この投資信託がすごい(2019年7月、全海外株編)

スリムシリーズが、2019年7月1日、運用報告書を公開したことを受けて、「この投資信託がすごい」シリーズを順次更新します。

このシリーズは、インデックスファンドのうち、私が最高だと考えるものをご紹介するというものです。
それでは、さっそく最優秀全海外株インデックスファンドの発表です。

なお、日本を含む全世界株を「全世界株編」、日本を除く全世界株を「全海外株編」として区別します。


【この投資信託がすごい(目次)】
※順次、最新版に更新していきます。

●先進国株(現物株ファンド)
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1382.html
●先進国株(ETFを買うだけファンドとの比較)
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1179.html
●新興国株(現物株ファンド)
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1383.html
●新興国株(ETFを買うだけファンドとの比較)
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1182.html
●TOPIX
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1192.html
●ダウ
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-615.html#more
●全世界株(含む日本)
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1400.html
●全海外株(除く日本)
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1403.html
●バランスファンド
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-957.html


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http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1402.html

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http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1380.html

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全海外株インデックスファンドへの投資を検討する際、候補となるファンドはスリム全世界株(除く日本)しかありません。
同種ファンドの信託報酬、純資産額、マザーファンドの規模を比較してみます。

インデックスファンドを比較する最も簡単な基準は、信託報酬、純資産額、マザーファンドの規模の3点セットです。

●eMAXIS Slim全世界株(除く日本) 
信託報酬 0.12%
純資産額 69億1100万円(新規設定2018.3.19)
マザーファンドの規模
先進国株 3372億2600万円
新興国株 715億5600万円

野村つみたて外国株投信
信託報酬 0.19%
純資産額 87億3000万円(新規設定2017.10.2)
マザーファンドの規模
先進国株 5664億3500万円
新興国株 366億5800万円

三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンド
信託報酬 0.27%
純資産額 161億5500万円
マザーファンドの規模
先進国株 1742億4500万円
新興国株 44億0100万円


これだけ見ると、スリム全世界株(除く日本)が圧倒的です。

たしかに、野村つみたて外国株投信には先進国株マザーファンドの規模で負け、三井住友DC全海外株には純資産額で負けています。
しかし、スリム全世界株(除く日本)のマザーファンドは3000億円を超えていますので、規模としては十分です。
また、純資産額も多ければ多いに越したことはありませんが、スリム全世界株(除く日本)の純資産額は節目の50億円を超えているため、運用が心配になるほどの低い水準ではありません。

したがって、この2つはスリム全世界株(除く日本)の減点要素とはならず、信託報酬、純資産額、マザーファンドの3点を見るだけで全海外株ファンドがほしければスリム全世界株(除く日本)を選択すればよいと判断できます。

念のため、信託報酬を除く実質コストを比較してみます。

eMAXIS Slim全世界株(除く日本) 0.102%(決算日2019.4.25)
野村つみたて外国株投信 信託報酬 0.04%(決算日2019.5.3)
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンド 0.14%(決算日2018.11.30)

野村つみたて外国株投信がかなり低いですね。
しかし、これを見て野村つみたて外国株投信の運用技術が凄いと即断してはいけません。
なぜなら、同じ指数をベンチマークとするインデックスファンドを運用するのに、スリム全世界株(除く日本)が野村つみたて外国株投信よりも2.55倍ものコストがかかっているのは不自然だからです。

この点について、三菱UFJ国際投信は、スリム先進国株が同種ファンドと比較すると信託報酬を除く実質コストが高い理由について、

(1)ラップ口座の頻繁な売買による売買コストがかかること
(2)市場内取引が多いこと

を挙げたうえで、上記2点については運用報告書上のコストが高くなるだけであり、以下の理由でリターンには悪影響を及ぼさないと説明しています。
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-845.html

(1)ラップ口座の頻繁な売買によるコスト増は、ラップ取引をする都度、信託財産留保額をマザーファンドに入れてもらうことで手当てをしている(運用報告書の上ではコスト増になってしまうが、ラップ取引から信託財産留保額を徴収することでラップ口座以外の顧客に不利益にならないようにしている)
(2)他社は、運用報告書に書かなくてもよい市場外取引が多いだけであり、実際には売買コストはかかっている

そのため、運用報告書上の実質コストだけを比較しただけではベストバイファンドを選定することはできず、1年リターンを比較するしかありません。

●野村つみたて外国株投信
2018.7.20 10732
2019.7.19 10816
騰落率 0.7827%

●スリム全世界株(除く日本)
2018.7.20 10567
2019.7.19 10654
騰落率 0.8233%

両者のリターン差 0.0406%
両者の信託報酬差 0.05184%
信託報酬差-リターン差 0.01124%

スリム全世界株(除く日本)と野村つみたて外国株投信を比較すると、残念ながらリターン差が信託報酬差を下回っており、運用面では野村つみたて外国株投信のほうがが若干ですが優れていることが分かります。
ただ、おそらくその理由は、野村つみたて外国株投信が積立買付専売品だからと思われます。

私の理解では両者には次の違いがあります。

スリム全世界株(除く日本)は、当日の15時まで顧客からの注文を受け付けますが、確定注文額は翌営業日にならないと判明しません。当日中には概算注文額しか分からないことから、マザーファンドに迷惑をかけないように少なめの金額でマザーファンドに発注する必要があります。
その結果としてファンド内には多めのキャッシュが残ることになります。

これに対し、野村つみたて外国株投信は、顧客の注文は前営業日の15時までしか受け付けないことから、当日は確定注文額に基づいてマザーファンドに注文を出すことができます。
その結果としてファンド内に残すキャッシュを少なくすることができます。

●バンガード社は一括投資を明確に推奨している
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1350.html

上記記事でもお伝えしたとおり、ほぼ全てのケースにおいて、即座に投資したほうが余剰資金をキャッシュのままにしておくよりも良いリターンとなります。
そのほかの原因としては、スリム全世界株(除く日本)の新興国マザーファンドの純資産額が短期間に200億円ほど増えていることから、新興国株部分の売買コストが一時的に増加した可能性が考えられます。

さて、全海外株ファンドでナンバーワンとなったスリム全世界株(除く日本)ですが、最近まで個別ファンドを組み合わせて自作したほうが安かったのですが、たわら全世界株に対抗して税抜0.12%に信託報酬を引き下げたことで自作版とほぼ同額になりました。

●eMAXIS Slim全世界株(除く日本) 自作版
信託報酬 税込0.128952%(税抜0.1194%)
※0.0999%×87%=0.086913、0.189%×13%=0.02457、これらの合計額は0.111483


比較してみます。

スリム全世界株(除く日本) 0.12%
自作版 0.111483%
両者の差 0.008517%(1000万円あたり851円)

スリム全世界株(除く日本)は、スリム先進国株とスリム新興国株をバラ買いしたほうが安く済みますが、その差は1000万円あたり851円にすぎませんので、微差といえるでしょう。

もっとも、自作版は、松井証券の自動リバランスサービスを利用すると投信保有ポイントが付きません。
楽天証券の投信保有ポイントは0.048%ですので、ポイントを考慮すると自作版よりもスリム全世界株(除く日本)のほうが安くなります。
また、つみたてNISA口座では売却を伴うリバランスをすることができないため(売却をするとその分だけ非課税投資枠を失うからです)、自作版を選択することができません。

このように考えると、どうしても日本を除く全海外株ファンドがほしければ、自作版ではなくスリム全世界株(除く日本)を保有したほうがよいかもしれません。

※日本を含む全世界株ファンドがどうしても欲しい人は、スリムオールカントリーの日本株のマザーファンドが5億円しかないこと、スリムTOPIXの値下げ余地は大きく、自作版のコストはまだまだ下がる余地があると思われることから、売却を伴うリバランスができないつみたてNISA口座ではスリムオールカントリーを選択するとしても、特定口座では自作版にしたほうがよいと考えます。

しかし、私は、「どうしても日本を除く全海外株ファンドに投資したい」という強いこだわりがない限り、スリム全世界株(除く日本)ではなくスリム先進国株を選択すべきであると考えています。

今回のスリム全世界株(除く日本)の信託報酬の引き下げにより、

13%の新興国株を混ぜるだけで信託報酬が1.42倍になってしまう

という不条理な事態は回避することができます。

しかし、このブログで何度もお伝えしていることですが、全世界株や全海外株は伝統的に人気がありません。
ファンドにとって人気は極めて重要です。なぜなら、人気がなければ純資産額は増えませんし、人気がなければライバルファンドが登場してコスト競争が発生することもないからです。

かなりの数の投信ブロガーがスリムオールカントリーを勧めていますが、このブログを含めて投信ブロガーの言うことを鵜呑みにしてはダメです。
かつてイーマクシスシリーズは、投信ブロガーを対象にアンケートを実施し、その中で最も要望の多かった日本を除く全海外株指数をベンチマークとするイーマクシス全世界株をイーマクシス先進国株と全く同じ信託報酬で新規設定しました。
イーマクシス全世界株の新規設定は2009年7月20日、ちょうど10年前ですが、現在の純資産額は83億円にすぎません。

というわけで、全海外株ファンドのベストバイはスリム全世界株(除く日本)ですが、私はお勧めはしません。
スリムシリーズの中で最も人気があり、最も低コストなスリム先進国株を買うべきであると考えています。


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コメント

割高でも一括?割高でない?

既に数百万円ほど積立していますが、ボーナスその他で余裕資金が200万円くらいあります。

さすがにアメリカの株価は割高な気がするのですが、それでもいま一気に200万円一括で先進国株式を買った方がいいのでしょうか?

気が弱い(高値づかみが嫌)なので、とりあえず現金のままにして、給料から毎月、楽天クレカ決済に積み立ててます。積立NISAは楽天ですでに枠を99%先進国株式に使ってます。

No title

男爵様

いつも詳細なご検討ありがとうございます。
男爵様のおかげでベストバイファンドがわかります。

「米国株式」でもご検討もお願いします。
S&P500とVTI と、違う指数での比較になりそうですが、皆の期待するアセットだと思いますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

No title

コメントありがとうございます。

>気が弱い(高値づかみが嫌)なので、とりあえず現金のままにして、給料から毎月、楽天クレカ決済に積み立ててます。

機会損失は保険料と割り切るしかないと思います。
私も一括投資はできません。

>「米国株式」でもご検討もお願いします。

今のダウをやめて米国株に統一する予定です。もうしばらくお待ちください。
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プロフィール

たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

●リスク資産(6割)は「たわら先進国株」(楽天証券)とVT(SBI証券)をほぼ50:50でホールド中。
●つみたてNISA(SBI証券)では「たわら先進国株」を年初一括40万円購入。
●楽天カード投資(毎月1日)では「たわら先進国株」を毎月5万円購入(+特定口座で11日と21日に各5万円ずつ積立買付中)。
●SBI証券で「インデックスマラソン」の毎営業日100円投資を実行中。

●無リスク資産(4割)は、個人向け国債変動10(みずほ証券、SMBC日興証券)と楽天銀行(金利0.1%)。

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