スリムシリーズにとって500億円と1000億円は節目の数字です。
なぜなら、純資産額がこれらを超えると、
超えた部分の信託報酬が自動的に引き下げられるからです。
スリム新興国株の信託報酬は税抜
0.17%ですが、500億円を超えた部分は
0.1695%となり、1000億円を超えた部分は
0.1690%となります。
※適切な日本語が分からなかったので、便宜上「超えた」と書きましたが、正確には「以上」です。
具体的には、499億9999万9999円までが0.17%、500億円から999億9999万9999円までが0.1695%、1000億円以上が0.160%となります。
新興国株インデックスファンドの純資産額ランキングは、次のとおりです。
1、
eMAXIS Slim新興国株 501億9500万円
2、
eMAXIS新興国株 372億1700万円
3、日興インデックスファンド海外新興国株 279億9000万円
4、SMT新興国株 262億2200万円
5、EXE‐i新興国株 123億6300万円
6、たわら新興国株 97億2700万円
7、
つみたて新興国株 93億1500万円
8、雪だるま新興国株 74億9500万円
9、Funds‐i新興国株 53億円
10、iFree新興国株 49億0400万円
三菱UFJ国際投信が運用するファンドがベスト10に3ファンドもランクインしています。
従来の低コストファンド(
eMAXISシリーズ)はそのままにして売上げを確保しつつ、超低コストファンド(
スリムシリーズ)でコスト意識の高い顧客を取り込み、対面販売をメインにする販売会社がつみたてNISA向けとして顧客に勧めやすいように低コストと超低コストの中間のファンド(
つみたてんとうシリーズ)を提供するという作戦が当たったことが分かります。
ベスト10ファンドの中で最安は雪だるま新興国株ですが、スリム新興国株もほぼ同額です(雪だるま新興国株が投資する米国ETFの経費率には消費税がかからないため、税抜信託報酬に対抗するスリム新興国株は消費税の分だけ劣後します)。
最安の雪だるま新興国株は、米国ETFを買うだけファンドです。
米国から見た時の他国を投資先にする米国ETFには、三重課税コストが発生します。また、雪だるま新興国株の純資産額は100億円に達せず、コストや乖離率が増加するリスクがあります。
【参考】
●ファンドの純資産額が100億円あればひとまず安心http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1789.htmlそのため、新興国株インデックスファンドを選ぶのであれば、現物株を投資対象とし、純資産額が500億円であるスリム新興国株で決まりです。
なお、私は新興国株は選好しません。
なぜなら、私が時価総額比インデックスファンドを選好するのは、資本主義の自己増殖性による経済成長という未来を信じるからです。しかし、資本主義が自己増殖するためには
グローバリズム(
ヒト・モノ・カネの移動の自由化)が保障されていなければならず、これが保障されていない新興国株に投資するのは躊躇します。
特に新興国株の第1位を占める中国は、特定政党の支配下にある全体主義国家です。
香港・チベット・ウイグルの例を見るとおり、法の上に党が存在し、党の意向によって全てが決まるというおそろしい国です。アリババのジャック・マーさんも当局の監視下に置かれてしまっているようです。
私は、
資本主義のパワーに全てをゆだねるだけでよいというインデックス投資のゴールデンルールが妥当しそうにない中国に投資する気にはなれません。
とはいえ、新興国株の時価総額比は所詮は全世界株の1割程度にすぎませんので、特にこだわりがなければ日本を含む全世界株インデックスファンドを買うのもひとつの方法だと思います。
コメント
No title
2021/01/15 13:53 by ぽんすけ URL 編集
No title
>将来、MSCI-kokusaiに中国株が組み入れられた場合はどうされますか?
そのときはきっと中国は真の資本主義国に生まれ変わっているのではないでしょうか。
2021/01/15 18:07 by URL 編集
No title
私は一定数保有していますが、新興国への投資はある種、ロマン枠ですね。
2021/01/16 18:49 by URL 編集
No title
>私は一定数保有していますが、新興国への投資はある種、ロマン枠ですね。
投資のご成功をお祈りします。
2021/01/16 23:47 by URL 編集
2021/01/22 19:51 by URL 編集
No title
>他方の要素に消費者の「欲望」というのもあると思います。その部分においては成熟国よりも新興国は有力だと思います。
グローバリズムが保障されていなければ、需要に適切にアクセスすることができません。
グローバリズムは資本主義の「推進力」ではなく、資本主義に不可欠の前提であると考えます。
>よってどちらも時価総額的には成長すると私は判断しています。
投資のご成功をお祈りしています。
2021/01/23 00:57 by URL 編集