以前はジュニアNISAは18歳になるまで災害などを除いて原則払い出しができない制度でした。しかし、改正により、2024年以降はいつでも払い出せるようになりました。
そう考えると、利便性は向上、さらに運用の18年の間にそれなりの元本成長がある可能性は高いですね。
低金利で運用先の限られる中、魅力的な制度のうちの一つではありますが、制度がやや分かりにくいという話はよく聞きますね。シンプルさという意味において問題は無くはないですが、つみたてNISA、通常のNISA、ジュニアNISA、イデコと制度が拡充されつつあります。そうした流れを受けて、ジュニアNISAは将来的に廃止の方向ですね。
制度をうまく使って資産形成をして、計画的に人生設計をしたいですね。たぱぞうさんは、「
投資顧問のアドバイザーをしています」と自己紹介していますが、このような感じの回答をするのが投資顧問業のスタイルなのかもしれません。
さて、私がなぜこれを取り上げたのかというと、質問者の理解に重大な間違いがあるからです。
具体的には、次の2点になります。
1,NISAで分配金が出るETFを買うのは損である。
2,ジュニアNISAは子供が18歳になった時点で全残高が一般NISAに自動移行するので、払い出してはいけない。
ETFは必ず分配金を出すものとして設計されています。
分配金を出さなければETFとは言えません。
これに対し、狭義のインデックスファンド(ETFもインデックスファンドのひとつですが、ここではたわら先進国株などの一般的なインデックスファンドのことを言うものとします)では、保有株が配当金を出しても顧客に分配されることはなくマザーファンド内で自動再投資されます(自動再投資=顧客が何もしなくてもマザーファンドが勝手に株を買う)。
その結果、1口当たりの純資産額が増加して含み益が増え、顧客がインデックスファンドを売却した時点で値上がり益課税(譲渡所得税)がなされることになります。
つまり、分配金を出すとその時点で課税されるところ、ファンド内で再投資すれば売却時まで課税時期を繰り延べし、税金の運用益を取得することができます。
72の法則によれば年率4%で運用できれば
18年で元本が2倍になるため、18年後に売却すれば実質的に無税になります。
このように、分配金をすぐに現金で受け取るよりも、ファンド内で再投資して運用益が発生してから受け取ったほうが得になります。
特にNISA口座で保有しているときは、分配金が出るとNISA口座の外に自動で払い出されるのに対し、分配金を出すことなくファンド内で再投資すればそのままNISA口座内で運用することができる(=分配金の分だけ非課税で運用できる金額が増える)という極めて大きな違いがあります。
したがって、NISAで分配金が出るETFを買うのは損であるということになります。
つぎに、質問者は
ジュニアNISAの出口は払い出すことだという誤解のもとに「生まれたばかりの娘が18歳になるまで非課税で運用することができるかどうか」を知りたがっています。
これに対する回答をするならば、次のようになります。
1,ロールオーバーを続けることで、子供が18歳になる年の前年の12月31日でジュニアNISAは終了し、子供が18歳になる年の1月1日に一般NISA口座が自動開設される。
2,自動開設された一般NISA口座の最初の勘定にはジュニアNISA口座で運用していたものを全額ロールオーバーすることができる。
3,ジュニアNISAではロールオーバーし続けて、娘が18歳になったらそのまま一般NISAに全額を突っ込み、一般NISAでもロールオーバーし続ければ、
一般NISA制度が続く限り娘が死ぬまで非課税で運用することができる。
【参考】
●ジュニアNISAがとてつもなくお得だった件http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-2441.html
コメント
No title
今回はジュニアNISAの話なので、分配金も非課税のはずです。
非課税で分配された金額を再度NISAでのETF購入に充てれば、課税されずに再投資できたことになりますよね。話のポイントがよく分かりません。
NISAだと外国税額控除が使えずその分課税されるという話ですか?
> NISA口座で保有しているときは、分配金が出るとNISA口座の外に自動で払い出される
NISA口座の外とは?特定口座もしくは一般口座のことを言っているなら誤りでは?
少なくとも私がSBI証券で確認する限り、分配金もNISA口座内にあります。
2022/06/24 11:52 by 誤りと不明点 URL 編集
No title
>分配金も非課税のはず
そうですね。
配当所得税(ETF)も譲渡所得税(インデックスファンド)も非課税になります。
書き方が分かりにくかったのかもしれませんが、「特にNISA口座で保有しているときは、」の前は課税口座一般の話、後はNISA口座特有の話になります。
>非課税で分配された金額を再度NISAでのETF購入に充てれば、課税されずに再投資できたことになりますよね。
問題は、再投資するとNISAの非課税投資枠を新しく使ってしまうという点です(分配金を出さないでマザーファンド内で再投資するインデックスファンドであれば1口当たりの純資産額が増えるだけですので、NISAの非課税投資枠を新しく使うことはありません)。
>NISA口座の外とは?
正確に言うと「勘定」の外ということです。
「勘定」というワードを使うと説明が必要でしたので、「NISA口座」としたこうなりました。
>分配金もNISA口座内にあります。
非課税で運用できる「勘定」の外には出てしまっています。
分配金をマザーファンド内で再投資したほうが非課税で運用できる金額が増えるので、分配金を必ず出すETFよりも分配金を出さないインデックスファンドのほうが有利であるというのが今回のテーマになります。
2022/06/24 17:22 by たわら男爵 URL 編集
No title
たぱぞう氏の文章には文末に「ですね」「ますね」が頻出します(引用された記事にも計四カ所)。
「ね」を付けることによって読者(質問者)に同意を求めている、あるいは逆質問しているのか。
このスタイルに違和感(≒不快感)を覚えて最近は訪問しなくなりました。
2022/06/24 18:59 by gavardini URL 編集
No title
>たぱぞう氏の文章には文末に「ですね」「ますね」が頻出します
たぱぞうさんの個性だと思います。
たぱぞうさんは人気がありますので、魅力を感じる人が多くいるのでしょうね。
2022/06/24 23:32 by たわら男爵 URL 編集