eMAXIS Slim新興国株は楽天VWOに勝てるのか?

相互リンク先のわかま屋さんです。

もし、新興国株ETFのVWOに投資する投信が誕生したら、Slim陣営から離脱し、楽天VWO派の投資家を名乗っているかもしれませんが、今はただ、若くてSlimな投資信託を愉しむのみです。
https://onewayinv.com/managed-assets/post-3897/


・・・・・・わお

感想は差し控えるとして、eMAXIS Slim新興国株は楽天VWOに勝てるのかを見てみます。

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●eMAXIS Slim新興国株式インデックス
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-543.html#more

信託報酬 0.3672%(税抜0.34%)
実質コスト 0.54764%(うち信託報酬を除く部分は0.18044%)
純資産額 8億32800万円(2017年7月31日新規設定)
マザーファンドの規模 356億1800万円

※実質コストはイーマクシス新興国株の信託報酬を除く実質コスト(0.18044%)を流用した。


イーマクシススリム新興国株はベストバイ新興国株インデックスファンドです。
【参考記事】
●この投資信託がすごい(2017年9月、新興国株編)
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-543.html#more

それでは、楽天VWOです。

●楽天・新興国株式インデックス・ファンド

トータルコストは、以下の3要素の合計額である0.3196%となります。

ETFの経費率 0.14%
信託報酬 税抜012%(投信会社0.05、証券会社0.05、信託銀行0.02)
信託報酬除く実質コスト 推定0.05%
※i-mizuho米国株の信託報酬除く実質コストが0.06%、EXE-i先進国株・新興国株の信託報酬除く実質コストが0.04%であることから、0.05%と推定した。

イーマクシススリム新興国株 0.54764%
楽天VWO 0.3196%

しかし、楽天VWOには三重課税コストがかかります。

ここで三重課税コストとは、ファンドが保有する株式の配当金について、

(1)投資信託 現地国、日本の二重課税
(2)米国ETF 現地国、アメリカ、日本の三重課税

というように、米国ETFはアメリカが10%の源泉税を徴収するというものです。
現地国の税率は10%であることが多く、アメリカは残りの配当金(90%)に10%の源泉税を徴収するため、配当金の9%がアメリカに奪われます。

そうすると、配当金が100あったとして、

(1)投資信託 現地国10、ファンド受入額90
(2)米国ETF 現地国10、アメリカ9(90の10%)、ファンド受入額81

となるため、この差額9%が三重課税コスト(米国ETFではなく投資信託であれば払わずに済んだコスト)となります。
なお、日本国も課税しますが、無分配投信であれば配当益は含み益となり、売却時に譲渡益として課税されます。

マネックス証券の「米国株厳選銘柄レポートBOOK2017年夏号」54頁によれば、VWOの利回りは2.22%です。
2.22%の9%は0.1998%ですから、これが三重課税コストとなります。

したがって、楽天VWOのトータルコストは、こうなります。

ETFの経費率 0.14%
信託報酬 0.1296%
信託報酬除く実質コスト 推定0.05%
三重課税コスト 0.1998%

これらの合計額は0.5194%です。

イーマクシススリム新興国株のトータルコストは0.54764%ですから、微差で楽天VWOの勝ちです。

ただし、イーマクシススリム新興国株には0.2%の投信保有ポイント(SBI証券限定)が付与されます。SBI証券が楽天VWOに付与する投信保有ポイントを0.05%とすると、イーマクシススリム新興国株には0.15%のポイントが多く付与されます。

ポイント考慮後です。

楽天VWO 0.5194%→0.4694%
イーマクシススリム新興国株 0.54764%→0.34764%
両者の差 0.12176%(1000万円あたり1万2176円)

VWOの構成銘柄数は、マネックス証券の「米国株厳選銘柄レポートBOOK2017年夏号」54頁によれば、小型株を含む3980銘柄です。
これに対し、イーマクシススリム新興国株の構成銘柄数は831銘柄です。
イーマクシススリム新興国株は、VWOの20%しかないことになります。

つまり、両者の選択の基準は、100万円あたり1217円の追加コストを払って5倍の銘柄に分散させるかどうかということになります。

なお、楽天VWOには、これ以外に、有利な点と不利な点があります。

有利な点は、楽天VWOのトータルコストは、VWOの経費率が下がれば、その分だけ必ず自動的に下がるという点です。

不利な点は、信託報酬を除くコストを0.05%と推定したものの、これが増えるリスクがあるという点です。
1種類の米国ETFを買うだけですから、コストがそんなに増えるわけがないと思ったあなたは早計です。

i-mizuho新興国株(IEMGのみを買うもの)の第1回の運用報告書を見た投信ブロガーの報告によれば、信託報酬を除く実質コストは税抜1.24%だったとのことです。
http://longinv.blog103.fc2.com/blog-entry-1586.html

第2期運用報告書はネットに転がっています。
https://www.blackrock.com/jp/individual/ja/literature/annual-report/blkj-retail-i-mizuho-emerging-markets-equity-index-annual-report-ja-jp.pdf#search=%27imizuho%E6%96%B0%E8%88%88%E5%9B%BD%E6%A0%AA+%E9%81%8B%E7%94%A8%E5%A0%B1%E5%91%8A%E6%9B%B8+%E7%AC%AC2%E6%9C%9F%27

第2期運用報告書を見ると、i-mizuho新興国株の信託報酬を除く実質コストは税込0.229%です。
同様に、第3期運用報告書では税込0.19%、第4期運用報告書では税込0.17%です。

このように、楽天VWOについても、初年度のコストが跳ね上がるリスクがあるほか、2年目以降のコストも0.05%では収まらず、0.2%となるリスクがあります。

もし楽天VWOのコストが0.2%とすると、ポイント考慮後のコストはこうなります。

楽天VWO 0.6694%→0.6194%
イーマクシススリム新興国株 0.54764%→0.34764%
両者の差 0.27176%(1000万円あたり2万7176円)

ここで重要なのは、イーマクシススリム新興国株も楽天VWOも第1回の運用報告書を見るまでコストがどれだけかかるかは分からないという点です。
ただし、イーマクシススリム新興国株のコストはイーマクシススリム新興国株のコストから推定できるのに対し、楽天VWOのコストは全くの未知数です。

コスト差がこれだけあること、楽天VWOのコストが0.2%前後になるリスクがあることからすると、イーマクシススリム新興国株を選択したほうが無難といえます。

ただし、VWOは、構成銘柄数がイーマクシススリム新興国株の5倍であり、小型株や中国A株を含む世界最強のインデックスファンドです。年に0.3%程度のコスト差であれば、VWOに投資するというロマンを求めてみるのも、十分に考慮に値する選択肢といえるでしょう。

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コメント

「VT三分の計」ファンド待望

たわら男爵さん、こんばんは

折角、ヴァンガード社のETFでインデックスファンドを組成するならば、たわら男爵さんが名付けられた「VT三分の計」ファンドを待望します。

すなわち、米国株ETF(VTI)、米国を除く先進国株ETF(VEA)、新興国株ETF(VWO)の3つを時価総額加重平均で組み合わせにより、VTより低コストで、多くの銘柄に投資することができます。

No title

コメントありがとうございます。

>米国株ETF(VTI)、米国を除く先進国株ETF(VEA)、新興国株ETF(VWO)の3つを時価総額加重平均で組み合わせにより、VTより低コストで、多くの銘柄に投資することができます。

実は私もそう思いました。

ただ、楽天投信がなぜやらなかったのかを考えたところ、指数に連動させる自信がなかったのだろうという結論に至りました。

3種類のETFを組み合わせて指数に連動させるのは大変です。
しかし、VTを買うだけなら誰でも簡単にできます。

また、売買対象が3種類になれば、売買コストも3倍かかります。
保管コストも1種類のほうが安いでしょう。

なにより、VTを買うだけのほうが、3種類のETFを組み合わせて全世界株を買いますというよりも、単純明快で顧客の心に響きます。

一番の問題は、果たして運用実績のない楽天投信を信用できるのかという点だと思います。

No title

成る程、時期尚早ということで、
まずは、シンプルなファンド(VT等)で顧客の心をつかむ

次いで、実績やノウハウを着実に積み上げる

そして、各ファンド(ベビー・マザー共々)が成長し、実質コストを抑えられたら、将来的には選択肢を追加し得るという感じでしょうか。

No title

コメントありがとうございます。

>各ファンド(ベビー・マザー共々)が成長し、実質コストを抑えられたら、将来的には選択肢を追加し得るという感じでしょうか。

私は、楽天投信はVT三分の計はやらないと予想しています。
もしやると、指数との乖離率に踏み込まなければならなくなってしまい、他の楽天バンガードファンドに悪影響を及ぼすからです。

1つのETFを買うだけなら、買うタイミングの問題だけですから、多少、指数と乖離しても目くじらを立てる人はいません。
しかし、3つのETFを組み合わせて運用すると、その運用能力が焦点化されてしまいます。
そうすると、他の楽天バンガードファンドはどうなっているだろうと思う顧客が出てきてしまうでしょう。

No title

男爵様、ご無沙汰しております。
私は相変わらずたわら先進国を愚直に毎月積み立ております。

実はSBIで買える様になったら、楽天全米株を少し買ってみようと思っているのですが、設定日からまだ2日という短い期間ですが、いきなり資産がマイナスになっております。コレだけ注目をあつめたファンドなのでもっと資金が流れ込んでくるかと思ったのですが、肩透かしです・・・・・

No title

コメントありがとうございます。

>私は相変わらずたわら先進国を愚直に毎月積み立ております。

すばらしいですね。

>実はSBIで買える様になったら、楽天全米株を少し買ってみようと思っているのですが、設定日からまだ2日という短い期間ですが、いきなり資産がマイナスになっております。

これは自己設定額が株価の下落で減っただけです。
29日に流入した資金は3日の17時過ぎに公表される純資産額に反映されるはずです。

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三重課税コスト 0.1998%

投資経験がたわら男爵さんほど無いのですが、1点質問させてください。

たわら男爵さんがおっしゃる「三重課税コスト 0.1998%」は
ファンドの交付運用報告書における1万口当たりの費用明細中の
どの部分を指しておられるのかお教えいただけないでしょうか。

ETFを投資対象としたEXE-iの運用報告書に目を通したのですが、
三重課税についての記載を見つけられませんでした。

経験が浅く、知識不足なのかもしれません。
もし当方の勉強不足であればご容赦下さい。

No title

コメントありがとうございます。

>ETFを投資対象としたEXE-iの運用報告書に目を通したのですが、三重課税についての記載を見つけられませんでした。

税金は費用ではないため、運用報告書には記載されていません(そのため「隠れコスト」と呼ぶ人もいます)。

ファンドが保有株の配当金を受け入れる際、現地国で源泉徴収された後の金額を受け入れることになります。
現地国の税率は様々(保有株の所属国によって税率が違う)ですが、おおむね10%の国が多いと言われています。

No title

お返事いただき、ありがとうございます。

7/4の記事「投資信託とETFの課税関係」中の「発生する課税関係は、顧客とファンドの関係ではなく、ファンドと現物株との関係です。」という文面でストンと腑に落ちました。間接的に課税しているという事なんですね。

という事は、コスト面で見れば、今回の楽天・ヴァンガードの2ファンドは、楽天VTよりも楽天VTIの方が間接的な課税が少ないのですよね。

ここまで踏み込んで説明されているブログも数多くないと思います。今後も黙読させていただきます。

ありがとうございました。

No title

参考にしていただけて、よかったです。

>コスト面で見れば、今回の楽天・ヴァンガードの2ファンドは、楽天VTよりも楽天VTIの方が間接的な課税が少ないのですよね。

楽天全米株は二重課税ですが、楽天全世界株はアメリカから見た外国部分が三重課税されますので、楽天全世界株のほうがより多くの課税コストがかかることになります。

今後もご愛読いただければ嬉しいです。
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プロフィール

たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

●リスク資産(6割)は「たわら先進国株」(楽天証券)とVT(SBI証券)をほぼ50:50でホールド中。
●つみたてNISA(SBI証券)では「たわら先進国株」を年初一括40万円購入。
●楽天カード投資(毎月1日)では「たわら先進国株」を毎月5万円購入(+特定口座で11日と21日に各5万円ずつ積立買付中)。
●SBI証券で「インデックスマラソン」の毎営業日100円投資を実行中。

●無リスク資産(4割)は、個人向け国債変動10(みずほ証券、SMBC日興証券)と楽天銀行(金利0.1%)。

パソコン版右端の「ブログ記事検索」と「カテゴリ」が便利です。

●「誰でもできる超簡単ほったらかし投資」(カテゴリ「【公開】誰でもできる究極の投資」)はこのブログの全エッセンスを1記事に凝縮したものです。
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