一物二価おおいに結構。頑張れeMAXIS

eMAXISがeMAXIS先進国株の値下げではなく、eMAXIS Slim先進国株を新設したことに対し、投信ブロガーの中で、一物二価だとか、不誠実だという非難をする人がいます。

「一物二価おおいに結構。どんどんやってくれ」というのが今回のお話です。

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eMAXIS先進国株の純資産額は355億3300億円です。
投信会社の報酬は0.27%ですので、三菱UFJ国際投信は、毎年9593万9100円の売上げを得ることができます。

他方で、eMAXIS Slim先進国株の投信会社の報酬は0.09%ですので、もし三菱UFJ国際投信がeMAXIS Slim先進国株の新設ではなくeMAXIS先進国株の値下げを選択したら、売上げは3197万9700円(-6395万9400円)に激減します。

eMAXIS先進国株の顧客は、ニッセイ外国株が値下げしようが、たわら先進国株がリリースされようが、ただひたすらeMAXIS先進国株をホールドしてくださるありがたい方々ですから、eMAXIS先進国株を値下げしなくても、この先もずっとホールドしてくださるでしょう。
eMAXIS先進国株の信託報酬が高いことに不満を持っている顧客は、既にニッセイかたわらを買っているはずだからです。

eMAXIS先進国株の顧客は、eMAXIS先進国株に信託報酬分の価値があると考えている方々ですから、外野の我々が余計なことを言うべきではありません。まさに余計なお世話です。
eMAXIS Slim先進国株が出たことで、eMAXIS Slim先進国株に移る人もいるかもしれませんが、eMAXIS先進国株の顧客は信託報酬以外に価値を見出してeMAXIS先進国株をホールドしている方々なわけですから、その数は少ないでしょうし、三菱UFJ国際投信にとっても、eMAXIS Slim先進国株に移る人は早晩ニッセイかたわらに移る人でしょうから、eMAXIS Slim先進国株を新設することに損はないわけです。
むしろニッセイやたわらに顧客をとられるくらいなら、信託報酬が3分の1に減っても自社に取り込んだ方が多少なりとも儲かります。

おそらく三菱UFJ国際投信は、このような経営判断をして、eMAXIS先進国株の値下げではなくeMAXIS Slim先進国株を新設したと推測されます。
ここに販売会社の意向は関係ありません。純然たる三菱UFJ国際投信の経営判断によるものと考えるべきです。世の中、そんなにきれいではありませんし、以前も書きましたが、値下げして今よりもっと儲かるのであれば販売会社は喜んで値下げに応じるであろうからです。

また、投信ブロガーの中には、「フィデューシャリーデューティー」という観点から三菱UFJ国際投信を批判する人がいますが、私は、間違っていると考えます。
なぜなら、これはいわゆる顧客に対する忠実義務のことですが、投信契約に付随する義務に過ぎないからです。すなわち、信託報酬は投信契約の本質的要素(投信契約の重要な一部)であり、忠実義務は投信契約を結んだあとに発生する義務ですので、両者は場面が異なります(取締役に対し、「報酬を値下げしないと会社に対する忠実義務に違反する」と非難する人などいないことと同じです。取締役の報酬は会社との委任契約の内容であるのに対し、忠実義務は委任契約を結んだあとに発生する義務だからです)。
したがって、三菱UFJ国際投信が、実質的には同じ投信を値段を替えて同じ販売会社で販売したとしても、少なくともフィデューシャリーデューティーには違反しないというべきです。
何をいくらで売ろうが、それが暴利行為と言えない限り、売る人の自由であって、その値段で買いたくない人は買わなければ良いだけです。
何が正しいかは市場が判断する。それこそが資本主義の本質であり、これを否定すると資本主義が成り立たなくなります。

私は、eMAXIS先進国株の方が純資産が積み上がっている分だけeMAXIS Slim先進国株よりも有利だと考えますが、それが信託報酬の差(3倍)もの価値があるかについては、端的に言ってそのような価値はないと考えます。
しかし、繰り返しますが、そのようなことはeMAXIS先進国株の顧客にとってはまさに余計なお世話です。彼らはeMAXIS先進国株にそれだけの価値があると考えているからこそ、超低コスト競争には目もくれず、ただひたすらずっとeMAXIS先進国株をホールドしているわけです。

むしろ我々にとっては、eMAXISがeMAXIS Slim先進国株を新設することができたのは、eMAXIS先進国株で儲けることができているからであると感謝すべきです。
eMAXIS Slim先進国株が新設されたおかげで、超低コスト競争は更なる加速をしました。たわら先進国株は値下げを余儀なくされるでしょうし、継続保有ボーナス制度の導入等をしなければ生き残ることはできないでしょう。
つまり、自由競争が加速することで、我々はより良いサービスをより安い対価で受けることができるようになります。

というわけで、私は、eMAXIS Slim先進国株の成功を本心から願っています。
どこかの一強ではなく、ニッセイ、たわら、eMAXISによる三つ巴の仁義なき殴り合いがあってこそ、たわら先進国株の値下げにつながるからです。
その意味では、もはや忘れ去られつつあるiFree外国株には、アッと驚く超値下げをしてみんなの度肝を抜いてほしいところです。

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コメント

No title

こんにちは。

まったくもっておっしゃる通りだと思います。
eMAXIS Slim(三菱UFJ国際投信)を批判するのは、お門違いですね。

No title

りあるむえさん、こんにちは。
競争相手が増えることは我々にとってはいいことしかありませんからね。

No title

eMAXISがこれだけの純資産を獲得できたからこそのslimシリーズ登場であるわけで
slimシリーズの登場はある意味受益者還元と言ってもいいかもしれません。
従来ファンドからの流出は多少あるでしょうが、これからも地銀からの流入は続くでしょうし、MUAMとしては頑張ったというよりはノーリスクでライバルを邪魔できる方法を思いついたという感じでしょうか。

No title

コメントありがとうございます。

>MUAMとしては頑張ったというよりはノーリスクでライバルを邪魔できる方法を思いついたという感じでしょうか。

全くの新規設定ですから、幾ら下げても三菱UFJ国際投信の懐は痛みません。
宣言どおり無限に対抗値下げをしてくるでしょうから、馬鹿正直に値下げ競争に踏み込むとひどい目にあうことは確実です。各社の知恵が試されますね。
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●リスク資産(6割)は、たわら先進国株(楽天証券)とVT(SBI証券)をほぼ50:50でホールド中。
●つみたてNISA(SBI証券)はeMAXIS Slim先進国株を年初一括40万円購入。
●楽天カード投資はeMAXIS Slim先進国株を毎月5万円購入(+特定口座で4万円×4回=毎月16万円の積立買付中)。
●SBI証券で「インデックスマラソン」の毎営業日100円投資を実行中。

●無リスク資産(4割)は、個人向け国債変動10(みずほ証券、大和証券、SMBC日興証券)と楽天銀行(金利0.1%)。

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