NISAは骨までしゃぶろう(4) ジュニアNISAは究極の金持ち優遇策

前回、ご説明したように、ジュニアNISAの肝は、子供が20歳になるまでの間、非課税口座で運用できる点です。
そのため、子供の年齢が低いうちに投資限度枠を満額使い切り、非課税のメリットを最大限に享受する必要があります。

ただし、以下の点で注意が必要です。

1 ジュニアNISA口座の金は子供の金であり、親の口座に移すと、子供から親に対する贈与があったとして贈与税の課税対象となる可能性が極めて高いこと
2 証券会社の変更ができないこと

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1 ジュニアNISA口座の金は子供の金であり、親の口座に移すと、子供から親に対する贈与があったとして贈与税の課税対象となる可能性が極めて高いこと

連年贈与という概念があります。

ある人が子供に400万円を贈与したいと考えたとします。
これを一括で子供名義にすると55万円の贈与税が掛かるため、毎年80万円ずつ、5年間に分割して子供名義にしたとします。
贈与税は年間110万円までの基礎控除があるため、毎年80万円であれば課税されないはずです。

しかし、税務署は、このような場合、当初から合計400万円を贈与する意思がある以上、最初の年に400万円の贈与があったとして課税します。これを連年贈与といいます。

ジュニアNISAも、本来であれば連年贈与となるはずです。80万円の投資限度枠が毎年1つ、5年間で5つあるわけですから、ジュニアNISAを始めようとする人は、通常であれば、最初から合計400万円の投資限度枠を目いっぱい使おうとする考えるはずだからです。

しかし、もし税務署がジュニアNISAを連年贈与として課税したら、政府の目玉政策の一つがつぶされることになり、大変なことになります。国が新制度を導入するときは、関係省庁間で事前調整をしますので、ジュニアNISAも国税当局との事前調整が済んでいるはずです。
ジュニアNISA制度がNISA制度に比べてあれほど複雑なことになったのは、国税当局との調整の結果といえるでしょう。

そうすると、理論的には連年贈与となるはずのところを政治的に曲げたわけですから、国税当局は、ジュニアNISA口座に金を入れた時点でそれは子供に対する贈与がなされた子供の金と認定し、その結論を変えることはないでしょう。
そのため、ジュニアNISA口座の金を親が受け取ると、極めて高い確率で子供から親に対する贈与があったものと認定され、贈与税が課税されます。

したがって、ジュニアNISAを利用するからには、子供が20歳になった時点で、必ず子供に引き渡さなければなりません。

運用益が自分のものにならないばかりか、元金まで子供のものになってしまうなら、ジュニアNISA制度にメリットはないではないかと思ってはいけません。

そもそも、ジュニアNISA制度は、多額の資産を保有している親が、相続税の負担を減らすため、税務署に連年課税と認定されない限度で子供に生前贈与するための制度だからです。

もちろん、子供に引き渡すのは子供が20歳になったときですから、既に長期投資による多くの含み益が乗っているはずです。それを見た子供は、毎月決まった額を積み立てることの重要性を実感し、以後は自分で、たわら先進国株の毎月積立てを続けるでしょう。

簡単に言えば、ジュニアNISAは、金持ちの子供がより金持ちになるための極めて効果的な教育材料を提供してくれるばかりか、その分の相続税まで免除してくれる究極の金持ち優遇制度といえます。

もっとも、政府がジュニアNISA制度を導入した目的は、金持ちの親に対する優遇策ではなく、祖父母から孫に金を動かすためだと思われます。
年寄りは金を使いません。政府としては、使わない金が預貯金で死蔵されているだけでは景気が良くなりませんので、非課税メリットで祖父母を釣って、その金を株式市場に投下させることで、死蔵された金を若い世代に移動させるとともに、株式市場を活性化させたいという狙いがあると推測できます。
そのため、ジュニアNISAの紹介文には、子供の教育資金はこれだけ掛かるから、いまこそ祖父母の出番だというように、年寄りの気持ちを高揚させる文句が並んでいます。
これを真に受けて、資金的に余裕がない親が、教育資金を稼ぐためにジュニアNISA口座でリスク資産を運用し、その結果、子供の学費を失うという悲劇が起こらないことを祈るばかりです。


2 証券会社の変更ができないこと

ジュニアNISAは、NISAと異なり、連年贈与の問題がありますので、途中で証券会社の変更ができるように制度が変わることは期待できません。
そうすると、子供が20歳になるまで同じ証券会社を利用し続けなければならないことになります。

ところで、たわら先進国株で投信保有ポイントが付くのは楽天証券だけですが、その楽天証券も、未成年口座のときはポイントを付与しません。
また、同一月で複数日の積立設定ができるのはマネックス証券だけですが、そのマネックス証券も、NISA口座のときは毎月1回しか積立設定ができません。

そうすると、NISA口座以上に、どの証券会社を利用しても変わらないことになります(ちなみに、楽天証券は、NISA口座には投信保有ポイントを付与してくれます)。

これから各証券会社の口座開設キャンペーンが激しさを増すはずです。
ジュニアNISAは子供が20歳になるまで証券会社の変更ができないことから、NISA口座以上に囲い込みのメリットがあるからです。
各社のキャンペーンが出そろうのを待ってから証券会社を決めても良いのですが、子供が20歳になるまでの長い付き合いになることを考えると、キャンペーンだけでは決められません。

続きます。



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ブログ開始日 2016年3月1日

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●つみたてNISA(SBI証券)では「たわら先進国株」を年初一括40万円購入。
●楽天カード投資(毎月1日)では「たわら先進国株」を毎月5万円購入(+特定口座で11日と21日に各5万円ずつ積立買付中)。
●SBI証券で「インデックスマラソン」の毎営業日100円投資を実行中。

●無リスク資産(4割)は、個人向け国債変動10(みずほ証券、SMBC日興証券)と楽天銀行(金利0.1%)。

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