まずは、値下げ予定を踏まえた信託報酬ランキングです。
1、eMAXIS Slim先進国株 0.11(0.1188)
2、ニッセイ外国株 0.189(0.20412)
3、iFree外国株 0.19(0.2052)
3、i-SMTグローバル株 0.19(0.2052)
5、
たわら先進国株 0.2(0.216)
(参考)野村つみたて外国株
投信 0.19(0.2052)
つぎに、信託報酬を除く実質コストランキングです。
なお、(マザーファンドの純資産額)を併記しました。
1、Funds-i外国株 0.021%(3680億0352万円)2017.9.6
2、外国株式
インデックスe 0.034%(2264億8618万円)2017.2.7
3、
たわら先進国株 0.038%(2789億6300万円)2017.10.12
4、SMTグローバル株式 0.04%(3064億8400万円)2017.11.10
5、三井住友DC外国株S 0.068%(1655億8300万円)2016.11.30
6、iFree外国株 0.06978%(796億3099万円)2016.11.30
7、eMAXIS先進国株 0.094%(2701億6464万円)2017.3.27
8、ニッセイ外国株 0.119%(629億1132万円)2016.11.21
(参考)野村つみたて外国株
投信 0.0414
※0.021×88%=0.01848、0.191%×12%=0.02292、これらの合計額は0.0414
最後にトータルコストランキングです。
1、eMAXIS Slim先進国株 0.2128
2、i-SMTグローバル株 0.2425
3、
たわら先進国株 0.254
4、iFree外国株 0.27498
5、ニッセイ外国株 0.32312
(参考)野村つみたて外国株
投信 0.2466
たわら先進国株との差は0.0412%、これは1000万円あたり4120円です。
SBIポイントを考慮してみます。
(1)SBIポイントが付与されないケース
eMAXIS Slim先進国株 0.2128
たわら先進国株 0.204
両者の差 0.0088%(1000万円あたり880円差)
(2)SBIポイントが0.03%付与されるケース(楽天バンガードファンドシリーズと同額)
eMAXIS Slim先進国株 0.1828
たわら先進国株 0.204
両者の差 0.0212%(1000万円あたり2120円差)
eMAXIS Slim先進国株に対し、SBIポイントが付与されなければたわら先進国株が1000万円あたり880円儲かり、0.03%のSBIポイントが付与されればeMAXIS Slim先進国株が2120円儲かることになります。
この程度の差は運用状況によって容易に変動しますので、値下げ後のeMAXIS Slim先進国株に対してSBIポイントが付与されてもしなくても大差はありません。
まとめです。
SBIポイントを考慮しなければ、eMAXIS Slim先進国株の値下げによって、たわら先進国株よりも1000万円あたり4120円儲かるが、SBIポイントを考慮すると両者の間に大差はない。
なぜこのような結果になったかというと、eMAXIS Slim先進国株の実質コストが全般的に非常に高いからです。
特に高いのは保管費用です。
eMAXIS Slim先進国株の保管費用は0.043%です。
これに対し、たわら先進国株は0.027%、野村のFunds-i外国株は0.01%です。
また、売買委託手数料も0.015%かかっていますが、たわらは0.004%、野村は0.003%です。
さらに、有価証券取引税も0.031%かかっていますが、たわらは0.004%、野村は0.008%です。
このように、eMAXIS Slim先進国株のコストがたわらや野村に比べて非常に高いことから(たわらの2.47倍、野村の4.47倍)、信託報酬の値下げ効果の相当部分を打ち消してしまっています。
これはeMAXIS Slim先進国株の問題点ではありません。
これらのコストの大半はマザーファンドにかかったものをベビーファンドに割り付けたものになりますので、マザーファンドを同じくするeMAXIS Slim先進国株にもそのまま当てはまります。
とはいえ、証券会社のポイント制度は、低コストファンドの登場とともに各社縮小されました。現在、超低コストファンドにポイントを付与する証券会社はSBI証券と楽天証券の2社だけですから、廃止や縮小のリスクがあります。
ポイントを考慮しなければ、値下げ後のeMAXIS Slim先進国株の優位性は変わりません。
また、ポイント制度は、SBI証券や楽天証券ではない証券会社でeMAXIS Slim先進国株を買う人には関係しないことです。
したがって、もしeMAXIS Slim先進国株が0.11%に対抗値下げしたときは、
(1)たわら先進国株や野村つみたて外国株
投信の既存のホルダーはSBI証券や楽天証券で保有を継続する
(2)新規積立てはeMAXIS Slim先進国株を選択することを真剣に検討する
ということになるでしょう。
ちなみに、eMAXIS Slim先進国株の2015年1月決算の第6期運営報告書では、保管費用0.029%、売買委託手数料0.006%、有価証券取引税0.007%と低廉であり、これらの合計額(信託報酬を除くコスト)は0.048%です。
しかし、第7期は0.088%、第8期(最新)は0.094%と高くなってしまっています。
おそらく取引先を変えたか何かしたせいと推測されますが、非常に残念です。
コメント
No title
eMAXIS Slim先進国株の「信託報酬」 0.11
ニッセイ外国株の「信託報酬を除く実質コスト」 0.119%
販売資料に記載すべきコストの数字について、より明瞭になるよう改めるべきと考えます。
現在、「信託報酬」だけで表記。
明瞭にするため、「信託報酬」+「信託報酬を除く実質コスト」と、明細をつけて表記すべきと考えます。
2017/12/27 17:30 by URL 編集
No title
>販売資料に記載すべきコストの数字について、より明瞭になるよう改めるべきと考えます。
アメリカ方式ですね。
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-454.html
上記記事でバンガード社のVTWSX(VTのインデックスファンド)の商品紹介ページのリンクを張っていますが、経費率(Expense Ratio)が0.21%であることが明記されています。
やってみないと分からないので事前に明記できないと誤魔化している日本とは大きな違いですよね。
2017/12/27 19:54 by たわら男爵 URL 編集
No title
SBIポイントは永続保証がないわけですから、新規積み立ては素直に最安値保証のあるeMAXIS Slimに乗り換えるのが妥当と思います。
それに、たわらが追随したら最高なんですがあまり期待できません。
やるなら恥も外聞もなく、たわらslimを出してきたりしてw
2017/12/27 20:42 by ぽんすけ URL 編集
No title
2017/12/27 22:50 by URL 編集
No title
最低コストを更新する投信が出現した場合。
eMAXIS Slim先進国株は、最低コストをめがけてコスト(信託報酬)改定する期待が持てます。
たわら先進国株も、前者ほどの期待はもてませんが、それなりの改定はするだろうとも期待できます。
過去の推移を観察していると、そう思うのですが。
さてはて、野村つみたて外国株投信はどうか。コスト改定の実績はなし。初期設定が低コストなのはわかりますが、今後の改定には期待は持ちにくいと考えます。
それでも、野村つみたて外国株投信で1/1付で40万円の買付け注文のご判断でしょうか。
2017/12/28 10:05 by URL 編集
No title
>SBIポイントは永続保証がないわけですから、新規積み立ては素直に最安値保証のあるeMAXIS Slimに乗り換えるのが妥当と思います。
もし0.11%に対抗値下げすれば、先進国株と新興国株のベストバイは決まりですね。
たわらばかりでなく、どこも追随することはできないでしょう。
>Slimでない方のeMAXISから類推したeMAXIS Slim先進国株の実質コストはかなり高いはずなのに、実際の騰落率の比較で見るとそれほど悪くないですよね。
そうなんですよね。私もここが良く分かりません。
運用報告書を待つしかありませんが、半年ほど先のことになります。
>つみたてNISAは1/1付で、野村つみたて外国株投信40万円を買付け注文するのでしょうか。
現在、マネックス証券の非課税口座を廃止し、SBI証券に開設したばかり(SBI証券がこれから税務署に確認を入れる段階)です。
私が実際につみたてNISAをするのは1月中旬頃になってしまいそうですね。
野村つみたて外国株投信はずっと0.19%に固定でしょう。今後、減額はしないと思います。
また、対してイーマクシススリム先進国株が対抗値下げするかどうかは不確定です。
どのみち40万円×20年間の非課税枠が20本あるわけですから、私はSBI証券でつみたてNISAの設定ができる時点で対抗値下げが発表されていなければ、当初の予定どおり野村つみたて外国株投信を一括投資する予定です。
2017/12/28 17:55 by たわら男爵 URL 編集
No title
あとは銘柄選定ですが。つい先ごろまで野村つみたて外国株投信でと思っていましたが。
今後のコスト改訂が良くわからない状況だと、2〜4銘柄を選定して買付けしてもいいかなと思い始めました。大成功もなければ、大失敗もなく、平均値に着地できそうだし。野村、たわら、slim、i-SMTあたりでしょうか。
2017/12/29 04:37 by URL 編集
No title
>今後のコスト改訂が良くわからない状況だと、2〜4銘柄を選定して買付けしてもいいかなと思い始めました。
40万円×20年間が20本あるわけですから、そこまでする必要はなく、その時点のベストバイファンドを全力で買っていけばよいのではないかと考えています。
2017/12/29 09:17 by たわら男爵 URL 編集