投資をするなら、そのための教育を受けていなければダメなんです

コメントをいただきました。


つみたて兄さんいいアイデアだと思います。学校現場の20代の教員も関心を示していました。20代のこの人につみたて兄さん(姉さん)でもしてもらおうかと思ったほどです(笑)。
学校現場での投資教育の無関心さは、将来の子供達の金銭教育に悪影響を及ぼすだろうと思います。投資に関するブログを教員が行うのも、非難を浴びそうな昨今ですが、例えば投資ブログ(自分の漠然とした投資の話半分、過去のデータなどの事実を半分)で保護者や子供向けに周知するのは、いかが思いますか?日本でお金に関することは繊細な問題で波風を立てては教育はすぐ潰される状態なので、逆効果(投資などはしてはいけない)になるのではないかと危惧もしております。
また、現場の教員と金融庁がジョイントする策があれば知りたいところです。教員も労働者でNISAもiDeCoも活用してある程度は公開してもいいとは思うのですが、これもあまり大っぴらには言えない現状も何か細く穏便に少しだけ変えてみたいと思ってもいます。
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「投資なんか、おやめなさい」の著者である荻原博子さんは、次のように述べます。

「当たり前ですが、投資にはリスクが付き物であることを忘れてはいけません。昨年発表された金融庁の調査はそれをよく表していました」
「投資をするなら、そのための教育を受けていなければダメなんです」
「今の高齢世代はそれを受けていないので、リスクがあることを理解していない人が多い。大幅な余裕があるならともかく、老後のための大事なお金を危険に晒すのは愚かです」
「右肩上がりならともかく、米中の貿易戦争やブレグジットなど、国際情勢が不安定で株が下がっていますよね。逆にデフレで強いのは現金。デフレ局面では貨幣価値は上がっていますから、今は現金をそのまま持っておくのが最も得なんです」
https://www.dailyshincho.jp/article/2019/06290801/?all=1&page=2

この発言を受けて、週刊新潮は次のように述べます。

人生の最終章を、丁半博打に賭けるワケにはいかないのである。
https://www.dailyshincho.jp/article/2019/06290801/?all=1&page=2


投資にもいろいろありますが、週刊新潮がいう「丁半博打」は投資ではなく「投機」です。
投資と投機の最大の違いは、対象物自体が価値を生み出すものかどうかという点です。

投資対象はそれ自体が価値を生み出すため、ホールドするだけで利益を得ることができます。
しかし、投機対象はそれ自体が価値を生み出さないため、利益を得るためには売買を繰り返す必要があります。
この点について、広辞苑は、投機を「市価の変動を予想して、その差益を得るために行う売買取引」と定義しています。

投資教育を行うのであれば、投資と投機の違いは最初に抑えたいものです。
その上で、株式投資がなぜ「投機」ではなく「投資」なのかを論理的に説明する必要があります。

株式のルーツは東インド会社であると言われています。

東インド会社がつくられた時代は、大航海時代と呼ばれている。オランダやイギリス、そのほかヨーロッパの強国たちが、船で大海を航海して植民地を手に入れていった時代だ。当時は、航海に成功してアジアに無事たどり着き、アジアの香辛料をヨーロッパに持って帰れれば、莫大な利益が得られた。だけど、船をつくるには、巨額のお金が必要だったし、航海の途中で難破したり、海賊に襲われたりと、危険が常につきまとった。せっかく大金をつぎ込んでも、まったく利益にならないかもしれなかったわけだ。
そこで、もし船が災難に遭ったとしても、お金を出した人の一人ひとりの損失をできるだけ小さくできるよう、少数の人がお金を出すのではなく、大勢で出し合おうという考えが出てきた。そのため発明されたのが、株式だったんだ。
https://manabow.com/stock/chapter2/1.html

みんなで少しずつお金を出し合って船を送り出し、帰ってきた船の荷をお金に換えて利益を出し、その利益を使って次はもっと多くの船を送り出し・・・というように、利益を再投資することによって更なる利益を生み出し続ける。これが資本主義の仕組みです。

カール・マルクスは、「資本主義とは資本が無限に自己増殖する価値変動のことである」と定義しましたが、資本主義は利益の再投資によって限りなく自己増殖していくことになります。

そして、資本主義における利益は、労働者を搾取することで獲得されます。

●資本主義において搾取は必要不可欠である
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-54.html

ここで「搾取」とは、労働者から賃金以上の剰余価値を得ることを指します。
労働者は、自身が提供した労務によって資本家が利益を得ても得なくても、一定額の賃金を得ることが保障されます。他方で、労働者は、一定額の賃金保障を受ける代わりに、事業がどれほど成功しても賃金以上の利益を得ることはできません。
これに対し、資本家は、労働者から賃金以上の剰余価値を搾取することができますが、そのためには事業が成功しなければなりません。事業が失敗すれば財産を失います。

資本家のほうが労働者より偉いと言いたいのではなく、単なる役割分担の違いです。
より大きなリスクをとった資本家は、リスクをとらない労働者よりも大きなリターンを得られる可能性があるという整理になります。

話を戻すと、資本主義が労働者を搾取して得られた利益を再投資することで無限に自己増殖するシステムである以上、資本主義を前提とする世界経済は、短期的には上がったり下がったりを繰り返しながら、長期的には右肩上がりに成長していくことになります。

しかも、人口ボーナスが資本主義を後押しします。

1、人口が増える。
2、物やサービスを買う消費者が増える。
3、その需要に対応するために、物やサービスが増える。
4、景気が良くなる。

これを理論的に説明したものが「人口ボーナス論」です。

●世界経済は、あと50年は成長します
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-53.html

世界の生産年齢人口はあと50年ほどは増え続けるため、少なくともその時点までは世界経済も右肩上がりに成長していくことが期待できます。

私は、子供に生々しい金儲けの方法を教えても意味はなく、

ここまでの説明を聞いた人の中には、「世界経済を丸ごと買えば儲かるんじゃないか」と考えた人もいることでしょう。先生もそう思います。
みなさんや先生だけでなく、世界の多くの人も同じように考えたことから、インデックス投資という投資方法が生まれました。インデックスとは指数という意味です。
例えば、世界経済を丸ごと買うためには、アメリカの株を何パーセント、日本の株を何パーセントというように、どの国の株を何パーセントずつ買うのかをあらかじめ決めておく必要があります。また、一口にアメリカの株といってもアメリカには無数の会社があるため、どの会社の株を何パーセントずつ買えばアメリカ全体の株を買ったのと同じことなるのかについてもあらかじめ決めておく必要があります。
それを決める会社を指数提供会社といい、指数提供会社が提供する指数、すなわちインデックスどおりに株を買うことをインデックス投資と呼ぶのです。
先生もお給料の中から毎月決まった金額を取り分けてインデックス投資をしています。みなさんも、大人になってお給料をもらうようになったら銀行に貯金するだけでなく、先生のようにインデックス投資をして世界経済を丸ごと買ってもいいかもしれませんね。

という程度でよいのではないかと考えます。

卒業する直前の最終講義で、このような話をして子供たちを送り出すのも面白いかもしれません。


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コメント

公務員は国民から搾取されていると思いますか?それとも搾取していると思いますか?

No title

いつも参考にさせていただいています。
記事とは関係がない内容ですがクレジットカード関連での質問です。
SPGアメックスというクレジットカードがありますが、たわら男爵様はお持ちでしょうか。(もしくは検討されたことはありますでしょうか)
旅行をする場合にはよさそうに思うのですが、もし他のカードの方が良い等あればご教示いただければと思います。

No title

コメントありがとうございます。

>公務員は国民から搾取されていると思いますか?それとも搾取していると思いますか?

公務員は剰余価値を生み出しませんので、搾取することはできません。

>SPGアメックスというクレジットカードがありますが、たわら男爵様はお持ちでしょうか。(もしくは検討されたことはありますでしょうか)

持っていません。

対象ホテルを利用することが多いのであればメリットがあると思いますが、残念ながら私はホテルをほとんど利用しませんし、小さい子供がいるためホテル特典を活用することもできません。

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

No title

とりあえず、小学校で「イヌが教えるお金持ちになるための知恵」を読ませてみればいいんじゃないかと思います。
この本は、けっこうマイルドな内容なので親や教師の抵抗も受けづらいと思います。
あと、いきなり投資を始めるのはハードルが高いのでヤフオクやメルカリをやらせてネットでの取引と、お金を稼ぐということを体験させてみればいいのではないかと思います。

No title

コメントありがとうございます。

>早速のお返事ありがとうございました。たわら男爵さんのブログ記事はいつも楽しく拝読していて、このように真摯に考えて頂けたこと感謝致します。生々しい話にならないように配慮頂けた記事に感謝しきりです。

参考にしていただけたようで、よかったです。

>正直投資はあまり分かりませんが知的なたわら男爵さんの発想や行動力をブログから感じ取ることが多いのです。これからもぜひたわら男爵さんの思われることをどんどん記事にしてください。楽しみにしています。

過分にお褒めいただき恐縮です。
今後も当ブログをご愛読ください。

>小学校で「イヌが教えるお金持ちになるための知恵」を読ませてみればいいんじゃないかと思います。この本は、けっこうマイルドな内容なので親や教師の抵抗も受けづらいと思います。

本文でははっきりとは書きませんでしたが、私は、教育の場で教師が子供に投資教育をするのは反対する親と決定的に揉める可能性があり、更に社会的にも支持されずに孤立するリスクがあるのではないかと危惧しました。

そのため、卒業直前のどさくさの最終講義で種をまく程度にとどめたほうがよいと考えます。

>あと、いきなり投資を始めるのはハードルが高いのでヤフオクやメルカリをやらせてネットでの取引と、お金を稼ぐということを体験させてみればいいのではないかと思います。

子供が親の目の届かないところで家のものを勝手に売ったら高い確率で学校に苦情が来ると思われます。

親がやるのはよいとしても、教師が踏み込むべきではないと思います。

No title

>資本主義における利益は、労働者を搾取することで獲得されます。

昔は労働者は、労働するしかお金を得る方法が無かった
金融工学の発達により、労働者でも1円から世界経済に投資出来る現代の私達は幸せだ

No title

>更に社会的にも支持されずに孤立するリスクがあるのではないかと危惧しました。

>子供が親の目の届かないところで家のものを勝手に売ったら高い確率で学校に苦情が来ると思われます。

ものすごくマイルドなことを書いたつもりなんですけど、そこまで心配しなければならないのですか。
これではとても学校で投資教育はできそうにないですね。
難しい問題ですね。

No title

コメントありがとうございます。

>労働者でも1円から世界経済に投資出来る現代の私達は幸せだ

そのとおりですね。

労働者は自らの賃金を投資することで、他の労働者の余剰価値を搾取して資本家となることができます。
投資信託を利用すれば、投資の知識が皆無でもプロの平均点のリターンを簡単に得ることができるわけですから、幸せ以外の言葉はありませんね。

>ものすごくマイルドなことを書いたつもりなんですけど、そこまで心配しなければならないのですか。

残念ながら今の教師の立場は非常に弱いです。親はすぐに教育委員会に文句を言いますし、気軽にツイッターで拡散させます。しかも、それをすぐにネットニュースが面白おかしく取り上げるので、大惨事になるわけです。

というわけで、ネットオークションは担任独自の判断でやるとかなり危ないと思います。
やるなら学年単位でやって責任を分散させる必要がありますが、校長はすごく嫌がるでしょうし、そこまで行く前に他の担任の理解が得られない可能性が高いと思います。
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プロフィール

たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

●リスク資産(6割)は「たわら先進国株」(楽天証券)とVT(SBI証券)をほぼ50:50でホールド中。
●つみたてNISA(SBI証券)では「たわら先進国株」を年初一括40万円購入。
●楽天カード投資(毎月1日)では「たわら先進国株」を毎月5万円購入(+特定口座で11日と21日に各5万円ずつ積立買付中)。
●SBI証券で「インデックスマラソン」の毎営業日100円投資を実行中。

●無リスク資産(4割)は、個人向け国債変動10(みずほ証券、SMBC日興証券)と楽天銀行(金利0.1%)。

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