積立買付で含み益というお守りを獲得しよう

ご質問をいただきました。
さっそく回答します。


たわら男爵さま
男爵さまになる前から、いろいろ参考にさせて頂いている者です。似て非なる質問かもしれませんが、よろしくお願いいたします。
勤務先の持株会から移管した株式を所有しています。
勤務先への依存度とリスクを減らす目的で20年近く積み立てた株式を半年前から毎月一定数を売却し、NISA口座でたわら先進国株の買付に使っています。こういった場合は、一括で売却してたわら先進国株に移した方が良いのでしょうか。
こういった場合の時間分散のご見解を教えて頂けませんか。的外れな質問でしたら、申し訳ありません。
今のペースで売却を続けると完了は2年近く先の予定で、家族のNISA口座も準備中です。


※よろしければ、次の記事もご覧ください。

●楽天全世界株は5億円、楽天全米株は10億円、iFreeS&P500は20億円を突破
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-621.html#more

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この本(非常に良い本です。購入する価値はあります)の233~234頁に次の記載があります。

投資で損を出すと、財布が軽くなるだけでなく、人生から喜びが失われる。
先に述べた「サルとリンゴ」の実験を覚えているだろうか。
リンゴを1個もらったサルは大喜びしたが、2個もらったリンゴの1個を取り上げられたサルは、怒りまくった。どちらもリンゴを1個持っている事実に変わりはないが、サルの反応は正反対だった。


私は、一括投資できる余剰資金がある場合であっても、5年程度の時間をかけて均等額積立買付をすることを推奨しています。
【参考記事】
●【必見】 誰でもできる超簡単ほったらかし投資(4訂版)
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-24.html#more

その理由は単純です。
人間は含み損に耐えられないからです。

均等額積立買付をすれば、徐々にリスク資産が増えていきますので、積立ての途中で相場が暴落しても含み損は少額で済みます。
しかも、暴落時であっても均等額買付を継続することで、底値買いをすることができます。
そして、積立買付を継続することで買付単価が下がっていきますので、相場が回復した時に多額の含み益を得ることができます。

これに対し、一括投資をしてしまった後に相場が暴落すると、多額の含み損が発生します。
しかも、暴落時に追加投資すべき余剰資金は既に一括投資してしまっていますので存在せず、バーゲンセールを指をくわえてみているしかなくなります。

そして、何より重要なことは、多額の含み損が発生すると、誰でも、リスク資産を売ってしまいたくなるということです。

これは下巻のほうですが(青表紙が上巻、赤表紙が下巻です)、この本の78頁にはジョン・C・ボーグルに対するインタビューが掲載されています。

「市場が50%下落したら、どう感じるか」と聞かれたら、正直に「惨めに感じる」と答える。
胃がキリキリ痛んできたら、自著2冊を取り出し、「長期的展望を維持する」と書いた箇所を読み直す!

ボーグルはバンガード社の創業者であり、インデックスファンドを作った人です。
そのボーグルでさえ、大暴落に接したら動揺し、自分の著作物を読んで落ち着きを取り戻す必要があることを認めているくらいですから、我々が損切りの美名のもとにリスク資産を処分したくなっても仕方がないことです。

しかし、そんなとき、かつての含み益が我々を守ってくれます。

私のたわら先進国株の含み益は、現在、32.26%です。
もし大暴落が起こり、時価が半分になったとしても、元本の66%は守られます。
3割程度の暴落なら、元本の92%が守られるのです。

5割の暴落はそう頻繁には起こりませんが、1~3割程度の暴落はそれなりに発生します。
しかし、これらの暴落時には、含み益がクッションのように衝撃を和らげ、リスク市場に居続けようという気持ちを守ってくれます。

また、世界経済が右肩上がりであるという前提を信じる限り、どれほどの大暴落が起こったとしても、世界経済の復調に伴って株価は元の値段を取り戻し、やがては元の値段を超えて史上最高値を更新していくことでしょう。
現在の含み益の存在は、この含み益は通過点であり、途中で暴落しても一時的現象に過ぎないことを何よりも力強く証明してくれますので、リスク市場に居続けようという気持ちを守ってくれることでしょう。

本題です。

>勤務先への依存度とリスクを減らす目的で20年近く積み立てた株式を半年前から毎月一定数を売却し、NISA口座でたわら先進国株の買付に使っています。こういった場合は、一括で売却してたわら先進国株に移した方が良いのでしょうか。

既に相当額の含み益が乗っているはずです。
そこで、私ならこうします。

(1)元本及び確定益の金額を忘れないようにメモする。
(2)税引き後の金額を一括してたわら先進国株を買う。
(3)将来、相場が暴落して含み損になったら、(1)を見返し、「投資元本は割っていない」と考えて耐える。

勤務先の株を買うことは、勤務先から補助が出る場合には非常に有利です。
しかし、何が起こるかわからないのが人生です。勤務先が不祥事を起こしたら、保有株が暴落するばかりか、リストラや減給になるリスクがあります。ネット社会では、どれほどの大企業であっても、個人のツイッターやブログによって大打撃を受ける可能性があります。
したがって、多少の補助よりもリスク回避を選択したことは正しいと考えます。

ただ、今後2年かけてというのは長いです。
2年の間にもし何かあれば詰んでしまいます。

そこで、どれが正解かは現時点では誰にも分からない以上、多少の儲けより、少しでもリスクを減らすほうを選択すべきです。
また、今後、たわら先進国株が暴落しても、メモをした確定益の金額を眺めることで、何よりも強い支えとなってくれることでしょう。

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コメント

No title

たわら男爵さま

ご回答ありがとうございます。

最近の株価上昇で、すけべ心に火が付きそうなのですが、早期売却にしたいと思います。
持株会は退会したので売却だけなんですが、チキンなもので一括売却の心構えしておきます。

> ただ、今後2年かけてというのは長いです。
> 2年の間にもし何かあれば詰んでしまいます。
会社の成長サイクルから売却期間を決めてましたが
最近の不祥事を考えると、やはり2年は長いですね。

大変参考になりました。今後も男爵さまの記事に期待しています。

No title

参考にしていただけたようで、よかったです。

>最近の株価上昇で、すけべ心に火が付きそうなのですが、早期売却にしたいと思います。

アメリカが北朝鮮に爆撃した時点で、日本株高は終わります。

今後、日本株がもっと上がるかもしれませんが、20年来の高値水準ですし、いま売却してもよい塩梅のような気がします。

また何かご質問があればご連絡ください。

たわら男爵さん、こんばんは。
今年から投信積立を始めた者です。
売却のタイミングについて質問お願いします。

特定口座で保有している三井住友TAM世界経済インデックスファンド(株式シフト型)から、低コストの野村つみたて外国株投信に乗り換えたいと考えているのですが、やはり含み益がある状態での売却はしない方がいいでしょうか?今のところ9%近くのリターンとなっています。
アドバイスよろしくお願いします。

No title

コメントありがとうございます。

>特定口座で保有している三井住友TAM世界経済インデックスファンド(株式シフト型)から、低コストの野村つみたて外国株投信に乗り換えたいと考えているのですが、やはり含み益がある状態での売却はしない方がいいでしょうか?

今年から始めたばかりということですから、私であれば、直ちに乗り換えます。
まだ含み益は9%ですから、大した額ではありませんし。

野村つみたて外国株投信は積立買付専売ですから、最初の月の積立金額は世界経済IFの売却金見込額と同額にして同日売買をし、それ以降は積立金額を減らせば簡単に乗り換えることができます。

アドバイスありがとうございます。
概算受渡金額をそのまま野村つみたて外国株の買付に充当したら良いとの事ですよね?100,000円ぐらいの売却見込額になっていますが、一括で買付しても良いですかね?

No title

おはようございます。

>概算受渡金額をそのまま野村つみたて外国株の買付に充当したら良いとの事ですよね?

損益が表示されているでしょうから、含み益から2割を税金分として差し引いた残りの金額です。
概算受取金額は実際よりもかなり低額になりますので、これを基準にしてはダメです。

>100,000円ぐらいの売却見込額になっていますが、一括で買付しても良いですかね?

迷わず一気に全売却し、一気に購入しましょう。

こんにちは。
世界経済IFを6日約定で売却しました。
一番高いところで売れそうで良かったです。
私は大和iFreeのNYダウも保有しているのですが、これも野村つみたて外国株投信に乗り換えた方が良いでしょうか?
たわら男爵さんのNYダウインデックスの評価と見解をお聞かせ頂けたら幸いです。
よろしくお願いします。

No title

コメントありがとうございます。

>一番高いところで売れそうで良かったです。

同じタイミングで買い注文をしましたよね?

乗り換えですから、幾らで売れようが関係ありません。旧ファンドが高く売れるということは、新ファンドを高く買ったことと同じ意味です。

>私は大和iFreeのNYダウも保有しているのですが、これも野村つみたて外国株投信に乗り換えた方が良いでしょうか?

私は、iFreeダウは楽天証券の100円投資しかしていません。

インデックス投資の肝は「時価総額比の世界分散」ですから、アメリカの、しかも30種類の工業株では分散度合いが低すぎます。

せめてアメリカを含む先進国株か、日本を除く全世界株のどちらかを買うべきであると考えます。
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プロフィール

たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

●リスク資産(6割)は、たわら先進国株(楽天証券)とVT(SBI証券)をほぼ50:50でホールド中。
●つみたてNISA(SBI証券)はeMAXIS Slim先進国株を年初一括40万円購入。
●楽天カード投資はeMAXIS Slim先進国株を毎月5万円購入(+特定口座で4万円×4回=毎月16万円の積立買付中)。
●SBI証券で「インデックスマラソン」の毎営業日100円投資を実行中。

●無リスク資産(4割)は、個人向け国債変動10(みずほ証券、大和証券、SMBC日興証券)と楽天銀行(金利0.1%)。

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