持家と賃貸の優劣論争は無意味である

こんな質問をいただきました。

【引用開始】
いつも楽しく読ませていただいています。男爵さんは持家ありとのことですが、持家と投資の関係についてどのようにお考えでしょうか。また、男爵さんは資産を積み上げてから現金で購入されたのでしょうか。
男爵さんのお考えに興味あるので、もしよかったら記事にしてください。
【引用終わり】

では、お答えします。

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賃貸と持家のどちらが有利かについて、昔からいろいろな人がいろいろな意見を述べています。
しかし、これらの人たちが見落としている重要な視点が1つあります。それは賃貸住宅の方が持家よりも明らかに質的に劣るという点です。

自分が大家になったと想像してください。
賃貸住宅市場にも相場というものがあり、おおむね家賃は幾らから幾らというように一定の幅に収まります。借りる人が気にするのは外観的な見栄えと設備だけですから、目に見えないところにコストをかけても家賃に反映することはできません(その分家賃を高くしても借りてくれません)。

マンションを借りたことがある人なら分かると思いますが、賃貸を前提として建築されたマンションと分譲マンションのオーナーが訳あって賃貸に出したマンションとでは全く質が違います。もし分譲マンションが賃貸に出されていたら、多少、相場より高くても分譲マンションの方を借りるべきです。

しかし、普通の人はこれが実感できません。なぜなら、いいものを知らないからです。

私は、かつてホンダのフィットに乗っていました。フィットは実に良い車だと思います。フィットほど実用的な車はないでしょう。ベンツやBMWに乗っている人が周りにいましたが、内心では車にそんなに金を使ってアホじゃないかと思っていました。
しかし、実際にベンツに乗ってみると、フィットとは全く違うことが分かります。同じ車のカテゴリに入れてはいけないと感じるほど、乗り心地に圧倒的な差があります。

同じように、私は、ずっと賃貸アパートやマンションに住んでおり、結婚して借家に引っ越し、子供が生まれたことをきっかけに土地を買って家を建てました。
別に賃貸には不満はなく、家を建てるより必要に応じて引っ越すことができる賃貸の方が便利だと考えていましたが、一軒家の賃貸物件自体が数が非常に少ないことが分かり、子供が大きくなると手狭になることから、いい土地が偶然売りに出されていたこともあり、その土地を買って家を建てることにしました。

家を建てる以上、子供がシックハウス症候群になってしまうとせっかく建てた家を手放すことになって馬鹿馬鹿しいという単純な理由で、床も天井も柱もオール無垢材を用い、壁も珪藻土の塗り壁にしました。長期優良住宅の認定を取るためにどうしてもベニヤでなければだめだという数か所を除き、ベニヤはほとんど使っていません。
また、無垢材で備付けの収納棚を作ったことから、既製の収納家具はほとんどなく、ほぼ家中が無垢材です。

住んでみて、びっくりしました。
無垢材がこれほど気持ちがいいとは思ってもみなかったからです。うちの子供はソファーではなく、床にじかに寝ころびます。ソファーより気持ちがいいそうです。

私の両親にもオール無垢の家の素晴らしさを話しましたが、理解できませんでした。
ところが、妻の両親の家は昔ながらの田舎の家で、棟梁に頼んで建ててもらっていますので、無垢材の良さが分かります。オール無垢材で家を建てることを知った時は、こちらが引くくらい孫のために喜んでくれました。

というわけで、賃貸派は、賃貸住宅と持家は同じ水準であることを当然の前提として「賃貸の方が良い」と主張していますが、全く心に響きません。
賃貸の方が良いと主張している人は、「フィットの方が安いぞ」と言っているのと同じです。確かにそうかもしれません。しかし、私はもうフィットには魅力を感じませんから、フィットが安かろうがどうでもよいのです。

とはいえ、投資効率を考えると、住宅ローンは最悪の選択肢といえます。金がたまるまではずっと賃貸で我慢し、ローンを組まずに手持資金から建築費を出した方が得をすることは間違いないでしょう。

しかし、これは損得の問題ではありません。心の満足の問題です。
我らがマルキール先生も以下のように述べています。

「家を持つことが貯蓄するための大きな動機付けになるし、またそこから非常に大きな満足感、安心感が得られる。事情が許す限りは、是非マイホームを持つことをお勧めする。」(「ウォール街のランダム・ウォーカー原著第11版」391頁)

ちなみに、私は、住宅ローンは利用していません。


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ブログ開始日 2016年3月1日

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●楽天カード投資(毎月1日)では「たわら先進国株」を毎月5万円購入(+特定口座で11日と21日に各5万円ずつ積立買付中)。
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