リーマンショック級が来ても数年もすれば戻るという人は勘違いしている?

「リーマンショック級が来ても数年もすれば戻るという人は勘違いしている」というブログを読みました。
http://takimu009.blog103.fc2.com/blog-entry-2201.html

上記ブログ主は、バイアンドホールドによる投資法について、そのままホールドして暴落前の水準に戻ったとしても、「暴落前に金融商品を売却して暴落後に購入する機会を失う」と批判した上で、暴落前に売却してキャッシュにし、暴落時にそのキャッシュを用いて買い戻すことで、「暴落後に購入する機会を失う」ことを「回避したいことが重要と思う」としています。

さて、この考えをどう思うかというのが今回のお話です。

※上記ブログ主が原文をそのまま引用されることに対し不快感を表明されていますので、元の版を改訂しました。それにより批判的な印象を強く与える表現になってしまいましたが、それは私の本意ではなく、「」で引用することの宿命だとご理解ください。

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たわら先進国株を例にとってみましょう。

たわら先進国株の基準価額は1万0821円。設定来最高値水準にあります(設定来最高値は2月16日の1万0883円)。

たわら先進国株を新規設定時に一括購入し、その後はただひたすらホールドした人は、2015年12月18日から現在までの1年2か月で8.21%のリターンを挙げたことになります。
ちなみに、私の平均取得価額は9190.19円ですので、+17.74%の含み益が出ています。

これに対し、たわら先進国株の設定来最安値は、2016年6月28日の8190円です。
6月24日(金)はブリグジットショックの当日で、28日(火)はその直後(6月28日朝のニューヨーク市場の終値を反映)となります。

ブリグジットショックの前後の値動きは次のとおりです。

6月22日 8958円
6月23日 8999円
6月24日 8670円
6月27日 8421円
6月28日 8190円
6月29日 8418円
6月30日 8643円
7月 1日 8758円
7月 2日 8758円
7月 5日 8740円
7月 6日 8527円
7月 7日 8524円
7月 8日 8534円
7月11日 8634円
7月12日 8863円
7月13日 9116円

これを見て、いつ売って、いつ買ったらよいか、分かるでしょうか。

ブリグジット当日の市場の値動きは下記参考記事をご覧ください。
【参考記事】
ブリグジット記念で追加購入
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-119.html#more

ブリグジットが判明したのは6月24日の昼ころでした。その日の14時59分までにたわら先進国株を全部売却すると、6月27日の基準価額(8421円)で売却することができます。
6月28日の底値で買うためには、6月27日14時59分までに購入注文を出す必要があります。普通の人は、いくらで売却できたのか分からないのに(6月27日の基準価額が判明するのは6月27日の17時過ぎころ)、購入注文を出すことなどできません。
しかし、売却時の基準価額が判明した後に売却したのでは、もう間に合いません。
6月27日14時59分を逃すと、つぎは6月28日14時59分ですが、この時点では8418円でしか買えず(売却価額は8421円)、さらにその翌日6月29日14時59分になると購入価額は8643円となり、売却価額8421円を超えてしまいます。

つまり、タイミングを計るのは非常に難しいということが分かります。
ブリグジットショックが起こる前に、ブリグジットになると予測して売却すれば儲かりますが、予測が外れれば大損してしまいます。

トランプショックも同じです。

【参考記事】
トランプショック、その時たわら男爵はどうしたか
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-231.html#more

こんな値動きを予測できるわけがないことが分かります。

いやいや、ブリグジットショックやトランプショックなど、リーマンショックと比べれば小さすぎると思う人もいるかもしれません。

たしかに、リーマンショックは、いまから振り返れば、とってもすごかったです。
私なんか、セゾンバンガードとSMTグローバル株式の毎月10万円積立設定を解除する気力もなく、個別株の数千万円の赤字に気持ちが押しつぶされていました。

あのとき狼狽売りせず、証券口座のサイトをそっとログアウトし、アベノミクスまで一切ログインせずに積立設定をしたまま放置していたからこそ今の私がいるわけですが、ショックはいきなり来るからこそ「ショック」なわけで、事前対応などできませんし、ショック後に直ちに対処しようとショック前に決意していたとしても、市場参加者の圧倒的多数はショックに押しつぶされたまま何もできずに死んでいくだけです。

自分だったら何かできるなどと思っては絶対にいけないと私は考えます。

リーマンショックの時、私は、最初は格好の仕込み場だと思いました。企業の業績とは関係ないところで株価が大幅に下落しているわけですから、私もほかのみんなも、これはバーゲンセールだと思ったのです。
しかし、底だと思ったら(私だけではなく市場参加者のみんながもう底だと思ったのです)、更に下落し、さすがにここが底だと思っても更に底が抜けるということを何度か繰り返していくうちに、私は、リスク資産に投下する金が尽き、証券会社のサイトにログインする気力さえなくなりました。

私が助かったのは、全て現物だったこと、多額の含み損に耐えて狼狽売りしなかったこと、積立設定をそのままにしておいたことの3点でした。
しかし、これができたのは、リスク資産に投下していたのが全くの余剰資金だったこと、その時点の年収が相当額あったことから「損してもまた稼げばいいや」と自分を納得させることができたからにすぎず、狼狽売りしなかったのは運が良かっただけでした。

表題に戻ります。

「リーマンショック級が来ても数年もすれば戻るという人は勘違いしている」という記事に対する私のアンサーとしては、インデックス投資家はタイミング投資を利用した利益はそもそも追い求めておらず、ただひたすらホールドすることで、ホールドしているアセットクラスの期待リターンを平均的に得ることを求めているのであるから、勘違いはしていないということになります。

タイミング投資は、確かにそれがうまくはまれば莫大な利益を得ることができるでしょうが、普通の人にはそのようなことは無理ですし、タイミングのはざま(売却後購入前)の段階で稲妻が輝いてしまうと大損する可能性があります。

換言すれば、インデックス投資の目的である期待リターンを確実に得るためには、タイミング投資で儲けたいという自分の欲を抑え、稲妻の輝く瞬間を逃さないために常に市場に居続けるという意志力が試されると言ってよいでしょう。

というわけで、私は、タイミング投資ではなく、「毎営業日積立てをしていれば、相場がどう転んでも幸せ 」というスタンスを維持していきます。
【参考記事】
毎営業日積立てをしていれば、相場がどう転んでも幸せ
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-264.html#more

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たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

●リスク資産(6割)は「たわら先進国株」(楽天証券)とVT(SBI証券)をほぼ50:50でホールド中。
●つみたてNISA(SBI証券)では「たわら先進国株」を年初一括40万円購入。
●楽天カード投資(毎月1日)では「たわら先進国株」を毎月5万円購入(+特定口座で11日と21日に各5万円ずつ積立買付中)。
●SBI証券で「インデックスマラソン」の毎営業日100円投資を実行中。

●無リスク資産(4割)は、個人向け国債変動10(みずほ証券、SMBC日興証券)と楽天銀行(金利0.1%)。

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