「スリム全世界株リバランス積立」の活用方法

私は、前回、「これから投資を始める人が投資で儲ける唯一の方法」という記事を書き、まずはつみたてNISA口座、余力があれば特定口座で、いずれもeMAXIS Slim先進国株だけを買うことを推奨しました。
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-724.html#more

しかし、他方で、私は、下記記事のとおり、松井証券で「Slim全世界株リバランス積立」の毎営業日1万円積立てを開始しました。

●「Slim全世界株リバランス積立」を開始します
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-721.html#more

どちらがよいのかというのが今日のお話です。

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まず、私のアセットアロケーションは先進国株に偏っています。
(描画中)

「アセットアロケーション円グラフメーカー」(https://www.valuetrust.net/entry/2017/10181304.htm

この理由は、私は、たわら先進国株とVTをほぼ半々ずつ保有しているからです。

2015年12月に信託報酬0.225%のたわら先進国株が登場したとき、私はそのあまりの安さに衝撃を受け、VTへの投資を途中でストップし、たわら先進国株への投資に切り替えました。
たわら先進国株への投資に切り替えた時点でリスク資産に投じるべき資金の半分が残っていたことから、たわら先進国株とVTを半々ずつ保有することになったわけです。

私は、たわら先進国株に投資する際、日本株と新興国株は買わなくてもよいのか考え、先進国株だけを買っておけば十分であるとの結論に達しました。

●なぜたわら先進国株なのか(1)
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-7.html#more

当時、新興国株を含んだ低コストファンドは三井住友DC全海外株しかありませんでしたが、三井住友DC全海外株は新興国株部分を100%先物運用していたことから、信頼性に欠けると判断しました。
そうすると、もし新興国株がほしいとなると、自分で新興国株ファンドを購入し、リバランスをしなければなりません。
新興国株ファンドは高コストであり、リバランスするのも面倒だと考え、たわら先進国株だけを購入することにしました。

しかし、松井証券で「Slim全世界株リバランス積立」をすれば、これらは全て解決します。

eMAXIS Slim新興国株は超低コストですし、リバランス積立をしつつ年に1回の自動リバランスをすれば、リバランスの手間は一切かかりません。

また、日本株についても、私はその将来性を悲観していますが、素人の投資判断は危険です。
リバランスの手間さえ要らないのであれば、全世界株を丸ごと買ってしまえば一切の悩みから解放されます。

銘柄もeMAXIS Slimシリーズで固めれば、現時点で最安ファンドですし、もし他ファンドが値下げしても対抗値下げしてくれますので安心です。

リバランス積立の最大の問題点は構成銘柄の変更ができないという点でした。
たとえば、先進国株部分からたわら先進国株を外してeMAXIS Slim先進国株にすると、8割の先進国株部分がぽっかり空いてしまうため、たわら先進国株を売却してeMAXIS Slim先進国株を購入してその穴を埋めるか、eMAXIS Slim先進国株が8割に達するまでひたすらeMAXIS Slim先進国株だけを買い続ける必要があります。
しかし、eMAXIS Slimシリーズで固めることで銘柄変更のリスクはなくなりました。

というわけで、eMAXIS Slim先進国株80%、eMAXIS Slim新興国株10%、eMAXIS Slim国内株10%の配分比で目標ポートフォリオを作成し、リバランス積立を毎日していくのは優れた投資戦略といえます。

※なぜこの配分比なのか(時価総額比を忠実に反映しないのか)という疑問を持たれた人もいるかもしれません。
ステートストリート社の全世界株式インデックス・ファンドの月次レポートは、楽天証券のサイトで誰でも閲覧することができますが(ログインする必要はありません)、そこにはベンチマークの組入比率が明記されていますので、極めて簡単に、先進国株、新興国株、日本株の最新の時価総額比率を確認することができます。
しかし、最新の時価総額比率を追いかけるのは手間ですし、追いかけたところでリターンが飛躍的に向上するものでもありませんし、月次レポートが公表された時点の時価総額比は既に数日前の作成日時点の時価総額比ですから、厳密に時価総額比を追いかけることはできません。
このような理由で、私は、配分比を8:1:1に固定しています。


ただし、投資額が大きくなると、リバランス積立だけでは配分比を維持することができなくなります。
そのため、年に1回の頻度で、配分比を上回ったファンドを売却し、配分比を下回ったファンドを購入するリバランスをする必要がありますが、これも「自動リバランス設定」をしておけば勝手に実行してくれます。
リバランスを実行する日はいつでもよいのですが、私は10月4日(投資の日)に設定しました。

また、松井証券は銀行口座からの自動引き落としに対応していません。
そのため、手作業で即時入金処理をしなければならないという手間がかかります。
しかし、銀行の自動送金制度を利用することで、これもクリアできます。

毎営業日1万円積立てをするときは、具体的にはこのようにします。

(1)住信SBIネット銀行の「定額自動入金」サービスを利用し、毎月27日、メインバンク(私は楽天銀行)から25万円を住信SBIネット銀行に自動送金する。
(2)住信SBIネット銀行の「定額自動振込」サービスを利用し、毎月10日、松井証券から指定された入金先銀行口座に25万円を自動送金する。

※これらは一度設定すれば、あとは勝手に自動送金してくれます。

※楽天銀行から直接、松井銀行から指定された入金先銀行口座に自動振込することもできますが、楽天銀行の毎月3回しかない無料振込回数を1回分使わなければなりません。
住信SBIネット銀行をかませることで、住信SBIネット銀行の無料振込回数を使うことができ、メインバンクの楽天銀行の無料振込回数を温存することができます。
また、住信SBIネット銀行で定額自動入金設定をすると、翌月に30ポイントが付与されます。これを500ポイントためると500円と交換することができます(有効期限内に500ポイントをためることができます)。

※住信SBIネット銀行では、(1)普通預金の残高を1000円にする、(2)ハイブリッド預金の残高を1000円にする、(3)1南アメリカザー(日本円8円前後)を外貨預金する、ことで3回の無料振込回数を取得することができます。
また、ハイブリッド預金残高を300万円以上にしておくと(IPO投資に必要ですからハードルは低いです)、ただちに5回の無料振込回数を取得することができます。

このようにすることで、全てを自動化することができます。
気を付けなければならないのは、自動送金前にメインバンクに25万円を入れておくことだけです。あとは何もすることはありません。
勝手に送金し、勝手に「スリム全世界株」を毎営業日1万円ずつリバランス積立し、年に1回、売却を伴うリバランスをしてくれます。

ここまで読むと、eMAXIS Slim先進国株だけより良さそうな感じがします。
先進国株だけよりは全世界株に分散投資したほうが好みだという人は、つみたてNISAはSBI証券でeMAXIS Slim先進国株を買い、「スリム全世界株リバランス積立」は特定口座で購入してください。

ただ、私がeMAXIS Slim先進国株だけをSBI証券で購入することを推奨するのは、「スリム全世界株リバランス積立」は松井証券のシステムに100%依存してしまうというリスクがあるからです。
他社に同様のシステムがない以上、松井証券と心中しなければならなくなります。
また、全世界株といってもその8割は先進国株です。新興国株や日本株を1割ずつ混ぜたところでリターンが飛躍的に向上するものでもなく、先進国株ファンドだけ買えば十分であるとも考えられます。

というわけで、「スリム全世界株リバランス積立」は、どうしても新興国株や日本株も買いたいというマニア向けのものであると考えます。

最後に質問に対する回答です。

【質問】
時価総額比率でインデックスファンドを購入する場合、比率は今後変動(小さいのかもしれませんが)するように思うので、定期的に確認して積立額の変更やリバランスを行う必要があるように思います。
そのような運用が面倒であるため、eMAXIS Slim先進国株のみ購入することを推奨されているように思うのですが、そもそもの時価総額比率で新興国や日本株比率が高くなった場合、どのような対処が必要と思われますでしょうか。
自動リバランスを使うにしてもそもそもの比率が変わった場合に手運用が必要になりそうなので、低コスト且完全放置できる方法が見つからず悩んでおります。根本的にはたわら男爵様がご提案されているeMAXIS Slimで全世界株が出てくれればよいのですが、現時点での有効な運用方法などがもしあればご教授ください。 

【回答】
ある時点の時価総額比に基づき先進国株ファンド、新興国株ファンド、日本株ファンドを購入すれば、その後に時価総額比が変動してもファンドの構成比も自動的に変動するため、リバランスの必要はありません。

ただし、時価総額比を正確に把握して購入することは不可能です。上記の月次レポートを追いかけたとしても、あくまでレポート作成時の時価総額比であり、レポート公表時には既にズレているからです。
そのため、時価総額比を合わせるためのリバランスが必要になります。

とはいえ、前述したとおり、8:1:1の固定配分にしておけば、難しい悩みから解放されます。
また、時価総額比が8:1:1から相当程度乖離したときは固定配分比を変更する必要がありますが、そのときは投信ブロガーが大騒ぎするでしょうから、そのときに固定配分比を変更するかどうかを考えればよいことであり、今から悩む必要はないと考えます。

少し古い資料ですが、「MSCI指数におMSCIける日本構成比率の推移」を見ると、1999年末、2004年末、2009年末の日本構成を比較していますので、2017年末のデータを加えて整理してみます。
https://jp.reuters.com/article/idJPnTK042741320100901

●MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(MSCI‐ACWI、先進国と新興国計45か国)
日本構成比率 8%(2017年末) 8.45%(2009年末) 9.17%(2004年末) 12.73%(1999年末)

●MSCIワールド・インデックス(先進国24か国)
日本構成比率 8.64%(2017年末) 9.71%(2009年末) 9.68%(2004年末) 13.41%(1999年末)
https://www.msci.com/documents/10199/178e6643-6ae6-47b9-82be-e1fc565ededb

これを見ると、今後20年や30年は8:1:1の配分比で大丈夫そうです。

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コメント

No title

質問をしたものです。
ご丁寧に回答いただきありがとうございました。
過去の比率からも、時価総額費の変動はあまり気にしなくてよさそうということで理解できました。大変参考になります。
また、自動リバランスは使ってみたいのですが、現状SBI証券で積立てているので、SBIで無料ツールが提供されるのを少し待ってみようと思います。
(リクエストフォームから要望だけ出してみました)

今後ともブログ記事を参考にさせていただき、不明点等質問させていただければと思います。

No title

コメントありがとうございます。

>過去の比率からも、時価総額費の変動はあまり気にしなくてよさそうということで理解できました。大変参考になります。

よかったです。
またご質問等があればご連絡ください。

No title

わらび男爵様のブログを昨年偶然にも知ることが出来て本当に良かったです。本年もブログ更新楽しみにしています。

今回質問というか今更そんなことを聞く?というような内容で申し訳ないのですが。「たわら先進国」「野村」ときて男爵様は「eMAXIS」を勧めておられます。その理由はコストが低いということを大変重視しておられるからだと思うのですが「ほんのわずかな違いだと思うけどそんなに変わってくるものなのかなぁ」とピンとこないというのが正直なところでした。(このような認識で投資を何となく見様見真似で始めた人間が「セゾン」や「ひふみ」でスタートするのが多いのかも?)

呆れられるのは承知の上でコストについて男爵様からビシッと書いて頂ければ有難いです。

※12月に何回か質問させて頂いたときに書いたidecoを止める件ですが思いのほか難儀でした。まだ申し込みの段階なので電話一本で止めれると安易に考えていましたが、もう出来ないとのこと。引き落し出来ないよう残高を減らした上で「資格喪失届」を出してもらう、とのことでした。東日本大震災という状況でも中途出金など例外が認められなかったと以前何かで読んだことを思い出しました。安易な気持ちで始めてはいけない、と改めて思いました。

No title

コメントありがとうございます。

>男爵様のブログを昨年偶然にも知ることが出来て本当に良かったです。本年もブログ更新楽しみにしています。

そう言っていただけるとブログを書いてよかったと思えます。
今後もご愛読よろしくお願いします。

さて、
>「ほんのわずかな違いだと思うけどそんなに変わってくるものなのかなぁ」とピンとこないというのが正直なところでした。コストについて男爵様からビシッと書いて頂ければ有難いです。

スーパーに行き、消費期限が同じなのに値引きシールが貼ってあるものと貼っていないものがあれば、値引きシールが貼ってあるほうを買いますよね。
必読書としてご紹介したエリスの「インデックス投資入門」にもコストに関する重要な記述がありますので、旅行後に紹介する記事を書くことにします。

なお、
>decoを止める件ですが思いのほか難儀でした。

これはNISAの誤記ですよね?

いえ、idecoです

わらび男爵様、スーパーでの例え主婦の私には笑ってしまいましたが、確かに...光熱費も保険料も自分なりにシビアに節約してきたつもりですが、投信のコストについては正直なところ「アクティブ投信はインデックス投信よりコストが高い、というけれど銀行に預けるより増えるんだからそこまで追求しなくても」なんて考えもありました。またいくら積立てていくらになって、具体的にコストが何円なのか?まで考えておりませんでした。


男爵様が「NISAの誤記ですよね?」とお書きになった件ですが、「ideco」の申し込みのことです。主人の代わりにSBI証券に申し込み書をを送ったが止めたい、と電話したら「まずご本人からでないと」改めて主人から電話してもらいましたが(月ごとの締め日の後に申込書を送ったので翌月処理分になるだろう、申し込んだとしても2月引落しスタートになるから間に合うと思っていたのですが)上記のような流れとなりました。まだ申込書を送った段階であり、SBI証券から書類も届いておらず、ましてや何の投信を選ぶなんて段階でもないのに止めることができないとは?国の制度とはこういうものなのでしょうか?(応対してくださった方が「物理的にストップするために2月3月分まとめて引き落とす一回目の引落が出来ないように残高を減らしてください」と男爵様が私にセゾン投信の引落しが出来ないよう電話するか、残高を調整するようアドバイスしてくださったことと全く同じことを言われたそうです)

No title

コメントありがとうございます。

>男爵様が「NISAの誤記ですよね?」とお書きになった件ですが、「ideco」の申し込みのことです。

どちらにせよ、手続が間に合ったのであればよかったです。
iDeCoへの加入は、得をすることが確信できるまでしないほうがいいでしょうね。

No title

slim全世界(日本除く) + 日本株 ではなく
slim先進国 + 新興国 + 日本株 とする理由を教えていただけないでしょうか

No title

コメントありがとうございます。

>slim全世界(日本除く) + 日本株 ではなくslim先進国 + 新興国 + 日本株 とする理由を教えていただけないでしょうか

理由その1
3ファンドを買ったほうが安いから。

理由その2
イーマクシス全世界株の純資産額が増えなかった前例からすると、スリム全世界株の純資産額も増えるとは思えないから。

という理由です。

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No title

コメントありがとうございます。

さきほど新記事でご回答しました。
分からない点があればコメントいただければと思います。
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プロフィール

たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

●リスク資産(6割)は、たわら先進国株(楽天証券)とVT(マネックス証券)をほぼ50:50でホールド中。
●つみたてNISA(SBI証券)はeMAXIS Slim先進国株を年初一括40万円購入。
●楽天カード投資はeMAXIS Slim先進国株を毎月5万円購入。
●松井証券で「Slim全世界株リバランス積立」の毎営業日1万円投資を実行中。
●SBI証券で「インデックスマラソン」の毎営業日100円投資を実行中。

●無リスク資産(4割)は、個人向け国債変動10(みずほ証券、大和証券)と楽天銀行(金利0.1%)。

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