まず、SBIバンガードVOOが100億円の大台に到達するまで、SBIバンガードVOOに全ての経営資源を注ぎ込むことに集中し、別ファンドを新規設定してはなりません。
楽天バンガードファンドシリーズを見れば分かるとおり、米国株
インデックスファンドがシリーズの核となります。
SBIバンガードVOOが純資産額をしっかりと集め、どっしりとした大黒柱にならなければ、シリーズ化しても雪だるまシリーズのようにコケるだけです。
私は、その一つの目安がSBIバンガードVOOの純資産額が100億円に到達したときであると考えます。
そして、SBIバンガードVOOの純資産額が100億円の大台に到達したとき、SBIバンガードファンドシリーズの第2弾として全世界株ファンドを出すべきです。
楽天バンガードファンドシリーズにも楽天全世界株があります。
その純資産額は266億円です。
楽天全米株の次に奪うならばこれしかありません。
楽天全世界株はVTを買うだけファンドです。
VTのベンチマークはFTSEグローバル・オールキャップ・
インデックスであり、指数の構成銘柄数は8907銘柄です。
VTは
インデックス投資のリーサルウェポンといわれており、そのブランド価値は絶大です。
しかし、楽天全世界株の信託報酬は税抜0.12%であり、これにVTの経費率0.09%が上乗せされます。
SBIバンガードVOOの信託報酬が税抜0.058%であることからすると、税抜0.12%の楽天バンガードファンドシリーズの信託報酬は実に2.07倍に達します。
そこで、全世界株ETFを買うだけファンドを税抜0.058%で出す意味があります。
※雪だるまシリーズのように、信託報酬をファンドごとに変えるべきではありません。顧客が混乱するだけですし、同ブランドとしての一体感が失われてしまいます。
ただ、楽天バンガードファンドシリーズがVTを買うだけファンドを既に出して人気を得ていることを踏まえると、同じVTを買うだけファンドを出すのも新鮮味に欠けます。
また、バンガード社としても、楽天
投信投資顧問にVTを買うだけファンドの運用を許しておきながら、ライバル会社に全く同じETFを買うだけファンドの運用を許すことはしたくないと考えるかもしれません。
そこで、次のようにします。
(1)ベンチマークはVTと同じFTSEグローバル・オールキャップ・
インデックスとする。
(2)投資先の米国ETFは、VTIとVXUSとする。
(3)名称は「SBIバンガード全世界株」とする。これと併せてSBIバンガードVOOも「SBIバンガード米国株」に変更する。
まず、ベンチマークをVTと同じFTSEグローバル・オールキャップ・
インデックスとすることで、つみたてNISA口座で購入することが可能となります。
つぎに、投資先の米国ETFですが、VXUSのベンチマークは「FTSEグローバル・オールキャップ(除く米国)・
インデックス」です。
つまり、VTから米国株を除いたものとなります。
そして、VTIのベンチマークは「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」です。
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスの構成銘柄数は、8907銘柄。
FTSEグローバル・オールキャップ(除く米国)・インデックスの構成銘柄数は、7079銘柄。
CRSP USトータル・マーケット・インデックスの構成銘柄数は、3575銘柄。
このように、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスの米国株は1828銘柄(8907-7079)のはずなのに、CRSP USトータル・マーケット・インデックスの構成銘柄数は3575銘柄であり、およそ2倍の規模(プラス1747銘柄)です。
そのため、VTの構成銘柄数は8228銘柄であるのに対し、VTIの構成銘柄数は3637銘柄、VXUSの構成銘柄数は7074銘柄であり、これらの合計は1万0711銘柄(VTの1.3倍)となります。
VTIとVXUSのほうが、VT単独よりも、米国株により広範に分散投資することができるわけですね。
さらに、VTの経費率は0.09%ですが、VTIの経費率は0.03%、VXUSの経費率は0.09%です。
VTIを54.8%、VXUSを45.2%の配分比で合成すると0.05712%となりますが、これはVTの経費率0.09%の63%となります。
0.03×54.8%=0.01644%
0.09×45.2%=0.04068%
これらを踏まえると、SBIバンガード全世界株の実質信託報酬は、0.058%+0.05712%=0.11512%となります。
楽天全米株の実質信託報酬は0.12%+0.09%=0.21%ですので、SBIバンガード全世界株の実質信託報酬は実にその55%となります。
楽天全米株のほぼ半額のコストで、1.3倍の銘柄数に投資することができるわけですから、絶大な衝撃力があります。
そして、キャッチフレーズを
「
より安く、より広範な分散投資を。インデックスファンドのリーサルウェポンがついに登場。」
とすれば、VTのブランド価値にタダ乗りすることができます。
なお、SBIバンガードVOOの略称を「SBI・バンガード・S&P500」としたのは大失敗だと思います。
こんな言いにくくて覚えにくい略称にすべきではないからです。
SBIバンガード全世界株の登場のどさくさに紛れて、SBIバンガードVOOの略称も「SBIバンガード米国株」にしてしまえば、非常に分かりやすくて親しみやすい感じが出て、よいと思います。
コメント
No title
→その通りでしょうね。
全力で取り組まないと、共倒れになります。
>投資先の米国ETFは、VTIとVXUSとする。
→VT三分の計:VTI+VEA+VWOはいかがでしょう
より安くて、協力な気がします。
ベンチマークが変わってきますか?
2019/09/16 07:22 by URL 編集
No title
>T三分の計:VTI+VEA+VWOはいかがでしょう
VTI
0.03×54.8%=0.01644
VEU
0.05×35.42%=0.01771
VWO
0.12×9.78%=0.011736
0.045886%となり、0.05712%との差は0.011235%となります。
これは1000万円あたり1123円です。
購入するETFを2種類から3種類に増やすと、それだけ余計なリバランスが必要になり、運用会社原因による乖離が出やすくなります。
また、ベンチマークをFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスにするわけですから(つみたてNISA対象ファンドにするために必要です)、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスと無関係な3つの指数をベンチマークとするETFを組み合わせるのは雪だるま全世界株の二の舞になるリスクがあります。
「米国以外はFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに連動するVXUS、米国はより広範に分散するVTIで、より安く、より広範な分散を実現」としたほうが分かりやすいと考えます。
2019/09/16 10:52 by たわら男爵 URL 編集