新興国は「たわら」ではない

たわら新興国株が新規設定されました。
楽天証券では既に3月14日から購入することができ、SBI証券では18日から購入が開始されます。

たわら先進国株はインデックス投信先進株部門のリーサルウェポン(他社の同種投信を皆殺しにするほどの圧倒的強者という意味)といえるほどの素晴らしい商品でしたが、たわら新興国株は残念ながらそうではありません。

以前もお伝えしたとおり、パッシブファンドを選ぶときの判断要素は、

1 信託財産は多額か
2 信託報酬を含む実質コストは低額か

という2点が重要です。

そこで、この視点でたわら新興国株を見てみましょう。

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1 信託財産は多額か

たわら新興国株のマザーファンドの信託財産額は413億3900万円です(下記リンク先9頁)。
http://www.diam.co.jp/pdf/dc/unho/313108_shinkoukoku_kabu_index_DC_unho.pdf

これに対し、他社の新興国投信の信託財産額は、下記リンク先の一覧表によれば、256億円、246億円、144億円、110億円の順ですから、たわら新興国株が圧倒しています。

http://www.masuitousi.com/blog-entry-1029.html
(出典は「ますい画伯とインデックス投資?」)

しかし、たわら先進国株のマザーファンドの規模(3192億円)と比べると圧倒的に少ないことが分かります。

以前にお伝えしたとおり、マザーファンドの規模が大きければ大きいほど、インデックス投資信託の運用成績は向上します。
たわら新興国株は、他社の新興国投信との比較においては最大規模ですが、先進国株投信と比べると非常に小さな規模といえます。


2 信託報酬を含む実質コストは低額か

たわら新興国株の信託報酬は、税込0.5346%(税抜0.495%)です。

以下のリンク先の一覧表を見ると、他社よりも0.0594~0.1134%安いことが分かります(下記のリンク先の一覧表は少数点第3位を四捨五入しているため、たわら男が補正しました)。

http://www.masuitousi.com/blog-entry-1029.html
(出典は「ますい画伯とインデックス投資?」)

たわら新興国株は、たわら先進国株とは異なり、他社の投信と同様にSBI証券であればSBIポイントが付与されます。
SBIポイントは、投信保有額の0.1%を無条件でTポイントやnanacoと等価交換することができます。さらに、
ア 投信保有額が1000万円以上であること
イ SBIカード(年会費972円。初年度は無料)を保有していること
ウ 住信SBIネット銀行の口座を開設していること
という3つの条件を満たせば、投信保有額0.24%が住信SBIネット銀行の口座にキャッシュバックされます。

SBI証券は、ニッセイ外国株が信託報酬を値下げした際、ニッセイ外国株をSBIポイントの付与対象から外し、たわら先進国株は設定当初からSBIポイントの付与対象とはしませんでした。
これに対し、楽天証券では、これらの投信にも年率0.048%に過ぎないもののポイントを付与します。

そうすると、保有している先進国株投信の額が多額であればあるほど、SBI証券で保有し続けるメリットはなく、3240円の移管手数料を払ってでもポイントが付く楽天証券に移管した方が得になります。
通常のインデックス投資家にとって、メインの投資先は先進国株投信ですから、先進国株投信を除いてもなおSBI証券で1000万円以上の投信を保有している人は少ないはずです。
したがって、私も含めて、SBI証券でたわら新興国株を買ったとしても、得られるポイントは0.1%ということになります。

ところで、上記リンク先の一覧表を見ると、信託報酬を除く実質コストはどの投信も0.3%であること、Funds-i新興国株だけが0.22%であり、飛び抜けて優秀であることが分かります。

では、たわら新興国株の実質コストはいくらなのでしょうか。

たわら新興国株の運営会社であるDIAMアセットマネジメントには、「新興国株式インデックスファンド(DC年金)」というものがあります。

http://www.diam.co.jp/pdf/dc/unho/313108_shinkoukoku_kabu_index_DC_unho.pdf

上記リンク先の9頁を見ると、上記DCファンドの信託報酬を除く実質コストは税込0.229%であることが分かります。

上記DCファンドとたわら新興国株は、同じマザーファンドに買い注文を出しているだけですので、たわら新興国株の信託報酬を除く実質コストも上記DCファンドと同程度であると推測できます。

以上をまとめると、たわら新興国株の推定コスト(税込)は、

0.5346%(信託報酬)+0.229%(信託報酬を除く実質コスト)-0.1%(SBIポイント)=0.6636%

となります。

これは、バンガード社の新興国ETFであるVWOの実質コスト0.15%の4.4倍です。

また、上記リンク先の一覧表を見ると、EXE-i新興国株の実質コストは税込0.56%です。さらに、楽天証券で保有すれば楽天ポイントが付与されるので、コストは税込0.512%まで下がります。
したがって、たわら新興国株は、EXE-i新興国株に0.15%以上も負けてしまっています(ちなみに、たわら先進国株は、EXE-i先進国株より0.163%安いです)。

EXE-i新興国株は単に既存のETFを買うだけのファンドとはいえ、たわら新興国株もDCファンドを買うだけのファンドですから、十分に対抗できたはずです。現に、たわら先進国株はコスト面でEXE-i先進国株に勝っています。


このように、たわら新興国株は、マザーファンドの規模が先進国株に比べると小さく、コスト面でもEXE-iに負けてしまっていることから、私は、購入を見合わせました。

ちなみに、EXE-i新興国株ですが、私は、今年に入って全て売却し、その売却代金でたわら先進国株を買いました。

その理由は、

(1) 信託財産額が20億円程度であり、なかなか増えないことから、将来性に不安を感じたこと
(2) 単にETFを買っているだけにしてはコストが高いこと

です。

特に、コストの点でいえば、同じベンチマークであるVWOが0.15%であることと比べると、0.512%はその3.41倍です(なお、VWOは、これまでのベンチマークに中国A株を加えたベンチマークに変更すべく、構成株を組み換えているところです)。

私は、既に相当額のVTと少しのVWOを保有しており、リスク資産に占める新興国株の割合は8%であることから、新興国株はこれ以上不要であり、VWOが1口27ドルに下落したときに買い増しする程度で良いと考えています。

そして、私と異なり、新興国株をほとんど保有していない人にとっても、あえて新興国株を購入する必要はないでしょう。
なぜなら、以前もお伝えしたとおり、新興国の経済成長のほとんどは先進国の企業の経済活動によってもたらされるものであり、その果実のほとんども先進国の企業が奪い去っていくからです。

もっとも、どうしても新興国株がほしいという人がいるかもしれません。
その場合は、SBI証券で、VWOを1000口、1口30ドルで指値をしておくと良いでしょう。ただし、為替差損にならないように、円貨決済で注文することをお勧めします。

また、どうしても新興国株の積立てをしたいという人もいるかもしれません。
その場合は、楽天証券でEXE-i新興国株を買うとよいでしょう。たわら新興国株と比べて、
(1) 低コストであること
(2) 信託財産留保額がないこと
から、将来的に売却してVWOに乗り換えることが簡単にできるからです。




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プロフィール

たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

●リスク資産(6割)は「たわら先進国株」(楽天証券)とVT(SBI証券)をほぼ50:50でホールド中。
●つみたてNISA(SBI証券)では「たわら先進国株」を年初一括40万円購入。
●楽天カード投資(毎月1日)では「たわら先進国株」を毎月5万円購入(+特定口座で11日と21日に各5万円ずつ積立買付中)。
●SBI証券で「インデックスマラソン」の毎営業日100円投資を実行中。

●無リスク資産(4割)は、個人向け国債変動10(みずほ証券、SMBC日興証券)と楽天銀行(金利0.1%)。

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