この投資信託がすごい(2018年2月、新興国株編)後編

「この投資信託がすごい」新興国株編の最新版です。

このシリーズは、インデックスファンドのうち、私が最高だと考えるものをご紹介するというものです。

今回は後編です。
前編の勝者であるeMAXIS Slim新興国株とETFを買うだけファンドとを比較します。


【この投資信託がすごい(目次)】

●先進国株(現物株ファンド)
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-797.html#more
●先進国株(ETFを買うだけファンドとの比較)
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-798.html#more
●新興国株(現物株ファンド)
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-795.html#more
●新興国株(ETFを買うだけファンドとの比較)
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-796.html#more
●TOPIX
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-708.html#more
●ダウ
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-615.html#more
●全世界株
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-810.html#more
●eMAXIS Slim全世界株vsVT
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-745.html#more
●eMAXIS Slim全世界株vs楽天全世界株
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-740.html#more
●バランスファンド
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-858.html

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ETFを買うだけファンドには、

楽天・新興国株式インデックス・ファンド
EXE-iつみたて新興国株式ファンド

があります。

そこで、これらとeMAXIS Slim新興国株を比較します。


●eMAXIS Slim新興国株式インデックス

信託報酬 0.2052%(税抜0.19%)
実質コスト 0.3862%(うち信託報酬を除く部分は0.181%)
純資産額 41億1300万円(2017年7月31日新規設定)
マザーファンドの規模 356億1800万円(2016年5月16日時点)

※実質コストはイーマクシス新興国株の信託報酬を除く実質コスト(0.181%)を流用した。
なお、第1回決算日が2018.4.25であるため、6月末頃には運用報告書がアップされる見込みである(電話確認済)。


●楽天・新興国株式インデックス・ファンド

トータルコスト 0.5536%

うちETFの経費率 0.14%
うち信託報酬 税抜0.12%(投信会社0.05、証券会社0.05、信託銀行0.02)
うち信託報酬除く実質コスト 0.05%(推定値。0.2%程度になる可能性が高い)
※i-mizuho米国株の信託報酬除く実質コストが0.06%、EXE-i先進国株・新興国株の信託報酬除く実質コストが0.04%であることから、0.05%と推定した。
うち三重課税コスト 0.234%(推定値)
※計算根拠は後述する。

●EXE-iつみたて新興国株式ファンド

トータルコスト 0.4032%

うちETFの経費率 0.13%
うち信託報酬 税抜0.06%(投信会社0.02、証券会社0.02、信託銀行0.02)
うち信託報酬除く実質コスト 0.05%(推定値。0.2%程度になる可能性が高い)
※i-mizuho米国株の信託報酬除く実質コストが0.06%、EXE-i先進国株・新興国株の信託報酬除く実質コストが0.04%であることから、0.05%と推定した。
うち三重課税コスト 0.1584%(推定値)
※計算根拠は後述する。

※三重課税コスト
三重課税コストとは、ファンドが保有する株式の配当金について、
(1)投資信託 現地国、日本の二重課税
(2)米国ETF 現地国、アメリカ、日本の三重課税
というように、米国ETFはアメリカが10%の源泉税を徴収するというものである。
現地国の税率は10%であることが多く、アメリカは残りの配当金(90%)に10%の源泉税を徴収するため、配当金の9%がアメリカに奪われる。
ファンドが保有株の配当金を受け入れる際、原則としてその10%が保有株の所属国(現地国)によって課税されるが、保有株がファンドと同じ国籍の時はファンド受入時には課税されず、ファンドが顧客に分配金を出した時点で初めて課税される。
この例外が適用されるのは、日本の投資信託であれば日本株、米国ETFであれば米国株となる。
ファンドが分配金を出したとき、日本の投資信託は、日本株は日本国の一重課税、日本株以外は現地国・日本国の二重課税であり、米国ETFは、米国株は米国・日本国の二重課税であるが、米国株以外は現地国・米国・日本国の三重課税となる。
配当金が100あったとして、
(1)投資信託 現地国10、ファンド受入額90
(2)米国ETF 現地国10、アメリカ9(90の10%)、ファンド受入額81
となるため、この差額9(90-81)が三重課税コスト(米国ETFではなく投資信託であれば払わずに済んだコスト)となる。
ここで「ファンド受入額」と記載したが、これは便宜上の表現である。投資信託は文字どおりファンドの純資産額に上積みされ、顧客にとっては含み益の一部となり、売却時に譲渡所得として日本国によって課税されるが、米国ETFはそのまま顧客に分配されるため、分配時に配当所得として日本国によって課税され、その際、20.315%が日本国によって源泉徴収される。
無分配の投資信託であれば、米国ETFと異なり、保有株の配当金を顧客に分配して20.315%を徴収されることなく、この20.315%相当額もファンド内で運用し、その運用利益を顧客に渡すことができるため、その分、リターンが向上する(課税の繰り延べ効果)。

バンガード社によれば、VWOの利回りは2.6%である。
https://www.vanguardjapan.co.jp/docs/FS_VWO_JP.pdf
2.6%の9%は0.234%であるから、これが三重課税コストとなる。
ただし、ブルームバーグ社によれば、VWOの利回りは4.65%であるから、三重課税コストは0.4185%となる。
https://www.bloomberg.co.jp/quote/VWO:US
さらに、ヤフーファイナンスによれば、VWOの利回りは4.80%であるから、三重課税コストは0.432%となる。
どの数字が正しいか分からないが、とりあえずバンガード社の2.6%を採用し、三重課税コストは0.234%とした。

EXE-iつみたて新興国株のSCHEの利回りは、ブルームバーグ社によれば1.76%であるから、これを採用し、三重課税コストは0.1584%とした。
https://www.bloomberg.co.jp/quote/SCHE:US


トータルコストの比較(組入銘柄数)です。

1、eMAXIS Slim新興国株 0.3862%(831銘柄。大中型株のみ。韓国を含む)
2、EXE-iつみたて新興国株 0.4032%(851銘柄。大中型株のみ。韓国は含まない)
3、楽天新興国株 0.5536%(4619銘柄。小型株を含む。韓国は含まない)

ただし、イーマクシススリム新興国株のトータルコストは実際の数字に近いものと思われますが、EXE-iつみたて新興国株と楽天新興国株のトータスコストはこれらに最大限有利な数値(0.05%)を採用しているため、実際は更に+0.15%程度のコストアップになる可能性があります。

※+0.15%のコストアップとなる理由
i-mizuho新興国株(IEMGのみを買うもの)の第1回の運用報告書を見た投信ブロガーの報告によれば、信託報酬を除く実質コストは税抜1.24%であった。
http://longinv.blog103.fc2.com/blog-entry-1586.html
第2期運用報告書は次のとおり。
https://www.blackrock.com/jp/individual/ja/literature/annual-report/blkj-retail-i-mizuho-emerging-markets-equity-index-annual-report-ja-jp.pdf#search=%27imizuho%E6%96%B0%E8%88%88%E5%9B%BD%E6%A0%AA+%E9%81%8B%E7%94%A8%E5%A0%B1%E5%91%8A%E6%9B%B8+%E7%AC%AC2%E6%9C%9F%27
第2期運用報告書を見ると、i-mizuho新興国株の信託報酬を除く実質コストは税込0.229%。
同様に、第3期運用報告書では税込0.19%、第4期運用報告書では税込0.17%。
このように、ETFを買うだけファンドであっても、初年度のコストが跳ね上がるリスクがあるほか、2年目以降のコストも0.05%では収まらず、0.2%となるリスクがある。

とはいえ、イーマクシススリム新興国株のトータルコストが低すぎるだけであり、イーマクシススリム新興国が異次元の値下げをしなければ、EXE-iつみたて新興国株と楽天新興国株がワンツーフィニッシュを決めることができました。

ETFを買うだけファンドであるEXE-iつみたて新興国株に対抗値下げしたイーマクシススリム新興国株には無条件の賛辞を贈るほかありません。

このように、ETFを買うだけファンドを含めても、eMAXIS Slim新興国株がベストバイファンドとなりました。

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プロフィール

たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

●リスク資産(6割)は、たわら先進国株(SBI証券)とVT(マネックス証券)をほぼ50:50でホールド中。
●つみたてNISA(SBI証券)はeMAXIS Slim先進国株を年初一括40万円購入。
●松井証券で「Slim全世界株リバランス積立」の毎営業日1万円投資を実行中。
●楽天証券で「たわら男爵15種」の毎月2回100円投資を実行中。
●SBI証券で「インデックスマラソン」の毎営業日100円投資を実行中。

●無リスク資産(4割)は、個人向け国債変動10(みずほ証券、大和証券)と楽天銀行(金利0.1%)。

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