たわら先進国株は不当廉売か?

私は、ブログ村のインデックス投信と投資信託のカテゴリを毎日巡回し、面白そうなタイトルの新着記事があれば見ることにしています。
そうしたところ、本日の午後12時40分にアップされたあるブログがたわら先進国株を不当廉売だと非難していました。

いつもであればリンクを張りますが、上記ブログの運営者は私がリンクを張るとご気分を害されることから、リンクを張ることができません。
興味がある方は、私のブログの右下の「別のブロガーの投信ブログはこちら」欄のカカシの絵をクリックしてブログ村に移動し、今日の12時40分の新着記事を探してみてください。新着記事は、ブログ村の投資信託カテゴリの右サイドに表示されるはずです。

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そもそも、不当廉売とは何か?

上記ブログの運営者は、なぜかウィキペディアを参照して上記結論に至っていますが、ウィキペディアは一次資料ではありませんので、ウィキペディアを根拠にしてはダメです。

ということで、公正取引委員会の公式サイト。

不当廉売に関する独占禁止法上の考え方
http://www.jftc.go.jp/dk/guideline/unyoukijun/futorenbai.html

これを見ると、「不当廉売」とは原価割れが前提であることが分かります。
すなわち、原価を割らなければ不当廉売にはなりません。
なお、ウィキペディアでは、不当廉売の定義2は原価割れを前提としていないように見えますが、「この場合には,廉売対象商品の供給と関連のある費用(製造原価又は仕入原価及び販売費)を下回っているかどうかを考慮する。」と記載されており、結局、原価割れの有無が重要な判断要素であることが分かります。

では、たわら先進国株は原価割れなのでしょうか?

上記ブログの運営者は、たわら先進国株の請求目論見書51頁を見ると、たわら先進国株は約6000万円の赤字であって、たわら先進国株の6000万円の赤字をゼウスというアクティブファンドの1299億円の黒字で救済していると批判しています。

たわら先進国株は、私が何度も繰り返してお伝えしているとおり、企業年金で積み上がった巨大なマザーファンドを買うだけのものであり、たわら先進国株のファンドマネージャーはマザーファンドのファンドマネージャーが兼務していることから、コストはほぼゼロで、売れば売るほど儲かる画期的なシステムであったはずです。

請求目論見書51頁を見てみました。

たしかに、5856万円の赤字が計上されています。
しかし、よく見ると、そのうち5244万円は有価証券売買等損益であり、その他は受託者や委託者に支払う報酬であることが分かります。後者の報酬は純資産額に応じて支払われるものですから、赤字になる性質のものではありませんので、有価証券売買等損益が何かを調べる必要があります。
検索すればすぐに分かりますが、有価証券売買等損益とは、簡単に言うとファンドの含み損です。

そもそも、なぜ会計事務所に依頼して損益計算書を作っているのかと言えば、52頁を見れば分かりますが、分配対象収益があるかどうかを国に報告するためです。
推測するに、多額の分配対象収益が積み上がっているにもかかわらず分配をしないと、国税からにらまれることになるのでしょう。こういうものの様式は国の都合で作られますので、国が税金を取りやすいように、当事者に資料を作って提供させる仕組みになっているわけです。

まあ、常識的に考えれば、たわら先進国株で6000万円もの赤字が発生するはずがありません。

だってね、考えてみてください。
たわら先進国株の投信会社(アセットマネジメントONE)の報酬は0.1%です。6000万円の報酬を得るには純資産額が600億円にならなければなりません。
我が国最大の先進国株インデックス投信はSMTグローバル株式ですが、その純資産額は564億円にすぎません。
つまり、我が国には純資産額600億円の先進国株インデックス投信が存在しないのに、600億円の純資産額がなければ赤字になるような商品を作るわけがないのです。

というわけで、本題に戻りますが、たわら先進国株が6000万円の赤字であることを前提として、たわら先進国株を不当廉売と非難することは論外としても、たわら先進国株がなぜ信託報酬をこの水準にしたのかと言えば、前述したとおり、純粋に、売れば売るほど儲かるからです。
また、たわら先進国株とは異なり、巨大なマザーファンドなどないニッセイ外国株の信託報酬はたわら先進国株よりも低廉ですから、少なくとも、現時点でたわら先進国株が不当廉売と非難される根拠など存在しないことは明らかです。

ところで、我々インデックス投信ブロガーが信託報酬の低コスト化について諸手を挙げて賛成するのは、単純に、これまでの信託報酬が高すぎたからです。

最後に少し引用すると、上記ブログの運営者は、「インデックス投資家の判断基準なんて、安ければいいだけ!と、それだけの人が少なくありません。」と述べておられます。

安さが信託報酬のみを指しているのであれば、理解不足も甚だしいといえます。信託報酬のみで判断する人は、自らを「インデックス投資家」とは言わないでしょう。

安さが実質コストを指しているのであれば、まあ言わんとすることも分からなくもないかなとは思います。
もっとも、インデックス投資ブロガーの中で、実質コストが高いニッセイ外国株を買い続ける人も相当数おられますので、理解不足も甚だしいとの上記記載は言い過ぎかもしれません。ごめんなさい。

しかし、私は、真のインデックス投資家というものがもし存在するのであれば、それは、実質コスト、指数との乖離率の2点で判断する人のことであると考えます。

指数との乖離率が高いニッセイ外国株に根強い人気がある理由は分かりませんが、ニッセイ外国株が一番人気であってこそ、たわら先進国株は更なる営業努力をしなければなりませんので、我々にとってはたわら一強時代ではない現状はとてもうれしいことといえます。

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コメント

No title

記事内容と違い恐縮ですがご意見いただきたいことがあります。

1 現在「たわら先進国株式」のみに積立しています。ネットでいろいろと見てみるとS&Pに投資した方が良いという意見もあります。しかしS&Pに投資するには国内にはあまりいい商品がないと考えています。(ETF1557、i-mizuhoなど)

投資方針としてこのままたわらにみでいくのかS&Pに乗り換えした方がいいのかご意見いただくとありがたいです。

2 クリック株365で資金200万程度で取引をしようかと考えているのですが現状の相場を踏まえてどのような戦略が有効かを助言してもらえると助かります。

無理な質問ばかりですがお時間がある時に返信してもらえると助かります。

よろしくお願い致します。

No title

クロスパールさん、ご質問ありがとうございます。

ご回答になったかどうかは分かりませんが、今日の記事にしましたので、よろしければご覧ください。

No title

いつもブログ拝見しております。
たわらノーロードを愛する「たわら男爵」様にお伺いしたいことがございます。

たわら男爵様の影響で、たわらノーロードに興味を持ち、色々と調べております。最新の月報(2017年2月末)を見ていたところ、ファンドとベンチマークの騰落率の差を、1年の期間でみると、-0.75%になっているのを見つけました。

たわら男爵様は、幾度となく、たわらは乖離が小さいと仰っておられますが、今回のように乖離幅が広がった原因は、何が考えられるのでしょうか。

何かご存知であれば、お教えいただければ幸いです。

No title

コメントありがとうございます。

回答は本日の記事にしましたので、よろしければご覧ください。
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プロフィール

たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日
男爵になった日 同年8月30日

40代男性(高等遊民)。
投資歴12年。
妻子あり。持家あり。

リスク資産は、たわら先進国株(SBI証券)とVT(マネックス証券)をほぼ50:50でホールド中。
NISA口座ではVTの分配金を使ってVTを購入中。

無リスク資産は、個人向け国債変動10(みずほ証券が最強)で運用中。

カテゴリごとに記事を整理しました。
とりわけ「この投信がすごい」「公開 誰でもできる究極の投資」「たわら先進国株が他を圧倒する理由」は必見です。

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