仮想通貨の分別管理はヤバかった~仮想通貨は死んだ(3)

本日、

●XEMのクラッキング~仮想通貨は死んだ(2)
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-759.html#more

という記事を書き、その中で、

いずれにしても、現時点で、コインチェック社が社内で分別管理している仮想通貨や日本円は、コインチェック社内部で横領等の犯罪行為がなされない限り、時間はかかっても顧客に返金されると思われますので、コインチェック社が顧客からの預り資産を自己資産と完全に分離して管理していることを祈り、出金が可能になり次第、直ちに出金するしかありません。

と書きましたが、そんなに簡単なことではないようです。

広告

まず、コインチェック社が十分な分別管理をしておらず、自社の資産とごちゃまぜにしてしまっていた場合には、コインチェック社が破産したとき、顧客は一般の債権者と同じ立場になります。

2014年に破産手続が開始されたマウントゴックス社は十分な分別管理をしていなかったことから、同社にビットコインを預けていた顧客は、一般の債権者と同じ立場として扱われています(面白いことに、破産管財人が保管中のビットコインの急騰により、破産時の時価相当額の満額配当を受けられそうな見込みとなっているようです)。

しかし、コインチェック社が十分な分別管理をしていたとしても、法的にどうなるかは微妙です。

東京弁護士会会報2017年4月号の特集記事の一部を引用します。


秘密鍵の管理について, ①事業者のみが管理している場合と②事業者と仮想 通貨保有者の双方が管理している場合を考えることができる。
現実の仮想通貨交換業者が仮想通貨を管理する場合は,①の形態が通常であると思われる。そして,改正資金決済法では,仮想通貨交換業者の仮想通貨と管理委託者のそれとの分別管理が求められているが,いわば物理的にも厳格な分別措置を講じていない限り,私法上は混蔵寄託に類する形態の中での分別管理になるものと考えられる。
そうした場合で仮想通貨交換業者が倒産した場合の取扱いが問題となる。仮想通貨の管理の形態が他主占有的なものであっても,上記①の形態である限りは,取戻権(破産法62条)等は認められない。
他方, 仮想通貨保有者のものとして分別管理がなされている限りは,明文規定はないものの,信託法25条1項を準用し,分別管理された仮想通貨保有者の財産として取り扱い,同種同量の仮想通貨をそれぞれ返還すべきであると考える。
なお,その総量が不足する場合には,管財人としては,プロラタ(数量按分)となるが,いずれの場合も,一般先取特権(民法306条) があるのと同様に一般倒産債権者からは優先した金銭配当をする便宜も認められてよいと考える(破産法 98条1項参照)。そう考えることが,公法(規制法)でありつつも,改正資金決済法が分別管理を要求した趣旨に適うものと考える。
https://www.toben.or.jp/message/libra/pdf/2017_04/lbr_201704.pdf#search=%27%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E5%BC%81%E8%AD%B7%E5%A3%AB%E4%BC%9A+%E3%83%93%E3%83%83%E3%83%88%E3%82%B3%E3%82%A4%E3%83%B3%27

分かりますか?
肝心な結論部分の文章の末尾が全て「考える」で終わっています。

つまり、「法律的にはっきりしたことはいえないけれども、公法の趣旨が及んで救済されるといいなあ」という執筆者の個人的な願望を述べているにすぎません。

これはヤバいですね。
顧客が取引所の破綻リスクをそのまま被ることになりかねません。

広告

コメント

非公開コメント

広告

プロフィール

たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

●リスク資産(6割)は「たわら先進国株」(楽天証券)とVT(SBI証券)をほぼ50:50でホールド中。
●つみたてNISA(SBI証券)では「たわら先進国株」を年初一括40万円購入。
●楽天カード投資(毎月1日)では「たわら先進国株」を毎月5万円購入(+特定口座で11日と21日に各5万円ずつ積立買付中)。
●SBI証券で「インデックスマラソン」の毎営業日100円投資を実行中。

●無リスク資産(4割)は、個人向け国債変動10(みずほ証券、SMBC日興証券)と楽天銀行(金利0.1%)。

パソコン版右端の「ブログ記事検索」と「カテゴリ」が便利です。

●「誰でもできる超簡単ほったらかし投資」(カテゴリ「【公開】誰でもできる究極の投資」)はこのブログの全エッセンスを1記事に凝縮したものです。
●カテゴリ「この投資信託がすごい」では、ベストバイファンドの具体名を明示しています。
●カテゴリ「インデックスファンドの基礎知識」を読めば、誰でも簡単に投資信託の必須知識を得ることができます。

新着記事通知用のツイッターアカウントはこちら。
https://twitter.com/tawaradanshaku

インデックス投資家必読の書

ブログ記事検索

他の投信ブログはこちら

管理