たわら先進国株が上振れた原因は下り相場のドルコスト

コメント欄でご指摘を受けましたが、たわら先進国株の月報(2016年12月30日基準日)を見ると、指数より上振れています。
http://www.diam.co.jp/pdf/m/313125_tawara_noload_senshinkoku_kabushiki_m.pdf

1か月 +0.05%
3か月 +0.14%
6か月 -0.08%
1年 -0.46%

一般に、インデックス投信は、信託報酬を含む実質コストの分だけ指数より下振れます。
たわら先進国株が指数より上振れることは異常事態と言えます。あってはならないことです。

たしかに、指数より上振れているわけですから、我々は損はしていません。逆に儲かっています。
しかし、我々がインデックス投信を買っているのは指数の期待リターンを得たいためであり、そのためには指数を忠実にトレースするものでなければなりません。私はこれを「指数に殉じる」と表現していますが、インデックス投信は、まさに指数とともに生き、指数とともに死なねばならないのです。

指数より上振れるということは、指数より下振れる可能性もあるということを意味します。
そこで、なぜたわら先進国株が上振れたのか、その原因を突き止める必要があります。

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とりあえず電話してみました。
オペレーターがクソでした。一切の情報開示を拒否されました。

いくら聞いても、「ペーパーに書いてあること以上のことは話せない」という機械的な応対をされました。
昨年12月7日に電話した時とはえらい違いです。前回は、たわら先進国株の部署から折り返しの電話があり、詳しく教えてくれました。
【参考記事】
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-260.html#more

アセットマネジメントONEの担当者がこの記事をお読みになったら、20日(金)の午前中の電話の録音を聞き、今後に生かしてください。あのような対応ではダメです。

ということで、やむを得ず、自分の頭で考えてみました。

12月7日の電話では、以下のことを教えてもらいました。

たわら先進国株に対する注文(購入、解約)は、その日の15時で締め切られ、その後に証券会社を経由して当社にデータが届きますが、当日に入手できるデータは概算額に過ぎず、注文額が確定するのは翌日になります。
これはシステム上、どうしても避けることができないことから、マザーファンドにできるだけ迷惑を掛けないように、概算額よりも2~3%低い金額(たわら先進国株に2~3%の現金が残るような形)でマザーファンドに注文を出すことになります。
つまり、たわら先進国株は、常に日々の注文額の2~3%の現金を保有していることになりますので、その限度でマザーファンドとの乖離が生じることになります。

つまり、翌日の相場が上がれば残した現金分が下振れ、翌日の相場が下がれば残した現金分が上振れることになります。

ここで基準価額の推移を見てみます。
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/fund/detail/?ID=JP90C000CMK4&r401k=true

昨年の12月30日の基準価額は10286円でしたが、1月21日に8851円までドーンと下がり、2月1日に9595円まで回復するものの、2月12日の8361円まで更にどーんと下がっています。
その後は上がったり下がったりの上下の蛇行を繰り返しながら徐々に下がり、6月28日に8190円の底値を付け、12月8日に10297円を付けて、ようやく基準価額が回復しました。

つまり、2~3%のプールした現金でドルコストをしていたのと同じ効果が生じたわけです。
ドルコストは、ドルコストを続けている間の相場が下降し続け、最後に一気に相場が上昇すると、とても儲かります。

たわら先進国株は、結果的に相場下降期でのドルコストをしていたことになりました。
つまり、プールしていた2~3%の現金分について、当日に買うより相場が下がった翌日に買うことで少しずつ得をしていき、毎日の少しずつの得が累積して1年前の-0.46%が3か月前の+0.14%まで上振れるに至ったと説明できます。
なお、12月1日から30日までの直近1か月の相場は緩やかな上昇基調でしたので、プールした資金で翌日買うことによって少しずつ損をすることになり、上振れも+0.14%から+0.05%まで縮小されたと説明できます。

ここで「説明できます」という表現を用いたのは、説明ができるかどうかがとても大切だからです。
ニッセイ外国株のように、説明できないブレは怖いです。ブラックボックスになってしまい、将来繰り返すかどうか、繰り返すとして長期的に見て挽回できるかどうかを予測できないからです。

しかし、たわら先進国株の場合にはブレに説明が付きます。
このようなブレであれば、良い時も悪い時も、運用期間が長くなれば平均的にならされていくことが予測できます。なぜなら、翌日の相場は上がるときもあれば下がるときもあることから、長期的に見れば、上がるときも下がるときもほぼ同じ確率に収束していくだろうからです。

というわけで、月報を見ると、指数よりも上振れしているというびっくりする結果になっています。私も最初はびっくりしました。
しかし、結果的にプールした現金でドルコストをしていたと理解すれば、相場の下降期にひたすらドルコストをしていたら、その後の上昇期で大儲けできるという、ドルコストの良くあるケースで説明が付くことになります。

なお、たわら先進国株のマザーファンドの運用に問題はありません。
そして、アセットマネジメントONEによれば、たわら先進国株の運用はマザーファンドの運用者が行っているそうです。
ということは、たわら先進国株のマザーファンドを信用できるのであれば、たわら先進国株も信用できることになります。

以上のことから、私は、たわら先進国株の運用に問題があるとは考えてはいません。

ニッセイ外国株の運用には問題があるとは思っていますが、応援したいという人に文句を言うつもりはありません。合理的な判断ではなく情で判断するのもその人の人生だからです。
たわら先進国株を買っている我々にとっても、ニッセイ外国株を応援してくれる人がいないとたわら先進国株の信託報酬が下がりませんので、ニッセイ外国株の応援者はありがたい存在といえます。

【2017年1月22日10時51分追記】
記事を読み返していたら、先月も同じような記事を書いていたことを思い出しました。
参考記事として貼っておきます。
自画自賛しますが、下記参考記事も実にいい記事ですので是非ご覧ください。

たわら先進国株のファンドマネージャーはマザーファンドのファンドマネージャーが兼務しています
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-262.html#more

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コメント

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ファンです

常に冷静沈着で客観的・合理的な分析や評価をされている記事に感服しております。
某超有名ブロガーが今月の積立分からニッセイ→たわら先進国に変更されたようですね。
年始からお仕事を少しづつ再開されたようで、記事のアップ数が減るのではないかと心配しておりましたが杞憂のようでほっとしています。
金融リテラシーを学ぶ上で、貴殿のブログは日本で最も良質なものと感じております。
電子でも紙媒体でも、書籍化が実現されたら、資産運用に悩める日本人一般個人にとって最良の羅針盤になると思います。
末永く応援させていただきます。

No title

たわら男爵が仰るように、ベンチマークとの乖離が、ドルコストによるものだとすると、「基準価額の上昇局面では乖離幅が小さくなり、反対に基準価額の下落局面では乖離幅が大きくなる」と思います。

しかし、"たわら"の運用報告書中の基準価額と市況の推移を見ると、実際には「上昇局面で乖離幅が大きくなり、下落局面では乖離幅が小さくなる」という傾向があります。

ドルコストは、乖離の一要因でしょうが、他にも資金の流出入などの要因が複雑に絡み合って乖離を生んでいると思います。ファンド自体の純資産額が小さい"たわら"にとっては、日々の取引による影響のインパクトは大きいのでしょう。

「長期的に見れば、平均的に均される」という考え方には同意です。ただ、注意が必要なのは、どのような期間を取るかによって、評価が変わってしまうことでしょう。運用ミスによって下方乖離したニッセイも1ヶ月の期間でみると、ベンチマークとの乖離はゼロですが、1年間の期間でみると-0.2%の乖離です。

また、気になるのは"たわら"のマザーファンドとベンチマークの乖離幅が大きくなることがある点です。ここ最近は、-0.2%程度に落ち着いているようですが、過去には-0.5%乖離しています。規模が大きくてもインデックスに殉じることは難しいようです。

No title

ぽんぽこさん、激熱な応援メッセージ、ありがとうございます。
無理のない範囲で更新していきますので、今後ともご愛読ください。

No title

コメントありがとうございます。

>たわら男爵が仰るように、ベンチマークとの乖離が、ドルコストによるものだとすると、「基準価額の上昇局面では乖離幅が小さくなり、反対に基準価額の下落局面では乖離幅が大きくなる」と思います。しかし、"たわら"の運用報告書中の基準価額と市況の推移を見ると、実際には「上昇局面で乖離幅が大きくなり、下落局面では乖離幅が小さくなる」という傾向があります。

正確には、基準価額の上昇局面では指数より上振れ、下降局面では指数より下振れることになります。
指数より下振れているときの上振れは指数に近づきますが、指数より上振れているときの上振れは指数から更に離れていきます。

結局、いろいろな問題点があるにしても、私は、現時点での最良はたわら先進国株であると考えています。

また、本文に書いたとおり、たわら先進国株のブレは、ニッセイ外国株のブレとは質的に違います。

>ただ、注意が必要なのは、どのような期間を取るかによって、評価が変わってしまうことでしょう。運用ミスによって下方乖離したニッセイも1ヶ月の期間でみると、ベンチマークとの乖離はゼロですが、1年間の期間でみると-0.2%の乖離です。

ブロガーの中でも同じことを言っている人がいますが、私はその意見は間違っていると考えます。
本文に記載したとおり、たわら先進国株のブレは説明が付くブレであり、マザーファンドを持つ投資信託である以上、避けて通れない宿命的なものですが、ニッセイ外国株のブレはそうではないからです。

「良く分からない理由で下振れしたけど、良く分からない理由で上振れし、結局-0.2%に収まったからいいじゃん」という意見は非論理的であり、賛成できません。

>また、気になるのは"たわら"のマザーファンドとベンチマークの乖離幅が大きくなることがある点です。ここ最近は、-0.2%程度に落ち着いているようですが、過去には-0.5%乖離しています。

確かに2013年に-0.5%のブレが出ていますが、天下の野村のマザー(3264億円)も同じ年に-0.6%のブレを出してます。
この年に何かあったんでしょうね、きっと。

とはいえ、マザーの乖離率で見ても、野村より規模が小さいたわら先進国株の方が野村より小さくて優秀です。

No title

ごめんなさい、逆でした。


正確には、基準価額の上昇局面では指数より上振れ、下降局面では指数より下振れることになります。


正確には、基準価額の上昇局面では指数より下振れ、下降局面では指数より上振れることになります。

No title

こんばんは。

相互リンクの件ありがとうございました。

今後とも宜しくお願い致します。m(__)m

No title

りあるむえさん
こちらこそよろしくお願いします。

No title

回答ありがとうございます。

>ブロガーの中でも同じことを言っている人がいますが、私はその意見は間違っていると考えます。
>本文に記載したとおり、たわら先進国株のブレは説明が付くブレであり、マザーファンドを持つ投資信託である以上、
>避けて通れない宿命的なものですが、ニッセイ外国株のブレはそうではないからです。

私が不用意に"ニッセイ"の例を持ち出してしまったのが悪いのですが、真意が伝わっていません。
たわら男爵もお認めのように、安定していると思われている"たわら"であっても、投資信託の性質上、ブレが生じています。
そうすると、期間の取り方によって、見え方が変わってしまうと思います。
"たわら"の例で言えば、1年間でみると-0.46%も下方乖離していますが、1ヶ月、3ヶ月でみると0.05%、 0.14%の上方乖離です。
どれか一つの期間の乖離率だけを取り上げてしまえば、まったく異なる評価になると思います。だからこそ、一つの値を取り上げるのではなく、複数の期間で評価することが必要なのではないでしょうか。

>とはいえ、マザーの乖離率で見ても、野村より規模が小さいたわら先進国株の方が野村より小さくて優秀です。

その理屈で言うと、同時期のニッセイのマザーをみると、-0.4%のブレで、たわらや野村よりブレが小さいです。他の期間でも同様です。


とはいえ、りあるむえさんが、"たわら"と"ニッセイ"のベンチマーク算出方法が違う可能性を指摘されていますね。そうなると、ファンド同士の騰落率を比較しても意味がないのかもしれません。長文失礼いたしました。

No title

コメントありがとうございます。

>どれか一つの期間の乖離率だけを取り上げてしまえば、まったく異なる評価になると思います。だからこそ、一つの値を取り上げるのではなく、複数の期間で評価することが必要なのではないでしょうか。

これはとても大変です。
そのため、私は、たわら先進国株とその他の先進国株投信の基準価額の比較だけにとどめています。

>その理屈で言うと、同時期のニッセイのマザーをみると、-0.4%のブレで、たわらや野村よりブレが小さいです。他の期間でも同様です。

この点は先ほど記事にしましたが、たわら先進国株、Funds-i外国株はグロス指数、ニッセイ外国株はネット指数で、指数自体が異なります。

MSCIコクサイ指数の円ベース統一版をどこかが作って、投信はどれをベンチマークにしても、残りの2種類も参考指数として報告書に記載する運用になればいいのになと思います。

No title

ご回答ありがとうございました。早速の電話取材ありがとうございます。さすがのたわら男爵です。

>これはとても大変です。
>そのため、私は、たわら先進国株とその他の先進国株投信の基準価額の比較だけにとどめています。

大変なことではないと思います。
各ファンドから月報が出されていますので、月報で1ヶ月〜3年の騰落率を比較すれば簡単です。
菟道りんたろうさんが、目論見書、月報等を熟読すべきとするブログを書かれていますが、私も同意見です。
http://arts-investment.blogspot.jp/2017/01/blog-post_23.html
独自データを下手に解釈するよりも、運用会社の公式データを活用すべきです。

早い段階で、運用報告書等にあたっていれば、指数の違いに気づけたかもしれませんね。(私も以後気をつけたいと思います)

>この点は先ほど記事にしましたが、たわら先進国株、Funds-i外国株はグロス指数、ニッセイ外国株はネット指数で、指数自体が異なります。

グロス指数を採用しているファンドは多いようですが、何か理由はあるでしょうか。実際には税額が控除されるため、ネット指数の方が分かりやすい気がします。
グロス指数を採用するファンドがインデックスに殉じようとするのであれば、税額控除分を上振れしなければなりませんし・・・

採用している指数が違う以上、安易にファンドの騰落率を比較するのは危険でしょうね。それぞれの月報等のデータが確実です。

電話取材の際、たわら男爵様が気分を害されてしまい申し訳なく思っています。AM Oneも顧客志向の対応をしてほしいものですね。

No title

コメントありがとうございます。
ファンドごとにベンチマークとなる指数自体が異なる以上、私は運用報告書ではなく、単純に基準価額の騰落率で比較する方が簡便だと考えています。
特にたわら先進国株は初日の影響がずっと尾を引き、運用報告書を見ても乖離率が良く分からなくなってしまっていますし。

インデックス投資の醍醐味はほったらかすことにありますので、基準価額の騰落率の定期チェックでおかしな点がなく、マザーファンドの乖離率が例年と同程度であるかどうかを確認することで十分ではないでしょうか。
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プロフィール

たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

●リスク資産(6割)は、たわら先進国株(楽天証券)とVT(マネックス証券)をほぼ50:50でホールド中。
●つみたてNISA(SBI証券)はeMAXIS Slim先進国株を年初一括40万円購入。
●楽天カード投資はeMAXIS Slim先進国株を毎月5万円購入。
●松井証券で「Slim全世界株リバランス積立」の毎営業日1万円投資を実行中。
●SBI証券で「インデックスマラソン」の毎営業日100円投資を実行中。

●無リスク資産(4割)は、個人向け国債変動10(みずほ証券、大和証券)と楽天銀行(金利0.1%)。

パソコン版右端の「ブログ記事検索」と「カテゴリ」が便利です。

●「誰でもできる超簡単ほったらかし投資」(カテゴリ「【公開】誰でもできる究極の投資」)はこのブログの全エッセンスを1記事に凝縮したものです。
●カテゴリ「この投資信託がすごい」では、ベストバイファンドの具体名を明示しています。
●カテゴリ「インデックスファンドの基礎知識」を読めば、誰でも簡単に投資信託の必須知識を得ることができます。

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