JPモルガン超長期市場予測2021

JPモルガンは、毎年12月に超長期市場予測を公表していますが、今回、その2021年版が公表されました。
https://am.jpmorgan.com/jp/ja/asset-management/per/insights/portfolio-insights/long-term-capital-market-assumptions/

我々がインデックス投資をする目的は、指数の期待リターンを得ることです。
JPモルガンは、毎年12月時点における超長期の期待リターンを公表してくれるため、非常に参考になります。




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JPモルガンは、株式インデックスの期待リターン(円ベース)について、次のとおり予測しています。
https://am.jpmorgan.com/content/dam/jpm-am-aem/asiapacific/jp/ja/insights/portfolio-insights/2021-ltcma-matrix-jpy.pdf

世界株 3.70%(2019年予測4.80%、2018年予測4.25%)
先進国株(除く日本) 3.40%(2019年予測4.50%、2018年予測4.00%)
新興国株 5.80%(2019年予測7.50%、2018年予測6.75%)
米国大型株 2.70%(2019年予測3.90%、2018年予測3.50%)
米国小型株 3.20%(2019年予測4.80%、2018年予測4.25%)
日本大型株 5.10%(2019年予測5.50%、2018年予測5.00%)
日本小型株 5.40%(2019年予測6.00%、2018年予測5.50%)


期待リターンは、軒並み大幅ダウンしています。
JPモルガンは、期待リターンが低下した理由として、(1)ドル安円高、(2)コロナショックへの政策介入の2点を挙げています。


JPモルガンは、(1)ドル安円高について、次のように述べます。

これまでは、米国の成長、金利、株式市場のパフォーマンスなどが、米国以外とは異なった動きをとるという、いわゆる米国の「例外論」が長期間続いてきましたが、今やこれは終局に近づいている可能性があります。
その結果、今回のサイクルでは、多くの通貨に対して米ドルが下落すると予想され、特に対ユーロ、円、中国元での下落が注目されます。

https://am.jpmorgan.com/jp/ja/asset-management/per/insights/portfolio-insights/long-term-capital-market-assumptions/ltcma-executive-summary/


JPモルガンは、上記の予測に基づき、ドルベースの期待リターンを

世界株 5.10%
米国大型株 4.10%

としました。
円ベースの期待リターンはドルベースの期待リターンよりも1.4%相当分も低いことになります。


また、JPモルガンは、(2)コロナショックへの政策介入について、次のように述べます。

今回のサイクルの起点のバリュエーションの水準は異例なものであり、2020年2月と3月に総崩れした後の割安なバリュエーション水準は、稀に見る速さで急回復しました。このサイクルは異例の時期に始まっており、株式のバリュエーションは上昇し、多くの株式市場で期待リターンに逆風をもたらしています。
バリュエーションの上昇の影響は、米国の大型株で最も厳しく、期待リターンは150bps低下し4.10%になると予測されています。これにより、グローバル株式の期待リターンは140bps低下して5.10%となります。一方、米国を除くグローバル株式は100bps低下して6.70%となる見通し(全て米ドルベース)であり、これは、米国以外の市場では見通しが改善している市場もあることを意味しています。
英国株式は2020年は伸び悩んでおり、このため、期待リターンは60bps上昇し、現地通貨ベースで6.70%となりました。一方、日本株の期待リターンは40bps低下して5.10%、ユーロ圏株式の期待リターンは60bps低下して5.20%となります(双方とも現地通貨ベース)。
新興国株式の期待リターンは、米ドルベースで200bps低下して7.20%となります。これは先進国株式に対して230bpsのプレミアムに相当しますが、先進国と新興国の期待リターンの格差は今年は60bps縮小しました。このような変化の一部はバリュエーションによって説明されますが、他の多くの主要株式市場が実際に下落した一方で、米国株式市場に続いて新興国株式が過去1年間で最も高いパフォーマンスを示したことにも起因しています。

https://am.jpmorgan.com/jp/ja/asset-management/per/insights/portfolio-insights/long-term-capital-market-assumptions/ltcma-executive-summary/


この部分だけでは今一つ意味が分かりませんが、読み進むと次の記載があります。

政策介入が最も顕著な資本市場では将来のリターンが損なわれている一方で、政策介入が少なかったハイイールド・クレジットや新興国債券、多くのオルタナティブ資産などの資本市場では依然として合理的なリターンがある程度示唆されています。
今日のパンデミック対応の代償は、多くの伝統的資産の将来のリターンが犠牲になることで支払われます。新たな10年に向けて新たなポートフォリオを構築するにあたり、投資家の皆様には、伝統的資産におけるリターンの不足に対処するために、パブリック・プライベートの両資産に亘る幅広い分散、また、リスク管理の新たなアプローチを活用することを強くお勧めします。

https://am.jpmorgan.com/jp/ja/asset-management/per/insights/portfolio-insights/long-term-capital-market-assumptions/ltcma-executive-summary/


将来に発生するはずだった期待リターンをコロナ対策で先食いしてしまった結果、後は残りカスしかないということなんでしょうね。

JPモルガンは、上記の予測に基づきプライベートエクイティ(未公開株式)や新興国株式といった非伝統的資産(政策介入がなされていないもの)に投資することを推奨していますが、他方で次の警告もしています。

株式-債券効率曲線よりもかなり上方に留まっている資産が少なからず存在し、即ち、投資家には堅固なポートフォリオを構築し、より高い潜在的リターンにアクセスするための道筋が存在することを示唆しています。
しかし、これらの選択肢はどれもリスクがないわけではありません。市場リスクの視点から魅力的な見通しが開けているように見えるものには、必然的に他のトレードオフを伴うでしょう。

https://am.jpmorgan.com/jp/ja/asset-management/per/insights/portfolio-insights/long-term-capital-market-assumptions/ltcma-executive-summary/


我々のたわら先進国株は、円ベースの「先進国株(除く日本)」です。
その期待リターンは3.40%と予測されています。JPモルガンは、この期待リターンに満足できないのであれば、よりリスクをとって別の資産に投資することを推奨していますが、私はこの期待リターンに十分に満足しています。

ちなみに、たわら先進国株のリターン実績は、

2020年 14174円→15601円(+10.06%
2019年 10752円→14387円(+33.80%
2018年 12651円→11173円(-11.68%
2017年 10765円→12568円(+16.74%
2016年 10104円→10597円(+4.87%

です。

あくまでも結果論ではありますが、たわら先進国株は、我々の財産を託すに足りるリターンをあげています。

たしかに、過去の実績は将来のリターンを約束しません。
しかし、我々は、今まで成績が良かった子供はきっとこれからも良い成績をとり続けてくれるに違いないという希望にすがることしかできません。

というわけで、私は、これからも今までと同様に、たわら先進国株を保有し続け、買い続けます。


最後に、楽天市場でセール中ですので、注目すべきアイテムをご紹介します。

最初のアイテムは、LINE社の7インチの画面付きスマートスピーカーです。
私は、11月のセールのときに2990円の衝撃の安さだったことから白を購入しました。母親に渡してLINE動画(Wi-Fi接続すれば無料)を楽しんでいます。
今までは使わなくなったiPad2を渡してFacetimeアプリ経由でビデオ通話をしていましたが、事前に母の携帯に電話してこれからビデオ通話をすることを知らせる必要がありました。
しかし、こちらは、私のiPadminiのラインアプリで「ビデオ通話」を選択すれば、即座に母の携帯の着信音がなって母に知らせてくれます。しかも、こちらは固定式のため、スクリーンにタッチすれば即座にビデオ通話が始まりますので、とても便利です。
先月の2990円と比較すると今回の3980円は割高ですが、元値が2万8050円のものですので、まだ割安です。非常に高級感がありお勧めです。
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つぎは、アマゾンのFire TV Stickです。
アマゾンで4980円で売られているものが、楽天ビックでは4090円です。買いまわりをすれば更に20%前後のポイントが付きます。
アマゾンのこれまでの最安値は3480円ですから、ポイントを考慮すれば楽天ビックで買ったほうが安いです。
アマゾンプレミアムの加入者は、プライムビデオやYouTubeのテレビ視聴が可能になりますので、絶対に買うべきです。
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コメント

昨年度もJPモルガンの超長期予測の数値は確認しておりましたが、本記事のおかげで興味が湧き、サマリーも読むことができました。ありがとうございます。
 世界株円ベースを仮にemaxis slim オールカントリーのリターンと同じと見ると、昨年12月はじめから今年の12月はじめで9.28%の伸びになります。昨年の予測では72/4.8=15年で昨年12月の2倍くらいの見込みだったのに、今年の12月から昨年の2倍になるのに約17年(1.0928×1.037^17≒2)かかる予想すると、一年変わっただけでだいぶ予想がぶれた印象を受けました。数値はあくまで定量的に予想を表現しているだけなのでしょう。
 たわら男爵様のように、自分もインデックスファンド(自分はオールカントリーですが)を握りしめていきたいと思います。

記事についてですが、新興国株にも投資することが推奨されているのを見ると、やはり自分は全世界株に死ぬまで投資し続けようと思います。男爵の言う通り先進国一本で行こうと思っていた時期もありましたが、最終的に何が良いか自分には判断がつきませんので…

さて、男爵が毎回おすすめされていた楽天市場の蜂蜜を買おうと思っていたのですが、今回はあまり安くならないようで見送りました。

おすすめ、毎回楽しみにしております。
また来年も気が向きましたら、是非おすすめください。

No title

コメントありがとうございます。

>本記事のおかげで興味が湧き、サマリーも読むことができました。

あのサマリーは悪文の極みで、何を言わんとしているのかがよく分からないのが難点ですが、無料ですから文句は言えないです。

>たわら男爵様のように、自分もインデックスファンド(自分はオールカントリーですが)を握りしめていきたいと思います。

>やはり自分は全世界株に死ぬまで投資し続けようと思います。

全世界株でも先進国株でもリターンに大差はなく、重要なことはホールドし続けることです。
投資のご成功をお祈りしております。

>男爵が毎回おすすめされていた楽天市場の蜂蜜を買おうと思っていたのですが、今回はあまり安くならないようで見送りました。

スーパーセールでないと安くなりにくいため、またタイミングを見てご紹介します。

No title

予測してくれるのは良いんですが、実績との比較等の振り返りの資料とかってないんでしょうか?

No title

コメントありがとうございます。

>実績との比較等の振り返りの資料とかってないんでしょうか?

直近予測ではなく超長期予測ですから、おそらく誰も精度は求めていないのでしょうね。
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プロフィール

たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

●「たわら先進国株」と「VT」を半分ずつ保有中。
●つみたてNISA(SBI証券)は「たわら先進国株」を年初一括購入中。
●クレジットカードによる投信積立サービスを利用し、SBI証券・楽天証券・auカブコム証券で「たわら先進国株」を毎月5万円ずつ購入中。

●無リスク資産は、個人向け国債変動10とauじぶん銀行(金利0.2%)。

パソコン版右端の「ブログ記事検索」と「カテゴリ」が便利です。

●「誰でもできる超簡単ほったらかし投資」(カテゴリ「【公開】誰でもできる究極の投資」)はこのブログの全エッセンスを1記事に凝縮したものです。
●カテゴリ「この投資信託がすごい」では、ベストバイファンドの具体名を明示しています。
●カテゴリ「インデックスファンドの基礎知識」を読めば、誰でも簡単に投資信託の必須知識を得ることができます。

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