この投資信託がすごい(2017年9月、全世界株編)

「この投資信託がすごい」シリーズの全世界株編です。

このシリーズは、私がベストバイインデックスファンドだと考える投資信託をご紹介するというものです。

前回は、イーマクシススリム全世界株が新規設定されることへの期待を込めて、イーマクシススリム全世界株をベストバイ全世界株投信としました。
しかし、イーマクシススリムシリーズ全世界株は、運用会社の方針で、しばらく新規設定されそうにありません。
【参考記事】
●eMAXIS Slimシリーズ初の値下げへ。まずは先進国株から
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-561.html#more

また、この間、楽天全世界株や野村つみたて外国株投信の新規設定が発表されました。
三井住友DC全海外株も、「三井住友・DCつみたてNISA・全海外株」に改名し、やる気を見せています。

これまで低コスト戦争とは無縁だった全世界株ファンドに低コストの波が押し寄せています。

それでは、ベストバイ全世界株インデックスファンドの発表です。

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●野村つみたて外国株投信

信託報酬 税込0.2052%(税抜0.19%)
実質コスト 0.2566%(うち信託報酬を除く部分は0.0514%)
純資産額 ゼロ(2017年10月3日新規設定)

マザーファンドの規模
先進国株 3846億0868万円
新興国株 250億6426万円

※信託報酬除く実質コストは、同じマザーファンドに投資するFunds-i外国株0.028%、Funds-i新興国株0.233%を88:12の割合で割り付けて推定した。


最大のライバルである「三井住友・DCつみたてNISA・全海外株」と比較します。

●三井住友・DCつみたてNISA・全海外株式インデックスファンド

信託報酬 0.27%(税抜0.25%)
実質コスト 0.354%(うち信託報酬を除く部分は0.084%)
純資産額 52億4000万円

マザーファンドの規模
先進国株 1655億8300万円
新興国株 68億0600万円(100%先物運用)


あらゆる点で勝っていますね。ワンダフルなパワーを感じます。

両者の信託報酬除く実質コスト差は0.0326(0.084‐0.0514)ですから、三井住友DCは信託報酬を税込0.1726%に下げないと負けます。これは税抜0.16%ですから、今の信託報酬より0.09%も下げなければ勝てません。

これは先物100%運用の新興国株のせいではなく、先進国株のせいです。

先進国株の信託報酬を除く実質コストランキング(参考:マザーファンドの純資産額)です。

1、Funds-i外国株 0.028%(3846億0868万円)
2、たわら先進国株 0.0366%(2426億9400万円)
3、SMTグローバル株式 0.042%(2720億4800万円)
4、外国株式インデックスe 0.043%(2004億1100万円)
5、iFree外国株 0.06978%(796億3099万円)
6、三井住友DC外国株S 0.072%(1655億8300万円)
7、eMAXIS先進国株 0.088%(2275億1400万円)
8、ニッセイ外国株 0.119%(629億1132万円)

三井住友DCもイーマクシスも、残念ながら主力の先進国株のコストが高いのです。
他方で、先物100%の新興国株は頑張っています。

1、三井住友DC新興国株 0.174%(68億0600万円)
2、eMAXIS新興国株 0.18044%(356億1800万円) 
3、Funds-i新興国株 0.233%(250億6426万円)
4、たわら新興国株 0.26901%(361億9600万円)

しかし、新興国株の配分比は12%であるため、先進国株に足を引っ張られてしまい、全体としてコストが高くなってしまっています。


参考までに、「もしイーマクシスシリーズ全世界株が新規設定されたら」として、推定してみます。

●eMAXIS Slim全世界株

信託報酬 未定
実質コスト 未定(うち信託報酬を除く部分は0.104%)
純資産額 0円(新規設定前)

マザーファンドの規模
先進国株 2700億6500万円
新興国株 356億1800万円

もしイーマクシススリム全世界株が新規設定されたとしても、野村つみたて外国株投信の圧勝ですね。
野村つみたて外国株投信のほうが信託報酬除くコストが安いことから、同率1位作戦をとるイーマクシススリムでは勝てません。


そして、最後に、我々投信ブロガーの心を揺さぶった楽天全世界株と比較します。

●楽天・全世界株式インデックス・ファンド

信託報酬 税込0.1296%(税抜0.12%)
トータルコスト 0.3996%(うち信託報酬・経費率を除く部分は0.16%)
※VTの経費率0.11%+税込信託報酬0.1296%+推定コスト0.05%+三重課税コスト0.11%

このように、野村つみたて外国株投信は、VTの64.2%のコストで済みます。
これは100万円あたり1430円の差です。

野村つみたて外国株投信は、VTと比較しても、コスト面で優位性があることが分かりました。
とはいえ、VTは、日本株を含む全世界の大中小株をすべて含みます。その構成銘柄数は7845銘柄です。
【参考記事】
●VTの構成銘柄数は7845銘柄(2017年7月末)
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-522.html

これに対し、野村つみたて外国株投信の構成銘柄数は、

先進国株 1335銘柄
新興国株 841銘柄
合計 2176銘柄

であり、VTの27.73%でしかありません。

判断の基準は、構成銘柄数を3.6倍にするコストとして、100万円あたり1430円のコストは妥当かということになります。
【参考記事】
●野村つみたて外国株投信、楽天全世界株の選択の視点
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-559.html#more

ただし、楽天全世界株には運用の実績がなく、信託報酬を除くコストが0.05%に収まるかどうかの保証はありません。
これに対し、野村つみたて外国株投信は、同じマザーファンドに投資するFunds-iの実績から、ある程度の確度で実質コストを推定することができます。
また、楽天全世界株は時々刻々と時価が変動するVTを購入するものであるため、購入のタイミングや頻度によっては指数と乖離するおそれがありますが、巨額のマザーファンドを買うだけの野村つみたて外国株投信にはそのリスクはありません。

ETFを買うだけの楽天全世界株と現物株運用をする野村つみたて外国株投信の信託報酬を除くコストが同額なのであれば、私は、現物株を買うほうを応援したくなります。
銘柄数が3.6倍になるよりも、三重課税コストがかからないほうが魅力的です。

というわけで、ベストバイ全世界株インデックスファンドの座には、野村つみたて外国株投信が輝きました。

【2017年9月22日20:27追記】

すっかり忘れていましたが、ステートストリート全世界株も2017年9月8日に新規設定されていました。

しかし、現時点での純資産額は1200万円。このうち1000万円は当初設定額で、50万円は自然増ですから、ほんとど誰も買っていないことになります。
信託報酬0.5184%(税抜0.48%)、信託財産留保額0.3%は高すぎます。
三重課税コストを含むトータルコストが0.5%を切るであろう楽天全世界株のほうが明らかによいです。

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コメント

No title

 たわら男爵さん、教えてください。

 私は、現在、SBI証券でNISA口座を開設しています。

 しかし、来年から積立NISAが始まるのに伴って楽天・全世界株式インデックス・ファンドを楽天証券で積み立てようと考え、SBI証券にNISA口座を別の金融機関に移したい旨連絡しました。

 しかし、私の場合、既にマイナンバーの提出がすんでいるため来年1月以降でないと対応できないと言われてしまいました。

 他方、楽天証券に問い合わせたところ、マイナンバーを提出してある場合でも、今年の10月から変更できるはずだとの回答がありました。

 どちらが正しいのでしょうか?

 教えてくださると助かります。

 よろしくお願いします。

No title

コメントありがとうございます。

>どちらが正しいのでしょうか?

全く分かりません。
ただ、SBI証券は、マイナンバーの提出時に来年のNISA口座を自動的に開設してしまったのかもしれませんね。

来年1月以降でなければ対応できない理由を聞いてみるしかないのではないでしょうか。
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たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

●リスク資産(6割)は「たわら先進国株」(楽天証券)とVT(SBI証券)をほぼ50:50でホールド中。
●つみたてNISA(SBI証券)では「たわら先進国株」を年初一括40万円購入。
●楽天カード投資(毎月1日)では「たわら先進国株」を毎月5万円購入(+特定口座で11日と21日に各5万円ずつ積立買付中)。
●SBI証券で「インデックスマラソン」の毎営業日100円投資を実行中。

●無リスク資産(4割)は、個人向け国債変動10(みずほ証券、SMBC日興証券)と楽天銀行(金利0.1%)。

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