野村つみたて外国株投信、楽天全世界株の選択の視点

9月15日付けで、「先進国株+新興国株=0.19%の野村つみたて外国株投信」との記事を書きました。
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-556.html#more

新規設定日は10月2日であること、SBI証券で取り扱われることは確定していますが、一般発売されるのか、つみたてNISA専売なのかが分かりません。

しかし、もし一般発売されるとしたら、たわら先進国株を上回るベストバイ投信となる可能性があります。
そこで、今回は「野村つみたて外国株投信」を絶賛してみました。

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第1に、「野村つみたて外国株投信」というネーミングが実によいです。

「野村」というブランド名
つみたて投資を推進していくという強い意志
投資対象は日本を除く全世界株、すなわち「外国株」であるというシンプルさ
インデックスファンドという横文字ではなく「投信」という漢字を採用する分かりやすさ

残念ながら、ネーミングセンスでは、「たわらノーロード先進国株式」は足元にも及びません。
普通の人が「たわらノーロード先進国株式」を見たとき、「たわら」ってなんだ?「ノーロード」ってなんだ?と思ってしまうでしょう。
その点、「野村つみたて外国株投信」には何の紛れもありません。全く知識のない普通の人の心にすっと入ってきます。

第2に、投資対象の広範さです。

ネーミングからも、日本株ではなく「外国株」を買うんだという強い意志を感じます。

私は新興国株不要論を唱えていますが、その根底にある考えは「どうせグローバルに事業展開する先進国に搾取されるのだから、あえてコストの高い新興国株を保有する必要はない」というものです。
しかし、野村つみたて外国株投信は、新興国株を含んでもなお、先進国株インデックスファンドの最安値(iFree外国株の0.19%)と同額ですから、これは非常に魅力的です。

先進国株100%でも0.19%、時価総額比で新興国株を混ぜても0.19%ですから、新興国株を混ぜたくなりますよね。
コストがそれほど変わらなければ、新興国株を混ぜたほうが、より広範に分散投資できるという意味で有利です。

マルキール先生のお言葉です。

アメリカの投資家が犯しがちな失敗は、十分な国際分散投資を怠ることだ。というのは、今ではアメリカの経済の世界に占めるシェアは40%強にすぎないからだ。
もちろん、VTIだけでも、かなりの分散投資になっている。GEやコカ・コーラに代表されるアメリカの多国籍企業が、事業の大きな部分を国際的に展開しているからだ。
しかし、中国、インド、ブラジルをはじめ多くの新興国経済は、先進国よりも遥かに高い経済成長を続けている。
新興国経済は、21世紀に入ってからも当分高い成長を続けそうだ。これらの国々は先進国と比べるとまだまだ労働人口が若いため、当分高成長が賄えるのだ。
(「ウォール街のランダム・ウォーカー原著第11版」477~478頁)

第3に、コストの安さです。

先ほど述べたとおり、野村つみたて外国株投信の信託報酬は税抜0.19%であり、先進国株インデックスファンドの最安値と同額です。
しかし、コストには信託報酬を除く実質コストがあります。

先進国株の信託報酬を除く実質コストランキング(参考:マザーファンドの純資産額)です。

1、Funds-i外国株 0.028%(3846億0868万円)
2、たわら先進国株 0.0366%(2426億9400万円)
3、SMTグローバル株式 0.042%(2720億4800万円)
4、外国株式インデックスe 0.043%(2004億1100万円)
5、iFree外国株 0.06978%(796億3099万円)
6、三井住友DC外国株S 0.072%(1740億3900万円)
7、eMAXIS先進国株 0.088%(2275億1400万円)
8、ニッセイ外国株 0.119%(629億1132万円)

新興国株も見てみます。

1、eMAXIS Slim新興国株 0.18044%(356億1800万円)
2、Funds-i新興国株 0.233%(250億6426万円)
3、たわら新興国株 0.26901%(361億9600万円)

野村アセットマネジメントは、先進国株で最安、新興国株でも2位であることが分かります。

先進国株88、新興国株12の配分比で、実質コストを計算してみます。

0.028×0.88=0.02464
0.233×0.12=0.02676
合計0.0514

野村つみたて外国株投信のトータルコストは、次のとおりです。

信託報酬 税込0.2052%
信託報酬除く実質コスト 0.0514%
トータルコスト 0.2566%

たわら先進国株の値下げ後のトータルコストです。

信託報酬 税込0.216%
信託報酬除く実質コスト 0.0366%
トータルコスト 0.2526%

野村つみたて外国株投信とほぼ同額であることが分かります。
もっとも、iFree外国株が10月2日付けで0.19%に値下げし、eMAXIS Slim先進国株も近々10月から0.19%に対抗値下げをするとのプレスリリースを出すようですので、たわら先進国株の値下げも0.2%ではなく0.19%になる可能性が高いでしょう。

たわら先進国株の信託報酬が0.19%になると、そのトータルコストは0.2418%となり、野村つみたて外国株投信とのコスト差は0.0148%となります。
とはいえ、これは100万円あたり148円(たわら先進国株が0.2%のままなら40円)にすぎません。

つまり、野村つみたて外国株投信とたわら先進国株の比較の視点は、100万円あたり148円(たわら先進国株が0.2%のままなら40円)の追加費用を払って新興国株を12%混ぜたいかどうかということになります。

100万円あたり148円(たわら先進国株が0.2%のままなら40円)ですから、これは混ぜるしかないですよね。

第4に、米国ETFとの優位性です。

日本を含む全世界株ETFであるVTと比較してみます。

VTの経費率は0.11%ですが、隠れコストとして年0.11%(推定値)の三重課税コストがかかります。
そうすると、VTのトータルコストは年0.22%となります。

野村つみたて外国株投信の実質コストは年0.2566%ですから、コスト差は0.0366%です。
しかし、野村つみたて外国株投信には年0.05%の投信保有ポイントが付与されます。これによりコスト差は逆転します。

しかも、VTはETFですから、制度上必ず分配金を出します。
VTの利回りは年2.18%(2017年6月7日時点)ですから、保有額を1000万円として、利回りが2.5%とき、2.0%のときの2つのケースで検証してみます。
なお、コスト差は年0.0366%ですから、1000万円では毎年3660円となります。

●VTの利回りが年2.5%のとき

分配金は年25万円。その17.4241755%は4万3560円。
4万3560円を年5%で運用できたとき、運用益は年2178円。およそ1年8か月(1年と249日)でコスト差を回収でき、1年8か月以降は年2178円ずつ儲かる。
4万3560円を年3%で運用できたとき、運用益は年1306円。およそ2年10か月(2年と293日)でコスト差を回収でき、2年10か月以降は年1306円ずつ儲かる。

●VTの利回りが年2%のとき

分配金は年20万円。その17.4241755%は3万4848円。
3万4848円を年5%で運用できたとき、運用益は年1742円。およそ2年1か月(2年と37日)でコスト差を回収でき、2年1か月目以降は年1742円ずつ儲かる。
3万4848円を年3%で運用できたとき、運用益は年1045円。およそ3年6か月(3年と184日)でコスト差を回収でき、3年6か月以降は年1045円ずつ儲かる。

このように、野村つみたて外国株投信を買った場合、VTとのコスト差は、おおむね2~3年程度で取り戻すことができ、それ以後は繰り延べ分の源泉税の運用益相当額だけ毎年儲かることになります。
※これは投信保有ポイント0.05%を考慮していないため、投信保有ポイントを考慮すると、取り戻せる期間はもっと短くなります。

野村つみたて外国株投信は、VTと比較しても、コスト面で優位性があることが分かりました。
とはいえ、VTは、日本株を含む全世界の大中小株をすべて含みます。その構成銘柄数は7845銘柄です。
【参考記事】
●VTの構成銘柄数は7845銘柄(2017年7月末)
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-522.html

これに対し、野村つみたて外国株投信の構成銘柄数は、

先進国株 1335銘柄
新興国株 841銘柄
合計 2176銘柄

であり、VTの27.73%でしかありません。

VTを投資対象とする楽天全世界株のトータルコストは、次のとおりです。

税込0.3996%(投信保有ポイント考慮前)
【内訳】
信託報酬 税込0.1296%
運用コスト(推定値)0.05%
VTの経費率 0.11%
三重課税コスト(推定値)0.11%

野村つみたて外国株投信のトータルコストは税込0.2566%ですから、コスト差は0.143%です。
これは100万円あたり1430円、1000万円あたり1万4300円、1億円あたり14万3000円になります。
構成銘柄数を3.6倍にするコストとして、これらが妥当かという判断になります。
100万円あたり148円の追加費用を払って新興国株を追加することは簡単に決断できますが、その10倍となると簡単に結論は出ません。

このように、野村つみたて外国株投信は、

1、ネーミングセンス
2、日本を除く全世界株という投資対象の広範さ
3、信託報酬及びトータルコストの安さ

の3点で、他ファンドとは隔絶した優位性があります。

現時点での一応のファンド選択の視点は、

(1)野村つみたて外国株投信は、たわら先進国株に100万円あたり年148円(たわら先進国株が0.19%に値下げしたとき。信託報酬が0.2%のままなら40円)を払って新興国株を12%混ぜるかどうか

(2)楽天全世界株は、野村つみたて外国株投信に100万円あたり1430円を払って構成銘柄数を3.6倍にするかどうか

ということになります。

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コメント

No title

野村は野村つみたて「先進国株」投信あたり出してきませんかねえ、一般発売もありで。
信託報酬0.16%・・・無理ですかね?

No title

コメントありがとうございます。

>野村は野村つみたて「先進国株」投信あたり出してきませんかねえ、一般発売もありで。

つみたてシリーズは金融庁に対するアリバイでしょうから、出さないでしょうね。
もしつみたてシリーズを増やすと、Funds-iシリーズが終わってしましますからね。

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No title

素晴らしい情報提供ありがとうございました。
早速、記事にさせていただきました。
今後もよろしくお願いいたします。
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たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

●リスク資産(6割)は「たわら先進国株」(楽天証券)とVT(SBI証券)をほぼ50:50でホールド中。
●つみたてNISA(SBI証券)では「たわら先進国株」を年初一括40万円購入。
●楽天カード投資(毎月1日)では「たわら先進国株」を毎月5万円購入(+特定口座で11日と21日に各5万円ずつ積立買付中)。
●SBI証券で「インデックスマラソン」の毎営業日100円投資を実行中。

●無リスク資産(4割)は、個人向け国債変動10(みずほ証券、SMBC日興証券)と楽天銀行(金利0.1%)。

パソコン版右端の「ブログ記事検索」と「カテゴリ」が便利です。

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