株式の期待リターンが大幅に向上~JPモルガン将来予測・臨時改訂版

JPモルガンは、毎年11月に「LongTerm Capital Market Assumptions」(LTCMA)を公表しています。
これは60資産の超長期見通しと期待リターンについてのレポートであり、2020年版(通算24回目)は2019年11月に公表されました。

JPモルガンの日本支社が2019年12月16日付けで公表した日本語版はこちらです。
https://www.jpmorganasset.co.jp/jpec/ja/promotion/ltcma2020/index.html
https://www.jpmorganasset.co.jp/jpec/ja/topics/2019/pdf/pressrelease_20191216.pdf

2021年版は2020年11月に公表予定でしたが、コロナショックを受けて今回初めて臨時改訂版が公表されました。
https://www.jpmorganasset.co.jp/jpec/ja/market/pdf/2020/202005_LTCMAupdates.pdf



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詳細は臨時改訂版をご覧いただくとして、JPモルガンは極めて楽観的です。
該当部分を引用します。


新型コロナウイルスが今日の経済活動に大きな影響を与えていることは明らかだが、当社は、経済の長期的且つ潜在的成長に対する一次的な影響は現時点ではほとんどないと見ている。簡潔に言えば、コロナウイルスに関連した景気後退は、長期的な潜在成長率を大きく変えるものではないと見ている。

現段階で当社は、現在の景気後退が長期的な潜在成長率に非常に大きな影響を与えるとは見ていない。政府の財政支出が機動的かつ大規模に行なわれていることに加え、家計および企業の財務健全性に対する中期的な影響は限定的である。 その結果、業績トレンドと利益率は当社の見通しにおいて概ね安定している。


その上で、JPモルガンは、3月の暴落によって期待リターンが大幅に向上したと分析しています。
該当部分を引用します。

米国大型株式は、長きに亘って、株式の中でもリターンの高い資産である。米国大型株式は、前回の景気拡大期を通じて、 市場のクオリティの高さとテクノロジー株への傾斜により、グ ローバル株式市場を牽引してきた。米国大型株式の期待リ ターンは3月末時点で5.60%から7.20%に上昇しており、これは3月に指数が急落し、バリュエーション等が改善したことを反映している。

他の3つの地域の期待リターン(現地通貨ベース)は米国よりもはるかに先を行っており、欧州株式は240bps上昇して8.20%、新興国株式は90bps上昇して9.60%、日本株式は100bps上昇して6.50%となった。


期待リターンの推移(2019年9月末→2020年3月末)をグラフから抜き出します。


米国大型株 5.6%→7.2%
ユーロ圏大型株 7.7%→10.0%
日本株 7.2%→8.2%
新興国株 9.2%→10.5%


なぜ期待リターンが向上したのかというと、株価が暴落したからです。
JPモルガンは次のように説明しています。

LTCMAのフレームワークの中核にあるのは、人口、生産性、 政策といった経済のビルティング・ブロックである。また、長期的には政策のシフト、特に財政刺激策がどれだけうまく展開され、最終的にはどのような結果をもたらすのかを考慮しなければならないが、我々のビルディング・ブロックを構成する他の要素は非常に安定している。その結果、われわれのリターンの見通しには分析の前提となる足元の価格水準が大きく影響するが、読者には、今日の景気循環的な問題を長期的または構造的な逆風と誤解しないよう求めたい。


JPモルガンは、コロナショックによって経済のビルディングブロック(構成要素)は揺るがないと考えているため、

短期的に価格が下落するほど、長期的な期待リターンは改善するということだ。

と判断したということになります。

このことは勿論インデックス投資にも妥当します。
つまり、インデックス投資はしばしば買値は関係ないと言われますが、それは明らかな間違いだということです。
たわら先進国株を史上最高値の15177円(2020.2.21)で一括購入するよりも、史上最安値の8190円(2016.6.28)ないし直近最安値の9825円(2020.3.1)で一括購入したほうがより高いリターンを得ることができるからです。

しかし、いつが最安値なのかはその時には分かりません。後から過去を振り返ったときに初めて分かることです。
そのため、我々は、最安値を見計らって買うことはできません。もし最安値を狙って買おうとすると、買うタイミングを逃し、その後の回復相場にキャッシュを抱えたままで乗り遅れてしまうリスクが発生するからです。

また、インデックス投資の必勝法は入金力(より早く、より多額のお金をリスク資産に投じること)ですから、暴落相場の到来まで資金を残しておくべきではありません。
なぜなら、将来的には必ず暴落相場が到来するものの、今の基準価額が将来の暴落相場の基準価額よりも安いかもしれないからです。

結局のところ、我々インデックス投資家は、事前計画に従って均等額積立買付を淡々と継続することしかできません。
しかし、このことを逆に言えば、事前計画に従った均等額積立買付を継続するという方針さえ堅持できるのであれば、誰でも着実にお金を増やすことができる魔法がインデックス投資であるとも言えます。



Stay your Course


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コメント

以前ニッセイの2回の下方乖離についてたわらさんは言及していましたが、たわら先進国株も下方乖離していたという話を聞きました
https://secrets2mysuccess.net/2020/05/24/hard_to_keep_being_competitive/

こちらには言及されないのですか?

No title

コメントありがとうございます。

新記事でご回答しましたので、ご覧ください。
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たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

●リスク資産(6割)は「たわら先進国株」(楽天証券)とVT(SBI証券)をほぼ50:50でホールド中。
●つみたてNISA(SBI証券)では「たわら先進国株」を年初一括40万円購入。
●楽天カード投資(毎月1日)では「たわら先進国株」を毎月5万円購入(+特定口座で11日と21日に各5万円ずつ積立買付中)。
●SBI証券で「インデックスマラソン」の毎営業日100円投資を実行中。

●無リスク資産(4割)は、個人向け国債変動10(みずほ証券、SMBC日興証券)と楽天銀行(金利0.1%)。

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