老後資金2000万円問題は「55万円」問題に

興味深い記事を読みました。

●「老後資金2000万円問題は3年で"55万円問題"に」それをメディアが全く報じない理由(2021/05/26 8:00)
https://president.jp/articles/-/46212







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この記事は、大江英樹さんが書いたものです。

大江さんによると、

(1)例の2000万円問題は、総務省統計局が作成した「家計調査報告」2017年版の収支をもとにしたもの。
実収入額(月額20万9198円)と実支出額(月額26万3717円)の差額(月額5万4519円)×30年分=1963万円になる。

(2)しかし、
2018年版では、1507万円
2019年版では、1198万円
2020年版では、55万円
となり、不足額が急速に減少している。

ということのようです。


しかし、2020年版の実収入額は月額25万7763円であり、2017年版の実収入額20万9198円よりも月額4万8565円アップしていることに注意しなければなりません。
2017年版の実収入額を2020年版の実収入額に入れ替えると、2017年版の不足額は月額5万4519円から5954円に激減することになり、2000万円問題は214万3440円問題になるからです。

2000万円問題であろうが、55万円問題であろうが、214万3440円問題であろうが、重要なことは、

(1)リタイアすると収入が激減する。

(2)他方で、支出はそれほど減らない。
年を取ればほしいものもなくなり、子育て費用もかからなくなるとはいっても、食費や住居費等、人間が生きていく上でどうしても必要な費用は一定程度かかる。

(3)リタイア時までに(1)と(2)の不足額を計算し、不足分は資産を取り崩して賄えるように準備しておくことが必要である。

ということになりますが、このようなことは他人に指摘されるまでもなく、誰もが自分で考えて実行していることでしょう。


ところで、私が2000万円問題を初めて知ったときに疑問に思ったことがあります。
それは、月額21万円の実収入額は多すぎるのではないかということです。

日本年金機構は年金額を公表しています。
それによると、国民年金は月額6万5000円、厚生年金は月額22万円ということです。
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2021/202104/202104nenkingaku.html

厚生年金の金額は、平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9万円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準であることに注意する必要があります。
つまり、43万9000円の平均標準報酬よりも少ない給与額の人は、月額22万円の年金はもらえないということに注意しなければなりません。

また、国民年金は1人当たりの金額ですので、夫婦ならば月額13万円になります。
収入によって掛金が変動する厚生年金と異なり、国民年金の掛金は一律のため、自営業者等、厚生年金に加入していない人の実収入額は、独身者で月額6万5000円、夫婦で月額13万円しかないということになります。

こうしてみると、家計調査報告に記載された月額20万円程度の実収入額は、公務員や大企業等、非常に恵まれた一部の世帯が平均額を押し上げているとみるべきです。

大江さんは次のように述べます。

結局大事なことは、こうしたあおりに惑わされることなく、自分の生活に基づいた収支の計画とその実態の把握をおこなうことです。多くの人は家計簿を付けていないようですが、これは自分の収支管理にとっては必須のものだと思います。
今は家計簿アプリがありますから、収支の把握はそれほど大変なことではありません。自分で家計収支のコントロールを実行するという習慣はぜひ付けておくべきだろうと思います。



労働市場で自身の価値を高める要素は、学歴、職歴、資格歴の3点です。
しかし、日本では、社会人になった後に転職をしてステップアップをすることは容易ではありません。大企業から中小企業に転職することはできても、中小企業から大企業に転職することは容易ではなく、ごく一部の特殊なケースを除き、転職をすると収入が減ってしまうことになります。

学生時代にこの真実を知った人は、一生懸命勉強して難関大学に入学したり難関資格を取得したりすることで、いくつも下駄をはかせてもらった状態で社会人デビューすることができます。
しかし、既に社会人デビューしている人にとっては、学生時代に誰もに平等に与えられた黄金の橋はもうありませんので、節約をして収入を減らすことで1円でも多くの余剰資金を生み出し、インデックス投資に投入して地道に殖やすことを心掛けるべきでしょう。

そのために最も効果的な方法は、大江さんが言うとおり家計簿をつけ、自分の支出をきちんと管理することしかないと思います。

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●つみたてNISA(SBI証券)は「たわら先進国株」を年初一括購入中。
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