スリム先進国株の弱点

広瀬隆雄さんが楽天証券のトウシルで米国ETFに関する連載を開始しました。
https://media.rakuten-sec.net/category/debut-etf

非常に参考になる記事です。
その中に次の記載がありました。


ETFのもう一つの優位性は、米国の投信税制の不利益を受けない点にあります。
いまファンドがその中に組み入れられている銘柄を売却した場合、それが利益になればキャピタルゲイン課税の対象になります。これはインデックスファンドの場合でも例外ではありません。
(でも自分がインデックスファンドを解約するまでは、銘柄は売却しないだろう?)
投資家は、そう考えがちです。
しかし、この理解は正しくありません。自分とは何の関係もない他の投資家が、インデックスファンドを解約して現金を引き出せば、運用会社は解約に応じるためのキャッシュをこしらえるべく、ファンドで保有している株式の一部を売らなければいけないのです。
もし、そのときにキャピタルゲイン(売買差益)が発生したら、売らずにずっとファンドを持ち続けた投資家も、キャピタルゲイン税を払わないといけないのです。つまり、キャピタルゲイン税を払うことは、そのファンドに投資しているメンバー全員の責任になるのです。
https://media.rakuten-sec.net/articles/-/22995?page=4


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簡単に言うと、こういうことです。

あるベビーファンドに10億円の売却注文があったとします。
そのベビーファンドはマザーファンドに10億円の売却注文を出し、マザーファンドは10億円を用意すべく保有銘柄を売却します。
マザーファンドが売却する保有銘柄に含み益があるときは、売却によって含み益は確定利益(値上がり益)となります。そして、その値上がり益(キャピタルゲイン)の何割かが税金として徴収され、マザーファンドから永久に失われてしまいます。
マザーファンドから永久に失われた有価証券取引税相当額のコストは、マザーファンドを構成するベビーファンドに対し、ベビーファンドの純資産額に応じて割り付けられることになります。
そして、マザーファンドの保有株の売却が頻繁になされればなされるほど、マザーファンドは保有株の値上がり益の一部を有価証券取引税として永久に失い続けることになります。



あるファンドがどの程度頻繁に売買されているかについては、運用報告書の「売買高比率」という項目で開示されています。
先進国株インデックスファンド3強の売買高比率を見てみます。


たわら先進国株のマザーファンドは、2927億円の純資産額のうち355億円が売買されました。売買高比率は0.12です。
ニッセイ外国株のマザーファンドは、1239億円の純資産額のうち482億円が売買されました。売買高比率は0.38(たわら先進国株比3.16倍)です。
スリム先進国株のマザーファンドは、3215億円の純資産額のうち3510億円が売買されました。売買高比率は1.09(たわら先進国株比9.08倍)です。


スリム先進国株の売買高比率だけ、明かな異常値を示しています。
それぞれのベビーファンドが負担した有価証券取引税を見てみます。


たわら先進国株 0.004%
ニッセイ外国株 0.019%(たわら先進国株の4.75倍)
スリム先進国株 0.034%(たわら先進国株の8.5倍)


たわら先進国株とスリム先進国株の有価証券取引税の差は0.03%です。
有価証券取引税の負担の差を信託報酬から控除してみます。


たわら先進国株 0.0699%
ニッセイ外国株 0.0849%
スリム先進国株 0.0999%


これまでは有価証券取引税の負担は誤差の範囲内でしたが、信託報酬が0.0999%となったことで見逃せないコスト要因となりました。
なぜなら、0.03%の有価証券取引税の差は、信託報酬0.0999%の実に3割にも及ぶことになるからです。

また、スリム先進国株とたわら先進国株の有価証券取引税の負担の差である0.03%は、VTIやVOOの経費率と同額ですから、無視できるほどの少額ではありません。

これに対し、相互リンク先の河童さんがこのような記事を書いています。

●【続編】スリム先進国株式のマザーファンドはなぜ売買比率が高いのか【追記あり】
https://secrets2mysuccess.net/2019/02/21/why_buy_and_sell_much_more2/
三菱UFJ国際投信主催のブロガーミーティングのQ&Aにて次の質問をしました。
ファンドマネージャーをされている方から頂いた回答です。
・ベビーファンドの純資産総額比です。
・ベビーファンドはマザーファンドに売却時信託財産留保額を入れるようにすることで、相応の負担をしてもらっている。


しかし、有価証券取引税の負担を信託財産留保額によって全て回収できるとは思えません。
常識的に考えれば取り過ぎになるとまずいので、信託財産留保額は控えめな数字にしているのではないかと思われるためです。


そもそも、運用報告書に記載されない隠れコストがあるということを最初に言いだしたのは三菱UFJ国際投信です。
かつてインデックスブロガーのスター選手は、運用報告書を読み込んで実質コストを割り出す記事を読者に提供することで熱烈な支持を得ていました。
しかし、三菱UFJ国際投信の上記発言によって、運用報告書を読み込んで実質コストを割り出すという伝統的なインデックスブロガーの手法は急速に陳腐化し、もはや誰もまともに実質コストを分析して比較しようとはしなくなってしまいました。第一人者のkenzさん(インデックス投資日記@川崎)ですら記事を更新しなくなってしまったくらいです。

しかし、私は思うのです。
三菱UFJ国際投信の上記発言は、スリム先進国株の有価証券取引税の負担が過大であることから我々の目をそらすための巧妙な猫だましだったのではないかと。

我々インデックス投資家は、信託報酬が相対的に高い投資信託を保有していても、その投資信託に含み益があるときには売却をしてより安い同種ファンドに乗り換えることを躊躇します。
なぜなら、値上がり益に課税されることは極めて不利であり、ささいな信託報酬差など簡単に逆転してしまうことをよく理解しているからです。

このような理解からすれば、売買高比率の高低は、インデックスファンドを選択するに際しての重要な判断基準の一つといえるのではないかと考えられます。

三菱UFJ国際投信には、異常なほど高い売買高比率が本当に我々スリム先進国株の顧客に不利益に働かないのかについて、具体的なデータを示して説明してほしいものです。

松井証券のスリム全世界株リバランス積立を全売却し、同日に楽天証券でスリム先進国株を550万円購入したばかり(本日約定)で言うのもなんですが、たわら先進国株で初志貫徹したほうがよかったような気持がしてきました。


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コメント

ダウ

ダウ30種類を現物で持つという案は、タワラ男爵的にはありませんか?

男爵様

拝読いたしました。

もともと男爵様が俵を推していたのは、圧倒的な実質コストの低さと安定運用にあったかと思います。
急激に進んだ信託報酬の引き下げ合戦に置いていかれたことで俵の魅力がなくなったかに見えましたが、今回同率値下げを行なったことで、実質的には最も低コストなファンドに返り咲いたのではないかと思います。
これまでの動きの鈍さを考えると、当分値下げはなさそうではありますが、他のファンドも1/2-1/3といった異次元値下げは困難な状況かと思われますので、「たらわ先進国」が選択肢として再び挙がりそうですね。

意図せずして私の現在の資産はたわらとslimで半々になっていますので、先日男爵様に教えていただいた楽天証券での複数日購入法を応用して「たわら」「slim」を交互に購入する方法で月に8分割購入(カード分は別)というのもアリかとおもっています。

No title

VTIとVTの二者択一でしたら、どちらを選好しますか?

No title

コメントありがとうございます。

>ダウ30種類を現物で持つという案は、タワラ男爵的にはありませんか?

全くありません。

ダウ指数は分散投資とはいえないこと、私は冷静にリバランスする自信がないこと、苦労して現物運用するよりインデックスファンドを買うだけのほうがよいことからです。

>もともと男爵様が俵を推していたのは、圧倒的な実質コストの低さと安定運用にあったかと思います。

そのとおりです。

>急激に進んだ信託報酬の引き下げ合戦に置いていかれたことで俵の魅力がなくなったかに見えましたが、今回同率値下げを行なったことで、実質的には最も低コストなファンドに返り咲いたのではないかと思います。

全く同感です。

>これまでの動きの鈍さを考えると、当分値下げはなさそうではありますが、他のファンドも1/2-1/3といった異次元値下げは困難な状況かと思われますので、「たらわ先進国」が選択肢として再び挙がりそうですね。

全く同感です。
最安値宣言をするだけで、みんな安心して買えるベストバイファンドに復権できることを思うと非常に歯がゆい思いです。

>先日男爵様に教えていただいた楽天証券での複数日購入法を応用して「たわら」「slim」を交互に購入する方法で月に8分割購入(カード分は別)というのもアリかとおもっています。

ほぼ3日に1度の積立てになりますので、毎営業日積立てと実質同じになりますね。

>VTIとVTの二者択一でしたら、どちらを選好しますか?

VTです。
私はアメリカ一点主義は嫌です。

No title

ということは、今後の先進国株のベストバイファンドはたわら先進国になるんですか?
たわら先進国ホルダーは間違いなくガチホがベストでしょうけど…

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

No title

いつも貴重な情報をありがとうございます。

私も男爵様と同じく、楽天でスリム先進国を積み立てています。
私自身とてもショックでしたが、男爵様も本日大きい金額が約定だったとの事で、心中お察しいたします。

月々の積立をスリムからたわらに変更するのは時期尚早でしょうか?
男爵様ご自身が変更される時はブログ更新があると思いますので、期待しながらお待ちしています。

No title

コメントありがとうございます。

>今後の先進国株のベストバイファンドはたわら先進国になるんですか?

まだ何とも言えません。

>いつも参考にさせて頂いております。
お尋ねしたいことがあります。2015年秋より「NISA」口座にて積み立て投資を始め、その後「つみたてNISA」に切り替えました。あと1年ほどで最初の年に購入した投信が5年となり、このまま放っておけば特定口座に移されるかと思います。5年経ったときロールオーバー出来ないので、NISA口座で購入した投信がマイナスになっていると損してしまうため、積み立てを始めてから1番評価額が高くなっている今、購入した投信を売って、その同額を特定口座で購入しても良いものでしょうか?それとも最後までNISA口座に放置しておいた方が良いのでしょうか?

私ならば、そろそろ様子を見て高そうなときに売却します。
これをしなければならないのがしんどいですよね。

そもそも、いつが高そうなときなのかタイミング判断ができないからこそ我々はインデックス投資をしているわけですから、この判断をするのは非常に気が重いです。

>月々の積立をスリムからたわらに変更するのは時期尚早でしょうか?

まだスリム先進国株を買うべきだと思います。
たわら先進国株のやる気が本物かどうか分かりませんし、今後、純資産額が増えていくのかどうかも分からないからです。

男爵の記事を読んで、slim先進国で積み立てている半分を、今後たわら先進国に回すことにしました。

管理画面の項目が増えちゃうのですがさらなる競争を願って…。

やれやれもっとやれー!って言う気持ちで見守っています。

No title

コメントありがとうございます。

>男爵の記事を読んで、slim先進国で積み立てている半分を、今後たわら先進国に回すことにしました。

値下げしたことで積立件数が増えれば、きっと担当者もやる気が出るでしょうね。

毎日興味深く読ませていただいています。

スリム全世界株リバランス積立を全売却し、同日に楽天証券でスリム先進国株を550万円購入したばかりとのことですが、再度同日にたわら先進国株を購入する予定はありますか。
たわら先進国はSBI証券で0.05のポイントが付きその点でも優位ですが、毎日積立や積立NISAの購入について変更されますか。
ポイントは10/1からスリム先進国株と同率になるかもしれませんね。

No title

コメントありがとうございます。

>再度同日にたわら先進国株を購入する予定はありますか。

既にたわら先進国株を大量保有していますので、このままスリム先進国株を保有するつもりです。

>毎日積立や積立NISAの購入について変更されますか。

スリム先進国株のままで行きます。

>ポイントは10/1からスリム先進国株と同率になるかもしれませんね。

たわら先進国株のSBI証券のポイントは確実に0.03%に下がると思います。

No title

お前なあ
あれだけ、Slim先進国株式おしておきながら
何を今更そんなことを話題にしているの?
だから、日本の投資信託は信用できないっていうの。
米国ETFのVTかVOOでも買っておけば、どれがいいだの言う必要もない。
こんなにシンプルで完成度の高いものは世界中どこにもないって
配当課税されても、それは株式を保持している以上当たり前で、関係国のために使われる金なので、決して無駄金ではないし。
お前のぶれぶれおブログを見て気がついた。
日本の投資信託は、お前と同じで心底信用できない。

No title

コメントありがとうございます。

>あれだけ、Slim先進国株式おしておきながら
何を今更そんなことを話題にしているの?

前提事実が変化したわけですから、判断が変わるのは当然です。

>米国ETFのVTかVOOでも買っておけば、どれがいいだの言う必要もない。

それも一つの考えでしょうね。

>配当課税されても、それは株式を保持している以上当たり前で、関係国のために使われる金なので、決して無駄金ではないし。

無駄金そのものだと思います。
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プロフィール

たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

●リスク資産(6割)は「たわら先進国株」(楽天証券)とVT(SBI証券)をほぼ50:50でホールド中。
●つみたてNISA(SBI証券)では「たわら先進国株」を年初一括40万円購入。
●楽天カード投資(毎月1日)では「たわら先進国株」を毎月5万円購入(+特定口座で11日と21日に各5万円ずつ積立買付中)。
●SBI証券で「インデックスマラソン」の毎営業日100円投資を実行中。

●無リスク資産(4割)は、個人向け国債変動10(みずほ証券、SMBC日興証券)と楽天銀行(金利0.1%)。

パソコン版右端の「ブログ記事検索」と「カテゴリ」が便利です。

●「誰でもできる超簡単ほったらかし投資」(カテゴリ「【公開】誰でもできる究極の投資」)はこのブログの全エッセンスを1記事に凝縮したものです。
●カテゴリ「この投資信託がすごい」では、ベストバイファンドの具体名を明示しています。
●カテゴリ「インデックスファンドの基礎知識」を読めば、誰でも簡単に投資信託の必須知識を得ることができます。

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https://twitter.com/tawaradanshaku

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