイ他インデックスの乖離について見える化をお願いします。

読者がいる限り頑張ります。

No title

各ファンドのベンチマーク指数が違う。このため、ファンドの横並び比較をしても意味がない。e-maxis slimは配当無し、ニッセイは配当有りのMSCIkokusaiがベンチマーク。更に各ファンドの月次報告にある同期間のベンチマークの数値は配当の有無が同じでも若干数字が違っている。恐らく適用為替レートの問題だろう。
顧客に対するマニフェストと言うのであれば、配当無し指数をベンチマークにしているe-maxis slimのほうが問題。上方乖離するに決まっている。

いずれにしても指数との乖離と言いつつ、指数が異なるファンドを横並び比較で評価しているこの記事は他者をミスリードしているだけで、中身がない。

No title

コメントありがとうございます。

>指数との乖離と言いつつ、指数が異なるファンドを横並び比較で評価しているこの記事は他者をミスリードしているだけで、中身がない。

指数が3種類あり、しかもそれがドルで提供され円評価は各運用会社がしている以上、横並び評価をするしかやり方はありません。

インデックスファンドの優劣の尺度としての指数との接着性は、結局のところ、「インデックスファンドはトータルコスト相当額だけ指数より下方乖離しているはずだ」との擬制を前提とした各ファンドの騰落率の優劣に帰着します。

このような前提に立てば、指数が配当金やその課税コストをどの程度考慮したものかということや、円換算のやり方はすべて無視することができます。

厳密にやるのだとしたら、ドルで提供されている指数を同一の基準で円換算し、毎日、各社の騰落率と比較することですが、ぜひご自身で試算し、ブログ等で公表してください。

なお、
>顧客に対するマニフェストと言うのであれば、配当無し指数をベンチマークにしているe-maxis slimのほうが問題。上方乖離するに決まっている。

配当込み(課税後)指数を採用したほうが良いことは間違いありませんが、それよりも、トータルコストと乖離率(騰落率と擬制)の2点のほうが重要です。

配当除く指数を採用するファンドが嫌いなのであれば、つらおさんのように買わなければいいだけです。
http://www.tsurao.com/archives/2015-09-24-1845491

しかし、このようなブログ記事まで書いたつらおさんでさえ、コストを重視し、FOYにはスリムに投票しています。
http://www.tsurao.com/archives/2017-11-29-1889000

繰り返しますが、重要なのはコストと乖離率(騰落率と擬制)のは2点であり、3種類の指数のどれを採用しているかは些末事といえます。

No title

>指数が3種類あり、しかもそれがドルで提供され円評価は各運用会社がしている以上、横並び評価をするしかやり方はありません。

この段階で貴下のいう横並び比較は「パフォーマンスの比較」であり「ベンチマークからの乖離」ではなくなってしまっています。
商品が顧客に約束しているのは「ベンチマークを指標」とすることであり、「他社の類似商品への追従」ではありませんので、マニュフェストとは全く関係のない評価を実施していることになります。
また、「各ファンドの騰落率の優劣に帰着」と単なるパフォーマンスで評価するのであればニッセイはたわら等より優秀ということになります。

マニフェストやアカウンタビリティーを言うのであれば「何を顧客に約束しているのか」をきちんと理解する必要があるでしょう。
「接着性」とか「擬制」という用語を使用して軌道修正をはからなければならないのは、ファンドの問題なのではなく、「ベンチマークからの乖離」を全く異なるパフォーマンスという尺度で評価してしまった貴下の矛盾に起因しています。

No title

コメントありがとうございます。

>この段階で貴下のいう横並び比較は「パフォーマンスの比較」であり「ベンチマークからの乖離」ではなくなってしまっています。

MSCIコクサイ指数に連動する先進国株インデックスファンドが複数あり、ニッセイ外国株を除き、騰落率が固まっているのに、ニッセイ外国株だけ上か下に突き抜けていれば、ニッセイ外国株の指数への連動性に重大な問題があると考えるべきです。

それともあなたは、このような状況にあるニッセイ外国株は、毎日の指数との連動性を維持していると評価しているのでしょうか?

>「各ファンドの騰落率の優劣に帰着」と単なるパフォーマンスで評価するのであればニッセイはたわら等より優秀ということになります。

指数との連動性を評価する物差しがこれしかないわけですから、私が日々の騰落率を見逃していたらこのように評価していたでしょう。

しかし、ニッセイ外国株は、何かイベントがあるとスコーンと上か下に突き抜ける習性があります。
しかも、このニッセイマジックは、ニッセイアセットマネジメント自身、種が分かっていないわけですから、私は怖くてとても買えません。完全な運任せですから。

>「接着性」とか「擬制」という用語を使用して軌道修正をはからなければならないのは、ファンドの問題なのではなく、「ベンチマークからの乖離」を全く異なるパフォーマンスという尺度で評価してしまった貴下の矛盾に起因しています。

では、あなたに先ほど問い、まだご回答いただいていませんが、何をもって指数との連動性をチェックすればよいのでしょうか?

基準価額の騰落率を用いてチェックするほかないのではありませんか?
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プロフィール

たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

●リスク資産(6割)は、たわら先進国株(楽天証券)とVT(マネックス証券)をほぼ50:50でホールド中。
●つみたてNISA(SBI証券)はeMAXIS Slim先進国株を年初一括40万円購入。
●楽天カード投資はeMAXIS Slim先進国株を毎月5万円購入。
●松井証券で「Slim全世界株リバランス積立」の毎営業日1万円投資を実行中。
●楽天証券で「たわら男爵15種」の毎月2回100円投資を実行中。
●SBI証券で「インデックスマラソン」の毎営業日100円投資を実行中。

●無リスク資産(4割)は、個人向け国債変動10(みずほ証券、大和証券)と楽天銀行(金利0.1%)。

パソコン版右端の「ブログ記事検索」と「カテゴリ」が便利です。

●「誰でもできる超簡単ほったらかし投資」(カテゴリ「【公開】誰でもできる究極の投資」)はこのブログの全エッセンスを1記事に凝縮したものです。
●カテゴリ「この投資信託がすごい」では、ベストバイファンドの具体名を明示しています。
●カテゴリ「インデックスファンドの基礎知識」を読めば、誰でも簡単に投資信託の必須知識を得ることができます。

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