スマートベータはいらない(たわらplusよりもたわら先進国株)

最近、さまざまな「スマートベータ」を売りにする投資信託やETFが発売されています。

たわらノーロードシリーズも、ついにスマートベータに手を出しました。
たわらノーロードplus」というブランドを新たに作り、現在、日本株、先進国株、新興国株の3種類のファンドの新規募集をしています。
これらのファンドは3月31日に新規設定されます。

では、これらは買いなのでしょうか。

結論を先に言うと、長期投資をするのであればたわら先進国株だけで十分であり、たわらノーロードplusだけでなく、スマートベータと名のつくものに手を出す必要は一切ありません。

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スマートベータとはどういう意味なのでしょうか。

そもそも、ベータとは、株式市場全体の動きに対する感応度を意味します。
ベータが1であれば、市場全体の動きにピッタリ追随することを意味します。つまり、市場全体が上昇すれば同じだけ上昇するし、市場全体が下落すれば同じだけ下落することになります。
そして、ベータが2であれば、市場全体の動きより2倍揺れ動きます。市場が10%上昇すれば、その銘柄は20%上昇するわけです。
同じように、ベータが0.5であれば、市場が10%上昇しても、その銘柄は5%しか上昇しません。

したがって、時価総額比のインデックスファンドは、市場全体の動きにピッタリ追随することを目指すため、運用がうまくいけばベータは限りなく1に近づきます。

そして、スマートベータとは、インデックスファンド以上のリスクを取らずに、インデックスファンドを上回るリターンを上げることを目指す戦略です。

スマートベータファンドは厳密にはアクティブファンドの一種ですが、何らかの基準をもとに独自の指標を作り、その指標に沿った運用を目指すため、純粋なアクティブファンドよりも、低コストで、ファンドマネージャーの腕に左右されにくいという特徴があります。

いいことづくめじゃないか。誰でもきっとそう思うでしょう。
スマートベータファンドのパンフレットを見ると、もし当該ファンドと同じ手法で過去から現在まで運用したとしたら、インデックスファンドよりもリターンがこれだけ多く、リスクがこれだけ少ないということがグラフで説明されています。
ついほしくなりますよね。

でも、考えてみてください。

過去から現在までのシミュレーションで、インデックスファンドよりもリターンが多く、リスクが少ないのは当たり前です。
なぜなら、そうなるような指標をあえて意図的に選択しているからです(インデックスファンドよりもリターンが少なく、リスクの多い指標でスマートベータファンドを作っても誰も買ってくれませんよね)。

したがって、新規設定されたスマートベータファンドである以上、過去から現在までのシミュレーションでインデックスファンドを上回るのは当たり前だということになります。

しかし、重要なのは、過去から現在までインデックスファンドを上回るのは当然の前提として、これから先の将来でも過去と同じようにインデックスファンドを上回ることができるのかということです。

私にはこの点に関する専門的知識がないため、分かりません。
こういう場合は、その道の権威の意見を聞くのが一番です。

2016年3月9日に発売されたばかりの「ウォール街のランダム・ウォーカー原著第11版」(バートン・マルキール、日本経済新聞出版社)は、実に36頁を使って「スマート・ベータは本当に役に立つか」を詳細に論じています。

マルキールの主張は、次のとおりです。

(1) リターンが高ければリスクも高いはずであり、リスクだけが低いものはあり得ない。もしリスクだけが低いスマートベータがあったとしても、それはリスクがまだ顕在化していないだけで、長期的に見れば、高いリターンに応じた高いリスクがいずれ顕在化するはずだ。

(2) もしリスクだけが低い優れたスマートベータファンドがあったとしても、すぐに真似されてしまい、リターンはリスクに見合う水準まで低下することになる。

(3) スマートベータは、独自の指標に追随させるため、頻繁な売買を余儀なくされる。その結果、バイ&ホールドが基本である時価総額比インデックスファンドよりも、売買手数料と値上がり益課税の2点で高コストとなり、その分だけリターンがむしばまれることになる。

さすがマルキール先生ですね。実に分かりやすいです。


そういうわけで、私は、たわらplusシリーズは買いません。
え?
ひとくふう日本株は買っただろうって?

たしかに買いました。ごめんなさい。
税抜0.25%という低コストが魅力的だったんです。それに「ひとくふう」というネーミング、なにか無限の未知なる可能性を感じませんか?

「万一失敗しても全体に対するダメージは小さいだろう」(マルキール)

いやいや、マルキール先生、ひとくふうはきっとやってくれますって。

「ウォール街のランダム・ウォーカー原著第11版」はとても良い本です。難しい理論を身近な例で実に分かりやすく教えてくれます。
インデックス投資をするからには必読書といえましょう。

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プロフィール

たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

●リスク資産(6割)は、たわら先進国株(楽天証券)とVT(マネックス証券)をほぼ50:50でホールド中。
●つみたてNISA(SBI証券)はeMAXIS Slim先進国株を年初一括40万円購入。
●楽天カード投資はeMAXIS Slim先進国株を毎月5万円購入。
●松井証券で「Slim全世界株リバランス積立」の毎営業日1万円投資を実行中。
●SBI証券で「インデックスマラソン」の毎営業日100円投資を実行中。

●無リスク資産(4割)は、個人向け国債変動10(みずほ証券、大和証券)と楽天銀行(金利0.1%)。

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