含み益の利確はすべき?

ご質問をいただきました。

【引用開始】
さて、今回の質問なのですが、

インデックス投資家はタイミング投資を利用した利益はそもそも追い求めておらず、ただひたすらホールドすることで

についてのなのですが、投資信託

①現在の含み益があるが、一度得た利益を失うのが怖いので、利益の一部だけでも解約したいという気持ちがある
②解約しないで持ち続けるのが基本という話なので、解約しない方が正しいのでないかという葛藤
③税金20%はきつい。書籍等ではリバランスが推奨されているが、20%の税金については記載が無いような扱いだ、何故だ?
④今年暴落が起こったら、やっぱり利益の一部は利確しておけばよかったと思うだろうな

といった葛藤があります。含み益で悩む自分は、いわゆるリスク許容度が低いんだろうなあと自覚しています。
含み益がある時の、気持ちの持ちようについてなにかコメントがありましたら、是非お願い申し上げます。
【引用終わり】

では、回答します。

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1、含み益が出ている投信の一部を解約して利益を確定することについて

気持ちは良く分かります。
含み益が数百万、数千万と積み上がると、「いま解約するとウハウハだよね」という誘惑に駆られてしまいがちです。
私も同じです。含み益でSクラスが余裕で買えます。買いませんけれど。

まずは、この記事をご覧ください。
【参考記事】
他人のブログに勝手にアドバイスするシリーズ(9)~売り時はいつ?
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-256.html#more

重要な部分を抜き出します。

【引用開始】
自分の全財産のうち、リスク資産にいくら投じるかは、リスク許容度とリスク選好度の2点に基づいて判断されるべきであり、それは相場の値動きとは一切関係ありません。
相場が値上がると、全財産に占めるリスク資産の割合が当初想定していたよりも増えます。
その時点で、もう一度、自分のリスク許容度とリスク選好度を分析し、リスク資産に投下する財産の割合又は金額が高いと判断したのであれば、自分が最も心地よいと考える割合又は金額になるまで、リスク財産を売却して無リスク資産を増やせばよいのです。
【引用終わり】

現時点で、自らのリスク許容度とリスク選好度を検討して算出した「適正投資額」(「全面改訂ほったらかし投資術」76頁)とリスク資産に投下している金額とを比較し、リスク資産に投下している金額が適正投資額よりも多額であれば、適正投資額を超えた部分を利確し、無リスク資産に戻すべきです。

これに対し、リスク資産に投下している財産は「適正投資額」の範囲内であるが、これから相場が暴落しそうであるとの信念のもと、暴落時に買い増すためのキャッシュを作るために一部解約するのであれば、私は反対です。

その理由は、

(1)タイミング投資がうまくいくよりもうまくいかない確率の方が高いこと
(2)将来的に相場が暴落したとしても、暴落時の底値は今の高値かもしれないこと
(3)将来的に相場が暴落し、暴落時の底値が今の高値よりも低かったとしても、「もっと下がるかもしれない」と欲を出して底値で買う決断ができないまま相場が急速に回復し、買えないまま今の高値を超えてしまう可能性も高いこと

の3点です。

そもそも、インデックス投資を選択した時点で、投資の目的は指数の期待リターンを得ることだったはずです。
タイミング投資による利益は当初の目的とは違いますし、タイミング投資のはざま(売却後買戻し前)に稲妻が輝き、相場が急回復してしまうと、当初に目的としていた指数の期待リターンすら得られない結果になる可能性もあります。

タイミング投資を行うにあたって重要なのは、売るタイミングではなく買戻しのタイミングです。
売るタイミングは、ダウが史上最高値を更新し続けている今であれば、適当な時に売却すればそう間違いはないと思いますが、ブリグジットショックやトランプショックからも分かるとおり、相場が回復するときは一気に回復しますので、乗り遅れると、行き場のないキャッシュをずっと抱えるだけになってしまいます。

ということから、現状の投資額が「適正投資額」の範囲内であれば、そのまま何もしないでホールドし続ける方が良いと考えます。

2、解約しない方が正しいという葛藤について

この葛藤を分析すると、

(1)今売却しても、これからもっと相場が上がってもっと儲けられるのではないか
(2)将来の暴落が来るとしても、その時の底値は売値より本当に下がるのか
(3)暴落時の底値で買戻しができるのか。もっと下がるのではないかと欲を出しているうちに相場が急回復してしまうのではないか
(4)結局、迷って買い戻せないままになってしまい、再投資の機会を逃してしまうのではないか

というふうに整理できます。

なぜ葛藤を感じるのかと言えば、インデックス投資を選択した際の目的である「指数の期待リターンを得ること」と矛盾するからです。

私は、投資について素人ですので、状況を自分でコントロールできるとは到底思えません。
したがって、もし私が今売却し、その後に暴落が来ても、結局、悩みに悩んで買戻しの機会を逸してしまい、相場の急回復を指をくわえてみているだけになる可能性が高いと考えますので、私は利確はしません。

3、リバランス時の税金について

含み益を確定させると、20%+復興所得税を支払わなければなりません。
ただ、20%の税金は、いずれは支払う義務があるもので、それが今なのか、それとも20年後か30年後かの違いだけです。
今の20%の税率は非常に安いため、20年後30年後の税率はおそらく20%よりも高くなるでしょうから、今の時点で税金を払ってしまうのも悪くない選択なのかもしれません。

他方で、もし将来の税率が今の税率と同じだとすると、今売却すると税金分の運用益を損することになります。

すなわち、売却による源泉税が100万円とすると、もし売却しないで含み益のままだとしたら、この100万円をずっと運用し続けることができることになります。
期待リターンを5%とすると、72の法則により、14年5か月(72÷複利5%)でこの100万円は200万円に増え、115の法則により、23年(115÷複利5%)でこの100万円は300万円に増えます。

そのため、余りリバランスしすぎると、むしろリターンは悪くなりますので、大抵は、年に1回程度の頻度でリバランスすることが推奨されています。

いろいろなブログで試算されていますが、年に1回程度であれば、リバランスした方がより儲かるらしいですね。
私は、VTとたわら先進国株をホールドしているだけで、リバランスはしませんので、この点についての検討はしていません。

4、今年暴落が起こったら、やっぱり利益の一部は利確しておけばよかったと思うだろうな

大丈夫です。私もきっと同じように思いますから。
でも、私は何も動くつもりはありません。稲妻の輝く瞬間に相場に居続けることで、指数の期待リターンをしっかり確保するためです。

その時、毎営業日積立てをしていれば心の慰めになります。
【参考記事】
毎営業日積立てをしていれば、相場がどう転んでも幸せ
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-264.html#more

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コメント

No title

たわら男爵様

①~④までひとつひとつ丁寧に回答していただき、誠にありがとうございました。

実に読み応えのあるご回答で、とても参考になりました。

私が記載した時間よりも、何倍ものお時間をかけていただき、恐縮です。

本当にありがとうございました。

たわら男爵様の益々のご活躍を祈念しております。

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

No title

自分も男爵さんを見習って鉄の意思でホールドしたいと思っている者です。
かなり先であろう未来の参考にお聞きしたいのですが、男爵さんはどのタイミングで利確されるお考えですか?
相場ではなく、ご自身のライフイベントに拠りそうですが。

No title

コメントありがとうございます。

>私が記載した時間よりも、何倍ものお時間をかけていただき、恐縮です。

ご質問いただくと、新たな記事にできますので、助かります。
また何かありましたら、遠慮なくご質問ください。

No title

てつさん、コメントありがとうございます。

面白そうなご質問ですので、記事にさせてください。
非公開コメント

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プロフィール

たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

●リスク資産(6割)は「たわら先進国株」(楽天証券)とVT(SBI証券)をほぼ50:50でホールド中。
●つみたてNISA(SBI証券)では「たわら先進国株」を年初一括40万円購入。
●楽天カード投資(毎月1日)では「たわら先進国株」を毎月5万円購入(+特定口座で11日と21日に各5万円ずつ積立買付中)。
●SBI証券で「インデックスマラソン」の毎営業日100円投資を実行中。

●無リスク資産(4割)は、個人向け国債変動10(みずほ証券、SMBC日興証券)と楽天銀行(金利0.1%)。

パソコン版右端の「ブログ記事検索」と「カテゴリ」が便利です。

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