総務大臣が泉佐野市に負けた理由

最高裁判所は、2020年6月30日、返礼品を寄付額の30%以下の地場産品に限定した新しいふるさと納税の対象自治体から泉佐野市を除外した総務省告示を違法と判断しました。

かなり大きなニュースとして報道されていますが、泉佐野市が勝った理由が全く分かりません。
そこで、最高裁判決を見てみました。



※よろしければ、次の記事もご覧ください。

●インデックス投資のカリスマがかつてのカリスマを斬る
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1797.html

●【悲報】エポスカードの還元率が改悪(10/1~)
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最高裁判決はこちらです。
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/537/089537_hanrei.pdf

本件法律案の作成の経緯をみると,本件指定制度は,過度な返礼品を送付しふるさと納税制度の趣旨をゆがめているような地方団体を特例控除の対象外にすることができるようにするとの基本的な考え方に基づいて,制度設計がされたものであるが,与党税制改正大綱及び政府税制改正大綱においては,総務大臣は「寄附金の募集を適正に実施する都道府県等」という基準に適合する地方団体を特例控除の対象として指定することとされており,内閣法制局にも同様の説明がされ,本件法律案の要綱においても「寄附金の募集を適正に実施すること」を指定の基準とするとされている。これらのことからすれば,本件法律案は,具体的には,新制度の下においては,寄附金の募集を適正に実施する地方団体のみを指定の対象とし,指定対象期間中に基準に適合しなくなった場合には指定を取り消すことができるものとすることにより,当該制度の趣旨をゆがめるような返礼品の提供を行う地方団体を特例控除の対象外とするという方針を採るものとして作られ,国会に提出されたものといえる。他方,本件法律案について,過去に制度の趣旨をゆがめるような返礼品の提供を行った地方団体を新制度の下で特例控除の対象外とするという方針を採るものとして作られ,国会に提出されたことはうかがわれない。
そして,国会における本件法律案の審議の過程をみても,総務大臣等の答弁において,寄附金の募集を適正に行う地方団体をふるさと納税の対象とするよう制度の見直しを行うと説明する一方で,指定に当たり地方団体の過去の募集実績を考慮するか否かが明確にされたとはいい難く,少なくとも,募集適正基準の内容として,他の地方団体との公平性を確保しその納得を得るという観点から,本件改正規定の施行前における募集実績自体をもって指定を受ける適格性を欠くものとすることを予定していることが明示的に説明されたとはいえない。
そうすると,本件法律案につき,国会において,募集適正基準が上記観点から本件改正規定の施行前における募集実績自体をもって指定を受ける適格性を欠くものとする趣旨を含むことが明確にされた上で審議され,その前提において可決されたものということはできない。



もっとあからさまに述べているのが林最高裁判事の補足意見です。

本件告示2条3号のように,過去の実績を遡及的に問題とし,あたかもその時点においても既に違法であったかのごとく取り扱うような基準を設けることについては,明示的にその旨を法律案に書くことはもとより,法律案の審査や審議においてその趣旨が明確に読み取れるような説明をすることも困難であったため,これがされなかったのではないかとうかがわれる。


最高裁の判断を端的に言うと、

泉佐野市を排除したかったら、政府提出法案にきちんとその旨を明記した上で、国会でも総務省の指導に従わず公然と逆らった泉佐野市を排除する目的で改正したいとはっきり答弁しておけ

ということになります。

なお、最高裁判決は、泉佐野市を「社会通念上節度を欠いていた」と非難しています。
さらに、林最高裁判事は「上告人の勝訴となる結論にいささか居心地の悪さを覚えた」「居心地の悪さの原因は,泉佐野市が,殊更に返礼品を強調する態様の寄附金の募集を,総務大臣からの再三の技術的な助言に他の地方団体がおおむね従っている中で推し進めた結果,集中的に多額の寄附金を受領していたことにある。特に,同市が本件改正法の成立後にも返礼割合を高めて募集を加速したことには,眉をひそめざるを得ない」という異例の意見を添えています。

これらを翻訳すると、「俺たちにクソみたいな判決を書かせた総務大臣はクソだ」ということになるでしょう。

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コメント

泉佐野市のふるさと納税、再加入ありますか?

マイナポイント申し込み

いつも楽しく拝見させて頂いています。

さて、マイナポイントの申し込みが始まりましたが、どの還元方法を選ばれましたか?

ご教授をお願いします。

No title

コメントありがとうございます。

>泉佐野市のふるさと納税、再加入ありますか?

泉佐野市を排除する法改正をしない限り、復活すると思います。

>マイナポイントの申し込みが始まりましたが、どの還元方法を選ばれましたか?

まだ様子を見ています。
各社の独自の上乗せが出そろってから、どうしようかと考えるつもりです。
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