楽天バンガードにみるSBIバンガードVOOの可能性

楽天バンガードファンドシリーズは、9月13日、第2期運用報告書を開示しました。

第2期運用報告書の開示に際し、楽天投信投資顧問は、次のコメントを出しました。


ちょうど昨年の今頃、投資家の皆様から開示した運用報告書の内容に関して、さまざまなご意見を頂戴いたしました。我々、楽天投信投資顧問としましては、皆様から寄せられたご意見、お声を真摯に受け止め、従前にもまして、投資家の皆様のリターンの最大化に向けて取り組んでまいりました。
まだまだ至らぬ点も多々あるかとは存じますが、今後も企業努力を継続しながら、皆様に長期間にわたって、ご安心して保有していただけるよう取り組んでまいります。
https://community.rakuten-toushin.net/article006/

「投資家の皆様から開示した運用報告書の内容に関して、さまざまなご意見を頂戴いたしました」というのは、実質コストが極めて高かったこと及びそれについて何らの説明をしなかったことを指します。


●楽天バンガードファンドは予想を超える高コストでした
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1033.html
●楽天バンガードが高コストなのはブローカー報酬が高いから
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1034.html#more


批判に驚いた楽天投信投資顧問は、その16日後、緊急レポートを公表しました。

●【追記あり】楽天バンガードが実質コストの緊急レポートを出しました
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1054.html

緊急レポートを出した割りには文章の意味がよく分からず、仕方がないので私が翻訳したところ読者の好評を得たという落ちはあったものの、これにより楽天投信投資顧問は目覚めました。

4半期ごとに経過コストに関する臨時レポートを出し続けたほか、楽天バンガードヘッドという専用サイトを立ち上げるなどの活発な動きを見せ、これまでの姿勢を一変させました。

しかし、SBIバンガードVOOが税込0.1%を下回る驚愕のコストで登場したことで、かたくなに税抜0.12%の信託報酬を引き下げようとしない楽天バンガードはこれから厳しい試練を受けることになるかもしれません。

そこで、今回は、楽天バンガードファンドの第2期運用報告書を見ながら、SBIバンガードVOOの将来を考えてみようと思います。


※よろしければ、次の記事もご覧ください。

●【週末限定】還元率21.2%のリクルートカードで8000ポイントをゲットだぜ
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1471.html

●【歓喜】たわら先進国株、0.0999%に値下げ(10/1~)
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1469.html

●楽天ペイ、全てのリアル店舗で還元率5%(10/1~12/2)。ポイント充当も対象
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1467.html

●ドン・キホーテ、8%オフキャンペーンを実施(9/14~10/1)
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1466.html


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三井住友カード新規作成で還元率20%(1万2000円バック)
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1449.html

「JCB CARD W」の新規作成で還元率25%
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1461.html

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まずは、高コストに沈んだ第1期運用報告書で開示された実質コストです。


●楽天・全世界株式インデックス・ファンド
信託報酬(A)0.1296%
信託報酬を除くコスト(B)0.2724%
米国ETFの経費率(C) 0.1%
実質コスト(A+B+C)0.502%

●楽天・全米株式インデックス・ファンド
信託報酬(A)0.1296%
信託報酬を除くコスト(B)0.1416%
米国ETFの経費率(C)0.04%
実質コスト(A+B+C)0.3112%

●楽天・新興国株式インデックス・ファンド
信託報酬(A)0.1296%
信託報酬を除くコスト(B)0.3312%
米国ETFの経費率(C)0.14%
実質コスト(A+B+C)0.6008%

●楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド
信託報酬(A)0.1296%
信託報酬を除くコスト(B)0.2574%
米国ETFの経費率(C)0.08%
実質コスト(A+B+C)0.467%

●eMAXIS Slim先進国株(参考)
信託報酬(A)0.11772%
信託報酬を除くコスト(B)0.07885%
実質コスト(A+B)0.19657%

●eMAXIS Slim新興国株(参考)
信託報酬(A)0.20412%
信託報酬を除くコスト(B)0.18133%
実質コスト(A+B)0.38545%


つぎに、第2期運用報告書で開示された実質コストです。


●楽天・全世界株式インデックス・ファンド
信託報酬(A)0.1296%
信託報酬を除くコスト(B)0.079%
米国ETFの経費率(C)0.09%
実質コスト(A+B+C)0.2986%

●楽天・全米株式インデックス・ファンド
信託報酬(A)0.1296%
信託報酬を除くコスト(B)0.063%
米国ETFの経費率(C)0.03%
実質コスト(A+B+C)0.2226%

●楽天・新興国株式インデックス・ファンド
信託報酬(A)0.1296%
信託報酬を除くコスト(B)0.194%
米国ETFの経費率(C)0.12%
実質コスト(A+B+C)0.4436%

●楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド
信託報酬(A)0.1296%
信託報酬を除くコスト(B)0.152%
米国ETFの経費率(C)0.06%
実質コスト(A+B+C)0.3416%

●eMAXIS Slim先進国株(参考)
信託報酬(A)0.107892%
信託報酬を除くコスト(B)0.076%
実質コスト(A+B)0.183892%

●eMAXIS Slim新興国株(参考)
信託報酬(A)0.20412%
信託報酬を除くコスト(B)0.177%
実質コスト(A+B)0.38112%

●eMAXIS Slim米国株(参考。SBIバンガードVOOに対抗値下げしたものとして計算)
信託報酬(A)0.09504%
信託報酬を除くコスト(B)0.08139%
実質コスト(A+B)0.17643%


コストを比較してみます。
※コスト:信託報酬を除くコスト、総コスト:信託報酬やETFの経費率を含むトータルコスト

第1期コスト第2期コスト第1期総コスト第2期総コスト
楽天全世界株0.27240.0790.5020.2986
楽天全米株0.14160.0630.31120.2226
楽天新興国株0.33120.1940.60080.4436
楽天高配当株0.25740.1520.4670.3416
スリム先進国株0.07880.0760.19650.1838
スリム新興国株0.18130.1770.38540.3811
スリム米国株0.08130.1764

楽天バンガードファンドシリーズは、第2期運用報告書において第1期運用報告書の汚名を返上し、素晴らしい数字を叩き出しています。
信託報酬を除くコストはスリムシリーズとほぼ同じです。

しかも、スリムシリーズは運用報告書に現れない隠れコストがあるとしているのに対し、楽天バンガードファンドシリーズは全てガラス張りであり、運用報告書に現れない隠れコストはないとしています。
そのため、運用報告書に現れない隠れコストを含めた実際のトータルコスト(ただし、信託報酬を除く)は楽天バンガードファンドのほうが優れている可能性が高いです。


楽天バンガードシリーズの場合、ETFを売買しているファンドですので、1万口あたりの費用明細で開示している内容をそのまま目安としていただいてよろしいかと存じます。この費用明細作成に際しては、コストの実額を用いて計算しておりますので、もちろん、期によって変動はございますし、過去の実績ではございますが、概ね実態に即していると考えております。
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1332.html


しかし、楽天バンガードファンドの信託報酬は税抜0.12%であり、これは米国ETFを買うだけファンドにしては高いです。
投資先の米国ETFが毎年のように経費率を引き下げていることに鑑みると、なおさら楽天投信投資顧問のコスト意識の低さに疑問が浮かんでしまいます。

しかも、最近、SBIバンガードVOOが超低コスト(税抜0.058%)で登場しました。
これは楽天バンガードファンドと同じ米国バンガード社のETFを買うだけファンドですから、なおさら楽天バンガードファンドの信託報酬(税抜0.12%)の高さが際立ってしまいました。

SBIバンガードVOOは、楽天バンガードファンドシリーズとは異なり、14日間の当初募集期間を設定しています。
当初募集期間とは、新規設定日に先立って顧客からお金を集め、ある程度の純資産額が集まったところで新規設定日を迎えるというものです。

投資信託が安定運用と低コストを確保するためには、できるだけ早期に、より多くの純資産額を集めることが極めて重要です。
14日間という当初募集期間は、SBIバンガードVOOの本気で純資産額を取りに来る意思のあらわれであると思われます。

逆に言えば、SBIバンガードVOOが純資産額の当初募集に失敗すればSBIバンガードVOOはその時点で終わってしまうリスクをはらんでいることになります。

楽天全米株は、新規設定後2週間で3億円、1か月で10億円の純資産額を集めました。
SBIバンガードVOOは、楽天全米株の半額以下という激安で新規設定された以上、楽天全米株を上回る勢いで純資産額を集めなければ成功したとはいえません。

与党は、選挙の前に勝敗ラインを明示して選挙に臨みます。
SBIバンガードVOOがインデックスファンド戦国時代の覇者を目指すのであれば、まずは楽天全米株を食って下克上を果たさなければなりません。

14日間の当初募集期間があるわけですから、ここはやはり10億円からのスタートを目指すべきです。
仮に5億円を下回る純資産額しか集めることができなければ、SBIバンガードVOOは雪だるまシリーズと同じ苦難の道を歩むことになるでしょう。

そして、SBIバンガードVOOが10億円の純資産額からスタートすることができれば、純資産額を集めることに成功した楽天バンガードファンドシリーズのコストが第2期運用報告書で激減したことから分かるように、その将来を心配する要素はないと考えます。

【2019.9.14 18:45追記】
スリム米国株の対抗値下げ後の推定信託報酬を間違えていましたので、訂正しました。


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コメント

いつも興味深く読ませていただいております。
ありがとうございます。

本文と直接関係ありませんが本日は投信EXPO 2019に来ています。
個人的な興味で外国税額控除を意識したファンドの設定予定についてインデックス系の運用会社の方に聞いてみました。
各社混み合っている中親切に答えてもらいましたが、設定予定ありの会社はありませんでした。

大和さん:予定していない
Oneさん:(たわらとしては)予定なし、まだ勉強中のような感じ
ピクテさん:iTrustシリーズでは考えて無いが既存ファンドでは対象になるものはある
SBIさん:全体的にそのような検討はしているが制度がまだ定まらないのでもう少し先
※聞いた順、ピクテさんは流れで

既存ファンドだと低コストでインデックスなのにきちんと分配する外貨建資産割合の高いファンドが無いので制度を活かせるものはなさそうですね。
勉強的に対象になりそうなファンドをテストで100円ずつ積立したりはしていますが。

ちなみにSBIさんの隣が三菱UFJさんのブースだったのですが、聞けそうな方がいなくて外国税額控除の件は聞けませんでした。
スリム米国株の値下げはまもなくですか?と聞いたら社内検討中とだけ聞けました。

各社のブースの様子は下記のような感じでした。
※個人的に注目してたとこだけです

三菱UFJさん:NEOメイン、スリム米国株のポスターのみ
SBIさん:アクティブ系メイン、SBIバンガードは会話のみ
Oneさん:たわらシリーズメイン
大和さん:iFree全般、ツミレバ
ピクテさん:iTrustシリーズメイン
日興さん:3倍3文法のみ激推し

このイベントは楽天さんがいないのが残念なところです。
ノベルティは昨年よりは控えめかなくらいの印象ですが、大和さんは今治タオル入りの袋を不特定多数にどんどん配ってましたね。

長々と勝手にすみません。
低コスト戦争で生き残ると思われるまともな資産クラスのファンドを買い続ける考えは変わりませんが、そんな中でインデックス運用を謳っている3倍3文法は売り込み方もうまかったので少し気になってしまいました。

No title

コメントありがとうございます。

>本日は投信EXPO 2019に来ています。個人的な興味で外国税額控除を意識したファンドの設定予定についてインデックス系の運用会社の方に聞いてみました。

情報提供ありがとうございます。
大変参考になりました。

インデックスファンドで配当金を出してしまうと、つみたてNISA口座で不利になります。月額3万3333円の非課税投資枠を超えて特定口座でも投資する人は少数派でしょうから、各社なかなか配当金を出す方向に舵を切ることができないのでしょうね。

>スリム米国株の値下げはまもなくですか?と聞いたら社内検討中とだけ聞けました。

これはいかんですね。

せめて「発表時期は未定ですが、うちは絶対に裏切りません。信じて待っていてください」ってなことを言ってほしかったですね。

>そんな中でインデックス運用を謳っている3倍3文法は売り込み方もうまかったので少し気になってしまいました。

下手なアクティブファンドを買うよりはましだとは思いますが、先物コストはいったいどの程度かかっているのか、どの程度の暴落までならば耐えられるのかの2点について、しっかりとした説明がほしいところです。
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プロフィール

たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

●リスク資産(6割)は「たわら先進国株」(楽天証券)とVT(SBI証券)をほぼ50:50でホールド中。
●つみたてNISA(SBI証券)では「たわら先進国株」を年初一括40万円購入。
●楽天カード投資(毎月1日)では「たわら先進国株」を毎月5万円購入(+特定口座で11日と21日に各5万円ずつ積立買付中)。
●SBI証券で「インデックスマラソン」の毎営業日100円投資を実行中。

●無リスク資産(4割)は、個人向け国債変動10(みずほ証券、SMBC日興証券)と楽天銀行(金利0.1%)。

パソコン版右端の「ブログ記事検索」と「カテゴリ」が便利です。

●「誰でもできる超簡単ほったらかし投資」(カテゴリ「【公開】誰でもできる究極の投資」)はこのブログの全エッセンスを1記事に凝縮したものです。
●カテゴリ「この投資信託がすごい」では、ベストバイファンドの具体名を明示しています。
●カテゴリ「インデックスファンドの基礎知識」を読めば、誰でも簡単に投資信託の必須知識を得ることができます。

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