リバランスボーナスと全世界株リバランス積立

リバランスボーナスという言葉があります。

リバランスとは、時価総額比でない配分比のポートフォリオのときに、事前に決めた配分比を超える投信を売却し、事前に決めた配分比を下回る投信を購入することで、事前の配分比に戻すことをいいます(時価総額比のポートフォリオの場合は、時価の増減に伴って配分比も増減するため、購入時のみ配分比を合わせれば良く、購入後にリバランスする必要はありません)。

全世界株投信たわら先進国株80%、三井住友DC日本株S10%、たわら新興国株10%で自作した私の松井証券でのポートフォリオのこと)を例にとります。

100万円の資金があるとして、これを一括して全世界投信を買うとすると、たわら先進国株80万円、三井住友DC日本株S10万円、たわら新興国株10万円で配分することになります。
その後、たわら先進国株が130万円、三井住友DC日本株Sが12万円、たわら新興国株が8万円になったとします。

この時にリバランスをすると、たわら先進国株を10万円売却し(合計150万円の8割は120万円。現在の時価130万円-120万円=10万円)、三井住友DC日本株Sを3万円、たわら新興国株を7万円購入し、たわら先進国株120万円、三井住友DC日本株S15万円、たわら新興国株15万円とし、事前に設定した配分比に戻します。

リバランスボーナスとは、リバランスをすることで、リバランスをしないときよりもリターンが増えることを言います。増えたリターンがリバランスをすることによってもたらされたボーナスになるという意味です。

リバランスの頻度については様々な研究がなされており、おおむね1年に1回やるのがもっとも儲かるとされています。

そこで、タイトルに戻ります。

私は、毎営業日7500円ずつの全世界株リバランス積立をしています。リバランスの頻度は毎営業日です。
「リバランスボーナスとの関係はどうなるの?」というのが今日のお話です。

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1年に1回程度のリバランスがもっとも儲かる理由は、2つに整理できます。

1、頻繁にリバランスすると、売買コストと税金(値上がり益課税)が掛かる。
2、余りに長期間リバランスをしないと、確定させた値上がり益でナンピンする効果が薄まる

まず、売買コストと税金ですが、全世界株投信は購入手数料が掛かりませんので、売買コストはゼロです。
しかし、上記の例で言えば、値上がったたわら先進国株を売るわけですので、売却益の2割が納税により失わてしまいます。
確かにそのままホールドしても売却益は積み上がるだけであり、最終的に売却するときに課税される点では同じですが、ずっとホールドしていれば最終的に売却するまでの間、値上がり益の2割の納税分も運用することができますので、運用益の分だけ得をします。

つぎに、確定させた値上がり益でナンピンするとは、文字どおりの意味です。
値上がり益があったとしても、含み益のまま確定させなければ、時価が下がった時に消えてしまいます。リバランスをすることで、高くなった投信を売り、安くなった投信を買うことができます。
高くなった投信は本来の価値よりも高く評価されている可能性が高く、安くなった投信は本来の価値よりも低く評価されている可能性が高いことから、将来的には、高くなった投信の値段は下がりやすく、安くなった投信の値段は上がりやすいと言えます。
リバランスをすることで、ポートフォリオは、より下がりにくく、より上がりやすくなるわけです。

全世界株リバランス積立を見てみましょう。

全世界株リバランス積立は、ノーセルリバランス(配分比を上回った高い投信はそのままホールドし、配分比を下回った安い投信だけを買うというもの)であるため、値上がり益課税はゼロです。
そのため、通常のリバランスのデメリットである売買コストと税金は考慮する必要がありません。

そうすると、問題はナンピン効果がどうなるのかという点だけになります。

これは一概には言えません。

全世界株リバランス積立は、たわら先進国株80%、三井住友DC日本株S10%、たわら新興国株10%の配分比になるように、毎日の積立額を調整します。すなわち、配分比が戻るまで、配分比を下回った投信だけを買い続けるわけです。

たしかに、毎日の積立額がそのように自動調整されることで、毎日、安くなった投信のナンピンを繰り返すことになりますので、一見すると、相場が回復した時点で全世界株リバランス積立の方が儲かるように思えます。
しかし、そう単純ではありません。

分かりやすく単純化します。
たわら先進国株のリターンは上がり続けて1年後には10%増え、三井住友DC日本株Sは変わらず、たわら新興国株のリターンは下がり続けて1年後には5%に減ったというケースで考えてみます。

全世界株リバランス積立は、ただひたすらにたわら新興国株だけを買い続けることになります。
毎日の積立額は7500円ですから、1か月20日として1年で180万円のたわら新興国株を買ったものの、1年間、ずっと下がり続ける相場ですので、投資額の180万円すら少し減ってしまいました。

これに対し、毎日、たわら先進国株6000円、三井住友DC日本株S750円、たわら新興国株750円を買い続け、1年後にたわら先進国株を売却し、たわら新興国株を買うという通常のリバランスのケースでは、たわら先進国株を買った6000円は1年後にはもっと増えていることになります。

そうすると、このケースでは、通常のリバランスの方が全世界株リバランス積立よりも、購入できるたわら新興国株の金額が大きいことになります。
なぜこのような現象が起こるのかと言えば、設例を「上がりきった時に売り、下がりきった時に買う」というものにして検討したからです。

現実の相場は、上がったり下がったりしています。
1年間、ある投信がずっと上がり続け、ある投信がずっと下がり続けるということはないでしょう。

そのため、全世界株リバランス積立と通常のリバランスのどちらが優れているかは一概には言えません。とはいえ、松井証券がリバランス積立を新設するに当たり、通常のリバランスとの優劣について詳細な内部検討をしたはずであり、もしリバランス積立の方が儲かるのであればその旨を大きく宣伝したはずです。
しかし、松井証券のホームページにはどちらが儲かるのかについての記載は一切ありません。その事実は、リバランス積立の方が通常のリバランスよりも儲からないということを示唆しています。

しかし、自分で何もしなくても全世界株投信が自作できるという魅力は大きいです。
通常のリバランスよりもナンピンできる金額が減ることでリバランスボーナスが少なくなったとしても、リバランスボーナスが得られないわけではありませんし、相場によっては通常のリバランスよりも多くのリバランスボーナスを手にすることができるかもしれません。

というわけで、私は、現在、毎営業日7500円ずつの全世界株リバランス積立(+同額のSMT米国株配当貴族の毎営業日積立て)をしています。

その前は、楽天証券で、SMT米国株配当貴族の毎営業日1万円積立てをしていました(楽天証券では毎月1回しか積立設定ができないことから、毎営業日にログインしてスポット購入を繰り返す手間が要りました)。
SMT米国株配当貴族がリリースされるまでは、楽天証券で、たわら先進国株の毎営業日1万円積立てをしていましたが、貴族になるためにSMT米国株配当貴族を買うことにしたわけです。

私のリスク資産の根幹はVTとたわら先進国株ですので、現在の毎営業日積立ては単なる趣味に過ぎません。
リバランス積立という前代未聞の発明に参加しつつ、貴族であり続けるためだけの個人的な楽しみですので、そういう目で見てください。

なお、もし私が今から本気で資産形成をするのであれば、何度も繰り返して述べていますが、ジュニアNISA口座でやっているのと同じように、たわら先進国株だけを買います。

【参考記事】
なぜ先進国株だけでなく、日本株、新興国株も買うことにしたのか?
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-248.html#more

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たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

●リスク資産(6割)は「たわら先進国株」(楽天証券)とVT(SBI証券)をほぼ50:50でホールド中。
●つみたてNISA(SBI証券)では「たわら先進国株」を年初一括40万円購入。
●楽天カード投資(毎月1日)では「たわら先進国株」を毎月5万円購入(+特定口座で11日と21日に各5万円ずつ積立買付中)。
●SBI証券で「インデックスマラソン」の毎営業日100円投資を実行中。

●無リスク資産(4割)は、個人向け国債変動10(みずほ証券、SMBC日興証券)と楽天銀行(金利0.1%)。

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