債券ファンドに将来性はない

さきほど、こんな質問をいただきました。


はじめまして
非常にためになる記事が多く助かっています。
最近投資を始めたのですがどうしても解決できない問題があり質問させていただきます。

1. MY INDEXというサイトにあるリスクVSリターン表の債券についてのリターン部分についてですが、あれは個人で国の債券を為替を考慮し(円ベース)購入した場合のリターンと考えて問題ないのでしょうか?
そうすると、個人が機関投資家が行っている債券インデックスファンドを購入した場合、コストとリターンを総合して考えると外国債も日本国債のファンドは買う意味がない気がしたのですがいかがでしょうか?

2. 債券のリターンはここ十年を見ると全世界的にも下がっていますがこれはどうしてなのでしょうか?債券の価格が相対的に上がっているためでしょうか?

3. 債券市場が大きくなった今、今後債券のリターンが上がってくることはどのようなことがおきればおこりうるのでしょうか?

長くなりましたが以上です。一言でもいいのでアドバイスいただけると助かります。

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回答すると言っても、私は債券は正直良く分かりませんので、あくまで参考までにということでお願いします。

回答1
あの表の国内債券は「NOMURA-BPI 総合」指数です。
http://myindex.jp/data_i.php?q=NM2001JPY
そして、外国債券は「シティグループ 世界国債インデックス 除く日本 (円)」です。
http://myindex.jp/data_i.php?q=CI1020JPY
したがって、両方とも円ベースで計算した指数ということになります。

債券投信は、通常、これらの指数への連動を目指しています。

新規設定日が2008年1月9日のSMT国内債券の現時点の基準価額は1万1866円ですので、約8年で1866円(18.66%)、年利2.33%(複利計算は面倒なので単純に8年で割っただけ)のリターンを挙げたことになります。

とすると、問題は、年利2%強のリターンで満足できるかどうかということでしょうね。

ちなみに、同日に新規設定されたSMTグロ株の基準価額は1万4867円(単利計算で年利6.08%)、SMTグロ債の基準価額は1万2065円(単利計算で年利2.58%)です。

外債は、利率が高かったとしても、理論的には長期的に高利は為替で相殺され、外国債券のリターンとほぼ等しくなります。
SMTシリーズ内で比較しても、国内債券は2.33%、外国債券は2.58%ですから、ほぼ等しいと言ってよいでしょうね。
為替リスクを負担してもなお、この程度のわずかなリターン差しかないわけですから、ご指摘どおり、あえて外債投信を保有する必要はないと私も考えます。

回答2
マイインデックスによれば、国内債券のリターンは、ここ10年は2~3%、20~30年は4~5%のようですね。
http://myindex.jp/assets_i.php

なぜかは私には分かりません。
とはいえ、長期金利はこの間ずっと下がり続けていますから、ファンド内で満期が来た債券を順次買い替えていったら、ファンドが保有する債券の平均金利はどんどん下がっていきます。

金利の下落傾向が続けば、時間が経過すればするほど、より金利が低い債券がファンドに占める割合が増えていくわけですから、ファンドの金利収入は確実に減っていき、ファンドのリターンも減っていくのでしょうね、きっと。

回答3
債券のリターンが上がる=債券ファンドの基準価額が上がるという意味だとすると、利下げによって既存の債券の価値が上がれば債券ファンドの基準価額は上がり、利上げによって既存債券の価値が下がれば債券ファンドの基準価額は下がります。
私が債券ファンドを一切保有していない理由は、現在は歴史的な超低金利であり、今後更なる利下げは期待できないからです。
普通に考えれば、金利はすでに下がるところまで下がってしまったわけですから、債券ファンドの基準価額が下がることはあっても上がることはないのではないでしょうか。

ということで、ご参考になったかどうかは分かりませんが、一応の回答です。
さらにご質問等があればご連絡ください。

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コメント

ありがとうございました

解答ありがとうございました。
非常に参考になりました。
タイトルどおり「債券ファンドに未来はない」と思います。

一人で何が正解かわからぬままいろいろな情報や本で勉強していてきましたが、無駄ではなかったかなと思いました。
これからも投資家としての努力を続けていきたいと思います。
また議論したい話題や疑問点などがあがりましたらコメントしたいので対応よろしくお願いいたします。

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参考にしていただけたのであれば良かったです。
ご質問等があれば、またご連絡ください。
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たわら男爵

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●つみたてNISA(SBI証券)は「たわら先進国株」を年初一括購入中。
●クレジットカードによる投信積立サービスを利用し、SBI証券・楽天証券・auカブコム証券で「たわら先進国株」を毎月5万円ずつ購入中。

●無リスク資産は、個人向け国債変動10とauじぶん銀行(金利0.2%)。

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