持続可能な成長を低コストで実現するファンド

現在、SBI証券と楽天証券で、「HSBC ESG米国株式インデックスファンド」が当初募集中です。
当初募集は11月25日15時で締め切られ、11月27日から通常販売が開始されます。



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ESGとは、E(Environment=環境)・S(Social=社会)・G(Governance=企業統治)の略語です。
一言で言うと、「意識高い系の会社」となります。

「HSBC ESG米国株式インデックスファンド」は、


持続可能な成長を低コストで


をキャッチフレーズにした販促活動を展開しています。


「持続可能」とは、ESGを意識している会社は企業価値が向上し、投資家からも支持されるであろうという意味です。

「成長」とは、一人勝ちしている米国株を対象としているという意味です。

「低コスト」とは、インデックスファンドであるという意味です。
このファンドの信託報酬は税抜0.115%と格安です。

もっともこの信託報酬にはカラクリがあります。
そのカラクリとは、このファンドは運用会社が運用するETFを買うだけファンドであるため、運用会社はこのファンドとETFの運用会社報酬を二重取りすることができるという点です。
日本の商慣習では、投資信託の信託報酬のうち運用会社報酬と販売会社報酬は同額であるため、投資信託の信託報酬を高くしても半分は販売会社にとられてしまうところ、運用会社の運用するETFをかませることで運用会社の取り分を多くする効果が得られます。
ちなみに、ETFの経費率は0.15%です。

運用会社報酬 0.05%
販売会社報酬 0.05%
信託銀行報酬 0.015%
ETFの経費率 0.15%

楽天証券は0.048%、SBI証券は0.03%の投信保有ポイントを付与するでしょうから、このファンドを幾ら売っても儲けはほぼゼロです。

我々は、「ETFを買うだけファンド」と言われると、楽天バンガードファンドやSBIバンガードファンドが思い浮かびます。
これらのファンドは、バンガード社の米国ETFを買うことでトータルコストを安くすることを目指しているわけですが、このファンドは運用会社の報酬を増やす(販売会社報酬を運用会社報酬に実質的に付け替える)ことを目的としてETFを買っているように見えます。

販売会社のうち、SBI証券は力を入れた特集記事を公開しています。
こちらです。
https://www.sbisec.co.jp/ETGate/WPLETmgR001Control?OutSide=on&getFlg=on&burl=search_fund&cat1=fund&cat2=none&dir=info&file=comment/fund_comment_201117_01.html

これを見ると、つい「ESG投資は凄いな」と思ってしまうわけですが、よく考えると、ESG指数に含まれる会社の株価がESG指数に含まれない会社の株価よりも増加するときは、ESG指数に含まれる会社の時価総額比インデックスファンドにおける組入比率もまた増えることになるため、時価総額比インデックスファンドの保有者もまたESG指数の成長の恩恵を享受することができます。

勿論、時価総額比インデックスファンドを買うよりもESG指数インデックスファンドを買うほうがESG指数の成長の恩恵をより大きく受けることができます。
しかし、リターンとリスクは表裏一体の関係にあるため、より大きなリターンを得るためにはより大きなリスクをとらなければなりません。

上記特集ページでは、

本ベンチマークは、米国株式市場を代表するS&P500指数を上回る優れたパフォーマンスとなっており、特にESGの重要性が高まった直近数年でその傾向が顕著になっています。米国企業の成長を捉えつつ、ESGの取組み評価の視点を取り入れることがリターンの向上に貢献していると考えられます。

と宣伝されています。

しかし、仮に現時点でS&P500指数のリターンを下回るのであれば、この商品が発売されることはなかったでしょう。
つまり、この指数を作った後で素晴らしいリターンに気付いたのではなく、S&P500指数を上回るリターンを得られるようなESG指数を作ろうと考えて作られた指数であると思わなければなりません。

※指数提供会社は指数のライセンス料で収入を得ています。
運用会社からリクエストを受けて指数を組成することもあります。


また、ESGファンドが果たして日本人の顧客の心を掴む魅力があるのかどうかは疑問です。
SBI証券の投信検索の検索窓に「ESG」を入力すると12ファンドがヒットします。それを純資産額で並び替えると、純資産額が最も多いファンドであっても15億円未満にすぎません。

私も存在を忘れていましたが、1年前に超低コストESGファンドが発売されています。
Smart-i先進国株式ESGインデックスです。

このファンドの信託報酬は、税抜0.26%です。
超々低コストファンドと比較すると安いとは思えませんが、ESGという新分野をゼロから開拓するわけですから、私は非常に頑張った価格だと思います。

しかし、2019年10月30日に新規設定されてから1年が経過したわけですが、その純資産額はわずか3億2200万円にすぎません。
これほど純資産額が少ないと、運用コストが高くなるリスクがあるほか、早期償還されるリスクも現実化してしまいます。

10年20年という長期投資をすることを考えたとき、ESGという特定の投資テーマに賭けるべきではありません。
なぜなら、今流行っている特定のテーマが10年後20年後も今と同様に流行っていると考えるべきではないからです。

時価総額比インデックスファンドを買えば、全ての投資テーマが時価総額比で忠実に反映されたリターンを得ることができますので、私はESG投資に魅力を感じません。

しかし、様々なアクティブ投資が活発になされることで「市場の見えざる手」が有効に機能し、時価総額比インデックスファンドが期待リターンを得る確率が高まります。
ESG投資も、きっと時価総額比インデックス投資の良い肥やしになってくれることでしょう。

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コメント

市場の見えざる手

男爵殿、いつもブログ拝見させていただいております。

ESGやSDGsなど最近流行ってますが私もこういったテーマ型は流行り廃りがあるので買おうとは思いません。長期投資を前提としているなら尚更です。

さて、質問です。不勉強で申し訳ありません。「市場の見えざる手」について教えていただけますでしょうか。

よろしくお願い致します。

No title

コメントありがとうございます。

>「市場の見えざる手」について教えていただけますでしょうか。


新記事で説明しますので、ご覧ください。
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プロフィール

たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

●リスク資産(6割)は「たわら先進国株」(楽天証券)とVT(SBI証券)をほぼ50:50でホールド中。
●つみたてNISA(SBI証券)では「たわら先進国株」を年初一括40万円購入。
●楽天カード投資(毎月1日)では「たわら先進国株」を毎月5万円購入(+特定口座で11日と21日に各5万円ずつ積立買付中)。
●SBI証券で「インデックスマラソン」の毎営業日100円投資を実行中。

●無リスク資産(4割)は、個人向け国債変動10(みずほ証券、SMBC日興証券)と楽天銀行(金利0.1%)。

パソコン版右端の「ブログ記事検索」と「カテゴリ」が便利です。

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