松井証券の全世界株リバランス積立は高コスト(2)

昨日の夜に「松井証券の全世界株リバランス積立は高コスト」(下記リンク先)という記事を書いたところ、さっそく追加質問をいただきましたので、回答します。
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-569.html#more

たわら男爵さん こんばんは。記事を拝見しました。松井証券の「たわら全世界株リバランス積立」の件。積立を停止し。さらに、保有投信も解約したとのこと。
「野村つみたて外国株投信」の近日登場を踏まえて、比較検討された理屈も、なるほどと納得しました。
一方で2点、お聞きしたい点があります。
一つ目は、解約に伴う徴税のことです。含み益に対して約20%の税金を支払ってまで、松井証券の解約をするのは妥当だったのでしょうか。
二つ目は、投資方針の維持や変更についてです。今後も、より条件の良い投資方法が現れたときには、積極的に投資方法を変えるのでしょうか。もちろん、計算上より好ましい条件が見つかった場合、投資方針を変更することはより好ましい結果を生むのかもしれません。しかし、一方で、先の質問の通り、含み益に対して徴税され、いわゆる複利の効果を低減させてしまう弊害もあるのではないかと思うのです。具体的な数字や条件により、どちらが将来より最適な投資方法であるかは判断もかわるかもしれません。総論的で漠然としたご質問かもしれませんが、ご意見をきかせていただければと思います。
ちなみに、結婚は、最適条件を何度も採用することはしないですね。笑  結婚と離婚を繰り返すと、得るものよりも、失うものも、大きいような気がします。比較として不適切ですが。

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まずは、1点目のご質問です。

>含み益に対して約20%の税金を支払ってまで、松井証券の解約をするのは妥当だったのでしょうか。

元記事に記載したとおり、リバランス積立を継続するには、たわら新興国株とたわらTOPIXを解約しなければなりません。
とすると、比較対象は「たわら先進国株を解約したときに失われるであろう源泉税相当額の年利5%の運用益」となります。

※含み益の源泉税相当額は、いずれは納税しなければなりませんので、売却して利益を確定するまでの間の課税の繰り延べにすぎません。売却するまでの期間での運用益は、現実には相場の状況によって変動しますが、ここでは指数の期待リターンである5%として推定しています。

そして、源泉税20%の5%は1%ですから、毎年、含み益の1%を失う計算になります。

今回、たわら全世界株リバランス積立を解約したことで、11万2021円の利益が確定しました。
その1%は1120円です(松井証券のログイン画面からは、このうちたわら先進国株部分が幾らかはよく分かりませんが、配分比80%としても896円です)。

私は1000円程度のために、必要でなくなった松井証券の投信口座を管理するのは嫌でしたので解約しましたが、そこは人それぞれの判断だと思います。
また、利益が乗っているといっても数パーセントであることから、相場状況によっては簡単に含み損に転化してしまうでしょう。そのため、含み損になった状態で不必要な投信口座を維持するのが嫌だったという思いもあります。

>二つ目は、投資方針の維持や変更についてです。今後も、より条件の良い投資方法が現れたときには、積極的に投資方法を変えるのでしょうか。

野村つみたて外国株投信の販売会社の報酬は0.085%です。0.05%のポイントを付与すると、証券会社の手元には0.035%しか残りません。
これは1億円売っても3万5000円にしかならないことを意味します。10億円売って、ようやく従業員1名分の1か月の給与を賄えるかどうかという程度です。

つまり、これは超低コスト戦争が限界に来つつあるということを意味しています。
今回の値下げはつみたてNISAがきっかけですが、今後、これ以上どんどん下がっていくことはないでしょう。そして、運用がわが国でもっとも安定しているのが野村つみたて外国株投信ですから、トータルコストでこれより有利なファンドを作ろうとすると、かなりの出血を強いられます。
例えば、下記参考記事で検討したとおり、三井住友・DCつみたてNISA・全海外株が野村つみたて外国株投信と同程度のコストにしようとすると、信託報酬を税抜0.16%まで下げなければなりません。
【参考記事】
●この投資信託がすごい(2017年9月、全世界株編)
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-567.html#more

0.16%と簡単に言っていますが、そのうち信託銀行の報酬0.02%を除いた0.14%を運用会社と証券会社とで分け合うことになりますので、0.07%となります。
あのバンガード社でさえ、VTの信託報酬として0.09%をとっていますので、いかにこれが恐ろしい水準かが分かるでしょう。

もし心配であれば、とりあえずは野村つみたて外国株投信を1年程度積み立てて時間を稼ぎ、超低コスト戦争の最終結果を確認してから既保有投資信託を売却して乗り換えたらどうでしょうか。

>一方で、先の質問の通り、含み益に対して徴税され、いわゆる複利の効果を低減させてしまう弊害もあるのではないかと思うのです。

私は、マネックス証券のVTを処分して、この野村つみたて外国株投信に乗り換えたいのですが、ここでネックなのは含み益に対する源泉税です。

1000万円で150万円の含み益だったとします。
これを乗り換えると、含み益150万円の1%である1万5000円の運用益を得られなくなります。
1万5000円は850万円の0.1764%ですので、乗り換えることで毎年0.1764%以上のコストカットにならないと損をします。
他方で、推定される三重課税コストは年0.11%です。

微妙ですね。

ということで、まだ結論が出ません。

投資信託の乗り換えであれば、含み益15%があるときは、年0.1764%以上のコスト差があるかどうかが一つの基準になるでしょう。

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コメント

No title

たわら男爵さん 質問にお答えいただきありがとうございます。納得しました。
「ストロングホールド」という言葉と。最近の、情勢。不穏な北朝鮮情勢に反して、良好な株式相場。相場を読まず、ポートフォリオ堅持すべきかと考えてみたり。
いろいろと考えや情動が移ろう時期だったことも背景にした質問でした。低コスト競争に一定の限界とのご指摘も、理解できました。

違う業界ですが。燃費競争が加熱したいたところ、最近は、安全性や自動運転技術へのシフトがみられる、自動車業界。製品や商品の開発競争はいつの時代でもみられるものですが。プロダクトのどの部分にフォーカスして、革新をはかろうとするのかは、ときとして流れが変わることもあるのだなと感じます。

転じて投資信託。低コスト競争から、革新のフォーカスが変わる先があるとすると、どこになるのでしょうかね。まだ、この先どのような投信商品がでるのか楽しみでもあります。

No title

徳米さん
参考にしていただけて、よかったです。

なお、私は、快適性と安全性の2点で車を選択しています。その意味で、Eクラスは最高の車です。

投資信託でいえば、判断要素はコストと指数との乖離率の2点だと考えます。

資産運用は所詮は手段ですから、他の投信ブロガーのように、例えば「ニッセイを応援しよう」などという気持ちは私にはありません。
とはいえ、このブログのタイトルの関係上、たわら先進国株には一層の奮起を期待したいところです。

しかし、今回、ガリバー野村がまさかの超低コスト戦争に参戦しましたが、他社は太刀打ちできないでしょうね。
単純に規模が大きいところが勝ち残るという社会の縮図を見た気がします。
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たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

●リスク資産(6割)は、たわら先進国株(楽天証券)とVT(SBI証券)をほぼ50:50でホールド中。
●つみたてNISA(SBI証券)はeMAXIS Slim先進国株を年初一括40万円購入。
●楽天カード投資はeMAXIS Slim先進国株を毎月5万円購入(+特定口座で4万円×4回=毎月16万円の積立買付中)。
●SBI証券で「インデックスマラソン」の毎営業日100円投資を実行中。

●無リスク資産(4割)は、個人向け国債変動10(みずほ証券、大和証券、SMBC日興証券)と楽天銀行(金利0.1%)。

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