逆イールド現象が今後の投資に与える影響

8月14日、10年債利回り(満期日まで10年のアメリカ国債の利率)が2年債利回り(満期日まで2年のアメリカ国債の利率)を下回りました(これを「逆イールド現象」といいます)。

これは異常事態であり、景気後退の前兆とされています。
トランプ米大統領は、即座に「CRAZY INVERTED YIELD CURVE! 」とのツイートをしました。


8月20日まで旅行のため、ブログを更新することができません。
次回の更新は20日か21日になります。



※よろしければ、次の記事もご覧ください。

●【大改悪】タイムバンクで全品40%残高バックキャンペーンが開始しました
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1431.html

●【追記あり】JCBのスマホ決済で22%還元キャンペーンが開始(~12/15利用分)
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1430.html

●【追記あり】イオンカード20%還元まで、あと10日
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1429.html

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よく分からないときは、詳しい人の解説を読むのが一番です。

https://diamond.jp/articles/-/212022
https://media.monex.co.jp/articles/-/12174

広瀬隆雄さんは、別の媒体に同じテーマで2本の特別寄稿をしています。
同じテーマであっても別々の媒体に提供するわけですから、違った内容にしなければなりません。
そのため、この2本の記事は片方だけ読んでも今一つよく分からないという残念なことになっていますが、両方読めばよく分かります。

まず、広瀬さんは、逆イールド現象になった理由について、次のように述べます。


「みんなが債券を買うから債券価格が上がる。価格が上がるなら、キャピタルゲイン狙いでどんどん債券を買い上がろう!」そういう値幅取りのメンタリティーに突き動かされて、利回りがどんどん小さくなっているにもかかわらず、高値の債券をさらに買い上がったわけです。
https://diamond.jp/articles/-/212022

つまり、今後の不況による債券価格の上昇(不況になると株価が下がり、資金が債券に逃げるので債券価格が上がる)を見越して債券を買いあさった結果、債券価格が上昇したというわけですね。

※債券価格の上昇とは、予定利回りが下がることを意味します。債券が欲しい人が多ければ、より低い予定利回りでも売れるため、債券の予定利回りは下がっていきます。
例えば、10年後に利息10万円がもえらる元本100万円の債券があったとします。この債券の価値は10年後の満期日には110万円になりますが、今110万円で買う人はいません。なぜなら、10年後に110万円になるものを今110万円で買うと、10年分の運用利益を損することになるからです。
そのため、通常は100万円で売ることになりますが、この債券が欲しい人が多ければ多いほど、「101万円で買うから売ってくれ」とか「いやいや俺は103万円出すから売ってくれ」という人が出てくるので、予定利回りが下がっていきます。つまり、100万円で買った人は10年後に10万円の利息が得られたところ、103万円で買った人は7万円の利息しか得られないので、利回りが下がるわけですね。


つぎに、広瀬さんは、逆イールド現象は短期的には株価を押し上げる要因になると指摘します。


債券に投資していても魅力的な利回りが得られないので、それなら株式へ投資した方が有利だからです。この要因が目先の株式市場を下支えると思います。
https://media.monex.co.jp/articles/-/12174

つまり、債券が買われすぎて値段が上がりすぎると魅力が薄れるため、資金は短期的には債券から株に戻り、それが株価を押し上げていくことになるわけです。

しかし、広瀬さんは、逆イールド現象は長期的には不況をもたらすと指摘します。


銀行は短期で資金を調達し、それを長期で貸出ます。すると調達金利より貸出金利の方が低くなってしまえば、融資を行うインセンティブが失せてしまうのです。
普通、長短金利差が「0」になってからリセッション(景気後退)入りするまでに1年くらいの時間的猶予があります。
https://media.monex.co.jp/articles/-/12174

つまり、逆イールド現象によって銀行が貸し渋る結果、企業活動に必要な資金が先細っていき、やがては景気が後退していくというわけです。

流れを整理します。

(1)逆イールド現象によって債券投資の魅力が薄れる結果、短期的には株式市場にマネーが移り、株価は上昇する。
(2)銀行が貸し渋る結果、企業活動が低調になり、徐々に景気が後退していく。
(3)企業活動の低調さが悪い決算につながって株価が下がっていく。

この予想が正しければ、線香花火が最後に最も輝くように、株価はこれからの数か月で短期的な上昇を目指すことになります。
しかし、数か月後には悪い決算が次々に公表されて株価は徐々に下がっていき、1年後にリセッション(景気後退)になり、株価は更に下がっていくでしょう。

我々インデックス投資家はこれにどのように対処するかですが、実に簡単です。
既に購入済みのリスク資産はストロングホールドし、今までどおりの均等額積立買付を維持継続するだけです。

なぜなら、広瀬さんの予想が当たって株価が下がるかどうかは分かりませんし、広瀬さんの予想どおり株価が下がったとしても、底値で買い直すことは極めて難しいからです。
大抵の人は「これからもっともっと下がるのではないか」と考え、怖くて買い出動に出ることはできません。

我々インデックス投資家は今後の世界経済の成長に伴う株価上昇に賭けたわけですから、株価が短期的に下がったとしても、20年後30年後から振り返れば今の株価は十分な安値といえます。
我々インデックス投資家は、レバレッジを掛けずに現物を保有するだけですから、株価が元に戻れば損はしません。均等額積立買付を維持継続していれば、株価が下がって元に戻るまでの間は安値買いができたことになりますので、むしろその分だけ得をします。

ただし、ストロングホールドをするためには、自身のリスク選好度(ビビらない気持ち)とリスク許容度(客観的に含み損に耐えられる資産状態にあるかどうか)を事前にしっかりと把握しておかなければなりません。
相場が好調だと、「もし含み損になったとしても大丈夫大丈夫」と甘く考えがちです。そのため、リスク選好度とリスク許容度はかなりシビアに分析し、十分な余裕を持たせておくことが重要です。

私が無リスク資産をかなり保有しているのは、自身のリスク選好度を信頼していないからです。
相場が暴落し、多額の含み損を抱えたとき、狼狽売りのささやきから自身を守ってくれるのは無リスク資産の存在です。無リスク資産があるからこそ、相場が暴落しても「バーゲンセールが来たぞ」と喜べる気持ちになれます。

逆イールド現象によって相場の先行きに黄信号が点灯しました。
今は狙っていた銘柄が安くなったことにウキウキして買い増しをするときではなく、自分自身のリスク選好度とリスク許容度をもう一度見直し、シートベルトを締めなおすべきときであると考えます。


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コメント

No title

男爵のポートフォリオって公開されてますか? 無リスク資産のお話で、どれくらいの割合なのかなと気になりましたので、よろしければ教えて下さい。

No title

コメントありがとうございます。

>男爵のポートフォリオって公開されてますか?

右端の肖像絵の下に簡単にまとめてあります。

これまで個別株で運用してきた資産を、今後はインデックス投資に切り替えることを検討していますが、景気の動向が気になって、始めるタイミングに悩んでいます。

たわらさんの記事を読んで、現在の資産を60等分して順次市場に放り込んで行くのが安全でいいのかなと思っています。

ただ、こればっかりは蓋を開けてみないと分からないのでなんとも言えないのですが、景気悪化の兆候が出ているような気がするので、もう少し景況が悪くなったように感じてから、短期の積み立て方が割がいいのではないかとも考えてしまってなかなか前に進めません(笑)

とりとめもない内容ですが、何かご意見いだけると幸いです。

No title

こんにちは。
私もvt買い増しを狙って待機してます。
今度は昨年末より下の60ドル割れで
購入できればいいのですが。

No title

1995年から投資を始めてますが、ITバブル崩壊前や住宅・金融バブル崩壊前も逆イールドなんて誰も心配してませんでした。

歴史に学ぶという観点から衆目監視のイールドカーブですが、現在の歴史的な低金利環境下で逆イールドになったからといって果たして銀行が貸し渋りや貸し剥がしを行うのか、行わないのか、前2回と違って今回はバブルが発生していないので急激な経済崩壊に至らず、仮に起きたとしても短期で浅い景気後退で済むのではないかと堀古英司氏も言っています。

もしここから株のバブルが発生したなら皆が怖がるそれなりの大きさのリセッションが起こるのでしょうが、現状では景気の山谷の起伏は小さそうなので、インデックスのストロングホールドが最適解と思われます。

No title

コメントありがとうございます。

>たわらさんの記事を読んで、現在の資産を60等分して順次市場に放り込んで行くのが安全でいいのかなと思っています。

これが最も心理的抵抗感のない方法ですので、ぜひそうしてください。

>もう少し景況が悪くなったように感じてから、短期の積み立て方が割がいいのではないかとも考えてしまってなかなか前に進めません

これは、底を待っていたら、踏ん切りがつかない間にグングン上昇し、投資できないまま今の値段を超えてしまうというパターンです。

直ちに均等額積立買付を開始すべきだと思います。
どうせ1か月の投資金額は60分の1ですから、来月に今より多少下がっても大したことはありません。

>今度は昨年末より下の60ドル割れで購入できればいいのですが。

均等額積立買付は投資信託で行いつつ、ETFは機会損失を覚悟の上でボーナスタイムを待つやり方も一つの方法だと思います。

ただ、昨年末に記事にしましたが、余剰資金が100として、70ドルで50、65ドルで25、60ドルで25という感じで指値をして買い進めたほうが確実に安値を拾えると思います。

>現在の歴史的な低金利環境下で逆イールドになったからといって果たして銀行が貸し渋りや貸し剥がしを行うのか

逆イールド現象のもとでは銀行は貸すだけ損をしますので、貸し剥がしは別として貸し渋りは発生するのではないかと思います。

ただ、相場がどうなろうと我々はストロングホールドと均等額積立買付を続けるだけですから、そう考えれば気持ちが楽になります。

たわら全世界株式の純資産が悲劇的すぎて泣けてきます。
アセットoneはなにか勝算でもあるのかと思ったらノープランのようで、喜劇的です。

No title

コメントありがとうございます。

>たわら全世界株式の純資産が悲劇的すぎて泣けてきます。

設定日が先月22日ですから、およそ1か月で1億0300万円。

悲しいですね。

>アセットoneはなにか勝算でもあるのかと思ったらノープランのようで、喜劇的です。

スリムオールカントリーの対抗値下げを誘発しただけに終わってしまいました。
せっかくのチャンスだっただけに惜しまれますね。
非公開コメント

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プロフィール

たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

●リスク資産(6割)は、たわら先進国株(楽天証券)とVT(SBI証券)をほぼ50:50でホールド中。
●つみたてNISA(SBI証券)はeMAXIS Slim先進国株を年初一括40万円購入。
●楽天カード投資はeMAXIS Slim先進国株を毎月5万円購入(+特定口座で4万円×4回=毎月16万円の積立買付中)。
●SBI証券で「インデックスマラソン」の毎営業日100円投資を実行中。

●無リスク資産(4割)は、個人向け国債変動10(みずほ証券、大和証券、SMBC日興証券)と楽天銀行(金利0.1%)。

パソコン版右端の「ブログ記事検索」と「カテゴリ」が便利です。

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