イエレン「日本はアメリカに無断で為替介入をしている」

日本政府は、9月22日、24年ぶりに為替介入に踏み切りました。
為替介入は、財務省が外為特会で保有するドル債を売却する方法で実行しますが、9月22日の売却額は2兆8300億円であると報道されています。
日本政府が為替介入をした瞬間、1ドル5円の急激な円高になったものの、為替相場は数日で元に戻り、為替介入前の水準を超える1ドル150円を記録しました。

この間、日本政府は、「円買い介入の原資は無限にある」(神田財務官)などと口先で市場を牽制したものの、円安を押しとどめることはできず、10月21日に5兆5000億円(推計値)、23日に3兆円(推計値)の大規模な為替介入に踏み切ったと報道されています。

9月22日は神田財務官が即座に記者会見して為替介入の事実を公表しました。
しかし、10月21日と23日は為替介入をしたかどうかについてのコメントを避けており、いわゆる「覆面介入」と言われています。

とはいえ、日本政府が3回の大規模な為替介入を行っても効果は一時的なものにとどまり、現在の為替相場は1ドル148.9円です。
1ドル150円を再び目指そうとしています。

さて、これらの為替介入について、イエレン・米財務長官が怒っているようです。





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ブルーグバーグによると、イエレン財務長官は次のように述べたそうです。

●イエレン米財務長官、日本の円買い介入「知らない」-通知ないと言明
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-10-24/RK9O1TDWRGGC01?srnd=cojp-v2
介入が行われる場合、以前は日本から確かに通知があった。ボラティリティーに対する懸念からだと理解した
日本のいかなる介入も知らない



というわけで、今後の為替介入がやりにくくなりそうですが、高橋洋一・嘉悦大教授は「日本の経済成長は円安によってもたらされた」と主張しています。
高橋教授のこれまでの主張をコンパクトにまとめた記事が公開されていますので、ご紹介します。


●「32年ぶりの円安」が日本にとって大チャンスである理由…バブル期との決定的な違い
https://gendai.media/articles/-/101374?imp=0

1,輸出依存度などに関わらずどのような国でも自国通貨安はGDPプラス要因になる。OECD(経済協力開発機構)の経済モデルでは、10%の円安であれば1~3年以内にGDPは0.4~1.2%増加する。

2,それを裏付けるように、最近の企業業績は好調である。直近の法人企業統計でも、過去最高収益になっている。これで、法人税、所得税も伸びるだろう。

3,今回の円安は32年ぶりだという。32年前というと1990年バブル絶頂・崩壊時だ。その当時のマクロ経済指標はどうだったのか。名目GDP成長率7.6%、実質GDP成長率4.9%、失業率2.1%、CPI上昇率3.1%だ。文句のつけようもない数字だ。
昨今の欧米の例をみても、4%くらいまでは金融引き締めをしないのが通例なので、金融引き締めをしてはいけないことになる。しかし、日銀はバブル潰しのための金融引き締めを行ってしまった。これが間違いだった。失われた平成不況の元凶になった。

4,カネの伸びと名目経済成長はかなり関係している。日銀はバブル潰しのための金融引き締めを行い、その後も金融引き締めを継続したので、日本のカネの伸びは世界最低級となり、成長も世界最低級になってしまった。
カネの伸びが低いとモノの量は相対的に多くなり、その結果、モノの価値が下がり、デフレになりがちだ。バブル潰しの結果、金融引き締めを継続したのが、デフレの原因である。

5,日本のカネの伸びは、他国のカネの伸びに比べて低い傾向になるので、結果として円の他国通貨に対する相対量が少なくなり、円高に振れがちだ。
バブル以降、デフレと円高が一緒だったのは、カネの伸びが少なかったことが原因だ。

6,最近の円安によるGDP増加要因で、日本経済は1~2%程度の「成長ゲタ」を履いており、他の先進国より有利になっている。1990年の失敗を繰り返さず、この好機を逃してはいけない。


アメリカと協調せず、日本単独で為替介入をしたとしても、その効果は一時的なものにすぎず、すぐに介入前の為替相場に戻ってしまいます。
今回の為替介は、円安を押しとどめるという点では全くの無意味ですが、円高のときに安く仕入れたドルを高値で売却するという点では意味があります。

とはいえ、我々が為替や株の値動きを心配してもどうすることもできませんので、そのような無意味な心配はしないと心に決めて、淡々と均等額積立投資を継続するのみです。


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コメント

No title

イエレン氏は「知らされてはいなかった」と言っただけで、日本を牽制するつもりはないのではないかと思います。
自国通貨安が近隣窮乏化の効果を持つこと、数兆円程度の介入では2-3日しか効果が持続しないこと、から考えると、日本が円高方向へ動かそうと介入したらむしろ歓迎だし、実際は効果は薄いわけで、アメリカにとってはどうぞご勝手にといったところではないでしょうか。「国内でわかってない人たちからヤイヤイ言われるからポーズで無駄なことしたのね」と思っていると思います。

企業型DCの銘柄選択について

※以下、記事の内容と関連の無い質問で失礼します。
いつも有益な情報を発信していただきありがとうございます。今日は企業型DCについて男爵のご意見をお伺いしたくコメントさせていただきました。勤務先で企業型DCが開始されることになり銘柄選択を求められています。
私は既にideco を開始しており、そこでは「たわら先進国」を購入しています。

企業型DCでも出来るだけ低コストの外国株式投資信託で積み立てをしたいと考えているのですが、委託先(三井住友信託銀行)のラインナップでは最も低いコストのファンドで信託報酬手数料が0.154% となっており、たわら先進国の約0.11% と比べ手数料が高くなっています。
https://www.nikkoam.com/api/reports/prospectus?fundcode=940259

手数料がこれよりも低い債券商品などはあるのですが興味を惹かれません。
「たわら」を知っているが故の不満なのですが、このコスト差に目を瞑って外国株式投信で積み立てるか、それとも定期預金などのプランを選択するか、男爵であればどうされるでしょうか…? ご意見お聞きできれば幸いです。

なお、ideco,企業型DCともにリスク(特別法人税復活など)は承知の上で加入を検討しています。よろしくお願いいたします。

No title

コメントありがとうございます。

>日本を牽制するつもりはない

私は、単純に、日本からの報連相がないことにカチンと来ているのではないかと思いました。

>コスト差に目を瞑って外国株式投信で積み立てる

私ならこちらにします。

既に20年の運用実績があり、純資産額も1000億円を超えていますので、限られた選択肢の中で考えるならば悪くはない(もっと悪い商品しか選べない可能性も十分にあった)と思います。

No title

ありがとうございます。確かに、「もっと悪い商品しか選べない可能性」を考えると許容できる水準なのかもしれません。貴重なご意見感謝いたします。

No title

米国債は簡単に売れないんだから、文句の言われにくい時機になるべく多く売っておけば良い

No title

コメントありがとうございます。

>「もっと悪い商品しか選べない可能性」を考えると許容できる水準

投資のご成功をお祈りしています。

>米国債は簡単に売れない

高橋教授によると、短期債をロールオーバーしているため、新しく買い直さないだけで保有残高がどんどん減っていくようです。
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