三井住友・DCつみたてNISA・全海外株の将来性は暗い

ご質問をいただきました。
さっそく回答します。


たわら男爵様
いつもためになる記事ありがとうございます。
野村つみたて外国株投信と楽天全世界株が今後の顧客をがっちりつかみそうですが、三井住友・DCつみたてNISA・全海外株は今後どんな位置づけになっていくでしょうか?
私のメインが三井住友・DCつみたてNISA・全海外株なのでヤキモキしています。NISAも楽天証券で開設しています。
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株は、コンスタントに毎月1.5億円くらい純資産をつみあげてきてもうじき60億円に到達しそうです。実質コストでも大健闘していると思っています。しかし、2018年中に楽天全世界株に抜かれてしまいそうです。
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株から顧客が流れてしまうのはいたしかたないかもしれませんが、今後も毎月1億円程度の純資産増加を望みたいです。新興国部分が先物でなくなるのはいつの日となるのやら。

広告

●三井住友・DCつみたてNISA・全海外株式インデックスファンド

信託報酬 0.27%(税抜0.25%)
実質コスト 0.354%(うち信託報酬を除く部分は0.084%)
純資産額 58億9100万円

マザーファンドの規模
先進国株 1655億8300万円
新興国株 68億0600万円(100%先物運用)


野村つみたて外国株投信と比較します。

●野村つみたて外国株投信

信託報酬 税込0.2052%(税抜0.19%)
実質コスト 0.2566%(うち信託報酬を除く部分は0.0514%)
純資産額 5100万円(2017年10月3日新規設定)

マザーファンドの規模
先進国株 3846億0868万円
新興国株 250億6426万円


信託報酬、信託報酬を除くコスト、トータルコスト、マザーファンドの規模の全ての点で野村つみたて外国株投信に劣後しています。

参考までに、eMAXIS全世界株も見てみます。

●eMAXIS全世界株式インデックス

信託報酬 0.648%
実質コスト 0.752%(うち信託報酬を除く部分は0.104%)
純資産額 73億1200万円

マザーファンドの規模
先進国株 2700億6500万円
新興国株 356億1800万円


こうして見ると、確かにイーマクシス全世界株より低コストで、純資産額もかなり近づいています。

しかし、三井住友・DCつみたてNISA・全海外株式インデックスファンドはパフォーマンスが悪いです。
1年リターンを比較してみます。

●三井住友・DCつみたてNISA・全海外株式インデックスファンド
2016年10月28日 16483
2017年10月27日 21753
騰落率 31.9723%

●eMAXIS全世界株式インデックス
2016年10月28日 19471
2017年10月27日 25772
騰落率 32.3609%

両者の騰落率の差 0.3886%

三井住友・DCつみたてNISA・全海外株式インデックスファンドはeMAXIS全世界株式インデックスよりも、トータルコストで0.398%の優位性がありますから、トータルコストが同額であると仮定したときの運用能力の差は0.7866%(0.3886+0.398)となります。

三井住友・DCつみたてNISA・全海外株式インデックスファンドは、トータルコスト差0.398%があったにもかかわらず、それを帳消しにしたばかりか、eMAXIS全世界株式インデックスよりも0.3886%下振れてしまいました。

このように、超低コスト投信である三井住友・DCつみたてNISA・全海外株式インデックスファンドではなく、eMAXIS全世界株式インデックスを買ったほうが儲かっていたという残念な結果になりました。
しかも、eMAXIS全世界株式インデックスには最大で年0.2%のSBIポイントが付与されますので、eMAXIS全世界株式インデックスの優位性は更に拡大します。

>新興国部分が先物でなくなるのはいつの日となるのやら。

新興国株の68億円のマザーファンドのうち、三井住友・DCつみたてNISA・全海外株式インデックスファンドと三井住友・DC新興国株の寄与度はそれぞれ3億3000万円(合計6億6000万円)ほどですから大した影響はありません。
新興国株のマザーファンドが急激に増えたのは、アセットアロケーション・ファンドというバランスファンドのおかげです。このバランスファンドは3種類(成長型、安定成長型、安定型)あり、これらの純資産額の合計額は868億3900万円です。

つまり、新興国株のマザーファンドの規模はアセットアロケーション・ファンドの純資産額がどれだけ伸びるかにかかっています。
しかし、同ファンドの現時点の純資産額は868億円ですから、今後、これが更に2倍や3倍に増えるとは思えません(アセットアロケーション・ファンドの純資産額が3.7倍になってようやく野村つみたて外国株投信の新興国株のマザーファンドの規模に並びます)。

これらのことから、新興国株部分が先物運用を脱却する日はおそらく来ないと推測されます。

三井住友・DCつみたてNISA・全海外株式インデックスファンドは、信託報酬は超低コストであり、信託報酬を除くコストもイーマクシス全世界株に優位しますが、残念ながら、より高コストなイーマクシス全世界株にリターンで劣後します。
その原因は新興国株部分の100%先物運用にあるのではないかと思われますが、新興国株のマザーファンドの拡大は既にかなりの規模のアセットアロケーション・ファンドの拡大に依存しており、先物運用が解消されるとは思えません。

また、イーマクシス全世界株と比べれば信託報酬除くコストで優位性がありますが、野村つみたて外国株投信には負けるため、トータルコストを同額にするためには、野村つみたて外国株投信と同額の0.19%では勝負にならず、対等の勝負をするには信託報酬を0.16%まで下げる必要があります。
【参考記事】
●この投資信託がすごい(2017年9月、全世界株編)
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-567.html#more

このような事情からすれば、今後、三井住友・DCつみたてNISA・全海外株式インデックスファンドが全世界株ファンドの中で優位に立つことは想定できません。

野村つみたて外国株投信がSBI証券の積立買付専売であることが唯一の救いですが、三井住友・DCつみたてNISA・全海外株式インデックスファンドがかつてやったように、野村つみたて外国株投信のスポット購入が解禁されて販売会社が拡大されたり、イーマクシススリム全世界株やたわら全世界株が新規設定された時点で、三井住友・DCつみたてNISA・全海外株式インデックスファンドは終わってしまうと考えます。

広告

コメント

No title

たわら男爵様

詳細な記事にしていただき誠にありがとうございました。

私のメイン投資先である
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株の将来性がCRY ことがよくわかりました(泣)。

純資産も50億円を超えて、実質コストも比較的低く、ほっとしていましたが・・・

アセットアロケーション・ファンドの様子を投信まとなびで見てみましたが、3種類とも
2017年4月から6か月連続で資金が流出して純資産が激減しつつあります。買付手数料1%、信託報酬1%だからでしょか?それととも回転売買だからでしょうか?

三井住友アセットマネジメント株式会社のエマージング株式インデックス・マザーファンドは増加するどころか、激減していくことが
判明しました。

DCつみたてNISAを謳っているのでまだ存続はするでしょうが将来性は暗いですね。

2017年の株価上昇で20%近くの含み益があるので、2016/6/21、2016/10/31(ほぼ1年前ですね)のコメント欄に書き込みさせていただいたように、マイナス時に別の投信に乗り換えしてその確定損失をIPOの利益と損益通算して・・・という手法はまず無理そうです。

ここ1ヶ月含み益をみてニヤニヤする日々でしたが、三井住友・DCつみたてNISA・全海外株が悩みのタネになってしまいました。

とりあえずホールドしますが、
たわら先進国株にしとけばよかった~という気持ちでいっぱいです (>_<)

No title

こんにちは、いつも拝見させて頂いてます。
確定拠出年金の運用を考えているのですが、SBI証券が『野村つみたて外国株投信』、または楽天証券さんが『楽天VT』を確定拠出年金の品目リストに投入する可能性はあるのでしょうか?

また、今の現時点での確定拠出年金の運用先でブログ主様のオススメなどをご教示頂けないでしょうか?
よろしくお願いします。

No title

コメントありがとうございます。

>ここ1ヶ月含み益をみてニヤニヤする日々でしたが、三井住友・DCつみたてNISA・全海外株が悩みのタネになってしまいました。とりあえずホールドしますが、たわら先進国株にしとけばよかった~という気持ちでいっぱいです

●たわら先進国株
2016年10月28日 9169
2017年10月27日 12156
騰落率 32.5771%
騰落率差 0.6048%

指数が違うので比較するのは余り意味がありませんが、直近1年だとたわら先進国株1本のほうが儲かったようですね。

含み益がある状態で売却すると含み益の20.315%が源泉徴収されますが、損をするのは20.315%ではなく20.315%相当額の運用益ですから、含み益がもっと増えないうちに売却するのも一つの方法かもしれません。

>確定拠出年金の運用を考えているのですが、SBI証券が『野村つみたて外国株投信』、または楽天証券さんが『楽天VT』を確定拠出年金の品目リストに投入する可能性はあるのでしょうか?

全く分かりません。

ただ、iDeCoは金融庁の採用銘柄を増やせというプレッシャーがなく、厚労省から採用銘柄を減らせというプレッシャーがあるという点でつみたてNISAとは状況が大きく違います。

楽天バンガードシリーズは、これらが売れれば楽天グループの利益になることから楽天証券が採用に向けて努力するモチベーションがありますが、野村つみたて外国株投信はどうなんでしょうね。
SBI証券の採用銘柄数が67本であるのに対し、楽天証券は28本ですから、楽天バンガードファンドを突っ込む余力はありそうです。

>今の現時点での確定拠出年金の運用先でブログ主様のオススメなどをご教示頂けないでしょうか?

私は国民年金を免除申請しており、そもそもiDeCoに加入できませんし、以前の記事でお伝えしたとおり、iDeCoは足抜けできず特別法人税が課税されるリスクがあり、課税の免除効果はなく繰り延べ効果しかありませんので、あまり魅力を感じず、検討もしていません。

https://ideco.morningstar.co.jp/compare/0988.html

このサイトが分かりやすいのですが、見てみると、

●SBI証券はニッセイ外国株
●楽天証券はたわら先進国株
●マネックス証券はイーマクシススリム先進国株

というように、採用銘柄がみごとに違いますね。

ニッセイ外国株はコストと乖離率が非常に高く、イーマクシススリム先進国株はコストが高く純資産額が少ないことから、楽天証券でたわら先進国株を積み立てていくのが良いのではないでしょうか。

No title

全世界株、全海外株はニッチなニーズであることから、小さなパイを奪い合いどれも大した成功を収めることなく終わりそうな匂いがプンプンします。
販売会社や投信会社が全世界時価総額比例分散の優位性を説明しない(できない)限りは難しいでしょう。

No title

コメントありがとうございます。

>全世界株、全海外株はニッチなニーズであることから、小さなパイを奪い合いどれも大した成功を収めることなく終わりそうな匂いがプンプンします。

インデックス投資自体がメジャーではありませんが、つみたてNISAの普及で潮目が変わるかもしれません。

どれが正しいか分からなければ、とりあえずアメリカを丸ごと買う、世界を丸ごと買うというのは、コンセプトとしてはシンプルで分かりやすいのではないでしょうか。

いいえ。
先進国株に比べてという話です。

No title

コメントありがとうございます。

>先進国株に比べてという話です。

先進国株インデックスファンドを買う人は、全米株や全世界株インデックスファンドに対する抵抗感はないと思います。

米国株を買いたいというニーズは一定程度あるでしょうし、先進国株に少しのコスト増で新興国株や日本株を混ぜられるのであれば、そのほうが面倒がなくてよいというニーズも相当程度あると考えています。

No title

あるといいですね。
非公開コメント

広告

プロフィール

たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

●リスク資産(6割)は、たわら先進国株(楽天証券)とVT(SBI証券)をほぼ50:50でホールド中。
●つみたてNISA(SBI証券)はeMAXIS Slim先進国株を年初一括40万円購入。
●楽天カード投資はeMAXIS Slim先進国株を毎月5万円購入(+特定口座で4万円×4回=毎月16万円の積立買付中)。
●SBI証券で「インデックスマラソン」の毎営業日100円投資を実行中。

●無リスク資産(4割)は、個人向け国債変動10(みずほ証券、大和証券、SMBC日興証券)と楽天銀行(金利0.1%)。

パソコン版右端の「ブログ記事検索」と「カテゴリ」が便利です。

●「誰でもできる超簡単ほったらかし投資」(カテゴリ「【公開】誰でもできる究極の投資」)はこのブログの全エッセンスを1記事に凝縮したものです。
●カテゴリ「この投資信託がすごい」では、ベストバイファンドの具体名を明示しています。
●カテゴリ「インデックスファンドの基礎知識」を読めば、誰でも簡単に投資信託の必須知識を得ることができます。

新着記事通知用のツイッターアカウントはこちら。
https://twitter.com/tawaradanshaku

インデックス投資家必読の書

ブログ記事検索

他の投信ブログはこちら

管理