ドルコスト平均法は、その時々の株価と為替を反映することに意義がある

コメント欄で、このようなご指摘をいただきました。

ドルコスト平均法は元本が大きくなってくると毎月積立てる効果はほとんどありませんが何となく怖いので積立している感じが強いです。

インデックス投信ブログを読んでいると、たまに目にする指摘です。

インデックス投資ブログの巨星、「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー」の最近の記事でも、このような指摘がありました。
http://randomwalker.blog19.fc2.com/blog-entry-3234.html

長い目で見れば、積立投資で新規投資される分が保有全体資産に占める割合が、どうしてもだんだん下がってきます。
そうすると、積み立て投資タイミングや頻度がどうこうよりも、積み上がった資産全体が、相場動向によりどのような影響を受けるのかで、資産全体のリターンが決まってくるようになります。
つまり、どんなタイミングと頻度であれ、積立投資を数十年続けた積立人生の終盤は、かつて一括投資した場合とあまり年率リターンが変わらなくなるのです。

広告

今回のお話は、この指摘が間違っているというものではありません。
この指摘は、大きく2種類に整理できます。

まず、リスク資産を1億円保有している人がいるとして、その1億円が20年かかってようやく1億円に増えたものでも、本業で儲けた金で一括してリスク資産を購入したものでも、その1億円の期待リターンは全世界株であれば年5.5%で同じです。

つぎに、リスク資産が1億円あるのに、「たわら全世界株リバランス積立」の毎営業日1万円積立てをしても、1億円が1億1万円になろうが、1億100万円になろうが、微差にすぎません。
積立てをいくら一生懸命しても、保有するリスク資産が多額であれば、各回の積立ての効果が全リスク資産に及ぼす影響はほぼ皆無といえます。

しかし、ドルコスト平均法は、リスク資産全体に対する影響を考えてするものではありません。
あくまでも高値掴みを避けるための保険にすぎませんので、各回の積立てが、積立時点の株価と為替を反映したものであることが重要なのです。

その結果、5年間、積み立てれば、それによって形成されたリスク資産は5年分の株価と為替の変動を織り込んだものとなりますし、10年間、積み立てれば、それによって形成されたリスク資産は10年分の株価と為替の変動を織り込んだものとなります。

パッと見は同じでも、20年の戦場経験があるベテランとポッと出のルーキーとでは、同じ攻撃(相場の暴落)を受けても受けるダメージ(含み益の減少から含み損の拡大へ)が違います。
ベテランには、それまでの積立期間に応じて積み上がった「含み益」というイージスシステムが配備されており、それが全方位防御をしてくれます。含み益が多額であればあるほど、多数の迎撃ミサイルを発射することができ、簡単には含み損には転化しません。含み益があればあるほど、長期戦(暴落後の相場の低迷)に耐えることができるでしょう。

無リスク資産をリスク市場に投下する方法として、昨日も指摘したとおり、一括投資のほうが儲かる確率及び損をしない確率の両面で優れています。
しかし、あくまで確率ですから、運が悪い人も必ず出ます。
星野泰平さんも指摘するとおり、一括投資から6年後まで暴落がなければ一括投資のほうが含み益が積み上がっているでしょうが、早期に暴落が起こったとき、一括投資では挽回することができません。稲妻の輝く瞬間の到来を信じることができず、狼狽売りしてしまうかもしれません。

ドルコスト平均法で1万発の迎撃ミサイルを装備したとしても、更に100発、200発のミサイルがほしければ、また1発ずつ、ドルコストで増やしていくことになります。
そのときに、ミサイルを1発増やしたところで、既に装備済の1万発のミサイルには影響しないから無意味だと言う軍人はいません。最後に運び込んだその1発のおかげで敵艦を沈めることができ、自艦の防衛に成功するかもしれないからです。

広告

コメント

No title

こんにちは。

御無沙汰しております。

①男爵と水瀬さんの最初の意見は異なる話のように感じます

>その1億円の「期待リターン」は全世界株であれば年5.5%で同じです


水瀬さんは、あまり「年率リターン」が変わらなくなる

男爵の意見はおっしゃる通りですが、水瀬さんの意見は、意味がちょっとわかりません。両者は異なる話ではないでしょうか?


②のドルコストと一括の違いは積みあがる過程にあるというのもおっしゃる通りだと思います。

個人的にはマルキール先生のドルコスト押しに賛成です。

No title

以前、アドバイザーの方から一般の人はドルコスト平均法のすごさを全く分かっていないと指摘しているのを聞いたことがあります。

この記事の説明ですんなり理解できました。例えがうまくて納得してしまいました^^

No title

コメントありがとうございます。

りあるむえさん

>水瀬さんの意見は、意味がちょっとわかりません。両者は異なる話ではないでしょうか?

水瀬さんは「年率リターン」と言っていますので、リスク資産1億円が1年で生み出すリターンは、その形成過程が一括でも積立でも関係ない(私の整理1の方)という意味だと思います。

クロスパールさん

>例えがうまくて納得してしまいました

お褒めいただき、恐縮です。
非公開コメント

広告

プロフィール

たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

●リスク資産(6割)は「たわら先進国株」(楽天証券)とVT(SBI証券)をほぼ50:50でホールド中。
●つみたてNISA(SBI証券)では「たわら先進国株」を年初一括40万円購入。
●楽天カード投資(毎月1日)では「たわら先進国株」を毎月5万円購入(+特定口座で11日と21日に各5万円ずつ積立買付中)。
●SBI証券で「インデックスマラソン」の毎営業日100円投資を実行中。

●無リスク資産(4割)は、個人向け国債変動10(みずほ証券、SMBC日興証券)と楽天銀行(金利0.1%)。

パソコン版右端の「ブログ記事検索」と「カテゴリ」が便利です。

●「誰でもできる超簡単ほったらかし投資」(カテゴリ「【公開】誰でもできる究極の投資」)はこのブログの全エッセンスを1記事に凝縮したものです。
●カテゴリ「この投資信託がすごい」では、ベストバイファンドの具体名を明示しています。
●カテゴリ「インデックスファンドの基礎知識」を読めば、誰でも簡単に投資信託の必須知識を得ることができます。

新着記事通知用のツイッターアカウントはこちら。
https://twitter.com/tawaradanshaku

インデックス投資家必読の書

ブログ記事検索

他の投信ブログはこちら

管理