リスクに対する選好と、リスク許容度は区別しなくてはならない

リスク選好とリスク許容度は全くその意味が違いますので、両者はきちんと区別しなければなりません。

マルキールが「ウォール街のランダム・ウォーカー(原著第11版)」444頁で指摘するように、「リスク選好とリスク許容度を区別する」ことが重要です。

結論を最初に言うと、リスク選好とはその人のビビらない気持ち、リスク許容度とはその人のリスク資産以外の資産(給与を含む)を意味します。

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マルキールは、「資産運用を考える上で最も重要なことはリスク選好なのだ」(前掲書448頁)と断言しています。
マルキールは、リスク選好の意味について、「毎年のポートフォリオの価値は変動するが、それを我慢して見守るだけの忍耐強さ」(前掲書448頁)と定義しています。

つまり、個別株に投資した結果、その値動きが気になってスマホを手放せなくなるのは、自分ではリスク選好度が高いと思っていたものの、実際には低かったことを意味するわけですね。
マルキールが言うとおり、「胃が痛くなって夜も眠れないというのであれば、株式の保有割合を減らすべきだ」(前掲書448頁)ということになります。

これに対し、リスク許容度とは、マルキールによれば「投資から上がる所得以外に、どの程度収入源があるか」(前掲書444頁)と定義されています。
つまり、マルキールによれば、リスク許容度とは「自分のポートフォリオから損失が出たとしても、それを穴埋めできる力」(前掲書445頁)ということになります。

さすがマルキール先生、じつにわかりやすいですね。

みずほ銀行を例に出しましょう。

みずほフィナンシャルグループの株価は、現在、1株162.3円です。
100株単位で購入できますが、100株ずつ購入する人など通常はいないので(手数料負けする)、1000株を購入したとします。
1000株の時価は16万2300円です。

ところで、みずほフィナンシャルグループの先週木曜日の終値は168.1円でした。
金曜日だけで3.45%も下落したことになります。

たしかに、金額でいえば5800円に過ぎません。
しかし、思い切って購入した株が1日で3.45%も下落すれば、投資経験が短い人であれば誰でも不安になるものです。
それが原因で仕事が手につかないこともあるかもしれません。

これに対し、インデックス投資は全く違います。

私は、世界経済が右肩上がりになることでみずほフィナンシャルグループの株価も右肩上がりになるかどうかは確信が持てませんが、世界経済が右肩上がりになれば先進国の株価も右肩上がりになるということには確信が持てます。

個別株には個別のプラスマイナスの各材料が存在し、それが株価に大きく影響するため、自分で一生懸命研究する必要がありますが、インデックス投資にはそのようなものはなく、単に世界経済が右肩上がりに発展すれば株価も全体として右肩上がりになるという普遍の原理に賭けるだけですので、何も気にする必要がなくなります。
短期的には相場がどれほど暴落しても、長期的には下落すればするほどお得なバーゲンセールということになりますので、むしろ相場の下落がうれしくなります。


マルキールが繰り返し指摘しているように、資産運用にとって一番大切なのは、どのような暴落があろうと相場から撤退せず、相場に居続けることであり、相場の暴落時もそれ以前と同じ金額を淡々と積み立て続けることです。

相場が下落したときにビビってしまい、それまでの積立金を減額してはいけません。せっかくのバーゲンセールを無駄にしてしまいます。

相場の値動きに関係なく、淡々と同じ金額を投資し続ける。
相場の下落をバーゲンセールだと思い、相場の下落時はむしろ積立金額を無理のない範囲で増額してみる。

これがインデックス投資で成功する肝だといえるでしょう。



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たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

リスク資産は、たわら先進国株(SBI証券)とVT(マネックス証券)をほぼ50:50でホールド中。
2017年10月10日より、SBI証券で野村つみたて外国株投信の毎営業日1万円積立てを実行中。
NISA口座ではVTの分配金を使ってVTを購入中。

無リスク資産は、個人向け国債変動10(みずほ証券と大和証券を行ったり来たり)で運用中。

パソコン版右端の「検索フォーム」と「カテゴリ」が便利です。

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