マスク管理ができない人はリスク管理もきっとできない

投資に関する文章を読むと、自分自身の「リスク許容度」と「リスク選好度」に応じて投資をするようにとのアドバイスをよく見かけます。

※プロが書いた文章でも、「リスク許容度」と「リスク選好度」をごっちゃにして説明しているものがありますが、両者は完全に別の概念です。
リスク許容度」とは、ある人の属性を神様の目から見たとして、幾らならリスク資産に投資してもよいかという客観的な基準のことです。
例えば、Aさんと全く同じ属性(学歴、職歴、資格、年齢、性別、子供、健康、預貯金、本人や配偶者の親族の属性などのその人を取り巻く全ての要素)のBさんがいたとすると、Aさんのリスク許容度とBさんのリスク許容度は全く同じになります。
これに対し、「リスク選好度」は主観的な基準であり、簡単に言うと「ビビらない気持ち」のことです。Aさんであればビビらない含み損でもBさんはビビるかもしれません。この場合、AさんよりもBさんのほうがリスク選好度が低いことになります。


しかし、「リスク許容度」と「リスク選好度」は個々人で全く異なることから具体的に説明することが難しく、本を読んでもよく分かりません。
しかも、人間の判断は自分では客観的だと思っていても全ての判断に偏向した主観が介在するため、自分自身の「リスク許容度」と「リスク選好度」を適切に把握することは普通の人にはできません。


いやいや、オレならできるぜ


そう思った人が「リスク許容度」と「リスク選好度」を適切に把握できる能力が自分にあるかどうかを判断する簡単なテストを思い付きました。




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非常に簡単なテストです。
具体的には、

あなたが使い捨てマスクのストックを適切に管理できていなければ、投資の「リスク許容度」と「リスク選好度」を適切に把握することなどできない

という基準になります。

マスクの管理とリスクの管理を比較した時、マスクの管理のほうがはるかに簡単です。
私は、マスクの管理ができない人がリスクの管理をできるはずがないと考えます。

今年に入って発生した新型コロナ騒動を思い返してみてください。
店頭からマスクが払底したとき、手元にマスクは何枚ありましたか?
新型コロナの罹患者が外国で急激に増え、マスクが足りなくなるのではないかという懸念が報道されてから店頭からマスクが払底するまで、私のおぼろげな記憶によれば1~2週間の時間的余裕があったはずです。ここでマスクの確保に動くことができなかった人は、リスクの管理などできるはずがないと自覚すべきです。
ちなみに、私はそのような報道を耳にしていましたが、「マスクが買えなくなることはないだろう」と甘く見て全く動けませんでした。


店頭からマスクが払底した後、マスクの流通が回復するまでは、私のおぼろげな記憶によれば5~6か月程度かかったと思います。
今では普通に店頭でマスクが販売され、個数制限なく購入することができ、製造元が怪しげなマスクは50枚1000円以下で叩き売られています。
手元にマスクが何もなければ仕方ありませんが、手元にマスクをある程度確保していた人であっても、製造元がよく分からない割高なマスクを購入しませんでしたか?

ちなみに、私は、店頭からマスクが払底した時点で150枚ほどの使い捨てマスクが手元にありました。150枚の使い捨てマスクがあれば1日1枚ずつ使い捨てにしても150日もちます。2日1回にすれば300日もつわけですから、妻も使うとしても何も心配する必要はありません。
しかし、私は、製造元がよく分からない割高なマスクをネット通販で2セット(100枚)購入してしまいました。コロナ禍前に買ったマスクは温存し、ネットの割高なマスクを2~3日に1枚ずつ使っていましたが、店頭にマスクが復活した時点で、ネットの割高なマスクはまだ70~80枚残っていました。

※楽天市場の購入履歴を見ると、4月に2回、2838円(送料込)で51枚入りのマスクを1セットずつ購入しています。
今確認したら、同じ物が440円(送料込)で販売されていました。きっと余りにも大量に仕入れすぎてしまったのでしょうね。


マスクがないというあの時の気持ちは、株式市場の暴落時にパニックになる気持ちと同じです。
株価がどこまで下がるか分からない絶望感、株価がいつ戻るか分からない焦燥感、先の見えない不安感は、手持ちのマスクが日々減り続け、補充の見通しが全く立たないという、あの時の気持ちと全く同じです。

「リスク許容度」(神様の目から見た時、手持ちのマスクで乗り切ることができるので、製造元がよく分からない割高なマスクを買う必要はない)からすれば、ここでマスクを買う必要は多分ないと思いつつも、

「マスクの値段がもっと上がってしまうかもしれない」
「店頭で普通にマスクが買えるまで数年かかるんじゃないか」
「新型コロナの感染拡大が収まらず、このままだと手持ちのマスクがなくなるかもしれない」

という絶望感・焦燥感・不安感に駆られて製造元がよく分からない割高なマスクを買ってしまった私は、「リスク選好度」が恐ろしく低かったと言えるでしょう。

そして、私のおぼろげな記憶によれば、2か月ほど前からマスクが普通に店頭に並ぶようになりました。
ユニ・チャーム、アイリスオーヤマ、リボ・ラボラトリーズといった製造元がしっかりしたマスクを今では普通に買うことができます。


さて、あなたは、マスクが再び好きなだけ買えるようになったとき、マスクを何枚購入しましたか?

ちなみに、私の手元には、

普通サイズ 460枚
小さめサイズ(女性用)340枚
子供サイズ 250枚

があります。

明らかに過大です。おそらく大半は不要不急であり、実際に使うまで2~3年かかるかもしれません。
しかし、私は、減っていくマスクの数を数えつつ、何とかマスクを確保しなければと思い悩むあの日々を繰り返したくはないため、お金で解決することにしました。
これをリスク管理でやると資産の大半を失うリスクが発生しますが、マスク管理でやっても納戸のマスクの箱が増えるだけで済みます。

私は、この数か月間の自分自身のマスク管理のお粗末さを振り返ると、とても自分にリスク管理能力があるとは思えません。
今回のマスク管理の件で、自分自身の「リスク許容度」と「リスク選好度」を事前に適切に把握し、株式市場の値動きに即応して機動的に動くという能力は私にはないということがしみじみと実感できましたので、事前に決めた金額でたわら先進国株をひたすら愚直に買い増すだけで、株式相場に何が起ころうと絶対に売らないというインデックス投資の必勝法をこれからも実践していこうと考えています。

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コメント

No title

いつも拝見しております。自分がたわら男爵さん以上にリスク管理ができないということがよくわかりました。うまく立ち回ろうなどと下手な欲をださないようにしていきたいと思います。

No title

貴ブログでたくさんの名記事を拝見しましたが、その中でも殿堂入り間違いなしの秀逸な記事と思いました。思わず初コメいたしました。

コロナ禍の同時代を日本で生活した経験を持ちながら、マスクとマーケットは違うと曰う投資家がいたら是非とも養分として歓迎したいです。

No title

コメントありがとうございます。

>うまく立ち回ろうなどと下手な欲をださないようにしていきたいと思います。

自分には投資に関する能力は全くないと自覚することが、インデックス投資で成功する秘訣なのではないかと考えています。

>貴ブログでたくさんの名記事を拝見しましたが、その中でも殿堂入り間違いなしの秀逸な記事と思いました。思わず初コメいたしました。

お褒めいただき恐縮です。

私は、コロナ暴落がすぐに収まったことで、リーマンショックを経験していない最近の投資家が暴落を甘く見ているのではないかと危惧しています。

色々と考えて、大暴落に巻き込まれたときの恐怖は、例えるならば、重度の花粉症の人がマスクのストックゼロで今年の3月のマスク騒動に放り込まれたときに味わう気持ちに似ているのではないかと思い付きました。

ただ、本音は「マスク管理」と「リスク管理」というワードを書きたかったからだったりします。
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たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

●リスク資産(6割)は「たわら先進国株」(楽天証券)とVT(SBI証券)をほぼ50:50でホールド中。
●つみたてNISA(SBI証券)では「たわら先進国株」を年初一括40万円購入。
●楽天カード投資(毎月1日)では「たわら先進国株」を毎月5万円購入(+特定口座で11日と21日に各5万円ずつ積立買付中)。
●SBI証券で「インデックスマラソン」の毎営業日100円投資を実行中。

●無リスク資産(4割)は、個人向け国債変動10(みずほ証券、SMBC日興証券)と楽天銀行(金利0.1%)。

パソコン版右端の「ブログ記事検索」と「カテゴリ」が便利です。

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