【基礎知識】インデックスファンドにかかるコスト

インデックスファンドの基礎知識をお伝えする新シリーズを始めます。

第1弾は、インデックスファンドにかかるコストについて解説します。

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インデックスファンドのコストには、

(1)目論見書で事前に明示されている「信託報酬」
(2)運用報告書で事後的に判明する「諸経費」

の2種類があり、これらの合計額を「実質コスト」と呼び、ファンドの純資産額から、毎日、日割りで差し引かれます。
ファンドの純資産額は顧客のものですから、最終的には顧客が負担することになります。

実質コストのうち、信託報酬は、事前明示・定額であるのに対し、諸経費は、事後報告・毎年変動します。
運用期間が長いファンドであれば、過去分の運用報告書を確認することで現在の諸経費を推認することができますが、新規設定されたファンドには過去分の運用報告書は存在しませんので、同じ運用会社の同種ファンドの運用報告書から推定するしかありません。

ところで、よく「インデックスファンドはコストで選べ」と言われますが、顧客が負担するコストは信託報酬ではなく、諸経費を含む実質コストである以上、選択の基準は、「信託報酬」ではなく信託報酬を含む「実質コスト」であるべきです。
しかし、「諸経費」はファンドごとにかなりの差異がありますので、信託報酬の安さに目を奪われてしまうと、「安物買いの銭失い」を体験する羽目になります。

また、「インデックスファンドはコストで選べ」というときは、「インデックスファンドである以上、インデックス(指数)に連動している」ことが当然の前提になっています。

理想は実質コスト相当額だけ下方乖離することです。つまり、指数のリターンが年5%で、ファンドの実質コストが0.2%であれば、ファドのリターンは4.8%であるべきです。
しかし、指数よりもファンドの実質コスト相当額だけ下振れした形で指数の値動きをぴったりトレースするファンドは限られています。ほとんどのファンドは実質コスト相当額以上の下方乖離となりますし、中には指数よりも上方乖離するファンドもあります。

実質コスト相当額を超える下方乖離が発生すると、顧客がその分だけ損をすることになるため、非常に嫌われます。
しかし、ときには指数を上回るリターンを上げてしまうことがあります。この場合、顧客は指数よりも儲かって得をしましたが、上にブレるということは、同じ確率で下にもブレるリスクがあることを意味しますので、一時的に得をしても長期的に損をする可能性があります。

実質コスト相当額を超える乖離が発生する最大の原因は新規流入資金であり、具体的には、

(1)マザーファンドの純資産額
(2)ベビーファンドの純資産額
(3)マザーファンドに占めるベビーファンドの割合

の3点が影響します。


【基礎知識シリーズ】

●インデックスファンドにかかるコスト
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-752.html#more
●下方乖離の原因
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-755.html
●指数の種類
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-757.html#more



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コメント

質問でございます。宜しくお願いいたします。

初めまして。投資超初心者です。
最近、俵男爵様のブログを知り素人ながら勉強させていただいております。

初歩的な質問で大変申し訳ないのですが、
お手すきのときにでもご教授頂けましたら幸いでございます。

【質問】
現在、セゾン投信で積み立てをしています。
しかし俵男爵様のブログから、
eMAXIS Slimの方が圧倒的にお得なようで、
乗り換えを考えています。
(当時は何となく皆してるいるからという理由でセゾンを始めました。)

そこで、下記3つのうち男爵様ならどれが最適だと考えますか?

1.セゾンは解約し、eMAXIS Slimを始める。

2.セゾンも積み立てを継続しつつ、eMAXIS Slimも始める。

3.セゾンの積み立てを止めて、そのまま放置しつつ、eMAXIS Slimを始める。

セゾンは月2万積み立てで、3年ほどたちました。久しぶりにログインしてみたら僅かながらですが利益がでているため、そのまま続けたほうがいいのか、止めるべきか判断ができない状況です。


お忙しいところ恐縮ではございますが、
よろしくお願いいたします。






No title

コメントありがとうございます。

セゾン投信で月額2万円×36か月=72万円の積み立てをしてきたが、スリム先進国株に乗り換えようかどうか迷っているということですね。

私ならば、セゾン投信は全売却し、同日、SBI証券か楽天証券でスリム先進国株を同額購入し、以後はスリム先進国株の積立買付をします。

セゾン投信は、当初の理念(低コスト)を失い、インデックスファンドだったはずのセゾングロバラをアクティブファンドだと言い張り、超低コストファンドを公然と攻撃するなどして迷走していることから、もはや投資先としては適切ではないと考えています。

数百万円の含み益が出ていれば別ですが、投資元本が72万円ですので、直ちに売却し、セゾン投信の口座自体も解約してしまったほうがよいでしょう。

ちなみに、私は、2015年にセゾングロバラを全売却し、VTとたわら先進国株に乗り換えました。
その際の含み益は640万円で、130万円ほどの譲渡所得税が源泉徴収されましたが、すっきりしてよかったと考えています。

No title

男爵様

早速の丁寧なご回答ありがとうございます。

>その際の含み益は640万円で、130万円ほどの譲渡所得税が源泉徴収されましたが、すっきりしてよかったと考えています。

とんでもない額ですね。さすがです!
男爵様のご教授通り、セゾンは解約しようと思います。
アドバイスありがとうございました。

また、色々調べていると以下が盛り上がっているようですが、男爵様はどのようにお考えでしょうか?

・仮想通貨について
・ロボアドバイザーについて


質問ばかりで大変恐れ入りますが、是非頭のキレる男爵様の考えが聞けたら幸いでございます。
お手すきのときにでも、
よろしくおねがいいたします。



No title

>男爵様のご教授通り、セゾンは解約しようと思います。アドバイスありがとうございました。

参考になったようで、よかったです。

>仮想通貨

長くなりそうですので、新記事で回答します。

>ロボアドバイザー

ロボにアドバイスを求めたいことはあるのでしょうか?

リスク資産はイーマクシスリム先進国株か、イーマクシススリムシリーズで全世界株を自作すればよいだけですし、無リスク資産との配分比はそもそもロボはアドバイスしてくれません。

No title

男爵様

お忙しいところ、ご回答ありがとうございました。

ロボの件、納得いたしました。
うっかり他のロボ儲かる記事に影響されるところでした。。。

新記事、楽しみにしています。
よろしくお願いいたします。

No title

コメントありがとうございます。

>うっかり他のロボ儲かる記事に影響されるところでした

ロボのプログラムを組んでいるのは良く知らないどこかのおっさんですから、そのアドバイスが本当に信頼できるものかは疑問です。

>新記事、楽しみにしています。

先ほどアップしましたので、ご覧ください。

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No title

突然の質問、大変失礼いたします。いつも的確な分析ありがとうございます。私も、イーマクシススリム全世界株を買い始める予定ですが、数件質問がございます。
①イーマクシススリム全世界株の想定年利は、何%を見ておりますか?
②松井証券でなく、マネックスと楽天証券で積み立てる予定ですが、それでもVTに対して優位性がありますでしょうか。
③セゾン、ひふみなど、ほかの投信を解約した場合、利益が乗っていても追加投資できないのであれば売却し、全額すぐに乗り換えるべきでしょうか。はたまた、分散して購入するほうが利巧でしょうか。

お時間のある時にご回答いただければ幸いです。何卒宜しくお願い致します。

No title

コメントありがとうございます。

非公開設定になっていますので、コメントを張り付けます。


男爵様のブログ詳しく参考になっています。
インデックスファンドとは関係がなく申し訳ないのですが、男爵様は人気のヒフミプラスをどうお考えでしょうか?
今イーマクシススリム先進国とヒフミプラス、あとは全世界をバランスよく持ちたいと思っていますが、どのような割合が良いのか迷っていますので是非ともご意見を聞かせて下さいますようお願いいたします。



私は、アクティブファンドのことは分かりません。
ただ、株式市場では、ひふみを含めたアクティブ投資家がしのぎを削って戦っているわけですから、ひふみだけが他のアクティブ投資家を抑えて優秀な成績をおさめ続けると信じるのは楽観的に過ぎると考えます。

インデックス投資は、全てのアクティブ投資家の平均の成績をトレースする投資手法ですから、アクティブ投資家全体の運用成績が向上すれば平均も上がって恩恵を受けることができます。

私にはアクティブファンドに投資したい意欲はありませんが、ひふみなどのアクティブファンドに投資する人が増えれば増えるほどインデックス投資家は儲かりますので、ご自身で判断され、ひふみが儲かると思えばひふみを買ってください。

ただ、繰り返しますが、私はひふみには投資しません。

なお、スリム先進国株、スリム全世界株(自作)、ひふみをバランスよく保有すると、結局は、日本株と先進国株に加重に投資することになり、あなた自身の投資判断というリスクを抱えることになります。

スリム全世界株を自作するつもりがあるのであれば、スリム全世界株一本で勝負したほうがよいと考えます。

No title

コメントありがとうございます。

>①イーマクシススリム全世界株の想定年利は、何%を見ておりますか?

全世界株の期待リターンは4.50%ですから、そんなものではないでしょうか。
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-686.html

>②松井証券でなく、マネックスと楽天証券で積み立てる予定ですが、それでもVTに対して優位性がありますでしょうか。

http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-745.html#more

この記事でお伝えしたとおり、トータルコストで比較すると、両者はほぼ同コストです。

ただ、VTは今後値下げの可能性が高いのに対し(毎年少しずつ値下げしています)、スリムは他ファンドがスリムより値下げしない限り値下げはしないでしょうし、スリムの信託報酬は限界であると思われるため、他ファンドが値下げする可能性は低いと考えます。

また、VTの分配金を総合課税で確定申告(住民税は申告不要制度を利用する)すると、源泉徴収された20.315%のうち、低所得者であれば最大10%の還付を受けることができますし、事業所得(赤字)と損益通算をして、配当所得の課税所得額を減らすこともできます。

というわけで、低所得者であればあるほどVTのほうが得になりますが、いろいろと手間がかかることから、スリム先進国株ないし全世界株(松井証券でない限り年1回のリバランスが絶対に必要)のほうをお勧めします。

>③セゾン、ひふみなど、ほかの投信を解約した場合、利益が乗っていても追加投資できないのであれば売却し、全額すぐに乗り換えるべきでしょうか。はたまた、分散して購入するほうが利巧でしょうか。

インデックスファンドであれば、放置したほうが得です。
なぜなら、売却時に源泉徴収される20.315%の税金相当額を、売却しなければ年利4.50%で運用することができるからです。

多くの投信ブロガーは売却しませんが、私は過去の投信がログイン画面にあるのを見るのが嫌ですので、直ちに売却しています。
また、過去の投信を保有すればするほど、含み益が乗ってしまい、尚更売却することができなくなりますので、永久保有するつもりがなければ直ちに売却し、同日、売却金相当額の新ファンドを購入すべきです。

これに対し、アクティブファンドは継続保有すると市場平均を下回るリスク(運用に失敗するリスク)があります。

私ならば、セゾンもひふみも、既に投資意欲がなくなったのであれば直ちに売却し、同日、売却金と同額で新ファンドを購入します。

全世界株の期待リターン

いつもたくさんの情報をご教授いただき、ありがとうございます。
slim全世界株の期待リターンは4.50%なのですか?
松井証券での10:90:10ポートフォーリアのリターンは8%程度、リスクは20%程度となっているのですが、そのまま期待リターンを8%と考えてはダメなのですか。

No title

コメントありがとうございます。

>slim全世界株の期待リターンは4.50%なのですか?

JPモルガンはそう考えていますし、ほとんどの投資本には株の期待リターンは年5%程度であると記載されています。

年利8%なら9年ごとにリスク資産が倍増していきますので(72の法則。72÷8=9年)、常識的に考えて、そんなうまい話はありません。
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プロフィール

たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

●リスク資産(6割)は「たわら先進国株」(楽天証券)とVT(SBI証券)をほぼ50:50でホールド中。
●つみたてNISA(SBI証券)では「たわら先進国株」を年初一括40万円購入。
●楽天カード投資(毎月1日)では「たわら先進国株」を毎月5万円購入(+特定口座で11日と21日に各5万円ずつ積立買付中)。
●SBI証券で「インデックスマラソン」の毎営業日100円投資を実行中。

●無リスク資産(4割)は、個人向け国債変動10(みずほ証券、SMBC日興証券)と楽天銀行(金利0.1%)。

パソコン版右端の「ブログ記事検索」と「カテゴリ」が便利です。

●「誰でもできる超簡単ほったらかし投資」(カテゴリ「【公開】誰でもできる究極の投資」)はこのブログの全エッセンスを1記事に凝縮したものです。
●カテゴリ「この投資信託がすごい」では、ベストバイファンドの具体名を明示しています。
●カテゴリ「インデックスファンドの基礎知識」を読めば、誰でも簡単に投資信託の必須知識を得ることができます。

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