橋本八段、カネを渡してあげないと子供は守れませんぜ

橋本崇載八段は、2021年4月2日付けでプロ棋士を引退しました。
【参考】
●橋本崇載八段、38歳でアーリーリタイア
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-2076.html

橋本さんは同日付でユーチューブを開始し、動画を毎日連続して投稿していますが、それらを見ても引退の理由がよく分からなかったところ、4本目の動画(タイトルは「とどめ」)でようやくその理由が明らかになりました。




※よろしければ、次の記事もご覧ください。

●セゾン投信、4000億円を突破
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-2079.html



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事実関係を整理してみます。

橋本さんの妻は、2019年7月18日、生後3か月の子供を連れて家を出ました。
その上で、弁護士を通じて、橋本さんに対し、離婚と慰謝料の請求を求める書面を送付しました。

橋本さんも弁護士に依頼し、

(1)子供との面会
(2)子供の監護権(これは子供の引渡しを意味するものと思われます)

を家庭裁判所に求めたものの、いずれも認められなかったとのことです。

橋本さんの妻が離婚と慰謝料請求をどうしたのか(離婚調停等をしたのかどうか)は不明ですが、婚姻費用(離婚するまでの妻と子供の生活費相当額)の支払いは求めました。
裁判所は橋本さんに対して婚姻費用の支払いを命じたものの、なんと、橋本さんはそれを無視して支払いませんでした。

私は、勝手に出ていった妻の分の生活費まで支払う義務が夫にあるのかどうかは置いておくとしても、子供の分の生活費の支払まで拒否すべきではないと考えます。
ただし、子供の分の生活費に加えて妻の分の生活費まで支払わなければならないかどうかを決めるのは裁判所ですから、裁判所に払えと命じられたらどれほど不満であろうが払わなければなりません。

橋本さんが裁判所の命令を無視した結果、2021年1月5日、裁判所から債権差押命令が届きます。
橋本さんが持っている債権は、将棋連盟に対する見舞金請求権(休場中のため)ですので、その半額が差し押さえられてしまいました。
橋本さんに対して見舞金を支払う債務があるのは将棋連盟ですので、債権差押命令は将棋連盟にも届くことになりました。

橋本さんは、将棋連盟の佐藤康光会長(九段、A級棋士)に電話し、「自分は何も悪くないが、妻が差押えをしたことで将棋連盟に迷惑をかけて申し訳ない」と謝罪しました。
佐藤会長は橋本さんの体調を心配してくれたものの、差押えを受けたことで棋士の中に橋本さんの悪評が一気に広まったようです。

橋本さんは、将棋連盟に差押命令が届いたことがプロ棋士引退の「決定打」(動画タイトルの「とどめ」はそういう意味なのでしょう)になったと述べています。
橋本さんは、4本目の動画の最後で、子供の連れ去りを違法化すること子供を自分のもとに取り返すことが自分にとっての勝負であると述べています。


しかし、私は、橋本さんの言っていることに全く共感することができませんでした。

(1)子供のことを守りたいと言うのであれば、なぜ子供が生きていくために必要な金を払わないのか。
(2)子供のことを守りたいと言うのであれば、なぜ唯一の収入源である棋士を引退するのか。

ということがどうしても納得できないのです。

橋本さんは、精神状態が安定しない状態で棋士を続けることで、無様な棋譜を残したくなかったと述べています。
しかし、私は、無様な棋譜であろうが何だろうが子供にカネを渡すためにプロ棋士にしがみつくことができなかったということは、子供よりも自分のプライドを優先させたと批判されてもやむを得ないのではないかと思うのです。

私が橋本さんの立場であれば、プロ棋士を続けるでしょうし、子供がみじめな生活を送ることがないように、自分の生活費を切り詰めてでも子供に金を送るでしょう。
そして、子供が大きくなったときに自分の父親を誇ることができるように、A級やタイトルを目指して死に物狂いで頑張るでしょう。タイトルを取って「父さんはお前が誇れる父さんであるために頑張った」と言えば、これほど耳目を引くニュースはありませんので、大々的に報道され、橋本さんの思いは子供に確実に届いたと思うのです。

しかし、橋本さんが実際にやったことは、婚姻費用を踏み倒して将棋連盟にも迷惑をかけた挙句、ユーチューブに動画を公開して子供の実名を勝手に公表して子供の母親や祖父母を罵ることでした。
大きくなってこれを見た子供のことを考えると、暗澹たる気持ちになります。

橋本さんは、動画の中で、何度も「子供を守る」というフレーズを口にしています。
しかし、私は思うのです。橋本さん、カネを渡してあげないと子供は守れませんぜ。

【2021.4.14追記】
橋本さんが将棋連盟からもらっていた「見舞金」は月額24万円だったそうです。

2021年1月5日、裁判所から将棋連盟に差し押さえ請求が届きました。“支払いを拒んでいる婚姻費用を支払え”と。連盟から見舞金で毎月24万円をもらっていましたが、半分取られるようになり、家賃も支払えなくなった
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E6%A9%8B%E6%9C%AC%E5%B4%87%E8%BC%89%E5%85%AB%E6%AE%B5-%E8%B5%A4%E8%A3%B8%E3%80%85%E5%91%8A%E7%99%BD-%E5%AD%90%E3%81%A9%E3%82%82%E9%80%A3%E3%82%8C%E5%8E%BB%E3%82%89%E3%82%8C-%E9%A8%92%E5%8B%95%E3%81%A8%E5%9C%B0%E7%8D%84%E3%81%AE%E6%97%A5%E3%80%85-%E6%AD%BB%E3%82%93%E3%81%A7%E3%82%82%E9%97%98%E3%81%86/ar-BB1fCfAy?ocid=msedgdhp

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コメント

No title

橋本さんがどういう家庭を築いていたかわかならいですし、法的にも彼の論理的にもこの記事のとおりなのですが。

ある日、突然、妻が子供を連れ去って、会えなくさせることができる現在の制度は父親にとって酷だなあといつも思います。

自分が同じことをされたら冷静に判断できる自信は全くありません。

No title

盛り上がりを見せる将棋界に、本筋とは別の形での話題が出てしまいましたね。

子供の帰属は両者の合意または裁判所による決定に寄らねばなりません。
それを待たずしての連れ去り行為は非人道的であるという認識をきちんと持つべきです。

ただし、今回の件は裁判所を通しているようなので裁判所の命令に従うべきです。(裁判所の命令前に連れ去ったという事実はあるのでしょうが、司法の判断が出た以上は司法の命令には従うのは当然です。)
法整備が遅れているという事実はあるものの、この国は法治主義国家ですから。

相手がおかしいと思っても橋本さんは司法には従った上で、「自分は合意や裁判所の決定の前に勝手に子供と引き離された。片親による子供との一方的な断絶は問題だ。」と主張した方が良かったでしょうね。

No title

コメントありがとうございます。

>自分が同じことをされたら冷静に判断できる自信は全くありません。

仕方がないことはいえ、きっとものすごく悲しいことですよね。

>それを待たずしての連れ去り行為は非人道的であるという認識をきちんと持つべきです。

父と母が別居をする以上、子供はどちらかと一緒に生活をしなければなりません。

我々が哺乳類である以上、子は、父ではなく、乳を出す母と一緒でなければ生存することができませんので、私は仕方がないことだと考えます。

また、父と母が別居する以上、父が子と面会するには母の協力が必須です。
母の協力なくして自力で父に会うことができない子の父との面会は、母の協力を得る必要があります。
父と別れた母としては、週に数回などという面会頻度は負担が大きいため、月に1回3時間程度(橋本さんの妻の弁護士の提案)という面会頻度はやむを得ないと考えます。

夫婦が結婚したときはどちらも一緒に暮らしたくて結婚したわけです。
それが年月が経ち、妻が夫と一緒に暮らしたくはないと思うに至る原因は夫にもあります。
夫は、妻と別れると子供とは月に1回3時間程度しか会うことができなくなるという、どうすることもできない厳然たる事実を念頭においた上で、それが絶対に嫌なのであれば、妻から別れを切り出されないように日頃から工夫して夫婦生活を送る必要があったのではないか、私はそのように思うのです。

ちなみに、橋本さんのケースとは違いますが、妻が浮気をしたケースでも同じです。
妻が浮気をして子供を連れて出て行ってしまったとしても、妻や妻の恋人が子供を虐待等しない限り夫は子供を取り戻すことはできません。

夫と妻のどちらかが良い悪いという道徳論ではなく、妻に出ていかれてしまったら子供とは月に1回3時間程度しか会うことができなくなるわけですから、それが絶対に嫌なのであれば、男は耐えがたきを耐え忍び難きを忍ぶしかないのです。

No title

補足です。

調べたところ、最高裁判所平成5年10月19日判決は、離婚前の夫婦の一方が別居に際して子を連れ去ることは適法であると判断しています。


夫婦がその間の子である幼児に対して共同で親権を行使している場合には、夫婦の一方による右幼児に対する監護は、親権に基づくものとして、特段の事情がない限り、適法というべきである
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/877/055877_hanrei.pdf


また、橋本さんが何度も言及するハーグ条約について調べてみましたが、これは

(1)A国からB国への
(2)不法な連れ去り

を禁じるものです。

今回は、

(1)日本から日本への
(2)適法な連れ去り

ですから、どちらにしても関係がないことになります。

No title

判例まで調べられたのですね、流石です。
ハーグ条約についてはその通りで、国をまたいだ連れ去りの問題で本件とは関係ないものですね。

判例を全て読んでみましたが、人身保護請求に関する訴えは適用されないということですね。火急でない紛争は家裁による審判が望ましいと。(そして今回は橋本さんの訴えは家裁に却下されている)
勉強になりました。

この前提ですと男爵のおっしゃる通り、子供のためのお金を払わない&棋士の収入を無くしてしまったのは致命的であると言わざるをえませんね。
お金を払わないのは養育の放棄、収入が無いのは橋本さんに子供の監護権を移したら養育していくための環境が無いので不適当、と判断されることになりそうです。

No title

コメントありがとうございます。

>お金を払わないのは養育の放棄

婚姻費用の不払いは離婚理由(悪意の遺棄)になると言われています。
橋本さんは気づいていないようですが、これが致命傷になる可能性があります。

なぜなら、離婚が認められると、橋本さんと妻との共同親権から妻の単独親権に変更されるため、橋本さんが子供と面会する条件が橋本さんにとって更に厳しくなるものと思われるからです。

橋本さんは精力的に動画を公開し、「子供を守る」と繰り返し述べていますが、婚姻費用を踏み倒した挙句、唯一の収入源であるプロ棋士を引退した現実の行動を見ると、いろいろと考えさせられるものがあります。
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